光速度不変の原理  時間の遅れ

 

アインシュタインの出発点

19cの物理学のジレンマ  ニュートン理論とマクスウェル理論の矛盾を統一したのがアインシュタイン

「速度の合計足」と「不変の光速」との矛盾を解消するために、ニュートンの絶対時間と空間をとらえなおす。

 

 

「光速度不変の原理」光速は等速速度運動をするすべての人にとって同じ

 

光を基準にして時計を作る

合わせ鏡 

移動している宇宙船の中での1秒が、外から見た人には1秒よりも長い

浦島効果   動いているものは、時間の進み方が遅くなる、   

光の絶対速度が変わらない限り 時間は絶対ではなく変化する。

 

時間の遅れを計算する式

時間の遅れ  √1(――)(――)(v(――)/(――)c(――))2  図説

動いているものの時間=止まっているものの時間×√ 1-(動いているものの速度/光速度)2

ピタゴラスの定理を使う。

 

 

 

相対性原理と光速度不変の原理

前の章では地上と電車内の慣性系の例をあげました。

 

では、この世界に慣性系は幾つあるでしょうか?電車の数だけ?同じ電車でも速度や進む方向を変えれば、その都度新しい慣性系が現れます。

 

地上の慣性系についても、地球は自転して公転し、太陽系も銀河を秒速 200 km 以上で公転しています。

 

すべての運動速度は、さまざまな慣性系ごとに相対的に異なる値をとるという意味で「相対速度」といういい方をします。 

 

さて、無数・無限にある慣性系たちの中で、絶対基準となる静止した慣性系って在るんでしょうか?

 

このような疑問を解決するために1887年 米国でアルバート・マイケルソン氏とエドワード・モーリー氏という物理学者によりある実験が行われました(マイケルソン・モーリーの実験)。当時、光は何かの波動であることは知られてましたが、その波動媒質と地球との相対速度を検出するのが実験の目的でした。

 

波動の媒質とは、波が伝わるために振動するものをいいます。音なら空気、糸電話ならピンと張った糸、池の波紋なら水面にあたります。

 

結局、この実験では光の波動媒質と地球との相対速度は検出されませんでしたが、次の 2 つのことが判明しました。

 

・絶対的基準となる静止した慣性系を定義することはできず、すべての慣性系は相対的なものである。そしてどの慣性系においても同じ物理法則が成り立つ。(相対性原理)

 

・どのすべての慣性系で観測しても、真空中の光速度  c は同じ。(光速度不変の原理)

  これら 2 つの原理は相対性理論の大前提になっています。

 

 

光時計と時空間の伸び縮み

再び  S   S' の話にもどりましょう。

 

電車の中の慣性系  S' に「光時計」という装置を設置したとします。どんな装置かというと、間隔  l で設置した合わせ鏡です。この合わせ鏡の間を鏡の面に垂直に光が往復します。光の往復の回数で時間を計るという仕組みです。

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\光時計.jpg

   2.3 慣性系  S'で観測した光時計

 

さて、電車の中  S' でこの光時計を設置して観測したとき 1 回あたりの光の往復時間は  t' = 2l/です。

 

この電車内に設置された光時計を  S で観測すればどうなるでしょうか。 

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\運動する光時計.jpg

      2.4 慣性系  S で観測した光時計

 

 S から観ると光時計は当然速度  v で右方向に運動してます。そのため光の軌道は図のように斜めになります。すると、斜めの軌道の距離  L   l よりも長くなりますよね。

 

光の片道の時間は L/c ですから、この光の片道で到達する間に光時計が移動する距離は Lv/c

になります。このとき「三平方の定理」を使って次の式が作れます。

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\光の軌道.jpg

これから S で観測した光の往復時間 t = 2L/c が得られます。

 Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\往復時間2.jpg (2.3)

 (2.3) からわかることは、電車内の S' での往復時間 t' を電車の外 S で観測すると 1/(1-v2/c2) 倍になりゆっくりスローに見えるということです。

 

動いている慣性系の時間がゆっくりになる、すなわち時間が伸びるというのは、光速度 c が不変であることによる奇妙な結果の 1 つです。

 

