五蘊について　

人類史における大発見はいくつかあるが、釈尊の五蘊の大発見は、人類から苦を解放する偉業である。

この五蘊の発見により、釈尊は解脱することができたのであるから。

ところが日本仏教や中国仏教ではこの五蘊の解釈を誤謬したままで、もうすぐ2000年になろうとする。

もうそろそろ間違えの修正をしてもよいのではなかろうか？

根幹は揺らぐであろうが、釈尊の教えが分からなくても、釈尊の教えを間違って解釈していても、釈尊の教えを使わくても、ヒトを救ってきたという実績が大乗仏教にはある。

そしてもし大乗仏教の中に解脱した人々がいるのならば、それは釈尊と違った手段によるもので、それも大きな発見である。そして、そのメソッドと開発者に対しての正当な評価と称賛があるべきである。

本当に日本・中国仏教の解釈は誤謬なのか？　なぜそういい切れるのか。

では釈尊の発見した五蘊とは？

なぜ五蘊でわかったことを実践するとヒトは解脱できるのか？そのメカニズムとは。

個々の特徴

５つの関係性

縁起との関係性

コラム

どこで解釈を間違えたのか？

なぜヴェーダナを「受」と翻訳したのか？

五蘊の解釈を間違えたことで生れた？大乗仏教　　「般若心経」　色即是空

五蘊の順番　色受想行識　それとも　色識想受行

この世界のすべてのものは、5つの集合体（pancakkhanadha）の1つに属します：

rūpakhandha、vēdanakhandha、saññākhandha、saṅkhārakhandha、viññānakhandha。

Udayavayaは、各自の世界（pancakkhanadha）のものがある原因のためにどのように発生するかを説明します。そして、何が起こっても（Udaya）、それは予期せぬ方法で変化しながら時間とともに成熟し、必然的に消滅します（vaya）。苦しみはaniccaの性質を持つすべてのものに関わっており、この31の領域の世界のすべてにそのaniccaの性質があります。

五蘊pancakkhandha（この世のすべてのもの）のudayavayaを理解することによってaniccaを見ると、「uppāda vayattēna anicca」と表現されます。

コラム

五蘊の順番　　　出典？

意識

意識は心のアンテナです。感覚器官は意識がなければ働きません。何かを見るのに熱中している時には、音がしていても耳に入らないことがあります。これはすべての意識が目に集まっているからです。このアンテナが受け取った外からの刺激は、次のようなプロセスで情報処理されます。

　外からの刺激　

　　↓

　意識（vinnana：ヴィンニャーナ）ただ気づくだけ（生データの受信）。

　　↓

　知覚（sanna：サンニャー）記憶や経験から良し悪しを判断（データのチェック・分類・好悪の判断）。

　　↓

　感覚（vedana：ヴェーダナー）知覚の判断で気持ち良くなったり悪くなったりする。（入力データの識別）。

　　↓

　反応（sankhara：サンカーラ）

ブッダは、心が「モノの印象」「意識」「知覚」「感覚」「反応」という５つのプロセスから成り立っていることを発見しました。

このスピードがあまりにも速いために、人はそのことに気づかず、反応が長時間繰り返されて強化されたとき、はじめて意識の中に現れて気づきます。

私たちは、誰もが、意識、知覚、感覚、反応という心のプロセスの流れの中にあり、それは身体の変化よりもさらに高速で変化しています。これこそが「自分」というものの現実です。単なる流れに過ぎない現象のプロセスであるこの自分という現実を体験し、正しく理解することができたら、「自分」という実体は存在しないという理解が生まれ、苦から抜け出す糸口を見つけることができる、とブッダは悟りました。

サティパッターナ・スッタは、プロセスにすぎないこの自分という現実を体験するための手引書のようなものです。

接触

ここでの接触とは、身体との接触ではなく、心との接触を意味しています。接触の対象物と意識や感覚が結ばれる時、ここでいう接触が起こります。

感覚の秘密の発見

体の感覚は接触がないところには発生しない。

精神（理性）、心（表層と深層意識）、体が接触するところで感覚は生じる。

接触とは外部信号とヒトの五官と意識（顕在と潜在の両方）が接することを指す。

感覚が苦しみへも離脱へのどちらも導くキーポイントである。

感覚とともにいること、感覚を感じている時は智慧である。

感覚を感じていない時は無知である。

潜在意識は常に肉体と接している。例えば寝ていても蚊に刺されたところを掻く。

意識、無意識にかかわらず、感覚は常にある。いのちあるものはすべて感覚がある。

このようにヒトはいくら気を付けていても感覚を常に気づいていることはできず、無意識のうちに感覚がサンカーラの種を作り上げてしまう。

しかし、ということはこの感覚が同時に苦悩を滅ぼす種になる。

これを釈迦は発見された。

では、どうすればいいのか？

１感じ取る知覚力をつける　　鋭敏な感受性と研ぎ澄まされた意識を育む　　　　　　　これによって気づくことができる。

２感覚に対していつも平静でいる。　この平静さは無常を体感し続けることによって得られる。

３サンカーラを作らない。すると古いサンカーラが浮かび上がるが、これもobserveすることで滅びる　　そして表層中層深層意識システムは浄化され、のちに解脱する。

五蘊と縁起説

無意識（中層意識）の領域では

ヒトは無明（とにかく生き続けようとする意思、変化するものを永遠不滅のカタチあるものだと信じて疑わない、分別をしてしまう本能）なので、それによってすべてのものが持っている「お決まりのパターンがアウトプットされる回路（サンカーラ、行）」が作動してしまい、

過去に学習したことを分別して整理したデータを基盤とする無意識（中層意識）が作動する。

無意識に刺激（信号）が流れると、心と体が反応する。

この二つにスイッチが入ると、五官器官と心（マインド）が反応して動作可能状態になる。

この五官器官と心（マインド）に他者（外部と内部）の信号（情報）が接触すると、それは感覚神経の信号として脳に認識される。

次からは意識（表層意識）の領域で

その信号には快・不快・無関心のタグが付加されてデータ保存される。

渇愛や嫌悪のタグの付いたデータはこだわり（執着）を生む

そして執着（固執、決まったカタチ）によって「空から有」へのプロセスが始まる。

このプロセスによってすべてのものが誕生する。

誕生したものは生起と消滅の法則によって死を迎える。

５つの関係性

包含図

　知覚（sanna：サンニャー）記憶や経験から良し悪しを判断（データのチェック・分類・好悪の判断）。

∈　感覚（vedana：ヴェーダナー）知覚の判断で気持ち良くなったり悪くなったりする。（入力データの識別）。

∈　反応（sankhara：サンカーラ）

∈　意識（vinnana：ヴィンニャーナ）ただ気づくだけ（生データの受信）。　　Namaではなくrupaである？

解脱後のブッダの最初の言葉　　Udana (I. 1–3) and the Dhammapada (XI. 8–9/153–154)

夜の終わり、これまでの永劫の過去世を観とおすことができるようになった釈迦

建造者を探すために修行と苦行を重ねてきた。

そしてその建造者がわかり、これでもう新しい家を作る必要がなくなった。

サンカーラから自由になった。

真実こそが神である。

「存在のサイクルの中で無数の誕生を通して

私はこのサイクルの製作者を探していますが何も見つけることなく、ただ走ってきました。

そして何度も何度も、新しい誕生の苦しみに直面しました。

ああ、創造主よ！今、あなたは見られています。

あなたは私のために再び家を建てることはありません。

すべての梁（桁）は壊れています、

家の棟木（梁）は粉砕されています。

心は条件付けの反応から解放されました。

渇望の終わりに達しました。」

—Dhammapada, XI. 8 & 9 (153 & 154)

vedanaに３つのタグの出典は？

vedana-paccaya tanha;　　 感覚の基盤で、渇望と嫌悪が生じます　

Sutta,Samyutta Nikaya, XII (I). 1　Paticca-samuppada

“piyehi vippayogo dukkho, appiyehi sampayogo dukkho”

means “it brings sorrow when a loved one has to depart, and it also brings sorrow to be with a hated person”

(“piya” is same as “pi“, and “apiya” is same as “api“).

感覚　ベーダナとは

風のようなもの　東西南北から清らかに濁って熱く涼しく流れてきては去っていく

旅宿のようなもの　様々な人が一時滞在して去っていく

体の上にあり、生まれては去っていく。

心にも物質にも感覚がある　　　

死体や無生物にも感覚がある　心と受想行識が感覚を感じ取ることができる

感覚なしの気づきでは表面的な浄化にしかならない

潜在意識の浄化には感覚のサティが必要

仏教史の中で五蘊に関心が向かい続けている理由は、ヒトがモノを認識するプロセスを冷静に論理的に実証しながら検証してみると、これが脆弱なメカニズムの複合体であり、これによってできあがるヒトの認識とは曖昧であるばかりか、この認識によってヒトは操られ支配されているということが判明するからです。

また全体性からの視点に立つと、ヒトの認識とは錯覚と誤謬と一面性と表層性というカタチでしか成り立たないことが詳細に証明されるからだと思います。

そしてこのシステムから得られる情報（記号、電気、振動、刺激、信号）をベースにして構成されている「自己意識（自我、わたし）」を緊急事態の非常手段？として意図的に使っている時はいいのですが、この幻のように無常なモノを確固たるモノとして基準の中心に据えるばかりではなく、ついにはこれに依存するに至ってしまっては、「いのち」にとっては危うきものであることを明確にさせるために、歴史の中で何度も何度も繰り返して五蘊が語り続けられているのだ思っています。

この視点から五蘊を研究してみれば、日本の伝統的な理解とパーリ語の解釈の間に違いがあるのかどうか？

また、もしあるならばどのようなところかについて、考察ができると思っています。

鳩摩羅什の訳した「大般若経」の原典と漢字訳、そして玄奘が持ってきたパーリ語の経典、また経典が記述された当時のパーリ語の慣用例とその外国語訳の比較、そして日本仏教の経典とその解釈例を並べないと詳細な考察はできませんが、今回はミャンマーに来て一部だけになりますが、調べてみた概要をまとめてみます。

結果から言うと、各世界でそれぞれの定義のされ方がされている、という普遍的な事実でした。

ミャンマーではミャンマーの、中国では中国の、日本では日本の定義のされ方がされていました。これまでのアカデミズムはどれが本当の定義なのかということに関心が向いてしまい、なぜそれぞれの地域で定義の仕方が違ってきたのかという視点での研究が少ない傾向があります。

大脳皮質の思考回路の特徴とは、ニューロンの物質的構造を使って「分けて」いくことですから、まずは範囲を限定してその中を分析して区分けして共通性を見つけることです。これが大脳皮質のできることでありますが同時に限界でもあります。

私たちはただ一つの真理をみつけようとする大脳皮質の習性から意識的に離脱することもできるので、今回は各地域で（将来的には各時代をも含めて）どのように理解（定義）されているのかに焦点を当てます。　

オリジナルが正しいのではなく、オリジナルにはその空間と時代と状況から生まれざるを得なかった必然性があり、その他の時空間にはオリジナルとは違うTPOだからこそ必要とされた新たな定義が生まれた必然性があるからです。

今回の場合は2500年前に北部インドの異常気象が発生した可能性からオリジナルが生まれた必然性、そしてそれから1000年の間（前漢から唐）に仏教の思想を必要とした中国独自の理由と漢字を使うことによって生じた定義と解釈の変化、そして、だからこそ芽生えた新しい実践方法（禅、密教、浄土教）、また、それを輸入しながらも日本の風土なかで独自に発展していった日本に顕著な環境（山岳、田園、都市）と時間（大化の改新・中世の対大陸的統一性・近代の対欧米的統一性）における五蘊の解釈の変化を常に念頭に置きながら、「五蘊」について考えていきたいと思います。

具体的には、まずは日本での2種類の解釈、次いで中国の一部、最後にミャンマーの一部の順番で見てみます。

そして現在の五蘊の解釈の違いを見つめることで、上記の時空で起こった状況に想いを馳せるのが楽しくなるのかと思います。

日本の伝統的な解釈

Wikipediaでは

色蘊（巴: 梵: rūpa） - すべての物質も含んで言われるようになった。（例：桜そのもの）

受蘊（巴: 梵: vedanā） - 感受作用（例：桜の木をみて「美しい」と感じること）

想蘊（巴: saññā, 梵: saṃjñā） - 表象作用（例：眼をつむって「桜」というイメージを思い浮かべること）

行蘊（巴: saṅkhāra, 梵: saṃskāra） - 意志作用（例：桜の枝を瓶にさしてみようと思い巡らすこと）

識蘊（巴: viññāṇa, 梵: vijñāna） - 認識作用（例：「桜」と認識すること）

「蘊」とは「たくわえ」とか「集まり」の意味です。

五蘊とは、「人間の肉体と精神を５つの集まりに分けて示したもの」らしいです。

色受想行の四蘊に、後からこの認識システムの元である「意識（識蘊）」を加えて五蘊にしたり、

ココロ（精神）作用でありカタチのない受想行識を四蘊として「カタチのある色」と区分けする定義もあるとインターネットではありました。

やはり五蘊という語句と出会うのは般若心経で、という人が多いと思います。

中国と日本では五蘊というと大乗仏教の「般若心経」の文脈の中で理解されることが一般的です。

「照見五蘊皆空、度一切苦厄」これが般若心経の最初の行にあります。

この解釈をインターネットで見てみた一つは、

「観自在菩薩が深般若波羅蜜多を行ずる時、五蘊は皆空なりと照見して、一切の苦厄を度したもう」

「観音さまが深い修行に入られ五蘊は皆空だと悟られたときに一切の苦厄から解放された」という意味で、

「五蘊は皆空なり」と悟ってこそ一切の苦しみから解放されるというものです。

般若心経の主旨が初めに示されている言葉ですが、同時にこれは般若心経の核だと思います。

般若心経では二段目には「空中 無色　無受想行識」とあるように、

空中において色は無であり、受想行識もまた無である、ということを説いています。

「無色」と「無受想行識」をわざわざ区切って分けているのは、両者（色と受想行識）は「別物である」ことを強調するためだと推察します。

「色」rupaにはいつくかの解釈があることが五蘊がわかりにくくなっている原因の一つだと思います。

ヒトが感じている肉体、ヒトの物質的肉体、そして、すべてのカタチある物質的存在の３つには違いがあります。

各個人がもつ特有の感じ方としての肉体、変化し続けている肉体、そして固定化させた物質的肉体です。

「色」のあとの「受・想・行・識」は「ココロ」の作用を意味します。英語で言うメンタルで、「自分」から物質的肉体を取り除いたものです。

日本での一般的な解釈は、「受」は、感覚とか知覚などの感受作用を意味します。暑いとか寒いとか、旨いとかまずいとかの五感による感覚です。

五感からの信号が感覚神経によって中枢神経に至り、そこで分類される感覚です。

「想」は、「受」の感覚を認識システムのプロセスで知覚することです。または情報（刺激）を受けた時に、それが何であるか識別するためには、それぞれの感覚を分別して名前をつけるが必要です。これらは過去の体験から学んで自分の中で作り上げたイメージです。私はこれを「かご」と呼んでいて、脳に流れ入ってきた情報をその特徴から各種のカゴに分別する過程が「想」の領域です。

「行」は、イメージを意思や行動に移行させることです。ココロ（認識システム）の自動的反応や条件反射もここに含まれます。

「識」はヒトの内側や外側にある情報（信号）を自分がわかりやすいように分別して認識し、意識し、時に思考することです。

上の例でいうと、春に土手を歩いている時に風が吹くと「小さなピンクがヒラヒラと降ってくるモノ」を「桜」と認識することです。

日本近代以降の「五蘊」解釈

中村元による「五蘊皆空」の解釈は

「存在するものには五つの構成要素があると見きわめた。しかも、かれ（観世音菩薩）は、これらの構成要素が、その本性からいうと、実体のないものを見とおしたのであった」　　『般若心経・金剛般若経』岩波書店

鈴木大拙は、

「存在するものには五つの構成要素があると見きわめた。しかも、これらの構成要素が、その本性からいうと、実体のないものであると見抜いた」　　　『禅とは何か』

五蘊とはヒトの認識作用から見た視点の話だったはずなのに、昭和（源泉は幕末からの西洋思想を日本語に翻訳し吸収する過程）に入ってから「ヒトの認識の一面性の限界」の問題の話が「モノの実体」の話に変移してしまったようです。

権威のある識者がスポットライトの当て方を変えたことによって、後に続く般若心経の解説者が「すべてのものには実体がない」と解釈してしまっている理由ではないでしょうか？

これは五蘊の解釈がオリジナルに近い小乗的なものから大乗的なものへと変移し、これに近代からの科学的視点とこれに対する反論とコンプレックスが加わることによって必然的に出てきた解釈だと思います。

五蘊が三蔵（経蔵、律蔵、阿含経）以外の経典で、どのような文脈で使われているかご存知の方はご一報いただければ幸いです。検討してみたいと思います。

言葉を変えてもう一度、書くと、

この世から離脱するための方法を発見した釈尊が、それを説明するために、「認識プロセス（ココロの働き）」を５つに分けて、そのメカニズムを明らかにしました。それが五蘊です。

これによって、ヒトの認識作用の限界が明らかにされ、問題点が浮き彫りになり、そこから離脱方法を発見したを説くために分析された語句が「色受想行識」であったのに、近代日本の解釈では般若心経の中に出てくる五蘊を認識作用の対象としての「モノ（色）」は「空」である、と焦点を認識メカニズムの限界（欠点）からモノそのものの本質へと論点を変えることが、抽象度を一つ上げた価値のあるものだと勘違いしたことが、その後の混乱（五蘊の理解）の原因の一つになっているのではないかと思います。

このように拡大解釈して過剰一般化してしまった原因は、漢字への翻訳、前漢から唐時代の中国が必要とした思想、大乗仏教の特徴、科学的客観性の特徴と限界、近代日本のコンプレックスにあると思います。

般若心経では、五蘊との付き合い方には関心がないようです。というのもヒトの勘違いは五蘊というヒトの認識プロセスを実体のある確固たるものとしているからだ、と的確に指摘はしてくれるのですが、ではどうすればそこから離脱できるのかについては説いていません。

ただアタマで以下のように分析しているだけなのが特徴です。

五蘊皆空の意図した意味とは、人のココロによってとらえたものは、表面的な一面性しかないので、これを実体として確固たる基準にするのではなく、全体性の「空」からの視点でとらえることが必要である、と。

というのも、般若心経は最後にはただ呪文（是大神呪、是大明呪、是無上呪、是無等等呪）を唱えているだけです。

なぜ先人たちが認識システムを5つに分ける必要があったのか、すなわち各パートに内在する問題点と解決法、そして、「苦しみ」から離脱する具体的実践方法にも触れていません。

言い換えればそれらを理解したり実践しなくても、アタマで概要をわかっていれば、それだけでカラダの実践なしに「苦しみ」から離脱、すなわち涅槃に至るという思想です。

私は、一つのものを5つに分けた理由は、「ヒトに自己がある」と信じ込んでいる状況（無明・無知　moha）から解放されるためには、このように信じ込んでしまうためのメカニズムとそこから離脱するために、わざわざ5つのパートに分けて説明する必要があったのだと推察しています。

それなのに心経は五蘊のどこに問題がありそれからの離脱法を説かない理由は、心経とはお経と言うよりも呪文として活用するために必要とされているためだと推定しています。

日本の新しい、もしくは近代以前の解釈

「色」は科学的見地から客観的で物質的なモノとしてとらえる前にはどのように体感されていたのでしょうか？

「色」をヒトの肉体、特に五蘊の文脈の中では目、耳、鼻、舌、皮膚の感覚器官とする解釈があります。

また物質をヒトの感覚器官を通して脳でとらえられたモノを「色」とする解釈もあります。

どちらもベースになっているのはヒトの認知メカニズムがとらえたモノ、という視点です。

このように解釈する根拠は、

「般若心経」の冒頭に「観自在菩薩　行深般若波羅蜜多時　照見五蘊皆空」　

（観自在菩薩が深遠な知恵を完成するための実践をされている時、五蘊がすべて「空」であることがわかった）

とあり、五蘊が皆「空」であることを見極めた、と言及しているのですが、この五蘊の5つのパートに共通し、５つをつなげ、５つをセットにすることで成り立つものを考えてみると「ヒトの認識作用」が浮かび上がってきます。すなわち、「信号を一般化する作業」、「認識プロセスのシステム」、「心の働き」です。　

ですから、心経の中の五蘊は客観的なモノの無常について語っているのではない、と言えます。

五蘊とは、色・受・想・行・識の五つの蘊、つまり人間の認識作用というプロセスを５つのパートにあえて分けることによって、認識作用のどこに問題点があるのかを明確にするための方便です。

それなのに、せっかく５つに分けた問題点に対する解決法の解説がないのは残念です。

ですから、上記したように、般若心経は悟るための科学的な分析を伝えるためではなく、簡単に暗唱できる呪文として特化したお経であると考えます。

1つの禅塾では以下のように五蘊を捉えています。

色蘊　 – 　人間の体(眼や耳、皮膚などの感覚器官）と、認識する対象、すなわちモノ

受蘊　 -　 見る、聞く、嗅ぐ、味わう、皮膚感覚などの感覚

想蘊　 -　（「あれはバラだ」とする判断のための）知識

行蘊 　-　 「バラを取りたい」などの気持ち

識蘊　 – 　「きれいなバラだ」と判断する価値基準。

つまり、想蘊とは、「きれいだ、バラだ」という区別判断をするための情報や価値基準。つまり、受蘊で感覚したものを想蘊が同定し、その内容を識蘊が識別・判断し、行蘊が「あれを取りたい」と思う。すなわち、「五蘊」とは、人間の認識作用（見て聞いて・・・判断し、行動する）を意味しているのです。

Cf.中野禅塾の解釈　　　http://nakano-zenjuku.com/?p=109

他の認識学的な解釈　　受想行識とはなにか？

「受想行識」とは、ココロ（マインド）の働き、「知る」過程のメカニズム、認識システム、感覚から行動までの無意識の反応、ココロの条件反射、快・不快を伴う反応回路、思考回路、精神作用と、TPOによって言い方は変わるが、どれも「『わたし』の感じ方と反応」のことではないでしょうか？。

そして受想行識をあえて一文字にするためにココロ（mind）が訳としてはわかりやすいのかと思います。

漢字にすると「心」です。本来はこの心という漢字には内臓器官としての主体感覚を持った象形文字でしたが、近代以降にはこの感覚を持つ人は少なくなりました。この循環器系器官の感覚が絶滅したのではありませんが、神経系器官である脳の認知システムの感覚を多用することになり、主体（プレイヤー）の基準が移行していきました。

マインドの語源はラテン語mIns　に由来し、cormeum（heart）が感情面を指すのに対して、mIns（mind）は頭の中にある思考能力を指します。

現代の日本で一般的に使われている「こころ」とは、英語でいうとマインドのケースが多く、頭の中の能力のことです。紫式部はマインドのことを「からごころ」、ハートのことを「やまとごころ」と呼んでいます。

この章で使われる「心」とはマインドのことを指します。

ここで明らかなことは、釈尊のセットである五蘊の提示を、大乗仏教では「色と心（受想行識）」に分離させて、新たな教説を作り上げていることです。

これでは、釈尊が「ヒトの認識プロセス」をわざわざ5つに分けて、それぞれに対する解決の実践法をないがしろにしています。

例えば、般若心経では、

「心不異空、空不異心、心即是空　空即是心」

受想行識も色と同じ五蘊なので、色と同じく心も「空」と違いはなく、「空」はそのままでココロである、と説いており、色（物質）と心（物質ではないもの）を区分することを前提にして理論を進め、

苦しみから離脱する実践方法については考える余地もありません。

色蘊　釈尊の定義は、ヒトの五感器官（肉体）を通して意識（ココロ）によって認識されたモノで各自が違う

　　　般若心経では、心に対しての「物質」なので、各自による違いはなく普遍的な近代科学の視点

受蘊　ヒトの五感と脳による認知メカニズムの感覚情報

想蘊　ヒトの記憶や一般化する時に使うイメージ、そしてそれをブリコラージュ（寄せ集めて編集）する想像

行蘊　判断や選択、または理由付け。　そしてこれらの回路による反応やココロの条件反射

識蘊　釈尊の定義は、神経学や心理学でいう「観察者」のこと。

　　　アラハンは行蘊とほぼ全部の想蘊を除去した者であるが、この識蘊は持続している。

　　　

般若心経では、学習した経験や知識をベースにして作り上げた思考回路、区分とパターン化で一般化して名前をつける（大脳皮質で）分別して命名する意識による認識システム

　　　

中国の五蘊

日本の江戸時代後期から明治時代にかけて欧州の思想を日本語に置き換える仕事のように、インドや西域やチベットから中国に仏教が伝来した当時に、鳩摩羅什や玄奘がパーリ語の経典を当時の中国人のために漢字に置き換える仕事をしました。

大切なのは当時の中国人に仏教を伝えるためには、当時の中国のベースであった考え方（儒教や道教など）を踏まえないと、当時の人に体験のしたことがない新たな考え方は伝わらないという翻訳の宿命（限界）の問題です。

当時の東アジア大陸人にとって、わかりにくかったのが「空」の概念です。道教の表層には陰陽や☯や「無と有」の概念はありましたが、「空」は理解され難い概念でした。ですから「是」と言う文字を使って、そうは見えないけれど、「本当はね、・・・・」と常識では考えられない考え方だけど深く理解すればね、と強調して翻訳したりするなどして、いろいろな工夫や苦労をしています。

Cf.道教における「玄」の思想は奥義直伝であって一般的ではなかった、と私は推察しています。

この「玄」と「空」の関係性についてご存知な方がいらっしゃればご教示お願いいたします。

ですから「色即是空、空即是色」など論理学的には無理な翻訳をしてまで、後漢時代から唐時代の識字層のプライドを傷つけない配慮をしながら、中国文化にとっては未知の思想である「空」を伝える苦労があったのだと推察しています。

またヒトの認識メカニズムは、錯覚や過去に学習したイメージのブリコラージュや条件反射や無意識による書き換えなどのように脆弱なメカニズムの集合体でしかなく、あまりに表面的で一面的な把握方法なので、ヒトの認識には誤謬が溢れてしまうので、これらを「仮の姿」と呼ぶことにしていました。

例えば十二縁起に見られるように、パーリ語の原典である三蔵（阿含経）には、それぞれの「蘊」が次の「蘊」に不幸の種を撒き続ける連鎖作用があることを分析しています。　しかし漢字に置き換えるということは、それぞれの漢字ができたオリジナルの象形や音波（イントネーションなど）や振動（ヴァイブレーションなど）や文化や対義語やセットの使い回しや自然環境や習慣や歴史の中で付加される複層のイメージも付加されます。

また、インテリが識字することによって無意識の内に大脳皮質の神経を鍛えてしまっており、その鍛えてしまった分析的・相対的・客観的思考回路で文字を把握することによって、その影響を受けてパーリ語を漢字に翻訳されてしまうばかりではなく、この特徴的な思考回路を使って翻訳の文章を構成させてしまいます。

中国の五蘊の解釈は、

色蘊　ヒトの意識によって認識されたモノ

受蘊　ヒトの五感と脳による受信感知メカニズム

想蘊　これまでの経験により学習した一般化する時に必要とされるイメージ

行蘊　判断や選択。または理由付けすることで行われる意思作用

識蘊　区分とパターン化で一般化して名前をつけること

と昆明のある寺に住む僧から説明を受けましたが、

「識」は、解釈が大きく分かれる概念です。

意識、知識、認識、良識、常識、識別、識語、と識を含んだ熟語が多くあるように、いろいろな状況で意味も変化します。

物事の道理を知ること。

道理を分別すること。

文字を陽刻すること。

対象を識別、認識するもの

白川静の識の解釈は

「形声。音符は戠しょく。戠は戈に飾りをつけた形で、標識とするの意味があった。標識によって識別して知ることができるから、識は“しるし、しるす” の意味から、“しる、わかる”の意味となる」『常用字解』

白川静の字形から意味を求めるのも素晴らしい方法だが、意味をどう図形化したのか、その工夫を考えるというアプローチもある。

意味を知るには古典を調べればよい。意味は文脈で判断し理解するものである。

識は古典に次の用例がある。

�@ 文：三爵不識　矧敢多又　　　　訓読：三爵にして識らざれば　矧（いはん）や敢へて多く又せんや

　翻訳：三杯の酒で意識がなくなれば　もっと飲ませることはない――『詩経』小雅・賓之初筵

�A 文：默而識之。　訓読：黙して之を識（しる）す。

　翻訳：口には出さず心に記す――『論語』述而

�@ は物事を見分ける（しる）の意味、古典漢語ではthiək（呉音でシキ、漢音でショク）

�A は心に記す（記憶する）の意味、古典漢語ではtiəg（呉音・漢音でシ）

これらをともに識という視覚記号で再現させてみる。

識は「戠ｼｮｸ（音・イメージ記号）＋言（限定符号）」と解析する。戠の左側は音になっているが、古い字体では音ではない。杙のような標識の図形である。これをイメージ記号とし、戈を限定符号としたのが戠で、武器で目印（標識）を打ちつける情景を設定した図形。この意匠によって戠は「見分けるための目印」というイメージを表す記号になりうる。識は言葉という記号を用いて物事を区別して見分けることを暗示させる。この図形的意匠によって、他と区別して見分ける意味をもつthiəkを表記する。また、「見分ける目印」というコアイメージから、しるしの意味、記す（書き記す）の意味、さらに心に記す意味（これが上記の�A）に展開する。

「しる」の意味には知もあるが、知と識は意味のイメージが違う。知は物事の本質を直観的にしることだが、識は他と違う何かのしるし（特徴）を捉えて、他との違いを区別してしることである。識別という熟語がこの意味をよく伝えている。

モノゴトの中から差異を見つけてそれを強調することが「識」であると推定する。

他の中国の仏教的な解釈

ルーパ（色ー身体、物質的なもの。それも一つではなく土水火風的要素、…でできている。全て変化して流れてゆく。）

ヴェーダナー（受ー苦、楽、不苦不楽。これも身体が物に触れると生まれて消えて行く。受がなければ「生き物」とは言えない。）

サンニャー（想ー概念を生み出すデータの塊。これも増えたり、減ったり、変化しながら消えてゆく）

サンカーラ（行ー身体を動かしたい、話したい、思考したい、もしくは自動的に反応している回路。常に変わって生まれては消えていく。）

ヴィンニャーナ（識ー認識するという機能。触れるものによって識は変化し、生まれ、消えてゆく。）

ミャンマーの五蘊　　pañcakkhandha　　 ခန္ဓာ　

パーリ語文化圏の五蘊の解釈は日本や中国とは明らかに違っている。

パーリ語のPAÑCAKKHANDHA（５つの集まり）が漢字に翻訳されて五蘊となった。

漢字に翻訳された時点とその後の解釈、そして言語化する過程において中国や日本の風土や文化や時代やクセによって意味が変化するのだから解釈が違って当たり前でもある。

ではパーリ語での意味を理解するには、経典の中での使われ方を文脈の中で理解するのが一つのアプローチだ。

ちなみにミャンマー語を母国語にしている瞑想者たちに聞いたところ、パーリ語の仏教詠唱の5％から10％はなんとなく理解できると言っていた。ミャンマー語の中にはパーリ語源の単語は少なくない。

下記の解釈は「律蔵Vinaya-pitaka」と「経蔵sutta-pitaka」と「阿含経: āgama」に因っている。

識蘊（viññāṇa）に関しては、律蔵と経蔵の解釈と阿含経の解釈では意味の違いがある。

例えば、識蘊（viññāṇa）は経蔵の中で34箇所にわたり言及されており、認識システムとして「意識」を拡大解釈している文脈もみられるのに対して、阿含経（十二縁起）では、はじめの気づきとして限定解釈した「意識」としてとらえている。　

ကိစ္စ 色蘊（rūpa）　　　肉体、五感感覚器官、脳、モノ、　　物質 、情報

ဝဒနာ　　　　　　受蘊（ vedanā） 感覚プロセス sensation　　　　　

သညာ 　　　想蘊（saññā） 　知覚作用　perception　

သခၤါရ 　　行蘊（saṅkhāra）反応作用reaction　　入ってくる情報に自動的に反応すること　　

သတိ　　　　　　識蘊（viññāṇa）意識 consciousness　　分別して命名する認識システムの集積

参照　　経蔵Tipiṭaka (Mūla) Suttapiṭaka Khuddakanikāya Paṭisambhidāmaggapāḷi 1. Mahāvaggo

参考　　http://epalitipitaka.appspot.com/

http://www.tipitaka.org/search

参照エッセイ　パーリ語経典入門

ヒトの認識（ココロの働き）は、まずは意識（viññāṇa識蘊）が覚醒していることによって始まる。

すると知覚作用（saññā想蘊）が働くようになるので、かたまりの情報（raw information）は分別されることによって意味のある情報になる。

具体的には、情報が感覚器官を通じて電気化されて信号になる。この神経系器官のプロセスが感覚作用（ vedanā受蘊）と呼ばれる。

そして、まだ一般的ではないが大事なことは、このプロセスの最中に、快・不快の価値付けのあるタグが信号に無意識の内に付加されているばかりではなく、この信号はカラダに記憶されるようになる。ソーマティック・マーカーと呼ばれる「カラダに書き込まれた自動回路」は前頭葉だけではなく、体全体に拡がって記憶されるのではないかと仮説している。理由は内観法を実践している時に現れる痛みをはじめとする様々な感覚が体中から浮かび上がってくるからである。

次に、感覚作用の時に付加されるタグの印に自動反応してしまうのがココロの自動反応作用（saṅkhāra行蘊）である。

この五蘊のプロセスとは、暗闇に意識というスポットライトを当てて、明るくなった範囲だけを分けて区切って名前をつけ終わるとひとまず満足します。そして時に区分したものに共通の法則を見つけて一般化することを好む性質が認識システムにはあります。

五蘊は、なんでも「分ける」ことを仕事としており、この分け続ける行為を通じてこの世を理解（認識）しています。

このようにヒトは五蘊によって自ら（わたし）を自動的に操作されてしまっているので、もし自動的な反応の連続から離脱しようとするのならば、この認識メカニズムが持っている連携の輪（十二縁起）をどこかで途切れさせることが必要となる。

パーリ語における識蘊

識蘊(巴: viññāṇa ヴィニャーナ, 梵: vijñāna ヴィジュニャーナ)とは、認識対象を区別して知覚する大脳皮質の精神作用を言う。

この語viññāṇaは、vi(分析・分割)+ √jJaa(知)の合成語で、対象を分析し分類して認識する作用のことである。釈迦在世当時から、この認識作用に関する研究が行われ、さまざまな論証や考え方が広まっており、それぞれの考え方は互いに批判し合いながら、より精緻な体系を作り上げた。　

また、分析的に認識する「識」ではなく、内観法による直接的に般若(プラジュニャー(prajñña)、パンニャ(pañña))を実践することによって、「識蘊」だけではなく、その外側（上位）を含んだ「この世」を体感することで、悟る（成仏する）ことができる方法である。

五蘊（パンチャッカンダ　　pañca khandha）　　　　The Five Aggregates　　パーリ仏典による

色（ルーパ）　 物質的存在form
	四大 4 elements (mahābhūta)
		↓
		触 contact (phassa)
↓		↑
識（ヴィンニャーナ識consciousness

→
←



←

心所（チェータシカ）
mental factors (cetasika)

精神的要因

受（ヴェダナー）
感情feeling

想（サムジャナ）
知覚perception

行（サンカーラ）
指向作用
 formation

· Form is derived from the Four Great Elements.

· Consciousness arises from other aggregates.

Mental Factors arise from the Contact of　Consciousness and other aggregates.

出典: MN 109 (Thanissaro, 2001)^{[信頼性要検証]} 　　　 Source: MN 109 (Thanissaro, 2001) | diagram details

The Pali Canon's Six Sextets:
	sense bases				→	f e e l i n g	→	c r a v i n g
		"internal" sense organs	<–>	"external" sense objects
↓			↓
↓			contact
↓			↑
	consciousness
1. The six internal sense bases are the eye, ear, nose, tongue, body & mind. 2. The six external sense bases are visible forms, sound, odor, flavors, touch & mental objects. 3. Sense-specific consciousness arises dependent on an internal & an external sense base. 4. Contact is the meeting of an internal sense base, external sense base & consciousness. 5. Feeling is dependent on contact. 6. Craving is dependent on feeling.
Source: MN 148 (Thanissaro, 1998) diagram details

サンスクリット語の

識蘊 (vijñña skandha)

人間の構成要素を五蘊(ごうん)と分析する際には、識蘊(しきうん)としてその一つに数えられる。この識は、色・受・想・行の四つの構成要素の作用を統一する意識作用をいい、六根（眼・耳・鼻・舌・身・意）によって、六境（色・声・香・味・触・法）を認識する働きを総称する。事物を了知・識別する人間の意識に属する。例えば、桜を見てそれが「桜」だと認識すること。

また経典には、識住(vijñña　sthiti)と言われて、「色受想行」の四識住が識の働くよりどころであるとする。この場合、分別意識が、色にかかわり、受にかかわり、想にかかわり、行にかかわりながら、分別的煩悩の生活を人間は展開しているとする。

しかしながらいずれも、人間は「五蘊仮和合」といわれるように、物質的肉体的なものと精神的なものが、仮に和合し結合して形成されたものだと考えられており、固定的に人間という存在がある、とは考えられていない。

十二因縁の識

十二因縁では、無明・行・識・名色・六処・触・受・愛・取・有・生・老死とあるので、行に条件付けられた識である。

論蔵（アビダルマ）での識

アビダルマ(阿毘達磨、abhidharma　　経蔵、律蔵の注釈書である「論蔵」のこと)では、

五位の中で心(しん、心として働く主体)と心所(しんじょ、心の働く作用)と区分するときには、識は心(心王)にあたる。

識には、眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識の六つあり、別のものである。

しかし、識としての物柄(体)は一つであるとする。六識はそれぞれ色・声・香・味・触・法と別の対象をとるから、別々の認識であり、境(きょう、外界の対象)を写し取るようなものと考える。

唯識での識 (vijññāpti)

瑜伽行唯識学派では、「識」とは眼耳鼻舌身意の六識を表す。

そしてその奥に、末那識(まなしき、mano-vijññāṇa)と阿頼耶識(あらやしき、aalaya-vijñña)があるとする。

私の言葉でいうと五識は目耳鼻舌身を「センター」（主体）とし、六識は脳を、七識（マナ識）は循環器系器官を、八識（阿頼耶識）は消化器系器官を主体にしてこの世と交流している。

説一切有部とは異なり、唯識派では識の認識する対象は自識の中にあると考える。したがって、識には、認識するものと認識されるものの二つが内在しているとする。しかも、この八識は識体が別であり、同時に働くことが出来るとする。

「識」とされる前六識（マナ識と阿頼耶識以外）は、事物（すなわち存在として認識される対象物、西洋哲学で言うphenomena現象）と主体、つまり、認識されるものと認識するものとの関係において、認識作用を行うという。

密教の識

密教の場合は、すべてのものの存在に遍在しているものとして、純粋意識のように捉えられた。

脚注・出典

鈴木大拙は『禅と精神分析』（創元社、1960、p103）において、識は直観と解した方が良いと述べている。

釈尊の解釈（教え）とのギャップは大きい。

頼富本宏他「図解雑学　般若心経」ナツメ社 2003年 P76

「律蔵Vinaya-pitaka」と「経蔵sutta-pitaka」に「論蔵abhidharma」　における認識システム

共一切心心所（触、受、想、思、一境性、命根、作意）の七つは、ココロ（mind）に常にはたらいています。仏教哲学ではこの七つが揃うことで「認識」というはたらきが生じます。

何かを見るときは、

瞼を開けた瞬間に、「見たい」というエネルギーがあって、対象に集中して、対象に触れる。対象に触れるとそれを感じる。そして、感じたものを識別します。「見よう」というエネルギーもはたらきますし、そこには命根という、「生きている」というはたらきもあります。

これらはすべて素粒子レベルのはたらきで、「見た」と思う以前の一瞬のはたらきです。

作意manasikāra→一境性（集中）ekaggatā→接触phassa→受vedanā→想saññā→思（意思・動機づけ）cetanā→命根（一瞬の生成と消滅）jîvitindriya

５つの部分からなる肉体(body)とココロ(mind)の集合体

五蘊の５つの中で、起きている時にしか発動しないのは「識蘊」の中の表層意識である「自己」（大脳皮質による認識メカニズム回路）と「観察者」だけで、後の４つは寝ている時でも機能しています。

カラダの内側や外側から神経管を通じて電気となった信号（刺激）は中層意識を覚醒し、この入力された信号に対してスポットライトを当ててしまう機能が中層意識にはあります。いわゆる無意識の内に蚊に刺されたところを掻いたり、深夜に温度が下がってくると布団の中に潜り込むような行為です。意識というスポットライトを対象物に当てることで、認知メカニズムが発動します。

このように意識のお仕事（機能）は、区別するのではなく、まずは「気づく」ということ。

例えば、何かの匂いがしていると感知する段階までが識蘊（viññāṇa khandha）の役割で、その後の匂いの特定は受蘊（ vedanā khandha）と想蘊（saññā khandha）の仕事となります。　

そしてこの「気づく」にも表層から深層に至るまでの段階があり、鍛錬や練習することで、粗大なものからより微細なものに気づくことができるようになります。

次に表層意識がオンになっているということは、随意筋や随意器官や感覚器官の肉体（rūpa khandha色蘊）のスイッチもオンの状態になっているということです。

色蘊（rūpa khandha）とはヒトがこの世を把握する時に、肉体（五感感覚器官、神経管系器官）によって把握される対象物（モノや情報）のことを指します。

ということは、物質はヒトが起きている・いないに関わらず、常に「ある」のですが、色蘊は意識できる（ヒトが起きている）時に存在することになります。

ですから色と色蘊は同じではありません。物質と各自の物質の印象の違いです。

もっと正確に言うと同じ物質であっても色蘊は各自によって異なります。理由は個々の体験や印象や分別の仕方が違うためです。

色（rūpa ）は無常の時間的サイクルが大きく、量子力学レベルまで拡大しないと常時変化していることには気が付かない構造を持つ物が多く、「無常」であることに気が付きにくい。例えば固体は気体や流体に比べると無常であることがわかりにくいように。

それに対して色蘊（rūpa khandha）はその物質への印象なので、体験を重ねるごとに変化はするが、意外な体験をしない限り大きく変わるものではない。だから「受想行識」に比べると、変化は小さいが、常に微細な変化をし続けている「受想行識」と同様に無常であるという本質に変わりはありません。

次にヒトの認知作用、つまりココロ（mind）の働きについてです。

五感の感覚器官は、常時において信号（刺激）を受信しています。常時というのは寝ている時も、ということ

なので、表層意識がいつも気がついているとはかぎりません。　

刺激（情報）はある量に達すると、感覚器官を通じて電気化された信号として、粗大なものからより微細なものまで神経管（脊髄・脳）にやってきます。

これが次の段階の受蘊（ vedanā）で、感覚プロセス sensationのことです。

この感覚プロセスには３つの特徴があります。

１つ目は寝ていても起きていてもこの感覚プロセスは休みなく信号は流れており、それを感じているということです。

例えば寝ている時も、無意識の内に蚊を追い払ったり、刺されたところを掻いたりしています。　　　　　

2つ目はこの感覚プロセスは意識と結びつくことによって、その信号にスポットライトが当たりそこが強調されて強く感覚されるということです。

例えば、ある匂いに意識が奪われている時には、意識が嗅覚との接触（つながり）を優先させるために、他の器官からの情報に意識が気づきにくくなります。耳に入ってくる情報量に変化がなくても、意識のスポットライトが音から匂いに変わると、音の感覚は減少するということです。

また、精緻な意識状態になることで、これまで感知できていなかった信号を感知できるようになります。

普段には気がいていない微細な感覚の領域が日常の感覚の外側に大きく拡がっているという事実です。

３つ目は、感覚には無意識の内に自動的にタグが結びつけられているということです。私が「タグ」と呼んでいるものは、ちょうど洋服に品質表示マークが付いているように、感覚にも快・不快を示すタグが付いているということです。

感覚（ sensation 受蘊vedanā） が肉体に生じる時に、このカラダの感覚の特徴は、それぞれの情報に「快・不快のタグ」が知らないうちに結びつけられ、これが基になって次の段階で感情を生み出している、という事実です。

またこのタグと同時に感覚には身体的なタグも付加されると言われています。

大脳以外の体の細胞にそのタグされた感覚の記憶が保持されるというものです。

（この快・不快のタグと身体的なタグは同一なものなのかどうかについては、私は現在、瞑想や思考や体験を通して確認している最中なので実験結果を積み重ねつづけた後で詳細な説明することにします。

メンタルボディや再生プロセスやnāma gottaという記録や釈尊特有の表現があり、現代科学では解明されていないものも含まれているので、もう少し時間がかかると思います。）

このようなタグがそれぞれの感覚に付加されて保存（記憶）されていること、に普段は気がついていない場合が多いでしょう。

しかし、ココロが安定して平静になり、意識が微細な変化を感じ取れるようになっている時には、この感覚の過程を識蘊の「わたし」（神経学でいう「観察者」）は感じることができます。

「わたし」には

１五蘊の受蘊と行蘊による渇望の影響を受けることで成り立っている、普通の日常生活で使われている「わたし」と、

２五蘊の受蘊と行蘊による影響を受けているが、識蘊だけの「わたし」

の２種類があります。

渇望のない純粋な識蘊だけの「わたし」というのはアラハンだけが持っているとされています。

後の人々は、観察者の「わたし」を持っていますが、普段は五蘊全体で構成される「わたし」に圧倒されているので、存在は小さく、また受蘊と行蘊の影響でいろいろと自動編集されたものを見聞きしてしまいます。

まだ観察者の【わたし】を使う練習ができていない場合や、この能力を獲得（自分のものに）するまでは、

自分の眼球を通じて感覚したものを認識するだけなのですから、

例えば、「わたしがリンゴを見ている」、という状況を、ありのままに正確に言語化してみようとするならば、

【わたし】が目を開けている時に、眼球を通して対象物の情報（周波数）が脳に伝わり、

その感覚を「わたし」はリンゴであると認識している、となります。

このように、認識するプロセスをそのまま（客観的）に、ありのまま（主観的）に表現をすることで、「感覚（ sensation 受蘊vedanā）」の特徴（利点・機能・限界・欠陥・弱点）に気づくことができます。

そして、これが「わたし」に囚われない方法の一つだと思います。

参照エッセイ　　　　

「私の中の4人のプレイヤー」　「脳は可愛がってあげなくっちゃ」　「意識の構造」　　「いのち」

「理性の可能性と限界」　　　「智性の扉を開ける」　　　「人口密度・変動率と意識」

受蘊の次は想蘊です。

想蘊（saññā,）は知覚作用perceptionとして、多くのケースでは意識のある時に活躍するのですが、実は寝ている時も夢を見る時にもこの想蘊の作用は働いています。　

知覚作用とは、新たな情報を過去の経験からつくられた枠組み（カゴ）で区分けすることです。

六処（眼耳鼻舌身意）が対象にしたモノに接する（接触phassaコンタクト）時、この情報（raw information）が個別の情報に区別される働きが自動的に生じます。この区分される過程が想蘊サンニャ（想）です。

たとえば色や形が目に触れると、目がそれを感じた瞬間に、言葉であれこれと考える以前に、認識システムは瞬間的に生の情報を個別の情報に区別しています。スマートフォンのカメラ機能でいうと、顔を自動認識するアプリが想蘊です。

私たちは、興味のある対象にサンニャをつくります。たとえば誰かと話をしている時でも、耳には相手の話し声以外のたくさんの音も入ってきていますが、相手の話に関係のない音は無意識の内に無視しています。心理学でいうカクテルパーティー効果です。つまり無視している音にはサンニャが生まれていません。サンニャが生まれない音は聞こえていません。逆に言うと、サンニャがある音だけが認識されることになります。