次は、光時計を S' が運動する方向に倒してみましょう。

 

慣性系 S' において鏡 x' = 0 に、鏡 x' = l に設置します。

 

光は鏡 A から出発し鏡 B で反射して再び鏡 A に戻ります。

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\光時計横2.jpg

      2.5 光時計を横倒しにすると

 

慣性系 S' で観測すれば光時計との相対速度は 0 なので、光の往復時間は普通に t' = 2l/c になります。

 

一方、同じ事象を慣性系 S で観測したときの光の往復時間 t を求めてみましょう。

 

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\運動する光時計横3.jpg

 

      2.6 横倒しにした光時計を慣性系 S で観測する

 

これまでの話と違うのは、合わせ鏡の間隔 l の向きに相対速度 v がともなうということです。そこで相対速度 v のときの合わせ鏡の間隔の長さを l' とし、静止時の長さ l と区別することにします。 

 

t = 0 に鏡 A から発した光が鏡 B に到達するまでの軌道の長さを L1 とします。このとき次の式が成り立ちます。

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\ローレンツ収縮11.jpg

よって

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\軌道1.jpg

t = L1/c に鏡 B で反射した光が鏡 A に戻るまでの軌道の長さを L2 とします。このとき次の式が成り立ちます。

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\ローレンツ収縮2.jpg 

よって

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\軌道2.jpg

したがって S で観測した往復時間 t = (L1+L2)/c 

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\往復時間横.jpg

S  S' で観測したそれぞれの往復時間 t  t'  (2.3) に代入すると

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\ローレンツ収縮公式.jpg (2.4)

が成り立ちます。

 

(2.4) 右辺の v を光速度 c に近づけると根号の中が 0 に近づき l' は縮んでいくことがわかります。これが「ローレンツ収縮」という現象です。

 

現象とはいえ、長さ l' が見せかけで縮んでいるのではなく本当に縮んでいると考えてください。時間も見せかけではなく本当に伸びています。

 

相対性理論において、そもそも時間と空間は、位置や速度と同様に慣性系ごとに変化するものだと定義しなおすべきものなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動いているものは、時間と距離が縮む

時空はダイナミックに伸び縮みする相対的なものとして計算することができます。

 

 

 

 

止まった光とは、振動していない電磁波のことなので、そのようなものはこの宇宙では存在しない。

宇宙船に乗っていても、光は常に秒速30万キロメートルで遠ざかっていく。

光の速度は常に相対的に秒速30万キロメートルであるので、宇宙船から見た光速は秒速30万キロメートルであって、地球からみて、宇宙船プラス光速ということにならない。

光速度をこえるものは存在しない

うまい説明法は?

 

電磁波の波動方程式

{\displaystyle v={\frac {1}{\sqrt {\mu \epsilon }}}}v=1/μ(――)ϵ()   {\displaystyle v={\frac {1}{\sqrt {\mu \epsilon }}}}μ磁気に関係する定数      ϵ電気に関係する定数

電磁気学の計算で光速の値を求めることができる。

光速はどんな基準から見ても同じはずである、とアインシュタインは考えた。

光は媒体を必要としない電磁波である。

μ粒子の寿命が伸びることで、地球に到達する。

 

 

光速度不変の実験

地球の公転方向とそれに直行する方向の光の速度を比較したが同じであった。

地球は秒速30キロで太陽の周囲を公転している

アルバート・マイケルソン 1887

 

時間も空間も相対的

Emc2  m×9×1016

m1gだとエネルギーは90兆ジュールが生み出される。これは石油23万リットル分の熱量になる。

 

 

運動量の保存則から理解する    

動いているaが止まっているbにぶつかった時のエネルギー量をmVa+mVb=mVとすると

VaVbよりも速いので、bから見たaの質量mbの質量よりも大きい。 

運動量は保存するのでVが小さくなるとmは小さくなる

ぶつかる前のaとbの質量はぶつかることでaの質量は小さくなり、bの質量は大きくなる。

すなわち「動くものは質量が止まっている時よりもおおきくなる。」

換言すれば、bから見ると、aの運動エネルギーは質量として見えている、ということ。

 