サンニャは訓練によって鋭く強くすることができます。一般的にいうと、勉強ができるようになりたい人は、色々と工夫してサンニャの働きを力強くしたり数を増やしたりしています。これが感性の敏感さを鍛え、記憶術となり、イメージ反応の俊敏さや知識量を増やすことになります。これが教育や洗脳のメカニズムです。

私たちの認識システムはいつでも新しいサンニャををつくり続けています。

感覚器官に、全く同一なのものが接触（phassaコンタクトする）することは決してありません。

対象や感覚器官や受蘊やサンニャが常に変化をし続けているからです。だから精密に言うと、同じ音を二回聞くことはないのです。すべては一度かぎりです。けれども似ているものを二度、三度と認識すると、「同じものだ」と錯覚するように脳はプログラミングされています。「妄想・概念」ともいわれる認識システムがはたらいて、勝手にサンニャをつくってしまうためです。このシステムによって、情報（raw information）は能率よく短時間に分別できるので、生産性と利便性のために生命体はこのシステムを長い時間をかけて作りあげてきました。

ただ欠点は過去に学習したサンニャに依存してしまうと、「いま、ここ」には対応できないということです。

概念、知識、記憶などもすべてサンニャーの塊です。私たちが「わたしがいる」などと錯覚する原因となっているいちばんの原因（元凶？）はヴェーダナー（受蘊）という感受作用ですが、この「過去の想」であるサンニャを基準（依存）にしてしまうことが、すべての錯覚の原因になっています。　

例えば、AのマスとBのマスのどちらが濃く見えますか？

答えはご想像の通りです。見た目はAですが実際は・・・。両手で周囲を隠して、AとBだけを比べてみればわかると思います。

ではなぜ、ヒトは頭の中でとらえた感覚（見た目）と実際の目の前の事実とは違ってしまうのでしょうか？

それは大脳皮質で過去に学習したパターンが目の前の事実を補正しているからです。

影と光、碁盤の白黒という過去に学習したサンニャが、AとBの色の濃さを判断しているので、この２つが同じ濃度だと証明できた後でも、まだAの方が濃いとヒトは判断してしまいます。

これは、サンニャによって、無常という目の前の「いま、ここ」が見えなくなってしまうからです。

これほどサンニャの力というのは強いものです。

瞬間瞬間、色々なサンニャが生まれては消え、消えては生まれて、流れ続けていきます。

「いま、ここ」には「何か変わらぬもの」や「わたし」などはありません。

ただただ一時も途絶えることなく生滅をくり返し流れゆくサンニャがあるだけです。

これほどサンニャの力は大きく、ヒトの誤謬は避けられなく、これらの認識を基にして成り立っている「自己」というのは当てにならないものなのです。

私はこのサンニャという枠組（イメージ）を「カゴ」と呼んでいて、例えば乾いた洗濯物を洋服箪笥に入れる時に、洗い物の特徴に合わせてしまう棚が違います。この棚のことを「カゴ」と呼び、これが想蘊の元型です。イメージとも呼ばれますが、これは常に変化するので「幻想」とも言えます。

それなのに、このサンニャを基準にし、これに依存することで、差異化と差別化が起こり、ここから偏見と優先性が生じさせてしまっていることは明確であるのに、このテーマで話し合う機会はあまりありません。

この「カゴ」自体が過去のある限定されたTPOによって作られたものであり、このカゴの使い方（分類法）も昔に学んだやり方をただ機械的に踏襲しているだけなので、過去に作ってしまったクセや善悪や好き嫌いや美醜などの価値観が伴ってしまっています。この価値観とはすべて過去の体験に由来しているもので、目の前の現実とは違いがあることは明らかです。過去の教育や経験によって想蘊（知識）は増大し続け、それらをベースにして生きることは、「いま、ここ」を体感するのではなく、過去の記憶によって縛られれていること、そして操られていることだ、とも言えます。

最後に、行蘊（サンカーラ）です。

ここがパーリ語で五蘊を理解する時の秘密の鍵になっています。

これがブッダをはじめとした先達たちが発見したヒトの認識システムのクセ、そして欠点、もしくは便利さです。

中国、日本ではこれをちゃんと理解せずに五蘊を「メカニズム（機能）」ではなく「単語（カタチ）」として受け入れただけなのではないでしょうか？

小乗仏教（上座部仏教　巴: Theravāda　 theraとは上部、長老のこと）では、五蘊というヒトの陥ってしまう認識のクセを、平静心で見守り続けるという方法で悟りの道（ekāyano maggo）を実践してきました。

しかし、般若心経に象徴される大乗仏教では、五蘊を言葉として理解するだけで、五蘊の機能を使ってこのクセから離脱する方法は実践せずに、ただアタマ（理性・知識・大脳皮質）で理解し、その後は確かに効果的な力を発揮する呪術（条件反射と信仰とイメージトレーニング）で「空」の領域まで飛び越えようとしています。

大乗仏教は、大いなる民衆のためにという「正義」を旗印に持ち出すことで、「空」の実践を言葉（アタマ）による解釈に変えようとしました。

抽象度を一つ上げるという大脳皮質が得意とする戦略です。カラダからアタマへの基準の変移です。正確に言うと「感覚」から「思考」へのパラダイムシフトです。

感覚よりも理性を重んじることで、生産性（合理性、理知性、法則性）というメリットを得ることができましたが、２つの誤謬を産み出してしまっています。

一つは過剰一般化という論理的誤謬です。実際には個々のケースでしか成り立たないことを範囲外には適応しない法則で２つをまとめてしまっているということです。共通性がないところに共通性があると誤解させています。

二つ目は、理念で正しさ（自由、公正、公平、純粋、正義、平和）を産み出して、これに感情を結びつけることで意識のスポットライトを強化させていることです。理性を重視すると、その危うさからヒトは無意識の内にバランスを取ろうとして感情を重視するようになります。こうして自分の正当性を強固なものにして、そこを強調することで、他者の感覚を共有することを省略して、自分の理性を通すことができます。

メリットは理性の尊重ですが、それによって実際に行っていることは他者の立場を踏みにじることでもあります。

この世はすべてが変化し、すべてが違うカタチとして現れるので、本当は一般化することなどできないからです。

これが五蘊をヒトの認識システムの限界としてとらえる視点から、五蘊をモノの本質としてとらえる視点にとらえ直す価値観に変革をもたらす仕掛けのタネです。

このモノの捉え方は中国の「城郭」都市の中で成り立つ官僚的システムが望んだことでした。

ここに時空の必然性があったと推察します。東アジア大陸では前漢から唐の時代には周囲の辺境との間に境界線を引き、内部を統一しなければならない理由があったのでしょう。そのためにも範囲の中（中国）の人民が「空」を体験する毎日を生活の中で実践して続けるのではなく、国（城郭の中で暮らす人）にとっての合理性と生産性を高めることを優先させるためには、呪術の即効性をアピールする必要があったのだと推察します。

歴史を振り返ると、仏教を小乗的解釈に大乗的解釈が加わる時期とは、周囲の異民族を侵略して領土を拡大していく空間的膨張とは重なります。

北部の匈奴や突厥の脅威を軽減させる盟約

西域の張騫・大宛（フェルガナ）・大月氏・安息（パルティア）、高昌国への圧迫や侵略

チベット高原の吐蕃を服属させる

南西部（ベトナム）には遠征軍を送って直轄領にする

東部の高句麗を征服

長期性よりも短期性、深層よりも表層、機能よりもカタチです。

しかしこれでは、仏教がこの世に生じた必然性である、本質的なココロの浄化（救済）にはなりません。

そのために、この世から「自我」を解放する方法を模索し続ける必要性が中国では生じて、その後に独自の方法である禅や密教や浄土教が生じたのだと思います。

閑話休題、行蘊（saṅkhāra）はパーリ語では反応作用reactionと説明されることが多い。各自の意思にかかわらず自動的に反応してしまう回路のことで、ココロmindの中で行われる条件反射（梅干しを見ると唾液が出るという肉体自動反応のココロ版）です。

自動反応は起きている時に、カラダの内やカラダの外の対象物から信号（刺激・情報）に自動的に活発に反応している。しかも寝ている時にも、行蘊は回路として作られているので、例えば夢の中でも機能している。

密度の違う快・不快の新たな経験をすることで、感覚（受蘊vedanā）を上書きしない限りは、過去に学んだ体験から作られた自動反応回路を体内に保存し続ける。このココロの中の条件反射である「反応（reaction行蘊saṅkhāra）」は意識がなくても自動的に機械的に作動している。

例えば、ある言葉に不快のタグがを付けた過去の体験があると、その言葉を聞いただけで、反射的に嫌悪する反応をしてしまうメカニズムを持つ。

条件反射という機会的回路を使うことで瞬間的な動作という決まった結果が出るので、ある特有のTPOにおいてはメリットのある有効なメカニズムである。しかし、物事はいつも同じTPOではないので、このようなインプットとアウトプットを結びつけて固定化させてしまう回路を常設してしまうと、決めつけられた反応というデメリットも多くなる。

自動回路なので、一度できたパターンは新たな上書きをして書き換えをしない限り、インプットがあれば何度でも同じアウトプットになることが繰り返される。

ヒト（生命体を含めたあらゆるモノ）はあらゆる瞬間にも、この自動的に反応してしまうサンカーラの種を植え続けて暮らしている。

たとえば睡眠中の無意識の時にでもある。寝ていても腕に止まった蚊を無意識の内に追い払ったり、刺された場所を掻いたりしているいるのも、サンカーラが反応していることでもあるし、同時に無意識の内に「快・不快のタグ」を付けてしまった感覚がサンカーラ（自動回路）に変化していく。

寝ている時にもサンカーラは作られるが、新しいサンカーラは作られるのは、意識がある時が顕著である。そして五感に臨場感がある意識が活性化している時には、溝の深い回路（サンカーラ）が作られる。

サンカーラを強度で測って３つのレベルに分類してみる。

水面に石を落とした時の水紋、砂浜に書いた落書き、石に彫り込んだ溝の三段階だ。

水紋はすぐに消え、落書きは一日に２回ある潮汐によって消えるが、彫り込んだ溝は自動的に消えることはない。

ではどうすればこの溝が消えていくのか？

多くの人たちがこの問題に立ち向かい、解決にトライしたが、かえってその溝を深くしてしまう失敗を重ねてしまうことも多かった。

ブッダたちのような先人たちはどのような方法をとったのであろうか？

それはただその溝があることに気づき、それをあるがままに平静に見守っているということであった。

ただこれだけである。

あまりにも簡単なことであったので、そんなことで石に彫られた溝が失くなることなどはありえないとして信じることはできず、多くの人がはじめから試そうともしなかったことでもある。

サンカーラの拡大解釈

そこで少し説明を試みる。

溝の生成はどうしてできたのか、という説明はしたので、こんどは視点を変えてみて、この世は溝という型（回路）によって成り立っているという大きな仮説をたててみる。

「カミは細部に宿る　God is in the details」ということわざがある。

このカミをパーリ語に訳せば、ダンマDannma、すなわち宇宙（自然、あの世とこの世）の法則、となる。

ヒトという細部だけではなく、カミというレベルで見てみようという試みである。

ヒトの認識システムという細部に宿っているのが「行蘊」だとすると、この元型は宇宙に存在することになる。

仏教でサンカーラという語句を使う時には、ヒトの行蘊だけではなく、「この世とあの世」にある「自動反応する生成回路」を指すこともある。

行蘊という見えない自動回路を、ヒトの認識システムという限定された枠組みを取り外して、この世のありとあらゆるカタチを産み出して製造している自動回路にしてとらえることだ。

溝という概念をヒトのココロの自動反応作用だけではなく、「空（無）」が溝（押型）によってすべてのカタチが生成したのだ、と飛躍したメタファーで拡張してみる。

カタチのない「あの世」のエネルギーの塊がカタチのある「この世」になったのは、見えない押型によってである、という喩えだ。

「空」は「色」になる。溝という押型こそが「空」から「色」が生まれた作用点であると考えてみる。

この世では「空」が数々の押型によってカタチになり、それによってこの世が成り立っているとする。

これは押型によって物質という空間的カタチになっただけではなく、押型によって時という時間的カタチになる。

押型という自動回路が一つであった時空を時間と空間に分別しているというメタファーである。

過去における意思・行動の結果が、目の前に起こっている現実になる（もしくは強く結びついている）のも、過去の「空」が押型（機械的反応）の作用でカタチとなり、それがここにある現実になっている、という捉え方だ。。

このカタチを作り出す押型が、自動回路のことであり、溝のことであり、機械的自動反応のことであり、サンカーラのことであり、カルマの原因である、と次々に抽象度があげていく。

すると、この自動生成回路を通過しなければ、時間も空間も生まれずに、何事も限定されずにどのようにもなれる状態のまま（「空」）でいられる。

またこのシステムのことを理解していれば、自動生成回路を通過することで時間と空間が生まれ、その中でカタチができたとしても、それに執着しなければならない必然性が減少もしくは消滅する。

またこの世のカタチだけではなく、時間と空間を産み出した溝もいつかは、また消え去っていくモノであることには違いがない。

いかなる溝であっても必ず消滅（崩壊）するのが「この世」だけではなく、「この世」と「あの世」を結んでいるサンカーラの特徴である。

この特徴をただ静かに優しく見守るだけで、サンカーラ（機械的反応）という回路は弱体化し、ついには消滅する、というのは不思議な事である。

何故ならば、「無常」という当たり前の摂理をもって、目の前の色蘊（rūpa）に接すると、それに対する執着心が減少もしくは消滅することになる。それは、カタチに近づいたり離れたりする必然性（快・不快、好き・嫌いのタグ）が減少し、しまいにはなくなっていくことでもあるので、このような状態が続くと、新たな自動回路が生成されなくなる。それで、これまであった古い自動回路も使われることになるのだが、その時に平静な状況でこれを見守る、ということは、快・不快の濃度が薄い、もしくはタグのない感覚が、過去につくった自動回路を上書きするということになる。そうしてこのような体験が何度か繰り返されることによって、自動的に反応していたものが反応しないという体験が上書きされることで、自動反応回路がもう自動ではなくなってしまう。また、「生命体の法則」に則すると、使われないモノは自動的に退化するので、最終的には、回路自体が消滅していく、と推察している。

執着心は、無意識の内に自動的に湧き上がってくる渇愛・嫌悪・無知によって生成される。これは受蘊の感覚に付加される快・不快のタグによってできた信号が想蘊によって区別化され、これを基にして自動回路が生成される。

そこでこの自動回路が作用していることに気づき続けていることとは、「わたし」という価値基準と自動回路が同化している現状から離脱することになる。自動回路を対象として観る、ということは、「わたし」と自動回路は分別しているということなので、２つは同化しておらずに距離をもって付き合うことになり、実はこのような関係になることで、自動回路はもう自動ではなく単なる回路になっているということになる。

自動回路の作用に気づき続けているということはもう無意識の状態ではなく、意識の内に行われていることなので、回路に操られているのではなく、回路の仕組みをただ見守るということになる。回路は残るが、自動回路ではなくなっているのだ。

機械的に操られているのではなく、しがらみから支配されずに、自由でいられるためには、自動回路の存在に気づくことだけで、自動回路から離脱していることになる。

サンカーラを消滅させる方法

具体的に無意識の内に自動的に反応してしまう回路（サンカーラ）を消滅させるには？

１　　思考法を変える方法　　　　　　　　　　　　　SAMMÂ SANKAPPA

２　「いま、ここ」の感覚に意識を向ける方法 　　　　SAMMÂ SATI

３　　内観する方法　　　　　　　　　　　　　　　　SAMMÂ SAMÂDHI

などがありますが、ここでは１番目の思考法の変換と２番めの「気づき」という仏教の伝統について考察してみます。

八聖道もしくは八正道（ARIYA ATTANGIKA MAGGA：　Ariyaは「聖なる」、atthangikaは「八支の」、maggaは「道」）の実践を仏教では説いている。

八とは、１．正見（正しい見解）、２．正思惟（正しい考え方）、３．正語（正しい言葉）、４．正業（正しい行動）、５．正命（正しい仕事）、６．正精進（正しい努力）、７．正念（正しい気づき）、８．正定（正しい精神統一）のことである。

サンカーラを消滅させるには、思考パターンを変えることが有効である。

これは正思惟SAMMÂ SANKAPPA（Sammā は正しい、sankappa は「思考・意向・意図」）の実践である。

ヒトの「思考」を実際に動かしているのは、情報に付加されている「快と不快のタグ」と「過去のイメージというカゴ」と「機械的自動回路」なので、これらは各自の過去に由来する思い込みの反応の流れにすぎないので、五蘊の話をする時には「思考」のことを「妄想」と言い変えた方が理解しやすい場合が多い。

人はいつも何かを考えているが、ほとんどは過去に体験した（主観的な）記憶（感情が付加したもの）で妄想しているだけです。

だから「考えては間違う、そして間違っては考える」という間違いのサイクルの中に居続けることになります。

そこで「では正しく考えよう」と思っても、そもそも何が正しい思考なのかさえよくわからない状況の中にいることになります。

そこで、仏教では、下記の三つの妄想を避け、三つの思考をすることを勧めている。

三つの妄想とは、(1)渇望（kāma sankappa）(2)憎悪（vyāpāda sankappa）(3)害意（vihiṃsā sankappa)です。

kāma sankappa渇望とvyāpāda sankappa憎悪

dosa渇望cravinngとrūga嫌悪 aversion

この２つの類似した関係の違いを知っている方がいらっしゃればご教示お願いいたします。

(1)渇望の妄想。 Kāmaの英訳は sense-desire

Kāmaとは自然にある欲の範囲を越えて執着する欲のことです。

「お腹がすいたから何か買おう」「旅行に行きたいからバイトでもしよう」などと考えるのは自然なことで、別に問題はありません。

しかし「ここまで」という具体的な際限のない欲は危険で、これにこだわりはじめると、これは思考と言うよりも妄想です。

現代の株式会社の基本理念は収益の増大を求める社会集団なので「いくらあっても、あればあるほどいい」ことをベースにしているので、人間は苦しみ続け、苦労を味わっています。ですから、際限のない欲望を求める妄想を避けることが大切です。

このような話をすると、人（脳）は自分にとって都合の良い範囲を限定して、その中で自分のことを相対的に判断する習性があるので

「私には、はじめから強い愛欲の妄想はない、私はそんなに欲も執着もない」という人が都会や先進国には大勢います。

「私にはどうしてもあれがほしい、これでなければダメだなどと執着することはない」と思っている人が多くいる、と自分の身の回りを見て感じるのが常識だと思います。

そして正しいことを言い、実践している人も多くいます。例えば、エコを唱え、地球や人に優しく、利己的な言動に異議を感じ、社会的に公平で正義感のある言動や行動している人たちです。

しかし、これらの「正しさ」や「無欲」の基準が先進国圏や都市生活圏になっているため、日常生活のレベルの基準は後進国や村から見れば信じられないほど高く、クオリティー・ライフに対する執着心は実は根深いものになっています。

必要としている冷房、暖房、清潔、エネルギー、利便性、安全性、福祉、医療の確保を当然とし、そこから生まれてくる正義、純潔、公平、優しさ、公正を当然として生活しています。これらの利便性については「空気」のように感じているので、先・中・後進国の現代都市生活空間の基準が人類史上で異常に高まっていることを実感していることは少ないようです。

ですから、都市生活圏のレベルを維持するために、その生活圏の外にある伝統的価値観や不合理性や保守的対処法や自然をどんどん破壊して、他の生命にも多大な迷惑をかけながら、都市生活習慣を続けながら思考ではエコライフを提言し、自分のことを執着心の少ない善人だと思っているケースもあります。

わかりやすく比較できるのは、地球上にいる70億人の4人に1人が一日の収入が200円以下で年収で7万円もないことです。

Global Rich List 　　http://www.globalrichlist.com/

例えば、このウェブサイトに年収を300万円(25万円/月)を入力すると、

全世界の上位1.82％に属しており、全人類70億人のうち1億2154万1003番目に裕福な人、との表示が出ます。

時給換算すると1時間で1562.5円儲けで、ジンバブエの平均的（大多数はこれ以下ということ）な労働者の場合は同じ1時間で63.97円なので、東京では平均以下であったとしても、後進国と比較した場合は25倍の収入があるということになります。

都市生活圏は欲望によって成り立っている一面もあるので、その中で、欲に流されないことを自覚している人たちの生活は、確かに都市生活圏の枠内では相対的に欲は少ない傾向があります。

しかし、この範囲を拡げるとまた違った結果になります。

「見えない」城壁の中にいるとなかなか気が付けないものですが、欲が少ない生活者も、範囲を拡げてしまうと、大いなる欲を持っていることになります。気がつけていないだけで、執着の妄想とは意外に深くて大きいものです。

(2)憎悪の妄想　　　　vyāpāda の英訳はmalevolence

嫌な気持ちになる暗い思考が憎悪の妄想です。たとえば「私なんか何をやってもダメだ」とクヨクヨ考えることも憎悪の妄想に分類されます。

暗い感情、嫌な気持ちが出てきたら、まずは考えることをストップすることです。憎悪に溢れた暗い心であれこれ考えても、良いアイディアも知恵も浮かびません。ただし怒りや嫌悪にも自然な範囲があります。

たとえば「乱暴運転はやめなさい！」と子供を叱ったりするような、すぐに消える怒りは長期的な憎悪ではないので別に気にする必要はありません。

憎しみ、恨み、後悔、落ち込み、嫉妬、憂鬱などの簡単には消えない感情で長期にわたり妄想することが危険なのです。

なぜ危険なのか？

それは、これらの感情には部分的ではありますが、そのヒトにとっては正しい一面性があるからです。

ですから、その「正義」の一面性だけに執着していると、時には「自分が正しい」ことから人殺しまでしてしまうように憎悪の妄想は実行力があります。例えば戦争のように。

ここに「正義」や「正しさ」の恐ろしさもあります。

憎悪はこのように「正義」の限界を垣間見せてくれる役割もしているので、ただ「憎悪」を排除するだけではなく、もし、憎悪があることに気づいたら排除するのではなく、まずは見守り、次にそこから離脱することです。

達人になると自らが憎悪に近づき「慈悲」の力に守られて憎悪を抱きしめることでそれが霧散して消滅していくという高い経験値が必要な高等技術もあります。

これについては次の害意の妄想で説明します。

(3)害意の妄想vihiṃsāの英訳はHurting　　傷つけるとは、相手側からの視点から見ると、排除されることに関連があります。

この害意の妄想も憎悪ですが、自分にとって邪魔な相手に向ける攻撃的な憎悪です。自分の好ましくない対象を、倒そう、潰そう、消してしまおうとする思考のことです。

これも日常生活でよくあることです。誰でも自分が邪魔されると暴力的になるものです。たとえば、虫など弱い相手であれば「害虫だ」と簡単に殺します。　

時には自分にとって邪魔な人に対しても攻撃をしてしまうこともあります。

攻撃にカテゴライズすると暴力的になるので、自分の行動を正当化させるためには排除という言葉を使うこともあります。

この排除する対象は害虫や人だけではありません、この世の法則や概念そのものにも該当することがあります。

例えば、差別や不平等や抑圧のように。

しかし、例えば「苦」を消してしまおうとしても消えさるものでもないし、「死」を排除しようとしても排除できるものでもない。同じように「戦い」や「いじめ」などのネガティブな思考法をただ排除しようとしても、それは一時的に意識という表舞台から無意識という舞台裏に移動させただけなので、この抑圧されたものは気を抜いた瞬間に今度は反動の力を持ってまた表舞台に戻ってきてしまいます。

ここに２つの問題があります。

排除するとは、気を抜けない社会になるということ。このように目的を達成するために問題物を除去するという思考法は、一時的には求めていた結果になる状況を作り出すので、よりエスカレートして除去していく傾向があります。しかしこの問題物を除去させることで成立している時空間は、一見すると純粋で完璧で清潔で合理的な世界ですが、自然な状態ではないので、常に気を張っておく必要があります。そして、それは気を抜いて自然に任せておくことができないので、高い意識を維持しなければならない生きづらい世の中をつくり出します。

もう一つの問題は反動です。

邪魔者を排除する思考を続けると、長期的にみると以前よりも状況がひどくなってしまうという事実です。

表舞台から裏舞台に移動させることで生じた抑圧力は、気を抜いた瞬間には今度は反動力となり表舞台に戻ってくる、ということはわかってもらえるかと思います。ただ抑圧力とそれに反動する力の量は同じなので問題はないのではないか？という論理的な考え方をする方もいると思います。たしかに力の量に関してはその通りかもしれないのですが、問題は障害物を排除した時空に長くいると生命体はその環境に慣れて適応化してしまい、それが当たり前となることで、使わない機能は肉体とココロの両方のレベルで退化するようにプログラミングされていることです。具体的に言うと、体内の免疫力は低下し、肉体の機能は衰え、ココロの抵抗力がなくなることで、自然の力によって以前の世界に一気に戻る時に、その力に耐えられない肉体、メンタル、思考回路になってしまい、パニックに陥ってしまう可能性が高くなります。これは、以前よりも「いのち」にとっては危険な状況に陥ることになってしまうということです。

ですから、ネガティブなものをただ排除するのではなく、そのネガティブな力を認めながらも、それが暴走しないように付き合う方法を各自が見出して、平静心をもって暮らしていくことが大切です。

次に仏教が奨めている３つの思考です。

(1) 離欲（nekkhamma sankappa)　(2)無瞋恚 (avyāpāda sankappa)　(3)無害（avihimsā sankappa）です。

(1)離欲の思考　freedom from sensual lust　　 an antonym to kāma．

ものへの依存をやめようとする意向です。欲kamaの反意語です。

「ものがありすぎると苦しい（執着するほど価値がない）し、欲から離れた方が心がやすまる。離れる方法はあるかな」と意識すると心が穏やかになっていきます。

(2)無瞋恚の思考　　a（否定）　+　vyāpāda（嫌悪）

憎悪のない、明るい慈しみの思考です。「皆が幸せになってほしいな、どうすれば皆が仲良く平和になるだろうか」と考えます。自分が何かうまくいかない時でも、クヨクヨと落ち込まず、明るく心安らかになる方法を考えます。慈しみを育てると、とても幸せに生きられます。

(3)無害の思考 a（否定）　+vihiṃsā（傷つける）　　　他者を傷つけない

仏教では、自分を害する相手を許すこと、できれば逆に助けてあげることを教えています。私たちはすぐ「相手が悪い」と問題の原因を自分の外側に見ようとしますが、嫌なことをする相手に怒らないで対応できるかどうかは実は自分自身の問題なのです。

外側を「敵」として攻撃するのは無知なやり方です。無害の思考で上手く問題を解決することはすばらしい修行になります。

思考（妄想）を固定化させて放置しているのは危険なことです。固定化された思考を使うというの、実は思考によって操られている状態のことです。支配さてしまっていると言ってもいいでしょう。

例えば、○○主義に陥ったり、ある学問にこだわってその視点だけでこの世を理解しよとすることです。この状態ではココロは全く成長しなくなります。無常（目の前にある現実）を受け入れず、これまでに学習した回路（サンカーラ）に依存して、機械のように自動的に反応するようになってしまっているからです。

このように思考を使うことは危険であることをアタマでわかっていても、多くの人は自分で自分の思考を管理しようとはせずに、逆に思考に管理されます。

自分の思考を管理するとはなにも難しいことではありません。

急に思考法を柔軟にするとか、一面ではなく多面でモノを見るとか、表層だけではなく多層で体験する、といった魔法のような秘術を実践する必要はありません。

ただ、あるがままに「ああ、自分はこんなことを考えている、あんなことも考えている、今は自分の考えなのにそれに操られている」と自分の思考の状態をゆったりと見守るだけでいいのです。それが良いとか悪いとか、ネガティブなものであってもポジティブなものであっても評価をしないで、ただそうなんだ、と見守るだけです。

そして、その時には、呼吸を整え、ゆったりとして落ち着いた心構えでいればいいだけです。

そうすると自分は何者かが見えてきます。自分の思考は、自分の個性であり、人格です。ですから正直に見て下さい。そして「悪いこと、無意味なこと、ろくでもないことを考え続けることをやめる」と決めて実行します。すると離欲と慈しみの思考が育っていきます。

これが正思惟の「道」です。

二番目の「いま、ここ」の感覚に意識を向ける方法とは「正念」のことです。

パーリ語ではSAMMÂ SATI（サンマー・サティ） 　　satiとは気づきのこと

Sati（サティ）は「念、憶念、記憶」と訳されていますが、英訳はawareness、mindfulness。

「正念」とは「正しい気づき」のことです。ココロの汚れが無くすような方向へ「ありのまま」の状態に気づいていくことです。

正念と正定は、解脱のための修行方法だと言われています。「今の瞬間の自分に気づくこと」…これが satiの修行法です。

「自分に気づくだけで悟りまで至れるものだろうか」と思われるかもしれません。

私はまだ悟っていないので、この方法については本来は書くべきではないのですが、これまでの体験で「気づき」というはたらきには実に大きな力をもっていることは実感しています。

お釈迦さまの遺言に『appamāda：不放逸（怠けていない）』という言葉が出てきます出典？が、これは「今の瞬間に気づいている状態（覚醒している状態）を維持する」という意味です。お釈迦さまは最後の最後まで sati の実践に励むことを説かれていました。

同じ言葉でも瞑想者用語と日常生活用語では意味には違いがあるので、瞑想者のいう「怠ける」というのは、過去に学習した想蘊や出来上がった行蘊に依存して生活することも「怠けて」いることになるのだと思います。

Appamāda，[a + pamāda] thoughtfulness，carefulness，conscientiousness，watchfulness，vigilance，earnestness，Pamāda，[cp．Vedic pramāda，pa+mad] carelessness，negligence，indolence，remissness

『四念処経＜しねんじょきょう＞：Satipatthāna sutta』（経蔵の長部経典 22、中部経典 10）は、sati の修行方法について詳しく説いている経典です。

そこには「人間のすべての憂い、悲しみ、悩みを全部なくすため、清らかな心を作るため、解脱するためには sati （気づき）を実践して下さい。涅槃を経験するためには、この道しかありません」と説かれています。

「四念処」の「四」は「身体・感受作用・心・法」の四つで、感覚器官に入る情報を想蘊（サンニャ）を基準にして見るので、妄想したり、推測したりするので煩悩は限りなく生まれでてきます。

そこでそこから離脱するために、

身念処（身念住） - 身体の不浄を観ずる（不浄観）

受念処（受念住） - 一切の受は苦であると観ずる（一切皆苦）

心念処（心念住） - 心の無常を観ずる（諸行無常）

法念処（法念住） - 法の無我（いかなる事象も自分に非ず）を観ずる（諸法無我）

一切皆苦の「苦」はパーリ語でドゥッカ（dukkha）であり、これは日本語の「苦しい」という意味だけではなく、「不満」や「価値がない」といった意味もあります。

阿毘達磨(アビダルマ)文献によれば、苦は「逼悩」の義と定義されていて、「圧迫して（○○に）悩まされる」という意味です。

これらは自分の脳からの視点から見ると、「自分の思い通りにならない」ということです。

次にこれを仏の視点から見ると、「あらゆるものには執着するほどの価値がない」といったニュアンスでしょうか？

この苦には二つの用法がある。

一つは楽や不苦不楽に対する苦であり、他は「一切皆苦」の文脈での苦である。

前者は日常的感覚における苦受であり、これを肉体的な身苦(苦)と精神的な心苦(憂)に分けられることもある。

後者は、楽もそれが壊れる時には苦となり、不苦不楽もすべては無常であって生滅変化を免れえないので、これも苦であるとされ、これを苦苦・壊苦・行苦の三苦という。すなわち、どのような立場にしても、苦ではないものはないわけで、一切皆苦とはこの意であるとされる。

経典には「Sati の実践によってのみ解脱に至れます」と説かれてます。

それほど大きな力を持っているsati を理論的に説明することは私には容易にできません。

方向を指し示すぐらいだけであとは「わび」ることぐらいです。

Sati については理屈で理解しようとするよりも、各自が実際に実践してみることでしか体験できませんし、これこそが各自にとって真に役に立つことだと思います。

アタマで理解したとしてもカラダにとっては意味がないばかりか害になる可能性もあります。

もし「気づき」がなければどんな状態になるのでしょうか？

「聞くこと」を例にしてみると、耳に音が入った瞬間に「気持ちのいい音楽だ」「悲しい思い出がする」などと感情や記憶や固定概念で、瞬間的に気持ちがよくなったり、嫌悪の気分になったりします。

このように「聞くこと」によって煩悩（渇望（欲）・嫌悪（憎悪）・無知）が自動的に無意識の内に生じてしまいます。

音に「怒りなさい」と命令されると怒り、「執着しなさい」と命令されると執着する。これでは、まるで音に操られている奴隷の状態です。これは音だけではなく、「見るもの・音・匂い・味・皮膚感覚・妄想や思考」という六つの感覚器官から入る情報にも同じことで、私たちはこれらに命令され、支配され続けています。これは自分のココロを煩悩に差し出しつづけている状態に陥っているということです。感覚の対象（この場合は音）によって、意識が操られています。

この支配されている状態から離脱するのがsati （気づき）です。自分の「いま、ここ」の感覚に気づくことによって、欲や憎悪の条件反射を止め、これを続けることで、煩悩が生じない状態に移行していきます。

といっても、この瞬間の「音」だけに気づこうとして暮らしていても、好きな音楽が突然に聞こえた時に直ちに惹かれる気持ち（過去の記憶、条件反射、執着）がなくなるわけではありません。

これでいいのです。その時は、この音楽に惹かれているのだな、と自分のココロの状態を察知してあげればいいのです。

Sati を長年、毎日毎日正しく積み重ねていくと、対象への条件反射が減少するので、それにつれて執着は薄れますが、音に対しての自分の感覚はあるので、音を大事にする気持ちは深まります。

私は３ヶ月ほどでsatiの力を実感しています。この練習をしていると、少しずつ六感から入力される情報に束縛されないようになっていくようです。

そして、Sati をちゃんと実行していれば、集中力（サマディ）、智慧（パンニャ）、精進（ワーヤーマ）などが意図せずともついてくると言われています。出典？

Sati の実践は「その時、その時、今の瞬間の自分に気づいていく」という、とても簡単なやり方なので、年齢を問わず、修行を始めてすぐの初心者から実践できます。そして sati を正しくつづけると、その人を浄化して育て上げ、究極の悟りまで運び、解脱するところまで成長させる道だと説かれています。出典？

Sati の道は、涅槃まで進ませる不思議な道です。

これは、何か神秘的な体験を得る道ではありません。

表面のサンカーラが消滅しても深層のサンカーラが浮かび上がってくる理由

目の前に現れるものは過去からのサンカーラによって現出していると仮定すると、サンカーラ（機械的自動反応回路）こそが過去から未来への直線的な時間を産出している源であり、「いま、ここ」ではなく現在（過去と未来にある直線的時間）に生きているかぎりは、サンカーラの中で生きているということになる。

サンカーラにとっては、常にサンカーラが満ちた世界でないと居場所がなくなってしまって存在理由が消失してしまうわけである。

だからこそ、ヴィパッサナー瞑想などで表面上にあるサンカーラが消滅したとしても、サンカーラは直線的な時間の流れを止めないために、奥にある深層のサンカーラを表面に立ち上げさせる必要があるのだと推定する。

そうだとすると、サンカーラが表面に立ち上がらないようになった状態こそが、時間から離脱して、「いま、ここ」の世界に生きているといえると推定する。

十二因縁 Chain of conditioned arising Paticca-samuppāda　　　　　　　出典　阿含経　　

釈尊が菩提樹下で悟ったといわれる真理。十二縁起とも呼ぶ。生老病死という四苦で言い表される我々苦的存在は，無明ではじまり老死で終わる次のような十二種の契機によって成立するとみる因果法則である。

無明(むみよう) 　　ignorance　　　 avijjāパーリ語　　　

→行(ぎよう) 　 reaction 　　　　saṅkhāra

→識(しき) 　consciousness 　 viññāṇa

→名色(みようしき) mind and body nāma-rūpa

→六処 six senses　　 salāyatana 　 ココロ、視、聴、嗅、味、触（脳、目、耳、鼻、舌、皮）

→触(そく) contact 　phassa

→受 sensation 　 　vedanā

→愛 craving & aversion tanhā

→取 attachment upādāna

→有(う) the process of becoming bhava

→生(しよう) birth jāti

→老死。 ageing and death jarā-maranam

典拠　相応部　Evame-tassa kevalassa dukkhakkandhassa samudayo hoti　　Samyutta Nikaya �]�U(1)1

経蔵（巴: Pañca Nikāya）の内の、第3番目の「部」（nikāya）である「相応部」（saṃyutta）に、十二縁起のことが記されている。漢訳仏典における『阿含経』の内の『雑阿含経』に相当する。

参照文献

The gem set in gold Acharya S.N. Goenka

この本の解釈の経典は、Vinaya-pitaka律蔵 　　sutta-pitaka経蔵 （Collection of Discipline）

五蘊が日本の伝統的な解釈とは違うのは、玄奘が翻訳もしくはまとめた時点で、工夫したのか？間違えたのか？もしくは漢字の意味に引っ張られて内容が変化したのであろうか？

カルマと五蘊　　　　KAMMA：業<ごう>

大昔から人間は、「なぜ自分はここに、このようにいるのか」という、存在の成り立ちに対する答えを求めてきました。

この疑問は多くの宗教や哲学を生み出し、

「すべては全能の神に創造されたのだ」

「どんなことも偶然の産物にすぎない」

「全部、過去世で決められた運命だ」

圧倒的な自然から身を守るために宗教を産み出した　フロイト

狩猟を通して死と向き合い、獣と同調することで宗教を産み出した　エリアーデ

また、キリスト教の預定説のように、運命はすでに神によって決定されている、

ヒンズー教の輪廻、

再現して証明できないことは語るべきではないという科学実証主義、

大脳皮質の構造が捉えることができないモノを脳にとって都合の良い創作物としてのカミ、

思考脳そのものがカミ

など様々な答えが語られてきました。

仏教では、モノの成り立ちについて因果法則を説きます。

「ある原因とある条件が揃ったところである結果が現れる、その原因や条件が消えればその結果も消える」

というのが因果法則です。

TPOによってカタチが生まれ、このTPOは常に変化しているので、カタチも次々に生まれそして消えていく、ということです。

仏教ではこの因果法則によって「カタチ」が現れることを業といいます。

「Kamma (業)」には多くの意味があります。その理由は「業」は多層領域にあるものなので、それぞれの多層領域における意味合いがあるからです。

領域において意味合いは異なりますが、共通しているのは「行為」です。

Sk．dhāman=Gr．dh=ma，Sk．nāman=Lat nomen] the doing，deed，work； orig．meaning （see karoti） either building （cp．Lit．kùrti，Opr．kūra to build） or weaving，plaiting （still in mālākamma and latā° “the intertwining of garlands and creepers”； also in kamma-kara possibly orig．employed in weaving，i．e．serving）； cp．Lat．texo，to weave=Sk．takṣan builder，artisan，& Ger．wirken，orig．weben．Grammatically karman has in Pāli almost altogether passed into the --a decl．，the cons．forms for Instr．& Abl．kammā and kammanā Gen．Dat．kammuno，are rare．The Nom．pl．is both kammā and kammāni．

仏教では、身体の行動だけでなくしゃべることや考えることも行為に入ります。

「善因善果、悪因悪果」という言葉で知られるように、良い行為には良い結果が、悪い行為には悪い結果がついてくる法則です。たしかにこのような関係性が強いことは誰もが体験しています。しかし、この世には不条理だと思えることがたくさんあります。正直でまじめな人が病気になったり（ヨブ記）、生まれたばかりの幼児が突然の事故で亡くなるなど、因果関係では理解できないことが多々あります。

こんな時にヒトは「定め、運命、宿命」そして「業」について考える機会になります。

ブッダは、「すべては宿命であって、決められた定めである」という考え方をしていません。

すべてが決められているならば人間が努力する余地はなくなり、こういう考え方は邪見だとしています。出典？

「ではいったいなぜ？」という疑問が起きますが、すべての原因と条件を明確に知ることは、人間には不可能であり、人間には知り尽くすことができず、無理に科学的な論理性で理解しようとすると頭が狂ってしまうようなことが四つある、と説いています。その中の一つがこの「業」です。　　出典？

Cf.

業（運命・輪廻）、

生きること（いのち・カミ）

智慧（気づいていること）

悟り（わたしと私たちの間）のメカニズム 確認が必要！

これらの４つの共通点は、「時空の範囲が無い」領域の話、すなわちヒトの認識システム（意識、脳のニューロン）の領域の外の世界を含むので、言葉で定義することもできないので、当然ながら論理的因果関係が成り立たない世界であるということです。

一言でいうと、頭が狂ってしまう４つの共通点は「仏」や「カミ」の世界の話です。脳を使った認識システムでは、全体のほんの一面しか表現することができない領域で、これについて語り合うと「象を触る盲人」のように各自が実際に感覚した正しいことでありながら、互いには違う見解の話になってしまうので、混乱を招くことになります。

この世で見られる論理的因果関係とは、時空ともに仮の範囲を決めることで、その中には因果関係があるように見えるので、「幻」の話をあえて続けて遊ぶことはできます。

これに対して、仏教でいう「業」の因果関係の話は、境界線があるかのように見えている「この世」だけではなく、前世と来世、そして前前世と来来世と、机と素粒子、机と宇宙、机と電磁波と、次々に時空ともに限界なく拡がっていく領域の話なので、科学的な論理性を基準にしたら、それは狂っている、と表現するしかできなくなってしまうわけです。

ブッダは業について以下のように説いています。

「業を自己とする、これが正見である：kammassakatā sammāditthi 」出典？

kammassakatā：f．[kammassaka-tā] 業自性，業を自己とすること

kammassako：Having karma for his portion，having his own individual karma

Sammadiṭṭhi：正見

これはどういう意味なのでしょうか？　

はっきり言うと正確にわかりません。　　

昔のことなのでブッダが言ったかどうかも確証はありませんし、もしそう言ったとしても、どのようなTPOで言ったのかがわからないので、あまり意味がないことでもあります。その時の言われた本人の状況を鑑みて話されたことだと思うので、それがわからないからです。

意味があるのはそう言われた本人だけです。

すると、ブッダの言葉については何を考えても意味がなくなってしまうので、ここではゲームとして推察するのも楽しいかと思います。

推察の目的は「五蘊」を理解するためです。

kammassakatā sammāditthi

いろいろな解釈があります。

「業を自己とする」自己（自我）というのは「業」という因果法則の中で生まれた存在であるということなのでしょうか？

業は己に由来する、という意味で、各自の持つ業はその各自のものである、ということなのでしょか？

業が自己をつくったという意味なのでしょうか？

業こそが、この生命をこの世に存在させ、時空を分割させている因果法則だということなのでしょうか？

ここでは、サンカーラを消滅させるために、本来の時空を「時と空間」に区切ってしまっている「この世」から離脱する方法について考えてみる視点で考えてみたいと思います。

自分の行為の結果は自分に返ってくる、それを理解することがSammadiṭṭhi：正見である、という解釈で話を進めます。

仏教では、各自と宇宙（他者）は繋がっていることにスポットライトを当てることも、また同時に各自と全体性は分離していることにスポットライトを当てることもできます。

各自と宇宙は繋がっていることにスポットライトを当てると、私たちは常に周りの影響を受けていることに気づきます。

例えば、人は無意識の内に似た者同士でつきあいをします。怒りっぽい人は怒りっぽい人同士、悪い考え方を持っている人は悪い考え方を持っている人同士、音楽の才能がある人は音楽の才能がある人同士など、性格別、能力別、血統別、文化別、時代別、環境別、思考別、境遇別などでグループをつくります。

似たもの同士は同じ運命で回転するので、運命の方向は変わりません。

そこでもし現状を変化させたい意志がある場合には、「つながり」ではなく「分別」にスポットライトを当てます。

すると、個人主義者のように、各自を完全に独立した個人としてとらえることができ、この場合はヒトは周囲のモノに影響を受けず周囲に支配されていません。

ある人が犯罪を犯しても、その親兄弟を責めることはしません。「業」はあくまでも自分だけのものとしてとらえるからです。すべては自己責任なので、他人のせいにすることができないのです。

「未来」を変えたいという意志が本人にある時には、他人のせいにするのではなく、何でも全部自分の責任にするのが早道です。

「業は自分のものだ」というのは、一人一人の人権を尊重していることでもあります。「こういうことをするとこうなる」という因果関係を明らかにすることで、その後のやるかやらないかは、それぞれの個人の選択になります。

ここに特徴のある２つの法則があることが見えてきます。

一つは、自分のある意志がある結果につながっている因果関係です。

二つ目は、この世にはヒトの意志でどうしようもない宇宙の法則（無常）があるということです。

ですからこの二つ目の法則である「無常の法則」を体感し続けることで、一つ目の法則が通用する範囲を会得し、その範囲内で、自分の意志とその結果に注意を払う（スポットライトを当てる）ことです。

これが身につくと「ある行為をすればある結果になる。もしこの行為が自分の意志によるものならば、この結果も自分の意志に由来するものである。」

そして「すべては自己の意志に関わっている」ということがわかります。

例えば、自分の運を好転（淀みから流れを生成）させたければ、自分の欠点を良く理解して、その欠点が鍛えられる環境に留まるという方法があります。しかしその環境は快感が充足されない時空間なので、強い忍耐力が必要とされます。八正道の正思惟で説かれていた無害（avihimsā sankappa）の思考です。ネガティブなものを排除しないで、それを見守り、あえてそれに寄り添うことでココロの成長と浄化を促す方法です。確かに効果的ではありますが、実際には初心者が準備もせずに突然に試すには難しい方法です。

そこで、この「快を感じない」時空と正面から向き合う時の、秘密兵器が先程の宇宙の法則（ダルマ）です。

「すべてのものは移り変わり続けている」ということです。

すべては無常なのだから、運命も転じる、ということです。

それは「やればできる」ということではありません。

原因と条件（TPO）が揃ったところにカタチが一時的に現出します。

いくら努力をしても宇宙の法則に逆らうことには長期的な結果は伴いません。

この理を体感し、まずは自分の内側をあるがままに見守っていくこと（内観）を習慣にすることで、自分の外にある事柄にも客観的に判断して合理的に対処することができるようになっていきます。

仏教では、幸不幸はココロの問題だと説いています。出典？

交通事故で足が一本なくなった人は不幸であるとは決められないのです。その人が明るく堂々と生きていれば、別に不幸ではありません。中にはちょっとしたケガだけで落ち込んで不幸になる人もいます。

幸不幸は各自の思考パターンに由来しています。思考パターンは過去の行為の結果（業）です。思考パターンを変えるのは難しいですが、訓練すれば変えることができます。

そのために必要なのは、合理的で具体的な智慧と知識と訓練です。

そして自分を徹底的にありのままに見ることができる勇気も必要です。自分自身の本質を変えるためには、かなりの勇気が必要です。

なぜならば生命体は楽で安定した環境にとどまり、そのための思考パターンを作り上げるようにプログラミングされているからです。

　業とはいったい何なのか？

「比丘らよ、『意志が業だ』と私は言う：Cetanā 'ham bikkhave kammam vadāmi」 というブッダの言葉があります。出典？

cetanā：'volition'，will，consciousness，

one of the seven mental factors（cetasika）mental impression認識作用・接触（phassa），feeling （vedanā），perception （saññā），volition （cetanā），concentration （samādhi），vitality 生命（jīvita），advertence作意・思念・注意（manasikāra）．Cf．Tab．II，III．