これによって原子力エネルギーについて推定されることが発見された。

たとえば太陽では4つの水素が核融合して1つのヘリウムになるという変化が起きている。

これは質量が減った質量欠損が起きたことなので、その質量分だけエネルギーに変換されたことになる。

それが莫大な光と熱エネルギーなので、太陽がメラメラと燃えていることになる。

 

 

相対性理論によって導き出された概念    Description: Description:  G_{\mu\nu}=\frac{8\pi G}{c^4} T_{\mu\nu}   Description: Description:  G_{\mu\nu}=R_{\mu\nu}-\frac{1}{2}g_{\mu\nu}R

時空の関連性    物質が存在すると周囲の時空がゆがむ

宇宙の膨張           ⇔ 宇宙は永遠不変          ハッブルの法則   暗黒エネルギーによって膨張を加速させている

重力レンズ

ブラックホール

重力波

 

 

Description: Description: C:\Users\NM\Desktop\ダウンロード.jpg

 

アインシュタインの提唱した一般相対性理論の基礎方程式(ここで、Description: Description:  G Description: Description: cは万有引力定数と光速度を表す)
Description: Description:  G_{\mu\nu}=\frac{8\pi G}{c^4} T_{\mu\nu}
左辺は、時空の幾何学的構造を表すアインシュタインテンソル Description: Description:  G_{\mu\nu} で、それはリッチテンソル Description: Description:  R_{\mu\nu} と計量テンソル(メトリックテンソル)Description: Description: g_{\mu\nu}、スカラー曲率Description: Description: Rを用いて、
Description: Description:  G_{\mu\nu}=R_{\mu\nu}-\frac{1}{2}g_{\mu\nu}R
とかける。 右辺はエネルギー運動量テンソル Description: Description: T_{\mu\nu}  Description: Description: 8\pi G/c^4 倍で表される。すなわち、この方程式は宇宙に存在する物質のエネルギーと運動量が、重力定数を介してその容れ物である宇宙の幾何学的構造を決定する、という形になっている。

なお、テンソルとは時間と空間3次元の計4次元からなる時空での座標系の変換に対して、その成分がある特定の変換をする多成分量であり、その成分を添え字で表す。たとえばアインシュタインテンソルは添え字が2つあるので2階のテンソルで、添え字 Description: Description: \muDescription: Description: \nu は時空間の4つの座標成分を取る。

時空の幾何学を完全に記述する量は、4つの添字を持った4階のリーマンテンソルDescription: Description: R_{\mu\nu\alpha\beta}(曲率テンソルともいう)と呼ばれ、その独立な成分は4次元では20個ある。アインシュタインテンソルは、リーマンテンソルから作られる添え字2つを持った量で、独立な数は4次元では10個となる。アインシュタイン方程式から物質がなければアインシュタインテンソルのすべての成分は0になるが、このことは必ずしも時空が平坦であることを意味しない。時空が平坦であるのは、リーマンテンソルの20個の成分が全て0の場合である。物質がなくても時空は曲がることができる。たとえばブラックホールや重力波を表すアインシュタイン方程式の解は、物質が存在しない状況での解である。

ここではアインシュタイン方程式に宇宙項を加えなかったが、宇宙項Description: Description: \Lambda g_{\mu\nu}を左辺に加えたものをアインシュタイン方程式という場合もある。

 

 

 

 

「光速度不変の原理」とは、静止して光を観測しても移動しながら光を観測しても、光の速度は秒速30万キロと測定されると言うものです。
例えば、時速100キロの電車を静止して観測すると、その速度は時速100キロです。しかし、時速50キロの車で追いかけながら電車を観測すると、電車の速度は時速50キロと測定されます。時速50キロの車に乗って電車と対面する形で観測すると、電車の速度は時速150キロと測定されます。

移動する車から見た電車の速度を、電車の相対速度と言います。「光速度不変の原理」とは、光の相対速度は秒速30万キロで不変であると言うものです。つまり、光を秒速15万キロで並走しながら観測しても、同速度で光と対面する形で観測しても、光の相対速度は秒速30万キロで変らないというのです。これは、常識に反するため、大変理解しがたいのです。