Bhikkhu　　出家し具足戒を守る修行比丘

Vada，（adj．） speaking

ここでは「kammam業」＝「cetanā意志」と説いています。　

意志には、表層的な意志と深層の「作為の有無」があります。

ココロには常に「行為を起こす動機となる想い」があります。

例えば、妄想する場合でも、「なぜこういうことを妄想するのか」と調べてみると、そこには意志とその底流には何らかの「作為の有無」があります。

この「想い」がcetanā（意志）であり、これが「業」です。

この「想い」とは浄化されているかどうかを問われるもので、表層的の「何かしたい」という時の意志だけではなく、その底流にあるのが「作為の有無」です。無私であるかどうかを問われているのが「cetanā意志」です。

この「cetanā意志」が清らかなものか、貪瞋痴で汚れているかによって、それが善業か不善業かが決まります。

たとえば「自分が成功したい」という貪りや「人に負けないぞ」という怒りで行動するのは不善業です。欲や怒りが強いと意志も強いので、一時的にはうまくいくように見えますが、長期的には良い結果にはなりません。

一見「良いこと」であっても、cetanā意志が清らかでない場合は、悪いことになります。

ここでいう良いと悪いとは宇宙の法則に則しているか、反しているかということです。無私なのか作為なのかということでもあります。

例えば「病院をつくりたい、学校をつくりたい」という意志は、いくら一見では良いことであっても、善業（カルマ）か悪業（カルマ）かはわかりません。

欲のない慈しみの気持ちではじめると結果も良いし、充実感も得られます。なるべく「自分が」という意識（自我）を判断の基準にせずに行動することが、良い結果を得る道です。

ある行動の動機である意志（ヒトの計らい）だけではなく、その底流にダルマ（宇宙の法則）があるのかどうかを問うことが重要です。

一般的に言う意志には作為（ヒトの計らい）があることを見極めて、その奥にあるものに注意をするように説いたのがブッダです。

業の積み重ねのメカニズムはどのようになっているのでしょうか？

ピンとこないかもしれませんが、たとえば花を見て「花だ」と思ったら、その瞬間にもう業を積んでいることになってしまいます。

「花を見る」とは、眼球から入った情報を瞬時に脳の中で分解してからまた統合することで「花」であると認識するということです。このプロセスには機械的な分別・統合作業以外にも意志による選択や過去の経験が関わっています。また「花」とわかると同時に快・不快のタグやそれに反応する感情や記憶や予想も加わっています。

これは個人のこれまでの経験による作業なので、同じものを見ても脳内の認識は一人一人で違います。もっと正確に言うとその時の各自の気分や体調によっても認識が変わります。例えば寝起きの時と仕事の時の感性が違うように。

はじめに眼球に光（電磁波）が通過します。これは善でも悪でもなく、業にはなりません。次にこの特定の光（周波数）を「花」と判断した瞬間には、快・不快（好き・嫌い、近寄る・遠ざかる）、過去の記憶、未来の予想、これと結びついた感情、学習した条件反射、自動反応回路が機械的に付随します。

これが、自分の過去と今と未来を結びつける「業」になっています。聴覚においても、音が「周波数」の段階ならば「業」にはなりません。しかし「鳥の鳴き声」「車のエンジン音」と認識した瞬間には「業」を積んでいることになります。たとえば道を歩いているだけでも、景色、音、足裏の感覚、筋肉、心肺の変化をはじめとした情報が脳内に入り、それが機械的（無意識的）に分別と統合の認識プロセスをする時に、TPOパターンの回路を生成することで、感情や性格や思考パターンも変わっていきます。ただ歩いているだけなのに、「わたし」は変化しているということです。こういう単純な行為でさえ、小さな業を生成していることになります。

ただ歩いているだけでも、業からは逃がれられないのです。

何をしても、瞬間瞬間の小さな粒子が積み重なり続けて、無数の業を積み重ねながら、無意識の内に「わたし」は変化し続けています。

六処（眼耳鼻舌身意）に対象が触れるとその瞬間に脳内で現象をつくり出し、感情をはじめとして条件反射が生まれている。それらは次から次へと流れて行き、その瞬間瞬間、業がポテンシャルなエネルギーとして蓄えられ、同時に自分を変化させていく。

「わたし」に生じる感情の多くはAKUSALA−CETASKA:不善心所（不善なるココロのはたらき）なので、感情＝煩悩とほぼ言ってもいいくらいなのですが、SOBHANA-CETASIKA：浄心所（善なるココロのはたらき）が生じることもあります。善心所が生じると善い業を蓄積することになります。この時の善悪は「わたし（自我）」を基準にしていれば悪、この基準から離脱していれば善という定義です。

たしかに幸福は善い業の結果です。たとえば花を見て「きれいだ」と喜んだとすると、その瞬間、その人は過去の善業の結果を見ています。同じ花を見て不機嫌になった人は、悪い業の結果を受けているのかもしれません。判断には各自の過去の経験が反映するので、同じ花を見ても、一人は幸福になり、一人は不幸になります。過去の行為が今の瞬間の幸不幸を決めています。しかしたとえ善果を得て幸せになっていたとしても、ここには罠があります。幸福を喜ぶ人は、ここから多くの感情をつくり出します。この感情は多くのケースでは「欲」という不善のカテゴリーに入ります。するとその人は幸福を感じつつ、次から次へと、不善業を積んでいくことになります。また「イヤだなあ」と機嫌が悪くなったならば「憎悪」のカテゴリーに入る不善業を積み重ねていくことになります。

そこで、どちらも感じなければいいとして「良い」とも「嫌」とも思わければいいのではないかと思うかもしれません？しかし多くの場合はその時には、無関心という「無知moha」がはたらいていることになり、これも不善業を積み重ねていることになります。ですから「生きる」ということは、渇望と嫌悪と無知の悪業を膨大に積み重ねていくことだというのが仏教の解釈です。しかも、何をしていなくても、快・不快のタグを付けた記憶とそれを基にした回路があるので、インプットを何度も何度も繰り返すことで、自動的に反応する回路（サンカーラ）の溝を深くしてしまいます。こうやって情報がインプットされたり、何かを考えるだけでも不善行為を重ねることになってしまいます。

このように、私たちが一瞬一瞬につくり出していく業は大量ですが、それに比べて、過去から現在までに連なる生命体をカタチにしている「業」の量は、個人が作り上げている量とは比べものにならないほど宇宙的膨大さです。

ヘッケルの反復説で知られる「個体発生は系統発生を繰り返す」というのは、個体と系統という２つのフラクタルな相似性に焦点を当て、一つの生命体の発生の過程はこれまでの生命体の進化の過程を繰り返すことを指摘しています。例えば、ヒトの場合は胎内で魚類、両生類、爬虫類、鳥類の特徴を経過して哺乳類として子宮から出てくるとされます。ヒトの胎児の成長過程を観察したものを三木成夫氏がまとめています。

これまでの無始なる過去から生命体が作り上げてきた走行・反射・条件反射・思考回路の積み重ねのを「業」と呼べば、「業」こそは生命であると言えます。

これを業と呼ぶならば、業を償おうとしても、償い切れるものではありません。

ブッダは、過去生の業など放っておきなさい、と説かれます。出典？

大切なのは自分が「いま、ここ」で罪を犯さないことですよ、と。

過去を嘆いたり後悔したりしても罪を重ねるだけです。過去のことを考える暇があったら、「いま、ここ」の瞬間に気づくことです。自分がかつて何をしたとしても、皆な誰でも生命体という無量の業を背負っているのだからそこを基準とすれば個体の間に大差はありません。生命体はこれまでに積み重ねて生成されている膨大な業があるので、TPOの条件が揃うと、ある業が自動的（機械的）に働く仕掛けになっています。生命体の業の働きを停止させことはできません。

ではヒトは何もできないのか？手も足も出ないかというと、そうではありません。

条件の揃い方を変えると、当然ですが結果も変わるからです。

そこで仏教では、法則（ダルマ）を正しく理解して平静に落ち着いて生きることを薦めます。つまり、良いことに出会っても嫌なことに出会っても、無執着の心構えで、ただありのままを見守っていることです。

世間では「執着を捨てるなどとんでもない、喜怒哀楽こそすばらしい」という生き方が一般的です。

「楽しんでこその人生だ」と常に喜びを探し求めています。つまり、これは「欲」の不善業を探し求めていることになります。しかし実際には、この世では好ましいものばかりに出会うことはありえないので、当然、「出会うことができない」という嫌悪が生じます。

この世に表面的で一時的な「良いこと」は多くありますが、深みのある長期的な善行為というものはとても少ない。

たとえば「慈悲」という最高の善行為を教えられても、教わったとおりに無差別の慈悲を実践することは難しいことです。

善悪の判断を止めるように言われても、「なんと素晴らしいことか」「なんと腹立たしいか」とあれこれと無意識の内に判断（妄想）することは止められません。こうして、欲と嫌悪と無知という膨大な不善業をつくりながら生きていく私たちは、無意識の内に選択をしてしまったおり、その結果が次の原因となっています。

こうして、この因果応報の帰結の連続（輪廻）から離脱することができず、私たちはただ機械的にサンカーラに操られていることになります。

そこで、上座部仏教では智慧をもってこの現状をありのままにただ見守っている「内観」を薦めます。対象物を自分の外側から自分の内側の世界に変換させるのです。

「サンカーラに操られている生き方はとても危険です、智慧をはたらかせて生きてみなさい、智慧こそ救いであって、智慧がなければ変化はありません」と説いています。出典？

智慧とは知識のことではありません。

これまでの感覚パターンや思考パターンに頼ったり、感覚に快・不快のタグが自動的に付加させるのではなく、これらのメカニズムに安らかな心境で、自分の感覚の変化に気づくことで無知から離脱させるのが智慧です。

智慧を育てる方法が「内観」です。何かを認識して判断する前に、ただ淡々とサティ（気づき）をすると、不善業はつくられずに繊細な感覚と鋭い判断能力と智慧が生まれていくようです。

自分の内面で起こっていく出来事を、あるがままにただ観ていく。

これだけです。

これについては私はまだ実践中なので、語るべきものではありません。私はまだ実践している途中なので、これからどのようなことになるかはわかりませんが、五蘊の相違点やこれまでの体験を書くことによって、気づくことがあると思い、あえて言語化する実験をしてみました。

参考資料

律蔵（巴: Vinaya Pitaka, 英Collection of Discipline）とは『パーリ仏典』の三蔵（巴: Ti-pitaka　他にはSutta Pitaka経蔵 the Abhidhamma Pitaka論蔵がある）における最初の蔵（pitaka）であり、律（巴: Vinaya）に関する文献が収められた領域のこと。

ここに収められている律は、現存する他部派の律との区別の都合上、パーリ律と呼ばれる。

構成

『パーリ仏典』の律蔵の構成は、以下の通り。

波羅提木叉（はらだいもくしゃ、巴: pātimokkha, パーティモッカ） --- 具足戒二百五十条（比丘尼用三百五十条）の本文

経分別（きょうふんべつ、巴: Sutta-vibhanga, スッタ・ヴィバンガ） --- 具足戒（波羅提木叉）の説明

大分別（だいふんべつ、巴: Mahā-vibhanga, マハー・ヴィバンガ） --- 比丘戒

比丘尼分別（びくにふんべつ、巴: Bhikkhuni-vibhanga, ビックニ・ヴィバンガ） --- 比丘尼戒

犍度（けんど、巴: Khandhaka, カンダカ） --- 僧団（僧伽）運営規則

大品（だいほん、巴: Mahā-vagga, マハー・ヴァッガ）

小品（しょうほん、巴: Culla-vagga, チュッラ・ヴァッガ）

附随（ふずい、巴: Parivāra, パリヴァーラ） - 補足内容

日本語訳

『南伝大蔵経・律蔵』（全5巻） 大蔵出版

経蔵（きょうぞう、巴: Sutta pitaka（スッタ・ピタカ）とは、釈迦の教説である経（巴: Sutta（スッタ）、梵: Sutra（スートラ））をまとめたもの。『パーリ仏典』の三蔵（巴: Ti-pitaka, ティピタカ）における2番目の蔵（pitaka）である。

部派仏教時代の形式を留めている上座部仏教（南伝仏教）の聖典である『パーリ仏典』は、現在でも「三蔵」の形式で保全されている。

経蔵は、長部、中部、相応部、増支部、小部の5部から成り、小部を除く4部は、漢訳経典の『阿含経』に相当する。

中国仏教（北伝仏教）においては、大乗仏教経典・偽経の追加や、段階的な仏典の輸入・翻訳が繰り返されたため、元々の「三蔵」や「経蔵」の枠組み自体が壊れてしまった。

漢訳経典は、後に宋代の頃から一切経・大蔵経として総集・再編されていくことになるが、それらは般若経・華厳経など主要な大乗仏教経典を中心に、雑多にまとめられており、律が後景に退き、その大部分が大乗仏教経典・偽経も含む「経」で占められるため、「三蔵」や「経蔵」の概念・呼称を適用しづらいものになってしまった。

チベット仏教

中国よりも更に遅く、大乗仏教・密教化した仏教を段階的に受容したチベット仏教における『チベット大蔵経』も、大乗仏教経典や密教タントラが入り乱れて元々の「三蔵」の枠組みが壊れてしまっているため、中国仏教の『漢訳大蔵経』と事情は大差が無い。

ただし、アティーシャ以来、顕密総合が志向され、「律蔵」「経蔵」に相当する「カンギュル」、「論蔵」に相当する「テンギュル」の組み合わせで『チベット大蔵経』が構成されているため、『漢訳大蔵経』よりは、「三蔵」との対応関係が維持されている。

構成

『パーリ仏典』の経蔵は、以下の「五部」（巴: Pañca Nikāya, パンチャ・ニカーヤ）によって構成される。

長部（ちょうぶ、巴: Dīgha Nikāya, ディーガ・ニカーヤ） --- 長編経典集

中部（ちゅうぶ、巴: Majjhima Nikāya, マッジマ・ニカーヤ） --- 中編経典集

相応部（そうおうぶ、巴: Saṃyutta Nikāya, サンユッタ・ニカーヤ） --- テーマ別短編経典集

増支部（ぞうしぶ、巴: Anguttara Nikāya, アングッタラ・ニカーヤ） --- 数字別短編経典集

小部（しょうぶ、巴: Khuddaka Nikāya, クッダカ・ニカーヤ） --- 特異な経典集

日本語訳

全訳　　『南伝大蔵経・経蔵』（全39巻42冊） 大蔵出版

部分訳　　経蔵長部　　経蔵長部 全訳

参考文献　　『原始仏典 長部経典1-3』（第1-3巻）中村元監修 春秋社

『パーリ仏典 長部（ディーガニカーヤ）』（全6巻）片山一良訳 大蔵出版

『阿含経典1-3』 増谷文雄訳 筑摩書房

論蔵（巴: Abhidhamma Piṭaka, アビダンマ・ピタカ）とは、論（巴: Abhidhamma, アビダンマ）に関する文献が収められた領域、蔵（piṭaka）のこと

部派仏教の時代、各部派ごとに各種の「論」（巴: Abhidhamma, アビダンマ、梵: Abhidharma, アビダルマ）が作られたが、今日まとまった形で現存している部派仏教時代の論（アビダンマ/アビダルマ）は、この南伝上座部仏教（分別説部）のパーリ語テキストと、北伝仏教に伝わる漢訳された説一切有部の『六足論』『発智論』（いわゆる「六足発智」）のみである。

構成

『パーリ仏典』の論蔵は、以下の7論で構成されている。

『法集論』（ほうしゅうろん、巴: Dhammasaṅgaṇī, ダンマサンガニー）

『分別論』（ふんべつろん、巴: Vibhaṅga, ヴィバンガ）

『界論』（かいろん、巴: Dhātukathā, ダートゥカター）

『人施設論』（にんせせつろん、巴: Puggala-paññatti, プッガラ・パンニャッティ）

『論事』（ろんじ、巴: Kathāvatthu, カターヴァットゥ）

『双論』（そうろん、巴: Yamaka, ヤマカ）

『発趣論』（ほっしゅろん、巴: Paṭṭhāna, パッターナ）

日本語訳

『南伝大蔵経・論蔵』（全14巻15冊） 大蔵出版

『法句経』（ほっくきょう）『ダンマパダ』（巴: Dhammapada）「法 dhamma）言葉 pada）」

経蔵の「小部」に第2経として収録されている。26章に分かれており、423の詩節を収録する。

仏教の教えを短い詩節の形で伝えた、韻文のみからなる経典。

様々なテクストから仏陀の真理の言葉だけを取り出し、偈（詩）の形にしたもので、編纂者は法救（ほっぐ。Dharmatrāta）と考えられる。

スッタニパータとならび現存経典のうち最古の経典といわれている。かなり古いテクストであるが、釈迦の時代からはかなり隔たった時代に編纂されたものと考えられている。

パーリ語版『ダンマパダ』はパーリ語経典の漢訳としては維祇難等訳『法句経』（大正蔵210）

法炬・法立訳『法句譬喩経』（大正蔵211）があるが、パーリ語版とは配列や内容にかなりの違いがある。

縁起

SOME REMARKS ON PATICCA-SAMUPPADA

By Ajahn Brahmavamso　　　　　11/5/1994

THE MEANING OF THE TERMS IN PATICCA-SAMUPPADA

The Paticca-samuppada is explained in detail at two places in the Sutta-Pitaka: in the Mahanidana - Sutta, No 15 of the Digha Nikaya; and in the Nidana -Samyutta, Samyutta No XII of the Samyutta Nikaya. The Nidana -Samyutta begins with a simple expression of the 12 links in forward and reverse order. The following Sutta, Vibhanga, No 2 of the Nidana -Samyutta, explains the meaning of each of the 12 terms. I recommend that you read this Sutta carefully so that you will see for yourself what the Buddha meant by each term. In particular you will see that Jati can only mean birth, the sort of birth which for a human occurs in a mother’s womb: ‘Katama ca bhikkave jati? Ya tesam tesam sattanam, tamhi tamhi satta-nikaye, jati, sanjati, okkanti, abhinibbatti, khandhanam patubhavo, ayatananam patilabho, ayam vuccati bhikkave jati (Samyutta XII-2) ‘What monks is Jati? With regard to these and those beings, among the various classes of beings, that which is Jati, Sanjati(a synonym of Jati), descent (into the womb, Okkanti as at Digha Nikaya, Sutta 15 verse 21 "Vinnanam...matu- kucchim, okkamitva’ = ‘the consciousness ... having descended into the mother’s womb’), birth (Abhinibbatti), the appearance of the (five) Khandhas, the acquiring of the sense-faculties (Ayatananam patilabho), that monks is called Jati’- Elsewhere, perhaps, Jati may mean different things, but here, in the Sutta defining the meanings of the terms in the Paticca-samuppada, Jati unmistakeably means the appearance of a being in a particular class of beings, or "birth" as is generally understood for a human being.

The meaning of Bhava can be found at Anguttara Nikaya, Book Of The Threes, Sutta 76. Look this up in Pali and you will relish its deeper meaning.

The meaning of Vinnana can not readily be discerned from the Nidana -Samyutta’s Sutta No 2, but if you look at the Mahanidana - Sutta, No 15 of the Digha Nikaya, you will find the following at verse 21:

"It was said: ‘With consciousness as condition there is mentality-materiality’. How that is so, Ananda, should be understood in this way. If consciousness (Vinnana) were not to descend into the mother’s womb, would mentality-materiality (Nama-rupa) take shape in the womb?"’

"Certainly not venerable Sir" From the BPS edition ‘The Great Discourse on Causation’ by Bhikkhu Bodhi page 5.

So, the way the Buddha said Vinnana, in the context of Paticca-samuppada, should be understood is clearly as the Vinnana which descends into a mother’s womb at conception, what the Commentaries call Rebirth-Linking-Consciousness.

The meaning of Sankhara as something which produces rebirth can easily be discerned in the Sankhara -uppatti- Sutta, No 120 Majjhima Nikaya. Uppatti is usually translated as rebirth and if you look at the context this meaning is obvious. A typical passage in this Sutta is analysed in Rune E A Johansson’s ‘Pali Buddhist Texts - explained to the beginner’. I recommend that you find this book, look up the passage on pages 66 and 67 and see how the word Sankhara is used in the meaning of a willed activity of body, speech or mind which causes rebirth.

It is essential to know precisely what the Buddha meant when he used each of the 12 terms in the Paticca-samuppada. There is no need to go to the Commentary to find these meanings. They are clearly evident in the Suttas themselves, as I hope I have indicated. Only when one accurately understands the meaning of each of the 12 links is there a hope that one will understand the profundity of the whole Paticca-samuppada as the Buddha meant it to be understood.

THE FALLACY OF THE "ONE LIFE" INTERPRETATION OF Paticca-samuppada

Once one sees what the Buddha meant by Jati in the context of Paticca-samuppada (see Samyutta Nikaya XII.2 and Mahanidana - Sutta Verse 4) then wriggle as one might, one will have to accept that the Buddha meant Paticca-samuppada to span more than one life. What becomes before Jati, eg Bhava, Upadana, Tanha ..., must refer to something occurring before birth (a cause is simultaneous with, or more often precedes, its effect), ie in what is called a previous existence. To maintain otherwise is merely to ignore the facts and throw away all reason.

Having seen the process that is described by Paticca-samuppada moving from one life to another around Jati, having broken the fixation on a wrong idea, it is easy to accept the meaning of Vinnana as the first consciousness which arises in the new life as implied by the Mahanidana - Sutta, Verse 21: "If consciousness were not to descend into the mother’s womb, would mentality-materiality (Nama-rupa) take shape in the womb? (Bhikkhu Bodhis translation in "The Great Discourse on Causation", BPS edition, page 59). That Vinnana as the starting point of a new life is the meaning in the context of Paticca-samuppada is also made clear at Anguttara Nikaya, Book of the Threes, Sutta No 61 Verse IX: "Channam bhikkave dhatunam upadaya gabbhasam- avakkanti hoti, okkantiya sati namarupam, namarupapaccaya salayatanam, salayatanapaccaya phasso, phassapaccaya vedana." "Monks, based on the 6 elements, there is descent into the womb. This descent taking place, name and shape come to pass. Conditioned by name-and-shape is the six-fold sphere (of sense). Conditioned by the six-fold sphere is contact. Conditioned by contact is feeling" (Gradual Sayings, Vol 1 page 160, Woodward’s translation). A similar formula can be seen in the Nidana-Samyutta, Sutta No 39.

Lastly, it becomes obvious that the full Paticca-samuppada cannot be interpreted as existing in one life when one looks at the first 3 links in reverse order: When Avijja ceases so does Sankhara and, consequently, so does Vinnanam. In other words the ending of Avijja causes the ending of Vinnanam. Now what type of Vinnanam can possibly cease as a result of a person eradicating Avijja, the ignorance of the full meaning of the Four Noble Truths? We all know that an Arahat, one who has eradicated Avijja, remains fully conscious, retaining Vinnanam, after his attainment. He does not become unconscious at the moment of his attainment, ever more to be comatose until he dies! So Vinnanam cannot mean the ordinary, arising in every moment, type of consciousness. However, we all know that sometime after the attainment of Arahat, after a period of days or years after Avijja is ended, the Arahat’s life span ends, the 5 Khandhas dissolve and they never arise again. In particular, the 5th Khandha, the binding Vinnanam, ceases after the life span of an Arahat ends Thus, it is very clear that the Vinnanam which is caused to cease by the ending of Avijja is the first arising of consciousness in a new life, or in other words the rebirth linking consciousness of the Commentary. Nothing else makes sense. No advocate of the "one-life" interpretation of Paticca-samuppada has ever been able to explain how Vinnanam can be something existing in this life and yet ceases in this life for an Arahat!

THE MEANING OF THE PATICCA-SAMUPPADA ACCORDING TO THE BUDDHA

It becomes quite clear that Paticca-samuppada explains the process of rebirth. It gives the answer to the often asked question. "How can there be rebirth when there is no-self?" In explaining the process of rebirth it uncovers the causes of rebirth. So, one can eliminate rebirth by eliminating the causes. Remember that the point of this exercise is to stop being reborn, to get off the "wheel of rebirth", Samsara, or as Ven.Sariputta once answered to a Brahmin who asked what is the true difference between Sukha and Dukkha, "To be reborn (Abhinibbatti) friend is Dukkha. Not to be reborn is Sukha?", Anguttara, book of the Tens, Sutta 65. The Paticca-samuppada explains the process of rebirth in 2 ways starting at 2 causes:

Avijja ® Sankhara ® birth® Vinnanam ® Namarupam ® Salayatana® Phassa® Vedana and, Tanha ® Upadana ® Bhava ® birth® Jati ® Jara-maranam-soka-parideva- dukkha -domanassa-upayasa. The cause of Dukkha, and rebirth, can be said to be Avijja or can be said to be Tanha. When one stops the other stops immediately. Thus it gives two ways of explaining the process of rebirth, first through willed actions (Sankhara) of body speech and mind originated through Avijja, and second through Tanha giving rise to clinging (Upadana) giving rise to existence (Bhava - see the explanation of Bhava at Anguttara, Book of the Three’s, Sutta 76) producing rebirth (Jati). The first sequence can be seen in the Suttas at Anguttara, Book of the Three’s Sutta 61 Verse IX. The second sequence can be found in the Mahanidana- Sutta, No 15 of the Digha Nikaya Verses 9 - 18.

THE ARGUMENTS GIVEN AGAINST PATICCA-SAMUPPADA DESCRIBING REBIRTH

Words have different meanings in different contexts and so, for example, can’t Jati mean a metaphorical birth. However the Incomparable Teacher, the Buddha, foresaw possible confusion by giving precise difinitions of the terms. He used when He used them. Thus at the beginning of the Nidana-Samyutta, in Sutta No 2, the Buddha explained methodically the meaning of each term. Even in the Mahanidana - Sutta He made certain that no uncertainty as to meanings could remain: "How that is so, Ananda, should be understood in this way. If there were absolutely and utterly no birth of any kind anywhere - that is, of gods into the state of gods, of celestials into the state of celestials,of spirits, demons, human beings, quadrupeds, winged creatures, and reptiles, each into their own state - if there were no birth of beings of any sort into any state ... " (The Great Discourse on Causation, by Bhikkhu Bodhi, BPS edition page 54). How more clear can one make it?! If one actually looks at the Mahanidana - Sutta, or at the second Sutta of the Nidana-Samyutta, the meaning ascribed to these words in the context of Paticca-samuppada by the Buddha become obvious. In particular, Jati is clearly not intended to be used metaphorically. It is meant by the Buddha to refer to the beginning of life in the various classes of existence, the birth of a living being.

All dhammas, at least useful ones any way, are supposed to be Sanditthiko and Akaliko. How does this apply to the Paticca-samuppada if it spans more than one life?

I am confident that no-one will argue that Marana-sati is a useful Dhamma, and yet Marana-sati is described by the Buddha as contemplation one’s physical death, which is something which has not happened yet! The same can be said of recollection of one’s past liberality. Caganussati, one of the 40 Kammatthana, it is something which happened in the past. How can these be Sanditthiko and Akaliko?

The point is that Sanditthiko does not mean, cannot mean, something existing in the present moment experienced in the present moment! It means something which can be understood in the present moment. Understanding (Panna) is different to experience (Vinnana), see the beginning of the Mahavedella - Sutta (Majjhima Nikaya, Sutta No 43). One can understand each step, each link, of the Paticca-samuppada here and now. Old age (Jara) and death (Maranam) one can see in others, just as the Bodhisatta Gotama saw them as two of the "Devadhuta". They are Sanditthika and Akalika Dhamma even though one may not be personally experiencing them now! they can be clearly understood without doubt, for oneself, here and now ¾ that is what makes them Sanditthika and Akalika. Similarly one can understand Jati, the birth of a human being here and now.

Personally, I have never witnessed a human birth but I have not the slightest doubt that we all come into this present life through the same way, by birth! The possibility of full understanding (Panna) here and now regard to birth, Jati, makes it a Sanditthika and Akalika Dhamma. Bhava can be understood here and now and, if one has a very clear mind, can be experienced as the very same process described at Anguttara, Book of the Three’s, Sutta 76. The same can be said of Upadana, Tanha, Vedana, Phassa, Salayatana and Namarupam. The Vinnanam as the first consciousness arising in a life can only be understood here and now in the same way that death (Marana) can be understood. Thus if the death of a being, Maranam qualifies as Sanditthika and Akalika Dhamma so does the Patisandhi- Vinnana (rebirth consciousness). Sankhara, the willed Kamma done by body speech and mind which gives rise to rebirth can be experienced as well as understood here and now. In fact, the only link of the Paticca-samuppada which, strictly speaking, can never be experienced even when it is happening but it can be understood is Avijja. Only the Arahat properly understands Avijja and by then it is no more. Of course, no one would argue that Avijja is not part of the Buddha’s Teaching because it can not be experienced! All agree that even Avijja is Sanditthika and Akalika Dhamma, because it can be understood here and now!

The causal relationship between the 12 links can be harder to understand. Indeed, only the Sotapanna and higher Ariyas will fully understand these causal relationships. It must be borne in mind that in such causal relationships, the cause may precede the effect by a lengthy interval. For example, in the causal relationship between birth (Jati) and Maranam (death); the cause, birth, may precede the effect, death, by 100 or more years. A cause which produces an effect after an interval of time is called Purejatapaccayo, pre-nascence condition, the 10th of the 24 Paccaya which we chant at funerals. Because the cause may have ceased before the effect arises, much of causality can both be experienced "in the moment". Instead, causal relations are discerned using Yoniso Manasikara, the work of the mind which goes back to the source (Yoni). Indeed, Yoniso Manasikara is the main cause for the arising Sammaditthi (eg at Majjhima Nikaya, Sutta 43) and Sammaditthi includes understanding Paticca-samuppada (eg at Anguttara, Book of the Tens, Sutta 92). Thus Paticca-samuppada is understood, here and now, by applying Yoniso Manasikara. It is in this way that the causal relations between the 12 links become discerned by Panna and, having been understood here and now, become Sanditthika and Akalika Dhamma.

It is misleading of anyone to claim that one needs Pubbenivasanussati, memory of previous lives, to be able to understand the process of rebirth described in the Paticca-samuppada! One understands Paticca-samuppada using Yoniso Manasikara in the way described above. And, whatever can be understood here and now becomes Sanditthika and Akalika Dhamma.

A Sutta in the Anguttara Nikaya has been understand by some to imply that "Vedana is not always the karmic result of a previous life" and therefore none of the links in the Paticca-samuppada can refer to a previous life.

The Sutta in question is Anguttara Nikaya Book of the Three’s, Sutta 61 verses I-IV. Interestingly, those who quote this part of the Sutta fail to notice verse IX in the same Sutta which I have quoted twice in this letter to support Paticca-samuppada being an explanation of the rebirth process!

The part of the Sutta which is relevant here is verses I-IV which three tenets are put forward and roundly refected by the Buddha as wrong. The first is "Yam kinci purisapuggalo patisamvedeti sukham va dukkham va adukkhama sukham va, sabbam tam pubbe katahetu" ... "Whatsoever weal or wore or neutral feeling is experienced, all that is due to some previous action" (Woodward’s translation in the PTS’s Gradual Sayings Vol 1 page 157). The other two tenets are that ... all that is due to the creation of a Supreme Deity ... (and) all that are uncaused and unconditioned.

It is instructive to notice that this first tenet is repeated verbatim in the Devadaha - Sutta, No 101 of the Majjhima Nikaya, where it is attributed to the Jains. In that Sutta it is clear that the tenet in full is holding that "Whatever Sukha, Dukkha or neutral feeling is experienced, all that is due to some previous action in a past life." This is obviously wrong, as the Buddha pointed out in both Suttas, for everyone should know that some Sukha, some Dukkha and some neutral feelings that are experienced are due to some previous action in this life!

But something else needs to be pointed out about this tenet. If you look at the Pali carefully you may notice that it is referring to the types of feeling that one experiences not to the faculty of feeling (Vedana) in general. It should be understood tht the fact that one has Vedana, the faculty of feeling, at all is due to craving and ignorance in a previous life; but the particular type of feeling, the content of Vedana if you like, does not necessarily depend on kamma of a previous life. Let me offer a simile. A man buys a TV, a year later he moves to a new house and there he sometimes watches channel 1, sometimes channel 2 and sometimes channel 3. the fact that in his present house he has a TV, the fact that he can experience television at all, is because of an act be performed while in his previous house - but the programme he chooses to experience are not all conditioned by some preference or other he built up while in his previous house. In this rough simile, the TV corresponds to Vedana, the programme channels appearing on that TV, channels 1, 2 and 3, correspond to Sukha, Dukkha and Adukkhama Sukha. Again, the fact that one has Vedana of some sort is due to craving and ignorance in a previous life, but the content of that Vedana or rather the particular type of feeling which is experienced is not necessarily caused by an action in a previous life. When one understands this one understands that the tenet being discussed, which originates in Anguttara Nikaya Book of the Three’s Sutta No 61 Verses I-IV, that is has no bearing on Paticca-samuppada.

But in case someone is still not convinced that Vedana has a cause originating in a previous life, I cite the Bhumija Sutta, No 25 of the Nidana Samyutta. "Sant’avuso Eke Samanabrahmana Kammavada:

Sayam-katam sukhadukkham pannapenti

Paramkatam sukhadukkham pannapenti

Sayamkatanca paramkatanca sukhadukkham pannapenti

Asayam-karam aparam-karam adicca-samuppannam sukhadukkham pannapenti" ..There are, friend, certain recluses and brahmins, believer in karma,

who declare that happiness and ill have been wrought by oneself,

who declare that happiness and ill have been wrought by another,

who declare that happiness and ill have been wrought by oneself as well as by others,

who declare that happiness and ill is neither wrought by oneself nor by another but arises by chance" (see Kindred Saying Vol 2 page 30)

Ven Sariputta replies when asked by Ven Bhumija which of the four is correct, "Paticca- samuppannam kho avuso sukhadukkham vuttam Bhagavata kim paticca? Phassam paticca! Iti vadam vuttavadi ceva Bhagavato assa, na ca Bhagavatam abhutena abbhacikkheyya..." "The Exalted One has said that happiness and ill (Sukha Dukkha) come to pass through a cause (Paticca). What cause? The cause is contact (Phassa)! Saying thus you would be repeating the words of the Exalted One correctly and not misrepresenting him" (compare Kindred Sayings Vol 12 page 31, which is heavily abbreviated). (The rest of the Bhumija - Sutta is also of interest for it indicates the role of Sankhara in the performance of Kamma. What Woodward translates as "plan those planned deeds conditioned by ignorance" is in Pali "Avijja paccaya. Kaya or Vaci or Mano - Sankharam abhisankharoti..." which shows Sankhara in the context of Paticca-samuppada means "Karmic actions of body, speech or mind conditioned by ignorance").

Thus Vedana is always caused by Phassa. Furthermore we all know that Phassa is caused by Nama-rupa and Nama-rupa is caused by Vinnana. These mind and bodily processed are caused by ignorance and craving in a previous life. Any Buddhist monk who does not agree with this, who does not accept the teaching of rebirth should look at Majjhima Nikaya, Sutta 117: there are 2 forms of Sammaditthi, one for those who still have Asava (Sammaditthi sasava punnabhagiya upadhi-vepakka) and one for the Ariya’s without Asava (Sammaditthi ariya anasava ...) The type of right view which concerns most monks is the former and it is "the view that alms and offerings are not useless, that there is fruit and result, both of good and bad actions, that there are such things as this life and the next life ...". Thus belief in rebirth is clearly stated to be Sammaditthi, its rejection would thus be Micchaditthi.

This completes the refutation of the 3 arguments given against Paticca-samuppada being a description of the process of rebirth. They should be compared with the arguments against the "one-life" interpretation given on page 2-3 of this PS and held alongside the positive arguments for Paticca-samuppada (expressed on pages 1-2 and on pages 3) being a process spanning more than one life. Then you can make your own decision based on the Suttas.

A LAST WORD ON THE QUESTION OF HOW ONE "USES" PATICCA-SAMUPPADA IN "DAILY LIFE"

On any journey one needs a map. An accurate map. The true understanding of Paticca-samuppada as describing the process of rebirth and exposing its causes is a large part of that map, if not the whole. That map is acquired at Sotapanna -phala. Before one has that attainment, one doesn’t really get very far at all. That is why only after the attainment of Sotapanna - phala until one completes one’s work is one called Sekha "in training". Before Sotapanna, without the map, one is neither Sekha nor Asekha. Without Sammaditthi, without the map, one wanders in circles. With the arising of Sammaditthi, when the Path becomes clear (Maggo Sanjayati see Anguttara Nikaya,Four’s, Sutta 170) One can start walking that Path, one can start training. The Ariyan Eightfold Path is the eightfold Path walked by the Ariyan. The Putthujjana walks another Eightfold Path which is not yet deserving of the adjective Ariyan.

So it is vitally important to obtain that map, to gain Sammaditthi of the Ariyan kind. Suttas such as the Mahavedella - Sutta, No 43 of the Majjhima Nikaya show that this sort of Sammaditthi arises due to 2 causes: Yoniso Manasikara and listening/understanding the words of another (Parato Ghoso) (see Middle Length Sayings Vol 12 page 355) and is supported by 5 factors: Sila, Suta (equivalent to what we would call "book-knowledge), Sakaccha (discussing the Dhamma), Samatha and Vipassana. Thus if one aspires to become a Sotapanna look to either one (or both) of the 2 causes and support them with the 5 factors. That is how one should be practising in daily life.

After Sotapanna, one practises according to the Ariyan Eightfold Path which is then abundantly clear to one.

The point is, Paticca- samuppada , or rather its true realisation, is the heart of Sammaditthi of the Ariyan. It forms the foundation for further practise of the Ariyan, for the putthujjana, one practises in order to realise the Paticca-samuppada, especially by Yoniso Manasikara supported by the Five factors. The putthujjana practices aspiring to uncover the Paticca- samuppada, not assuming he knows it!

"Gambhiro c’ayam Ananda Paticca -samuppado gambhir’avabhaso ca!"

(Digha Nikaya, Sutta 15, Mahanidana - Sutta, Verse 1)

"This Dependent Arising, Ananda, is deep and appears deep!"

認識システムの誤謬

色　外界の現象

受　感受

想　知覚　　　　　　　　　一般化（パターン）　　記憶に照らし

行　記憶に照らし　　　　　条件反射　行動　回路　判断　　インプットからアウトプット

識　認識、判断する　　　　体験の集積物、蓄積　　記憶　学習、経験、

Pancakkhandha or Five Aggregates – A Misinterpreted Concept

December 25, 2015; revised September 29, 2018

First of all, many people have the impression that rupakkhandha is one’s own body OR that pancakkhandha are “in one’s own body”. The problem with this critical mistake can be seen with the description of rupakkhandha (and other four khandha as 11 types).

まず、rupakkhandhaは自分の体である、すなわちpancakkhandhaは「自分の体の中にある」という印象を持っている人がたくさんいます。この重大な間違いは、rupakkhandha（11のタイプとして他の4つのkhandha）の説明でわかるかもしれません。

Eleven Types of Rupa in the Rupakkhandha (Same for Other Khandhas)

1. This is clearly described in many suttā, even though the true meaning has been hidden all these years. In particular, the Khandha sutta (SN 22.48) summarizes what is included in each aggregate.

• Eleven types of rupa (mental impressions) are in the rupakkhandha: past, present, future, near, far, fine (sukuma), coarse (olarika), likes (panita), dislikes (appanita), internal (ajjhatta), and external (bahiddha). Here internal rupa means (mental impressions) of one’s own body parts, and external rupa are (mental impressions) of external objects.
• Thus, it is quite clear that rupakkhandha encompasses anything that we ever saw (including previous births), we are seeing now, and hope to see in the future. The record of what belongs to the past is permanent and is called namagotta. Any rupa about the future (for example, a sketch of the type of house one is thinking about building) can change with time.
• Other four khandhas have the same 11 types.
• An acceptable English translation of the Khandha sutta is available online: Khandha Sutta: Aggregates

Even though it does not explain the concept as discussed above, one can see the 11 components of each khandha are clearly there. Also, note that it is NOT Skandha sutta; it is Khandha sutta. This is why I say that skandha is a WRONG TERM.

1.本当の意味は長い間にわたって隠されてきたにもかかわらず、これは多くのsuttāで明確に説明されていることです。特に、Khandha sutta (SN 22.48)は、各集合体に何が含まれるのかを要約しています。

rupakkhandhaには11種類のrupa（マインドの印象）があります。過去、現在、未来、近い、遠い、細かい（sukuma）、粗い（olarika）、好き・高評価（panita）、嫌い・低評価（appanita）、内部（ajjhatta）、外部（bahiddha）があります。

ここで、内的rupaとは自分の体の部分（のメンタルの印象）を意味し、外的rupaとは外部にある物体（のメンタルの印象）を意味します。

したがって、rupakkhandhaがこれまでに見たすべてのもの（前世の出生をも含む）を網羅していることは明らかであり、現在も見ており、将来も見ることを想定されています。過去の記録は永続的であり、namagottaと呼ばれています。将来についてのrupa（たとえば、建築を考えている家のスケッチ）は、時間とともに変化する可能性があります。

他の4つのkhandhasも同じ11タイプです。

受け入れられるレベルの英語訳のKhandha suttaは、オンラインで入手できます。Khandha Sutta: Aggregates

上記のように概念を説明していませんが、各khandhaの11の構成要素が明確にそこにあることがわかります。また、Skandha suttaではないことに注意してください。Khandha suttaです。これが、私がskandhaを間違った用語だと言っている理由です。

2. Now we can see yet again that Buddha Dhamma has become so contaminated over the past thousands of years. Fortunately, we still have the Tipiṭaka in close to original form. The Buddha stated that his Buddha Sasana will last for 5000 years, and the way he made sure that will happen, was to compose the suttā as I described in the post, “Sutta – Introduction“.

• Furthermore, abhidhamma and vinaya sections, as well as three original commentaries, are still intact in the Tipiṭaka; see, “Preservation of the Dhamma” and other posts in “Historical Background“.
• The main problem even with the Theravada version of “Buddhism” is that instead of using the Tipiṭaka as the basis, the tendency is to use the Visuddhimagga written by Buddhaghosa, who had not attained any magga phala and stated that his “wish” was to become a deva in the next life from the merits he gained by writing Visuddhimagga!

Even when using the Tipiṭaka, most people use the wrong interpretations of key words such as anicca, dukkha, anatta, as well as khandha, and Paṭicca Samuppāda. This problem is apparent in the Sinhala translation of the Tipiṭaka, that was done with the sponsorship of the Sri Lankan government several years ago.

2.ここで、仏法が過去数千年に渡って非常に汚染されていることをもう一度見ることができます。幸いなことにTipiṭakaはオリジナルの形に近いままです。釈尊は、彼のBuddha Sasanaは5000年間続くと述べ、それが起こることを釈尊が確信したのはSutta – Introductionで説明したようにsuttāを構成することでした。

さらに、abhidhamma論蔵と vinaya経蔵のセクション、および3つのオリジナルの解説が、Tipiṭakaでそのまま残っています。Preservation of the DhammaやHistorical Backgroundを参照してください。

「仏教」の上座部Theravadaバージョンでの主な問題は、Tipiṭakaを基本として使用する代わりに、Buddhaghosaによって書かれたVisuddhimaggaを使用する傾向があることです。彼は、どの段階のMagga phalaにも達成しておらず、彼の「願い」はVisuddhimaggaを書くことで得られたメリットから、次の人生（来世）でdevaになることでした。

Tipiṭakaを使用している場合でも、ほとんどの人はanicca、dukkha、anatta、khandha、Paṭicca Samuppādaなどのキーワードの誤った解釈を使用します。この問題は、数年前にスリランカ政府の支援を得て行われたTipiṭakaのシンハラ語訳で明らかです。　

Rupa and Rupakkhandha – The Difference

1. Contrary to popular belief, pancakkhandha or panca khandha (five aggregates) is all mental, and realizing this fact can help get rid of the “ghana saññā“, the perception that the world around us is “solid and permanent”‘ I will write more on this later. 

It is sometimes erroneously called pancaskhandha, and I will explain why that is not correct.

1.一般的な考えに反して、pancakkhandhaまたはpanca khandha（5つの集合体、五蘊）はすべてメンタルであり、この事実を理解することで、ghana saññāを取り除くのに役立ちます。これについては後で詳しく説明します。

誤ってpancaskhandhaと呼ばれることもありますが、これが正しくない理由を説明します。

2. For example, there is a huge difference between rupa (material form) and rupa khandha, the aggregate of material form. Rupa khandha is commonly written as rupakkhandha by connecting the two terms to one word, by adding an extra “k” (a common way of connecting words or “sandhi” in Pāli).  The same is true for other four aggregates. The correct interpretation makes many other concepts easier to understand.

• Rupa is matter (and energy) and is made of the satara mahā bhuta (patavi, āpō, tejō, vāyō) and their derivatives.
• Rupa khandha is all MENTAL.
• Similarly, there is a difference between vedana (feelings) and vedanakkhandha (the aggregate of feelings), even though here both kinds are mental; we will discuss the difference below. The other three khandha of saññā, saṅkhāra, and viññāna are similar to that of vedana.

This is very important to understand, and I will proceed slowly to make the concepts clear.

2.たとえば、rupa（物質としての形）とrupakkhandha（物質形の集合体）の間には大きな違いがあります。 Rupa khandhaは通常2つの単語をrupakkhandhaとして1つの単語に結合し、「k」を追加することによってrupakkhandhaと記述されます（パーリ語で「sandhi」と呼ばれる単語を結合する一般的な方法）。他の4つの集合体についても同様です。

正しい解釈により、他の多くの概念が理解しやすくなります。

Rupaは物質（およびエネルギー）であり、satara mahā bhuta四大元素（patavi、āpō、tejō、vāyō）とその派生物で構成されています。

Rupa khandhaはすべてメンタルです。

同様に、ここでは両方の種類がメンタルであるにもかかわらず、vedana（感情）とvedanakkhandha（感情の集合体）の間には違いがあります。以下で違いについて説明します。 saññā、saṅkhāra、viññānaの他の3つのkhandhaも、vedanaのケースにに似ています。

これは理解することが非常に重要であり、概念を明確にするためにゆっくりと進みます。

3. The key in clarifying what rupakkhandha is to examine why the Buddha added “khandha” to rupa. He could have labelled past rupa, future rupa, sukuma rupa, olarika rupa, etc. to describe the 11 types of them as discussed above. What was the need to add “khandha“? That is because rupakkhandha is all MENTAL, and to see how it comes about we need to examine how each of us experience “the world”. Each of us does it differently.

• Each person has his/her own rupakkhandha or the way he/she perceives the material rupa in the world. That rupakkhandha has associated with it other four khandhas and thus comprise the  pancakkhandha. And panca upādānakkhandha, or  what one has cravings for, is a small part of that.
• Just like the concept of anicca, this again is a very important concept to understand, so please try to read through slowly at a quiet time and grasp the concepts. As the Buddha said, “at the end what matters is understanding a concept, not memorizing words”.
• When I first grasped this concept, it was like turning the lights on in a previously dark area that I did not even know existed! This is a good example of what the Buddha meant by “alōkō udapādi“.

3.ルパカンダが何であるかを明らかにするための鍵は、釈尊がrupaに「khandha」を追加した理由を調べることです。彼は、過去のrupa、未来のrupa、微細のrupa、粗雑のrupaなどのラベルを付けて、上記の11種類を説明しました。 「khandha」を追加する必要性は何なのでしょうか？それは、rupakkhandhaはすべてメンタルであり、どうしてそうなのかは、私たち一人ひとりが「世界」をどのように体験するかを調べる必要があります。

私たちそれぞれが異なる方法で「世界」を体験しています。

一人一人が自分のrupakkhand、すなわち彼/彼女がこの世で物質のrupaを認識する仕方があります。そのrupakkhandhaは他の4つのkhandhaに関連付き、pancakkhandhaを構成しています。そしてpancaupādānakkhandha、すなわち「その人の切望」は、pancakkhandhaの一部です。

aniccaのコンセプトと同じように、これもまた非常に重要な概念なので、静かな時にゆっくり読んで理解してください。釈尊が言ったように、「結局のところ重要なのは言葉を覚えるのではなく、概念を理解することです」。

この概念を最初に理解したとき、以前は存在することさえ知らなかった暗い部屋に照明のスイッチをオンにしたようなものでした！これは、釈尊が意味した「alōkō udapādi」の良い例です。

What is a Khandha?