ではなぜ、この様な考え方が必要だったのでしょうか。
電磁気力は、光の一種である電磁波が、電荷を帯びた物質間を往復することで生じます。そして、電磁気力の強さは物質間の距離の2乗に反比例します。つまり、電磁波が物質間を往復するのに要する時間の2乗に反比例するのです。
電荷を帯びた2つの物質が並走しながら電磁波を交換すると、静止している場合に比べて、電磁波の往復距離は長くなります。即ち、電磁波の往復に要する時間が長くなるので、生じる電磁気力の強さは弱くなる筈です。
しかし、現実には、静止していても移動していても、生じる電磁気力の強さは変りません。

この謎を説明するために、アインシュタイン博士は、移動する2つの物質から見た電磁波の相対速度は、秒速30万キロで不変であると考えたのです。これで、静止していても移動していても、電磁波は同じ時間で物質間を移動します。だから、生じる電磁気力の強さは、物質の移動速度にかかわらず不変となると説明しました。

しかし、幾らなんでも、秒速30万キロの光を秒速15万キロで追いかけても、同速度で光と対面しても、光の速度は秒速30万キロで変らないと言うことは理解出来ません。

そこで次のような思考実験を行います。
電荷を帯びた2つの物質を、一本の剛体の両端に取り付けます。そして、この装置を秒速vキロで移動させます。この2つの物質間を電磁波は往復します。
この時、電磁波の移動距離は、進行方向(横方向)に剛体棒を向けた時静止時の1/1−v^2/2)倍、上下左右方向(縦方向)に向けた時静止時の1/(1−v2/2)倍となります。
一方、秒速vキロで移動する物質は「ローレンツ収縮」し、横方向に√(1−v2/2)倍短くなります。従って、剛体棒の長さは、横方向に√(1−v2/2)倍短くなるので、電磁波の横方向の往復距離は、静止時の1/1−v^2/2)×√(1−v2/2)=1/(1−v2/2)倍と、縦方向の往復距離と同じとなります。
この仕組みにより、マイケルソンとモーレーの実験では、縦方向に往復させた光と横方向に往復させた光とが、同時に戻ることが出来たのです。

従って、秒速vキロで移動する場合、電磁波の往復距離は静止時に比べて1/(1−v2/2)倍となります。つまり、電磁波の往復時間は、静止時の1/(1−v2/2)倍となります。

一方、高速で移動すると物質は動き難くなります。この現象は、粒子を加速器で加速する際に見られます。粒子は光速に近づく程、加速し難くなります。秒速vキロで移動すると、静止時の√(1−v2/2)倍しか動けません。従って、時計は1秒間に√(1−v2/2)秒を刻む様になります。

こうして、秒速vキロで移動する慣性系では、電磁波の往復に要する時間は、静止時の1/(1−v2/2)倍×√(1−v2/2)=1倍となります。つまり、電磁波の往復に要する時間は、移動速度に関係なく不変なので、生じる電磁気力の強さも移動速度に影響されず不変なのです。

この様に、現実には往路と復路の光速度は異なりますが、物理学の計算上一々往路と復路の光速度よりそれに掛る時間を計算し、生じる電磁気力の強さを求めることは無駄です。
生じる電磁気力の強さは、電磁波の往復に要する時間の2乗に反比例するのであり、往復に要する時間は不変なのですから、往路と復路共に光速度不変と仮設して計算します。

その様に仮設したのがローレンツ変換
@t= (tVx/C2) / √(1V2/C2
Ax=(xV)/√(1V2/C2)
By= y Cz= z DC=C
です。

物質は質量があるので、上記のとおり高速で移動すると動き難くなりまたローレンツ収縮する為、光速度が不変と測定されます。
x=
光の進んだ距離=Ctq、t=光の進んだ時間、V=もう一方の光の速度=Cq/秒を@とAに代入すると
x'
÷t'=C
と光速度不変となります。

この様に、高速で移動すると時計が遅れ定規が収縮するので、V慣性系では時間と空間の座標が変化するのです。決して、時間と空間そのものが変化する訳ではありません。
時間と空間は絶対であり、光速度は物質が変化するので、不変と観測されるだけです。

詳細は、下記のホームページを参照下さい。
http://www.geocities.jp/labyrinth125064/kousokudofuhennnogennri1.ht...