1. One of the main problems we have today is that many key terms in use are in Sanskrit rather than original Pāli. The meanings get distorted. A good example is Paṭicca samuppāda, for which the Sanskrit term is  pratittyasamutpāda, which does not convey the meaning; see, “Paṭicca Samuppāda – “Pati+ichcha”+”Sama+uppäda“.

1.今日の主な問題の1つは、使用されている主要な用語の多くが元のパーリ語ではなくサンスクリット語であることです。理由は意味が歪むからです。良い例はPaṭicca samuppāda です。この場合、サンスクリット語はpratittyasamutpādaであり、それ本来の意味を伝えていません。

Paṭicca Samuppāda – “Pati+ichcha”+”Sama+uppädaを参照してください。

2. Similarly, the Sanskrit term “skandha” is commonly used in the place of khandha, the original Pāli term. Khandha is a heap and the Sinhala term is kanda, which is even used today to denote a heap or a pile.

• When we experience the world, we do that with our six senses, and that experience is registered as thoughts (citta). But a single citta is born and gone in a small fraction of a second. What we EXPERIENCE are the aggregates of numerous citta that go through our minds even in a fraction of a second.
• We experience a rupa (sight, sound, smell, taste, touch, dhamma) with a citta AND based on that generate mental qualities of vedana, saññā, saṅkhāra, and viññāna. In each citta, the mind analyzes all these, and that citta is gone in a fraction of a second.
• The manasikara cetasika that is in each citta puts together the contents in all these “packets” — including our past impressions — and provides us with an overall experience that includes a “sketch of what we see, hear, ..”, and those feelings, perceptions etc that arise due to that sense impression.

This can be compared to the process of connecting individual links in a metal chain. In the old days, blacksmiths used to make chains by manually connecting one link to the next by hand. He can only see himself linking two of them at a time, but if he looked back he could see the whole chain that is being made. In the same way, the five aggregates or heaps keep building up with each passing second.

2.同様に、サンスクリット語の「skandha」は、元のパーリ語であるkhandhaの代わりに一般的に使用されています。khandhaは「積み重なった塊」であり、シンハラ語はkandaであり、今日でも「積み重なったもの」または「堆積」を表すします。

私たちが世界を経験するとき、私たちはそれを私たちの6つの感覚で行い、その経験は思考（citta）として登録されます。しかし、単一のcittaは生まれても、ほんの一瞬で消えます。私たちの体験とは、ほんの一瞬であってもマインドを通過する数多くのcittaの集合体です。

私たちはcitta（思い）と一緒にrupa（視覚、音、匂い、味、触覚、ダンマ）を経験し、それに基づいてvedana, saññā, saṅkhāra, viññānaのメンタルの質を生み出されます。それぞれのcittaで、マインドがこれらすべてを分析し、そのcittaはほんの一瞬で消えます。

それぞれのcittaにあるmanasikara cetasikaは、これらすべての「パケット」（過去の印象を含む）のコンテンツを一つにまとめ、「私たちが見たり聞いたりしたスケッチ」をふくめ、全ての経験を提供します。

そしてそれらの感情や認識などがその感覚の印象によって生じます。

注釈　マナシカーラ（作意）は、マインドを作動させるエネルギーです。すべての心所の行動を起こさせる引き金のような、スイッチを押すようなはたらきをします。

これは、金属の鎖の個々のリンクを接続するプロセスと比較できます。昔は、鍛冶屋は手仕事で1つのリンクを次のリンクに接続して鎖を作っていました。職人は2つの輪をただつなげているだけですが、離れてみると、作成された鎖の全体を見ることができます。同様に、5つの集合体すなわち塊は、1秒ごとに増加し続けます。

3. In another example, it is like a movie recording that keeps recording non-stop from our birth to death. And when we die it does not stop, it just start recording the new life. And these five heaps or aggregates that have accumulated over ALL previous lives are in the namagotta, a permanent record; see, “The Amazing Mind – Critical Role of Nāmagotta (Memories)“.

• Of course, we remember only a fraction of it, even for the present life. But some people remember more things than others; see, “Recent Evidence for Unbroken Memory Records (HSAM)“.
• But we also make plans about the future. And those heaps about the future are also in the pancakkhandha, but not in the namagotta, which only has records of what has already happened. As soon as the present moment goes by, more of the five heaps are added to the namagotta.
• Thus pancakkhandha includes past, present, and future, whereas namagotta includes only that portion of the pancakkhandha that has gone to the past.
• Even though I have discussed these concepts in the introductory posts in the Abhidhamma section, here I will go through a simpler version to get the ideas across. Those who are interested, can then review the posts in Abhidhamma section as well; see, “Essential Abhidhamma – The Basics“.

他の例でいうと、誕生から死までをノンストップで記録し続けるビデオカメラのようなものです。死んでもカメラは廻り続け、次は新しい生を記録し始めます。全ての前世が記録として永久に残存されるのがnamagottaと呼ばれるもので、これらが積み重なっているものがこの５つの塊であり集合体です。

The Amazing Mind – Critical Role of Nāmagotta (Memories)

もちろん、覚えているのは現世のそれもほんの一部だけです。しかし中には他の人よりも多くのことを記憶している人たちがいます。Recent Evidence for Unbroken Memory Records (HSAM)

私たちは未来における計画を立てます。未来についての塊もpancakkhandhaの中での出来事です。これらがNamagottaではないのは、それは既に起こったことだけを記録するからです。今の瞬間が過ぎるか否や５つの塊にNamagottaが付け加えられます。

Pancakkhandhaが過去、現在、未来にわたっているのに対して、Namagottaは過ぎ去ったことだけなのでPancakkhandhaのほんの一部でしかありません。

Abhidhammaセクションでこのことについて書いているのですが、もっとシンプルに説明するアイディアが浮かんだので、興味ある方はEssential Abhidhamma – The Basicsを参照してください。

What We Experience Comes in “Packets” or “Heaps” or “Khandha“

1. A simple view of how we sense the outside world is as follows: The five physical senses receive images, sounds, smells, tastes, and touches from the outside. Those sense inputs are sent to the brain via the nervous system. The brain analyzes such “signals” and helps the mind (hadaya vatthu) to extract the “meanings” conveyed by those images, sounds, smells, tastes, and touches.

• Let us take an example of looking at a cake. The eye is like a camera; it captures an image of the cake just like a camera does. That image is sent to the brain and the brain analyzes that picture, and sends to the mind (hadaya vatthu), which matches it with previous experiences (manasikara cetasika does this) and identifies it as a chocolate cake made by grandma. The brain and mind working together this way can analyze many such pictures in a fraction of a second.

This is basically what scientists believe what happens too; but the difference is that scientists believe that the brain compares the current image of the cake with zillions of images “stored in the brain”, which I say is an impossibility. The brain needs to scan through “its depository of images” and not only identify that it is not a loaf of bread or a piece of wood, but also what kind of a cake it is, and whether it is made by grandma or bought from a store. And this is done within a fraction of a second. Think about it! This is real vipassana meditation! What we are trying to do is to understand how nature works.

1.外の世界を感覚する簡単な流れは次のとおりです。5つの身体感覚は、外部からイメージ、音、匂い、味覚、感触を受け取ります。これらの感覚入力は神経系を介して脳に送られます。脳はそのような「信号」を分析し、それらのイメージ、音、匂い、味、および感触によって伝えられる「意味」を抽出するためにマインド（hadaya vatthu）を助けます。　

ケーキの例を見てみましょう。目はカメラのようなものです。カメラのようにケーキの画像をキャプチャーします。その画像は脳に送信され、脳はその画像を分析して、以前の経験と一致する画像を探して（manasikara cetasikaがこれを行う）、それをマインド（hadaya vatthu）に送信し、それをおばあちゃんが作ったチョコレートケーキとして識別します。このように連携する脳とマインドは、多くの写真をほんの一瞬で分析できます。

この（視覚による認識のメカニズム）を基本的に科学者も信じています。しかし、違いは科学者は「脳」が眼の前のケーキの画像を「脳に保存された」何十億もの画像と比較していると信じているということです。私はこれは不可能だと思っています。

脳は「画像の保管場所」をスキャンし、パンの塊や木片ではないことだけでなく、それがどのような種類のケーキであるか、おばあちゃんが作ったか、それとも店で買ったのかを認識する、と信じているのです。そして、これは一瞬のうちに行われます。考えてみてください！これは本物のヴィパッサナー瞑想です！

私たちがしようとしていることは自然がどのように機能するかを理解することです。

2. In Buddha Dhamma, the brain is in constant communication with the “hadaya vatthu” which is the seat of the mind. All our past experiences are “stored” in the mental plane (manō lōka) and hadaya vatthu can access that information; these are what we called “namagotta“.  See, “Our Two Worlds : Material and Mental“.

How the brain is in constant communication with the hadaya vatthu and other details are discussed in the Abhidhamma section. Those details are not important as long as one can picture this process in one’s mind.

• This image sent by the eyes (and the brain) to the hadaya vatthu generates an imprint of that image and it goes into memory. That image is the rupakkhandha generated by that object, the cake in our example; it is not material, it is a record.
• If it was a smell that was analyzed, then a record of that smell is made. Thus the rupakkhandha here is a record of that particular smell. In this way, rupakkhandha are just records or imprints. All five physical senses help generate rupakkhandha; remember that sight, sound, smell, taste, touch are all rupa.
• What the mind receives is a set of static frames in a given second. Many such records for various sense inputs go through our minds in a second. The mind is able to make this appear to us as a continuous movie, with pictures, sounds, tastes, etc flowing smoothly.

2.ブッダダンマでは、脳はマインドがある「hadaya vatthu」と常にコミュニケーションをとっています。私たちの過去のすべての経験はメンタル界（manō lōka）に「保存」され、hadaya vatthuはその情報にアクセスできます。これらが「namagotta」と呼ばれるものです。

Our Two Worlds : Material and Mentalを参照してください。

脳がどのようにhadaya vatthuと常に通信しているのか、およびその他の詳細については、Abhidhammaセクションで説明します。このプロセスを頭の中で想像できれば、ここでは詳細は重要ではありません。

目（および脳）からhadaya vatthuに送信されたこの画像は、その画像の型（痕跡、インプリント）を生成し、メモリに格納されます。その画像は、対象物（この例ではケーキ）によって生成されたrupakkhandhaです。それは物質ではありません、それは記録です。

分析されたものが匂いであった場合、その匂いの記録が作成されます。したがって、この場合のrupakkhandhaはその特定の匂いの記録です。このように、rupakkhandhaは単なる記録すなわちインプリントです。五感すべてがrupakkhandhaの生成を助けます。視覚、音、匂い、味、触覚はすべてrupaであることを忘れないでください。

マインドが受け取るのは、特定の1秒間の一連の静的フレームです。さまざまな感覚入力に関する多くのそのような記録は、一瞬で私たちのマインドを通過します。マインドはこれを連続的な映画として私たちに見せることができ、写真、音、味などがスムーズに流れます。

Animation Video

1. Just to give the flavor of what happens, we can look at what happens when we watch a movie. The movie is a series of static pictures or frames. When making a movie, what is actually done is to take many static pictures and then play them back at fast enough speed. If the playback speed is too slow, we can see individual pictures, but above a certain “projection rate”, it looks like real motion. Here is a video that illustrates this well:

1.何が起こっているのかを理解するために、映画を見て何が起こっているのかを見てみましょう。映画は、一連の静止画像またはフレームです。映画を作成するとき、実際に行われるのは、多くの静止画像を撮り、それらを十分な速度で再生することです。再生速度が遅すぎると、個々の画像を見ることができますが、特定の「投影レート」を超えると、実際の動きのように見えます。これはそれを説明するビデオです：

2. When we experience (see, hear,…) the outside world, what happens is very similar to the above. At the end of the video it is stated that the “movie” we see is an illusion, and as the Buddha explained, that holds for real life as well. In real life when we see someone coming towards us, what we actually see is a series of “static pictures” or citta projected at a very fast rate in our minds, giving us the illusion of a “movie like experience”.

• Even though in the above video it is suggested that all the information from the “previous static frames” were put together by the brain, that is true only to a certain extent.
• The brain does put together the individual frames, but without actual “memories” it is not possible to get the deep details about what is seen.
• We not only “see” the video, but we also RECOGNIZE what is seen (we identify a given actor, we can even remember previous movies with that actor, we KNOW all about the scenes in the background, etc); to have all that information instantly available to the brain is not possible. This is a point that needs a lot of thought.
• What happens according to Abhidhamma, is that the brain periodically sends packets of acquired data put together by the cortex in the brain to the hadaya vatthu, which is basically the seat of the mind. There citta vithi arise in accepting that information from the brain, and it is the mind that does all the compiling (with the help of the manasikara and cetana cetasika) and that is how we EXPERIENCE any sense input.

For those who are interested in more details, see, “Citta and Cetasika – How Viññāṇa (Consciousness) Arises“.

2.外の世界を体験する（見る、聞く、…）ときに起こることは、上記と非常によく似ています。ビデオの最後に、私たちが見る「映画」は幻想（フィクション）であると述べられています。釈尊が説明したように、それは実生活にも当てはまります。誰かが近づいてくる時、実際に目にするのは、一連の「静的な写真」すなわち非常に速くマインドに映し出されたcittaであり、「映画のような体験」の錯覚を与えます。

上記のビデオでは、「以前の静的フレーム」からのすべての情報が脳によってまとめられたことを示唆していますが、それはある程度は妥当です。

脳は個々のフレームを組み立てますが、実際の「記憶」がないと、見えているものについての詳細を知ることはできません。

私たちはビデオを「見る」だけでなく、見られるものを認識します（特定の俳優を識別し、その俳優と一緒に以前の映画を思い出すこともできます。背景のシーンについてすべて知っているなど）。そのすべての情報を即座に脳に提供することは不可能です。これは多くの考えを必要とするポイントです。

Abhidhammaによると、脳は、脳の皮質によってまとめられた取得データのパケットを定期的にhadaya vatthuに送信します。これは、基本的にマインドがある場所です。脳からその情報を受け入れる際にcitta vithiが発生することがあり、すべてのコンパイルを（manasikaraおよびcetana cetasikaの助けを借りて）行うのはマインドであり、それが私たちの感覚入力を経験の仕方です。

詳細に興味のある方は、Citta and Cetasika – How Viññāṇa (Consciousness) Arisesをご覧ください。

3. When the mind analyzes those packets of information sent by the brain with cittā, it generates feelings (vedana), perception (saññā), and follow-up thoughts (viññāna); if the mind likes/dislikes that sense input it may decide to act on it by generating saṅkhāra.

• Thus we can see that depending on the nature of the sense input, the mind will generate a “packet” of vedana (i.e., vadanakkhandha), a “packet” of saññā (saññākkhandha), a “packet” of saṅkhāra (saṅkhārakkhandha), a “packet” of viññāna (viññānakkhandha), in addition to the rupakkhandha that was involved in the sense input. Actually all these five khandhas are generated within the same series of citta.

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3.cittāと脳によって送信された情報のパケットをマインドが分析すると、感情（vedana）、知覚（saññā）、フォローアップ思考（viññāna）が生成されます。マインドがその感覚入力を好き/嫌いなら、それはsaṅkhāraを生成することによって作用することに決めるかもしれません。

したがって、感覚入力の性質に応じて、マインドはvedanaの「パケット」（つまり、vadanakkhandha）、saññā のパケット(saññākkhandha), saṅkhāraのパケット (saṅkhārakkhandha), viññānaのパケット (viññānakkhandha)を生成することがわかります。それらは感覚入力に関与したrupakkhandhaに加わります。実際、これら5つのkhandhasはすべて同じシリーズのcittaの内で生成されます。

Our Experience is Stored in Those Khandhas　私たちの経験はそれらのカンダに保存されています

1. Thus our experiences are stored in five type of “heaps” (rupa, vedana, saññā, saṅkhāra, viññāna) in the mental plane (manō lōka). Some of these “clips” or “packets” from those five heaps or aggregates can be recalled and played back in our minds just like a movie is played back on a screen. When we do that we can recall that particular experience with sights, sounds, etc.

• It is the sum of all such packets of a given kind that is called a khandha, for example, a rupakkhandha. All these are our memory records of what we see, hear, smell, taste, touch, and also think.
• The ability to recall past experiences, we call memory. Some have better memories than others. There are some people who can “playback” basically one’s life day-by-day for many years into the past; see, “Recent Evidence for Unbroken Memory Records (HSAM)“. It is amazing to see how much they can recall.
• Yet, one can recall not only memories from this life, but also from past lives by developing abhiññā powers. Thus the Buddha Gotama was able to describe in vivid detail the scene, aeons ago, when the Buddha Deepankara stated that he was to become a Buddha in the future.

But let us get back to the main discussion.

1.したがって、私たちの経験は、メンタル界（manō lōka）の5種類の「積み重なった塊」（rupa、vedana、saññā、saṅkhāra、viññāna）に格納されます。これらの5つの塊すなわち集合体から「クリップ」または「パケット」の一部は、映画がスクリーンで再生されるのと同じように、思い出すことによって頭の中で再生することができます。そうして、光景や音などの特定の体験を思い出すことができます。

これは、khandhaと呼ばれる特定の種類のすべてのパケットの合計です。たとえば、rupakkhandhaです。これらはすべて、私たちが見たり聞いたり、嗅いだり、味わったり、触ったり、考えたりしたことについての私たちの記憶記録です。

過去の経験を思い出す能力を、私たちは記憶と呼びます。中にはみんなよりも記憶が良い人がいます。基本的に過去何年もの間の、日々の生活を「再生」できる人もいます。Recent Evidence for Unbroken Memory Records (HSAM)。彼らがどれだけ想起できるかを見るのは驚くべきことです。

しかし、abhiññāの力を発達させることで、この人生の思い出だけでなく、前世の人生の思い出も思い出すことができます。したがって、Buddha DeepankaraがBuddha Gotamaは将来ブッダになると述べたときのことを、釈尊は、aeonという長い年月の前のことであるのに、鮮明に詳細を説明することができました。

メインの議論に戻りましょう。

2. The brain analyzes multiple sense inputs of different kinds in a second. When we watch a movie, we see the picture, hear the sounds, and if we are eating popcorn we can smell and taste popcorn too; see, “What is a Thought?“. Even if you are not familiar with Abhidhamma, you can get a good idea of what happens by reading that post. Just try to get the overall picture of what happens instead of trying to analyze in detail.

• Thus our perception of an object is due to the sum of many thoughts (cittā) that arise per second. And each citta has “embedded in it”, our feelings (vedana), perceptions (saññā), our decisions on how to act (saṅkhāra), and our overall sense experience (viññāna). In the case of a visual, auditory, … event, we also have the corresponding “imprints of them” in our mind.
• In other words, all our sense experiences can be described by five heaps or khandhas. The totality of our experience or “our world” is panca khandha (pancakkhandha). And it has nothing to do with our physical bodies.

Thus it is important to understand that “rupa” can used in the sense of “matter” and also in the sense of “records of those material rupa“.

2.脳は、複数のさまざまな種類の感覚入力を1秒で分析します。映画を見ているときは、写真を見たり、音を聞いたり、もしポップコーンを食べていると、ポップコーンの匂いを感じたり、味わったりすることができます。What is a Thought?を参照してください。 Abhidhammaに慣れていない場合でも、読むことで、何が起きているかを理解することができます。詳細に分析するのではなく、何が起きているのかを全体的に把握してみてください。

したがって、対象物に対する私たちの知覚とは、1秒間に発生する多くの思考（cittā）を総計したものです。そして、それぞれのcittāに「埋め込まれている」私たちの感情（vedana）、知覚（saññā）、行動方法に関する私たちの決定（saṅkhāra）、そして私たちの全体的な感覚体験（viññāna)があります。視覚、聴覚、…出来事の場合には、対応する「それらのインプリント（型）」も私たちのマインドにあります。

言い換えれば、私たちのすべての感覚の経験は、5つの積み重なった塊すなわちkhandhaによって説明できます。私たちの経験すなわち「私たちの世界」の全体は、pancakkhandhaです。そしてそれは私たちの肉体とは何の関係もありません。

したがって、rupaは「物質」の意味だけではなく、「それら物質的rupaの記録」の意味でも使用できることを理解することが重要です。

3. These mental components are what the Buddha called khandhas. Rupakkhandha does not include actual material objects, sounds, smells, tastes, or touches. Rather rupa khandha includes only the mental records or imprints of those sense inputs.

• During our life, we continuously accumulate such khandhas or bundles of heaps of sense imprints. Thus a rupa khandha or rupakkhandha (note how the two words were connected by inserting an additional “k”) is not actual rupa, but our mental images of such rupa.

Similarly, we keep accumulating bundles of vedana (vedanakkhandha), saññā

 (saññākkhandha), saṅkhāra (saṅkhārakkhandha), and viññāna (viññānakkhandha).

3.これらのメンタル的要素を釈尊はkhandhasと呼びました。Rupakkhandhaには、実際の物体、音、匂い、味、感触は含まれません。rupa khandhaには、これらの感覚入力のメンタルの記録すなわちインプリントのみが含まれます。

私たちの生活の中で、私たちはそのようなkhandhasすなわち感覚の型の塊の束を継続的に蓄積しています。したがって、rupa khandha すなわち rupakkhandha（2つの単語が追加の「k」を挿入することによってどのように接続されたかに注意してください）は実際のrupaではなく、rupaのメンタルイメージのことです。

同様に、vedana（vedanakkhandha）、saññā（saññākkhandha）、saṅkhā（saṅkhārakkhandha）、viññāna（viññānakkhandha）の束を蓄積し続けます。

4. In fact, these khandhas are all that we have ever experienced, and would like to experience in the future. The five khandhas encompass our (changing) identity, and our sense of the whole world out there. They have embedded in them all our past experiences and also future hopes.

• This is what was meant by saying that pancakkhadha (the five aggregates) is our whole world.
• And these records can go back to beginningless time! Some people can recall more past records than others, but by gradually developing abhiññā powers, one can recall more and more past lives.

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4.実際、これらのkhandhasは、私たちがこれまでに経験したものであり、将来も体験したいと思っているものです。5つのkhandhasは、私たちの（変化する）アイデンティティと、そこにある世界全体の各自の感覚を包み込んでいます。Khandhasには私たちの過去の経験と将来の希望がすべて埋め込まれています。

これは、pancakkhadha（5つの集合体）が私たちの全世界であるという意味です。

そして、これらの記録は無限の時間に戻ることができます！過去の記録を他の人よりも思い出せる人もいますが、abhiññhiの能力を徐々に発達させることで、より多くの前世の人生を思い出すことができます。

Pancupādānakkhandha – It is All Mental

January 1, 2016; revised November 2, 2017, June 28, 2019

Rūpa and Rūpakkhandha are two different things. There are rūpa made up of “physical matter ” (suddhashtaka) in the rūpa lōka. Rūpakkhandha consists of each person’s memories, hopes, and desires for some of the rūpa in the rūpa lōka. Since the other four khandha (vēdanā, saññā, saṅkhāra, viññāna) are all mental anyway, all five are MENTAL.

1. In the previous post, “Pancakkhandha or Five Aggregates – A Misinterpreted Concept“,

RūpaとRūpakkhandhaは2つの異なるものです。 Rūpa lōkaには「物質」（suddhashtaka）で構成されたrūpaがあります。 Rūpakkhandhaは、rūpalōkaの一部のrūpaに対する各人の記憶、希望、および欲望で構成されています。他の4つのkhandha（vēdanā、saññā、saṅkhāra、viññāna）は始めからメンタルであるため、5つすべてがメンタルです。

We discussed a deeper meaning of the panca khandha or the five heaps or the five aggregates that define a given living being. Each person’s panca khandha or the “world” is different from another’s.