 

光速度不変とは?

 光速度不変の原理は「真空中の光の速度は全ての慣性系で同じである」というもので、アインシュタインの特殊相対性理論の基本原理のひとつです。 世の中でこれほど攻撃された原理は他にないでしょう。

 ネット上にも

光速度不変の原理は間違っている
光速度不変の原理には根拠がない
光速度不変の原理は証明されていない

 という批判が氾濫しています。

 もちろん、光速度不変の原理は間違っているかもしれません。でも、これらの主張の中には、あまりにも意味のない主張が多いのも事実です。

「こんな議論は意味がない」ということを示すため「基本原理とは何か」という視点で考えてみましょう。

光速度不変の原理の成り立ち

 光速度不変の原理の説明によく使用されるのが、マイケルソン・モーレーの実験の実験です。

 1887年にアルバート・マイケルソンとエドワード・モーリーによって行われた実験で、地球の進行方向とその直角方向での光の速度の違いを検出しようとした実験です。

 その実験の結果、予想されていたほどの差が見られませんでした。
 これが光速度不変の原理を確認した実験だと説明されることが多いようです。

 アインシュタインは(真偽はともかく)この実験の結果は知らなかったと述べていますし、少なくともこの実験結果のみで光速度不変の原理を提唱したわけではありません

「マイケルソン・モーレーの実験」の実験法や結果の解釈を批判しても、光速度不変の法則が間違いだという根拠にはなりません。

 ましてや「マイケルソン・モーレーの実験」は、他の方法でも説明できるから「光速度不変の法則が間違い」というのは、主張にすらなっていません。

光速度不変の原理は実証されていない?

 マイケルソン・モーレーの実験はあくまでも地球の進行方向に対する光の速度のずれを測定し、実験誤差範囲内では差が見られなかったことを示しているだけです。

「真空中の光の速度は全ての慣性系で同じである」などということを証明する実験結果ではありません。 

「光速度不変の原理は、マイケルソン・モーレーの実験で証明されている」と、そう誤解されるような書き方をしていることはあります。

 正しさなんて、色々な結果を見て総合的な判断をして決めるものです。一般の解説書で、そんなことを羅列しても誰も読みません。

 光速度不変の法則が正しかったら、こういう結果が導かれるという本論に入る前の、言葉のあやです。

 当然です。マイケルソン・モーレーの実験だけで「真空中の光の速度は全ての慣性系で同じ」ということが証明できるものではないことは、誰でもわかります。

 とりあえず、正しそうな実験をひとつ示して次に進んでいる、普通ならそのくらいの文脈を読んで判断します。

 そもそも、全ての慣性系で光の速度が同じなんてことを実証することは不可能です。

 全ての慣性系で実験することもできなければ、誤差0で光の速度を測定することもできません。人間が可能な範囲の実験しかできません。

 マイケルソン・モーレーの実験だけではありません。その後、同様の実験が何度も行われています。時代とともに精度も高まっています。

 しかし、いくら精度を上げても誤差は0にはなりません。その誤差範囲内で光速度に違いがあることまでは否定できません。

 それも、あくまでも地球上という限られた範囲で、光の速度の違いが見つからなかったというだけです。
 全ての慣性系での実験結果には程遠いものです。

 光速度不変の原理は実証されていないのは、当たり前なのです。それは、他の物理理論でも同じことです。しかし、何故か光速度不変の法則だけが、そのことを欠点のように言われています。

 実証するにはどうすればいいのでしょうか? 

 非常に高速で飛べる宇宙船を使って色々な方向へ色々な速度で飛ばして、光の速度を測定し、その結果が100桁まで精密に測定し完全に一致した。

 そんな実験結果でも示せばいいのでしょうか? それなら多くの人が納得するでしょう。

 でもその実験が現在の技術でできるはずもありません。
 もし実験出来ても、厳密には証明したことにはなりません。

 原理が(演繹的に)証明されていないのは当たり前のことで、それを理由に相対性理論が間違っていると主張するのは、見当違いです。

基本原理は仮定

 そもそも、物理の基本原理は仮定です。特殊相対性理論は「光速度不変の原理」と「特殊相対性原理」が成り立つとしたときに、そこからどんな結果が導かれるのか示す理論です。

 これは、どんな理論でも同じことです。基本原理から得られる結果が実験値と合うかどうかを確認していき、実験値と整合する結果が積み重ねられることで、少しずつ「確からしさ」が高まっていく、これが物理理論です。

 論理的に言うと、基本原理には証明も根拠も必要ありません。

「何故」を繰り返していくと無限地獄に陥ります。どこかで「これ以上、何故を問わないことにしよう」と決める、それが基本原理だからです。

 原理には根拠がないのは、当たり前なのです。

 もちろん「何故この基本原理が成り立つのか」と考えていくことは大事なことです。

 ただし、根拠がないことを間違っている理由にすることは、できません。

光速度不変の原理は立証されていないという主張の無意味さ

 上述のように、光速度不変の原理に限らず、どんな仮定でも完全に立証することは不可能です。

 その原理を支持する実験結果が一万個あろうが一億個あろうが、立証したことにはなりません。このような証明を求めることを「悪魔の証明」と呼びます。

 絶対に証明できないことを、証明しろという悪魔のような要求です。ましてや、その証明ができないから間違いという理屈は成り立たちません。

 それでは、何ひとつ正しい理論はなくなってしまいます。

 逆に間違っていることを示すのは簡単です。

 反証がひとつあればいいのです。

 正しいことは、実験結果を一億個積み重ねても証明できませんが、間違っていることを証明するのは、結果がひとつあれば終わりです。

 光速度不変の原理が間違いだと主張するのであれば、他の科学者が追試しても再現性よく確かめられる反証を示せばいいだけです。

原理の確からしさをどう高めるか

 原理がなりたっていることを裏付ける実験は必要でしょう。

 光速度不変の原理で言えば、実際に光速度を測定して確認するようなことです。どうやって測定すれば精度よく結果が得られるか、実験物理学者の腕の見せ所です。

 しかし、それだけでは限界があります。
 光速度が一定かどうかという実験は、現在のところ地球上(せいぜい衛星軌道)で行うしかありません。全ての慣性系のうちのごくごく狭い部分だけです。

 ですから、原理そのものだけではなく、原理から得られる帰結を実験で確かめることも必要です。
 原理そのものでは実験できる範囲が限られていますが、その原理から導かれる結果を間接的に実験で確かめるのです。

 他の理論とは結果が異なることが予想され、精密な実験ができる方法はないか、それを考えだす、これも物理学者の大事な仕事です。

 そして、そのような結果を積み重ねていくことで「この理論は確からしい」と認められていきます。

何を基本原理に置くべきか

等価な理論もあり得る

 特殊相対性理論では、「特殊相対性原理」と「光速度不変の原理」のふたつを基本原理としています。

 実は、他の原理を基本原理に置いて、特殊相対性理論と等価な理論を作ることもできます。等価な理論というのは、どんな計算をしても特殊相対性理論と同じ結果が得られる理論のことです。