• Of course, in the 31 realms of existence there are  rūpa, or material (and energy). But our experiences are all mental (which also has energy). Please read the previous post again if you think rupakkhandha is material. Rūpakkhandha consists of our thoughts, memories, perceptions, desires, etc. on rūpa that we have experienced, are experiencing now, and hope to experience in the future. We have those “imprints of rūpa” in our minds even if we cannot recall all of them.

We experience the “material world” only at the “present time” (in a citta vithi), then it is gone. We actually experience not a single citta — or even a single citta vithi — but the overall effect of many citta vithi that run in the blink of an eye.

1.Pancakkhandha or Five Aggregates – A Misinterpreted Conceptでは、特定の生物を定義するpanca khandhaすなわち5つの積み重なった塊、5つの集合体のより深い意味について説明しました。各自のpanca khandhaすなわち「世界」は他者とは異なります。

もちろん、存在の31の領域には、rupaつまり物質（およびエネルギー）があります。しかし、私たちの経験はすべてメンタルです（エネルギーも持っています）。rupakkhandhaが素材だと思われる方は、前のトピックをもう一度読んでください。 Rūpakkhandhaは、私たちが経験した、現在経験している、そして将来経験したいと思っている、rupaに関する私たちの考え、記憶、認識、欲望などで構成されています。それらすべてを思い出すことはできませんが、私たちはそれらの「rūpaのインプリント（痕跡）」をmindsに持っています。

私たちは「物質的な世界」を「現在」（citta vithiの中で）でのみ経験し、それは消え去っていきます。私たちは実際には単一のcitta、すなわち単一のcitta vithiではなく、瞬く間に実行される多くのcitta vithiの全体的な影響を経験しています。

2. This “overall experience of seeing” within a short time is what we actually call seeing (ditta). Same for hearing (suta). For the other three physical senses (muta), it can be there as long as we are actually experiencing them.

• For example, when we are eating a meal, the sense contact is there until we finish eating. When we have a headache (an actual dukha vēdanā) or while getting a massage (an actual sukha vēdanā), the sense experience is there for a while.
• But thinking about them (viññāta) — via the sixth sense, the mind — can be experienced at any time; we can recall a past experience or conjure up an enticing future experience.
• Ditta, suta, muta, viññāta include everything that we experience and we can recall them back later. They are re-categorized as rūpa, vēdanā, saññā, saṅkhāra, and viññāna or the five heaps or aggregates.

It is not necessary to memorize terms like ditta, suta, muta, viññāta. I am merely naming them to avoid any confusion, since those terms are in the suttā. With time, one will remember.

2.この短時間のうちに「見る全体的な体験」を、見ること（ditta）と実際では呼んでいます。ヒアリング（suta）も同じです。他の3つの物理的な感覚（muta）については、実際に体験している限りにおいて存在している可能性があります。

例えば、私たちが食事をしているとき、私たちが食事を終えるまで感覚の接触がそこにあります。私たちが頭痛を抱えているとき（実際のdukha vēdanā）やマッサージをしているとき（実際のsukha vēdanā）、感覚体験はしばらくの間そこにあります。

しかし、それらについて考えること（viññāta）—6つ感覚とマインドによって—はいつでも経験することができます。過去の経験を思い出したり、魅力的な将来の経験を思い起こすことができます。

Ditta, suta, muta, viññātaには、私たちが経験するすべてが含まれており、後で思い出すことができます。それらは、rūpa、vēdanā、saññā、saṅkhāra、およびviññānaすなわち5つの塊である集合体として再分類されます。

ditta、suta、muta、viññātaなどの用語を覚える必要はありません。これらの用語はsuttaにあるので、混乱を避けるために単に名前を付けています。時間とともに、覚えます。

3. Upādāna (“upa” + “ādāna” where “upa” means “close” and “ādāna” means “pull”) means “pull and keep close”. One tries to pull and keep close only things that one really desires: panca upādāna khandha or  pancupādānakkhandha. We can translate the term, pancupādānakkhandha, as “five clinging aggregates”.

• Thus out of an infinite variety of “things (material and mental)” one has experienced (not only in this life, but in all of existence countless rebirths) — pancakkhandha –, those that one really have bonding with, and have the desire to “keep close” are panca upādāna khandha or pancupādānakkhandha. It is important to realize that “rupakkhandha” is mental too; see, “Difference Between Rupa and Rupakkhandha“.

Thus  pancupādānakkhandha is what we desire, and is ALL MENTAL too. It is a small fraction of pancakkhandha.

3.Upādāna（「upa」+「ādāna」、ここで「upa」は「近く」、「ādāna」は「引く」を意味します）は「引っぱって近くに置いておく」を意味します。自分が本当に望んでいるものだけを引っ張ってきて、近くに置いておこうとします。これがpanca upādāna khandhaすなわちpancupādānakkhandhaです。 pancupādānakkhandhaは、「5つの執着する集合体」とも翻訳できます。

したがって、無限の種類の「モノ（物質的およびメンタルの）」のうち、（この現世の人生だけでなく、存在する数え切れないほどの前世のすべてで）経験したものが pancakkhandhaであり、そのなかで本当に結びつき、欲望を持っているもので「近くに置いている」ものがpanca upādāna khandhaすなわちpancupādānakkhandhaです。ここでもRupakkhandhaもメンタルであることを認識することが重要です。

Difference Between Rupa and Rupakkhandhaを参照してください。

したがって、pancupādānakkhandhaは私たちが望むものであり、全てがメンタルでもあります。これはpancakkhandhaのほんの一部です。

4. First, let us dig a bit deeper into the concept of panca khadha (five heaps) or pancakkhandha. Then one can see connections to other concepts at a deeper level.

• As we recall, the five heaps include everything that one has experienced (rūpa, vēdanā, saññā, saṅkhāra, viññāna) in the past, one is experiencing right now, and one hopes to experience in the future and in each of these three categories, they can be subdivided into other categories like paneeta (likes) and appaneeta (dislikes); see the previous post.

Since each person’s experience is unique, one’s pancakkhandha is unique, and is different from that of another living being. That is because even if the external rūpa are the same, the mental impressions are different.

4.最初に、panca khadha（5つの塊）すなわちpancakkhandhaの概念をもう少し詳しく見てみましょう。次に、より深いレベルで他の概念との関係を確認できます。

私たちが覚えているように、5つの塊には、過去に経験したすべて（rūpa、vēdanā、saññā、saṅkhvira、viññ、na）、現在進行形で経験していること、そして将来に経験を希望することも含みます。そしてこれら3つの時空のそれぞれにおいて、paneeta（好き）やappaneeta（嫌い）のような他のカテゴリで分類することができます。前の#2を参照してください。

一人一人の体験は独特なので、pancakkhandhaは独特であり、他のどの生命体とも異なります。それは、外部にあるrupaが同じものであったとしても、メンタルによる印象は各自によって違うためです。

5. A new born baby, does not have much of an experience in this life (other than some while in the womb). But he/she still have an infinite things from the past in those five heaps or aggregates.

• As the baby grows, its pancakkhandha grows each day, adding to the five heaps not only with what is experienced, but also expectations and desires about the future.

We, of course, remember only a fraction of what is in our pancakkhadha even from our present life.  Each day, we experience many things and forget most of it by the next day.

5.生まれたばかりの赤ちゃんは、（子宮内の経験を除いて）この人生であまり経験がありません。しかし、彼/彼女は5つの塊すなわち集合体にある過去からの無限のものをすでに持っています。

赤ちゃんが成長するにつれて、そのpancakkhandhaは毎日成長し、5つの集合体には、これまで経験したことだけでなく、将来についての期待や願望も加わります。

もちろん、私たちはpancakkhandhaにある現在の生活のほんの一部のことしか覚えていません。私たちは毎日多くのことを経験し、翌日までにそのほとんどを忘れます。

6. However, some of deeper desires and habits and character remain, sometimes even unknown to us, beneath the surface as our gati and āsavas (by the way, those will be reflected in the cētasika that automatically arise with our citta). As that baby grows, depending on its parents, friends, and other environmental factors, some of those (good and bad) gati resurface and even grow.

• This is why each person is good at some things. If one has musical talent from the past lives, that child can flourish in an environment that provides suitable conditions. If that baby grows in a family that does not provide “a musical environment”, then that gati is kept hidden.

Similarly, one who had the tendency to like alcohol, may be kept out of that habit in a family environment that looks down upon drinking. We can think about zillion other character features that can be suppressed or brought to surface to flourish depending on the environment.

6.しかし、深い欲望や習慣、性格の一部は、gati やāsavasとして表面下に残ることもあり、時には意識には知られていないこともあります（ちなみに、それらは、cittaとともに自動的に発生するcētasikaに反映されます）。赤ちゃんが成長するにつれて、その両親、友人、および他の環境要因に応じて、それらのいくつか（良い点と悪い点）のgatiが再浮上して、成長します。

これが一人一人は何か得意なものがある理由です。もし前世に音楽の才能があれば、その子供は適切な条件が与えられた環境であればその才能を開花させることができます。その赤ちゃんが「音楽的な環境」を与えられない家族で成長するのならば、そのgatiは隠されたままです。

同様に、アルコールを好む傾向があった人は、飲酒を軽蔑する家族環境ではその習慣を避けられるかもしれません。環境に応じて抑制したり、表面化して繁栄させたりできる数十億のキャラクターの特徴について考えることができます。

• This is why some people, who have not shown any talent for anything for many years, suddenly “take off and thrive” in a new venture. Stated in another way, one may not realize that “one has upādāna” for certain things, unless exposed to it.
• We all have good and bad things that we have “upādāna” for. We should stay away from bad ones (forcibly if needed to) and find and cultivate good ones. This is why parent and teachers can play a big role in a child’s future.

Eventually, we need to lose “upādāna” for everything, but that comes much later in the Path when one has attained the Anāgāmi stage, or at least the Sakadāgāmi stage of Nibbāna. First we need to lose “upādāna” for the highly immoral activities. At the Sōtapanna stage, one realizes the perils of “upādāna” for only the worst habits that makes one eligible to be born in the apāyā. It is a gradual process.

これが、何年も何の才能も示さなかった一部の人々が、突然、新しい事業で「飛び立つように成功する」理由です。別の言い方をすれば、ある環境に接しない限り、ある事柄についての「upādānaを持っている」ことに気付かないかもしれません。

「upādāna」を持つことで、私たちだれにとっても、良いことと悪いことがあります。私たちは悪い人から離れて（必要なら強制的に）、良い人を見つけて育てる必要があります。これが、親と教師が子供の将来に大きな役割を果たすことができる理由です。

最終的には、すべての「upādāna」を失う必要がありますが、それは、「道」のずっと後の段階で、Anāgāmiステージ、または少なくともNibbānaのSakadāgāmiステージに到達したときのことです。まずは、非常に不道徳な活動をする「upādāna」を取り除く必要があります。Sōtapannaの段階では、「upādāna」の危険を悟り、apāyāで生まれる最悪の習慣だけに気づきます。Upādānaを取り除いていくことは段階的なプロセスです。

7. The tendency to recreate past experiences and future desires need to be clearly distinguished from the ABILITY TO RECALL past experiences. The Buddha was able to recall things that happened trillions of years ago, but did not either enjoy them or had a revulsion to them.

• As we discussed in the section, “Assāda, Ādīnava, Nissarana“, kāma (or more precisely kāma rāga) is the tendency to enjoy such mind-made pleasures from the past or future.
• Each person’s set of panca updana khandha has embedded in them the certain types of things and events they give priority to, i.e., one’s gati and anusaya. They automatically come out as particular set of cētasika (hate and fearlessness of doing immoral things, for example) in our citta or thoughts.
• Those kāma rāga that correspond to gati in the apāyā can lead to rebirth in the apāyā.

Rūpa rāga and arūpa rāga are the tendencies to enjoy jhānic pleasures corresponding to rūpa and arūpa realms.

7.過去の経験と将来の欲求を想起する傾向と、過去の経験を呼び起こす能力とは明確に区別する必要があります。釈尊は何兆年も前に起こった事を思い出すことができましたが、それらを楽しむことも、嫌悪することもありませんでした。

Assāda, Ādīnava, Nissaranaで説明したように、kāma（より正確にはkāma rāga）とは、マインドが作ってしまう過去の想い出と未来の空想の快楽を楽しむ傾向です。

各自のpanca updana khandhaには、優先する特定の種類の事物やイベント、つまり、gatiとanusayaが埋め込まれています。それらは自動的に、私たちのcittaすなわち思考の中の特定のcētasika（たとえば、不道徳なことをすることへの憎悪もしくは恐れを知らない反応）として現れます。

apāyāのgatiに対応しているkāma rāgaならば、apāyāでの再生につながる可能性があります。

Rūpa rāgaとarūpa rāgaは、rūpaとarūpaの領域に対応しており、jhānicの快楽を楽しむ傾向になります。

8. Thus now we can see Nibbāna in terms of pancupādānakkhandha. As one sheds “upādāna” for gati corresponding to the apāyā, higher kāma lōka, and rūpa or arūpa lōka successivelyどの動詞にかかっているのか？shed？correspond？, one attains the Sōtapanna, Anāgāmi (via Sakadāgāmi stage), and the Arahant stage respectively.

• As one keeps shedding layers of pancupādānakkhandha, one proceeds to higher stages of Nibbāna, and upon attaining the Arahant stage loses all “upādāna” and thus  pancupādānakkhandha. However, the  pancakkhadha remains, and upon the death all of it will stay in the nāma lōka as nāma gotta.

Thus anyone with sufficient abhiññā powers can examine those nāma gotta.  That is how the Buddha Gotama described the lives of many previous Buddhas, and we learn about them today.

8.これでpancupādānakkhandhaの観点からニッバーナを見ることができます。 Apāyā、上位のkāma lōka、rūpa lōkaそしてarūpa lōkaに対応するgatiの「upādāna」を連続して照らすことで解明すると、Sōtapanna、Anāgāmi（Sakadāgāmiステージを経由）、そしてArahantステージにそれぞれ到達します。

pancupādānakkhandhaの層を照らすことで解明し続けると、Nibbānaの上位ステージに進み、Arahantステージに到達すると、すべての「upādāna」、つまりpancupādānakkhandhaは取り除かれます。しかし、pancakkhadhaは残っており、死ぬと、そのすべてがnāma gottaとしてnāma lōkaに留まります。

したがって、十分なabhiññā力を持つ者は誰でも、それらのnāmagottaを吟味することができます。それがBuddha Gotamaが以前の多くのブッダたちの生き方を説明した方法であり、今日では私たちはそれらを学んでいます。

9. Unless one has attained the Sōtapanna stage, it is possible for “apāya gati” to come to the surface (as cētasika like greed, shamelessness in doing immoral things, etc in our citta or thoughts), especially under extreme conditions. We all have been in the apāyā uncountable times, so it is not something to be speculated; we have had those gati, and it is possible that they can resurface. This is the danger that we need to realize.

Even if we manage to avoid such “extreme conditions” in this life because we have been fortunate to be born under good conditions, we have no idea where we will be born in the future. This is why the Buddha said, “..appamadena sampadeta” or “make haste and sort out ‘san‘ or what to do and what not to do”.

9.Sōtapannaステージに達していない限り、特に極端な状況下では、「apāya gati」が表面化する可能性があります（貪欲や不道徳な行いをしても恥ないなどのcētasikaとして）。私たちは皆、数え切れないほどの時間をapāyaで過ごしてきたので、推測ではありません。私たちはそれらのgatiを持っています、そしてそれらが再び浮上する可能性があります。これが認識しなければならない危険性です。

良い環境の元に生まれて幸運のため、このような「極限状態」を何とか避けたとしても、来世ではどこに生まれるかはわかりません。これが、釈尊の言う「..appamadena sampadeta」、訳すると「急いで「san」を整理しなさい、すなわち、何をすべきかで、何をすべきでないかを明確にしなさい」の理由です。

10. As we mentioned in the beginning, each one’s pancakkhandha is unique. Each has his/her own feelings, perceptions, mental attributes (good and bad), and viññāna regarding any sense event. We make our decisions accordingly. Our character (gati) is in pancakkhandha (the way we see and comprehend the world) and even more so in our pancupādānakkhandha (our desires for the worldly things).

• And diṭṭhi (our world views) is a critical part of both pancakkhandha and pancupādānakkhandha. Our decisions depend critically on our diṭṭhi. There are many posts at the site on the importance of diṭṭhi. The first step to Nibbāna (the Sōtapanna stage) is sammā diṭṭhi.

Unless one comprehends the true nature of this world of 31 realms (anicca, dukkha, anatta), one cannot attain sammā diṭṭhi at least to some extent.

10.最初に述べたように、各自のpancakkhandhaは独特です。それぞれに、自分の感情、知覚、メンタルの属性（良い点と悪い点）、および感覚的出来事に関するviññāna があります。私たちはそれに応じて判断を下します。私たちの性格（gati）はpancakkhandha（私たちがこの世界をどう見てどう理解するかという仕方）にあり、さらにpancupādānakkhandha（世俗的なものに対する私たちの欲望）にもあります。

そしてdiṭṭhi（私たちの世界観）はpancakkhandhaとpancupādānakkhandhaの両方が重要な部分です。私たちの判断は私たちのdiṭṭhiに決定的に依存しています。このサイトにはdiṭṭhiの重要性に関する多くのトピックがあります。 Nibbāna（Sōtapannaステージ）への最初のステップは、sammā diṭṭhiです。

この31の領域の世界の本質（anicca、dukkha、anatta）を、少なくともある程度は理解しない限り、sammā diṭṭhiを達成することはできません。

11. When one acts with avijjā (due to not comprehending the true nature of the world), one does (abhi) saṅkhāra, and keeps adding to the pancupādānakkhandha.

• When we start with the “avijjā paccayā saṅkhāra” step, it leads to “upādāna paccayā bhava“. Thus according the types of (abhi) saṅkhāra one does, one makes “bonding” or “attaches to” certain types of “bhava” or existence.
• Paṭicca Samuppāda explains how we make bhava according to the level of avijjā (as indicated by our gati, anusaya, etc) that is embedded in our pancupādānakkhandha.

Thus, one’s pancaupadankkhadha has embedded in it the “cravings and desires” of oneself, and where one is destined to have rebirths.

11.（この世の真の性質を理解していないために）avijjāで行動するとき、人は（abhi）saṅkhāraを行って、それらをpancupādānakkhandhaに追加し続けます。　

「avijjā paccayā saṅkhāra」から始めると、「upādāna paccayā bhava」につながります。したがって、（abhi）saṅkhāraの種類に応じて、特定の種類の「bhava」すなわち存在に「結合」すなわち「付着」します。

Paṭicca Samuppādaは、pancupādānakkhandhaに埋め込まれているavijjā（gati, anusayaなどで示されている）のレベルに応じて、bhavaを作る方法を説明しています。

したがって、自分のpancaupadankkhadhaには、自分の「渇望と欲望」が埋め込まれており、来世はどこに生まれ変わるかが運命づけられます。

12. Therefore, we can see that no matter how we analyze things, they all converge to the same fundamentals. Before we embark on the journey to safety (Nibbāna, or at least the Sōtapanna stage), we need to figure out the “lay of the land”.  That is anicca, dukkha, anatta, the nature of this world.

• Only then that our minds will willingly give up the diṭṭhis or wrong views.
• Only then that our minds will see the dangers of sense pleasures, starting at the excess levels of kāma chanda and vyapada, which could lead to rebirth in the apāyā.

If you could not grasp everything, that is fine. Come back and read the post again later, especially after reading other relevant posts. Each time you read, you may be able to grasp something that was not unclear. It happens to me all the time. When the minds starts grasping at least partly, it will become much easier.

12.したがって、どのように物事を分析しても、それらはすべて同じ根本に収束することがわかります。安心への旅に出る前に（ニッバーナすなわち少なくともSōtapanna stage）、「土地（世界）のレイアウト」を理解する必要があります。それはがの世界の性質であるanicca, dukkha, anattaです。

そうして初めて、私たちのマインドは喜んでdiṭṭhisすなわち間違った見解を放棄します。

そうして初めて、私たちのマインドは感覚の喜びの危険に気づきます。apāyāでの再生につながる可能性のある高レベルのkāma chanda とvyapadaから始めます。

すべてを把握できなかったとしても問題ありません。他の関連するトピックを読んだ後にまた戻ってきて、もう一度読んでください。読むたびに、不明確だったものをつかむことができるかもしれません。それはいつも私に起こっていることです。マインドがほんの部分的でいいので把握し始めると、とても容易になってきます。

13. It is very important to see the difference between the “physical world” which is made of “satara mahā bhuta” and the pancakkhandha which is all mental.

• The physical world out there is the same for all of us. But our mental impressions of it (pancakkhandha) are different for each of us. It is easy to see that our feelings, perceptions, and saṅkhāra that we create upon seeing the same person are different.
• Our pancupādanakkhandha, or the fraction of the pancakkhandha that we have attachment for, is even more personal, unique for each person.

13.「satara mahā bhuta四大元素」からなる「物理の世界」と、メンタルであるpancakkhandhaの違いを知ることは非常に重要です。

そこにある物理的な世界は、私たち全員にとって同じものです。しかし、それについての私たちのメンタルの印象（pancakkhandha）は、各自一人一人によって異なります。同じ人を見たとしても私たちが作り出す感情、認識、そしてsaṅkhāraが異なることは容易にわかります。

私たちのpancupādanakkhandhaすなわちpancakkhandhaの一部にある愛着は、さらに個人的で、一人一人にとって独特です

サティパッターナ

四　心の中味のサティパッターナ

2. 執着を生む五つの集合体（肉体、感覚、知覚、反応、意識）

修行者は、執着を生む五つの集合体は執着を生む五つの集合体にすぎない、わたしのものでもなく、わたしでもなく、自分でもなく、現象にすぎない、といつも感じて生きるのです。

では、どうすれば、執着を生む五つの集合体は執着を生む五つの集合体にすぎない、わたしのものでもなく、わたしでもなく、自分でもなく、現象にすぎない、といつも感じて生きることができるでしょう。

修行者はこのように感じて生きるのです。

これは肉体 (corporeal body) の働きだ。これは肉体の働きが生じる原因と、実際の肉体の働きの出現だ。これは肉体の働きが生じる原因と実際の消滅だ。

これは感覚 (feeling) の働きだ。これは感覚の働きが生じる原因と、実際の感覚の働きの出現だ。これは感覚の働きが生じる原因と実際の消滅だ。

これは知覚 (perception) の働きだ。これは知覚の働きが生じる原因と、実際の知覚の働きの出現だ。これは知覚の働きが生じる原因と実際の消滅だ。

これは反応 (mental formations) の働きだ。これは反応の働きが生じる原因と、実際の反応の働きの出現だ。これは反応の働きが生じる原因と実際の消滅だ。

これは意識 (consciousness) の働きだ。これは意識（対象物に対する認知）の働きが生じる原因と、実際の意識の働きの出現だ。これは意識の働きが生じる原因と実際の消滅だ。

このように、自分にとって心の中味は心の中味にすぎない、わたしのものでもなく、わたしでもなく、自分でもなく、現象にすぎない、といつも感じて生きるのです。 他人にとっても 心の中味は心の中味にすぎない、といつも感じて生きるのです。 自分にとっても他人にとっても 、心の中味は心の中味にすぎない、といつも感じて生きるのです。 心の中味が存在する原因 と、実際に心の中味が出現するのを、いつも感じて生きるのです。心の中味が存在する原因と、心の中味が実際に消滅するのを、いつも感じて生きるのです。心の中味が実際に出現し、実際に消滅するのを、 原因 とともに、いつも感じて生きるのです。

つまり、魂でもなく、自分でもなく、わたしでもなく、心の中味のみが存在するという事実を、はっきりと自覚するのです。この自覚が、洞察や気づきを着実にもたらすのです。修行者は、渇望や 間違ったものの見方 から距離を置き、世の中の何ものにも執着しないで生きるのです。 * (注 )

これが五つの集合体は五つの集合体にすぎない、といつも感じて生きる方法なのです。

（執着を生む五つの集合体 了）