 等価な理論では、結果が同じなので「どちらが正しい」などと議論する意味はありません。それは「科学」より「哲学」の問題です。

「光速度不変の原理が基本原理だとは認めない」という哲学なら、違う原理を基本原理にするだけです。

 基本原理として他の原理を採用すると「光速度の不変性」は、その原理からの帰結となります。

 ですから、その場合は「こういう理由で光の速度が不変になる」という説明ができます。そして「何故」を繰り返していくと設定した基本原理に到達します。

 そして、それ以上は「何故」を問えないという構造です。

 理由を問わない基本原理に何を置くか、ただそれだけのことです

 物理理論は、できるだけ単純で、できるだけ少ない原理から理論を構築するのが望ましいとされます(色々議論はありますが)。

 特殊相対性理論は、単純なふたつの原理から出発しており、その要件を満たした理論であることは間違いありません。

 これより単純な原理で、等価な理論を創るのはおそらく無理でしょう。

特殊相対性理論と等価な理論

 アインシュタインが特殊相対性理論を発表しなくても、近い時期に特殊相対性理論と等価な理論が完成したことは間違いありません。

 ローレンツやポアンカレの研究は、ほぼ特殊相対性理論と同じ結論に至っていました。

 特殊相対性理論の基本的な数学的形式であるローレンツ変換はすでに導かれていました。これが成り立つのであれば、導かれる結果は特殊相対性理論と変わりません。

 特殊相対性理論から導かれる奇妙な(と言われている)結果は、当時の科学者たちにとってそれほど奇妙なものではなかったのです。

 特殊相対性理論が衝撃を与えたとすれば、当時の理論とは違った視点で理論を構築したことでしょう。

 これほど、分かりやすく単純な原理からローレンツ変換が導かれるなんて……感動すら覚えるのですが。

 もしかしたら、特殊相対性理論を説明するとき、もっと訳の分からないものを基本原理にして、ややこしくて、理解ししにくくて、扱いにく理論にしておけば、これほど攻撃されることはなかったのでは? と思うことがあります。

 

 

光速に関する素朴な質問です。

1.なぜ光速度は不変なの?
 光の速度はいかなる理由によって不変と決まっているのでしょう。
 方程式を解くように論理的に説明ができるのでしょうか?
 それとも実験結果を受け入れているだけですか。
2.本当に光速度は不変なの?
 空気、真空、水の中でも進む速度は同じですか?
 光が水に入ると屈折しますが、これは速度が変化しているのではありませんか。
 AからBに向かう光の渦の中をBからAに向けて発射された光は遅くなりませんか?
 光に邪魔(干渉)されて遅くなる気がするのですが。
3.どうして遅くならないの?
 光速に限界があるのは、光子に質量があるためと理解しています。
 しかし、遅くすることは可能なのではないでしょうか?
 光子の質量を重くしたり、エネルギーを奪うようなことはできないのでしょうか。
 波動の性質を変えたりできませんか?
4.電磁波の進む速度は?
 光は電磁波の一種、可視光線だそうです。
 他の電磁波、X線、紫外線、マイクロ波、ラジオの速度はどれくらいですか?
 光より遅いとすると、どうして遅いのでしょうか?
5.時間が進むのは一定であるという前提で相対性理論はできませんか?
 相対性理論は、光速度が不変であると仮定して成り立っています。
 だから時間の進み方が早かったり、遅かったりします。
 逆に時間が進むのが不変であるという仮定して、新相対性理論はできませんか?

 

No.6ベストアンサー

·    回答者: shiara

 

·    回答日時:2004/11/21 19:47

 物理学は、自然界で見られる現象に対して法則を見つけようとする学問です。

そういった法則の中には、もっと基本的な法則から理論的に導かれるものもあります。そうやって整理していくと、最後には、他の法則からは導くことができない基本法則だけが残ります。その基本法則は、観測によってのみ、根拠を与えられます。
 質問の主旨は、光速度が不変であることは、基本法則なのかどうか、ということだと思います。ローレンツは、他の法則から光速度不変を説明しようとして、ローレンツ変換の式を求めました。ローレンツが考えたのは、物体がエーテル中を運動すると、エーテルとの電磁気的な力によって物体が圧縮され、長さが縮むので光の速さに差が出てこないように観測される、というものでした。これに対してアインシュタインは、光速度不変が基本法則であるとしました。その仮定に基づき、ローレンツ変換の式を求めました。考え方は違いましたが、求められた変換式はどちらも同じものでした。
 得られた変換式はどちらの考え方でも同じです。そうすると、どちらの考え方が正しいと言えるのでしょうか。歴史的に見れば、アインシュタインの考え方が受け入れられたようですが。
 真空以外の媒質中では光の速度は遅くなりますが、それはマクロ的に見た場合です。例えば水中を光が動く場合、水の分子と分子の間は真空ですから、そこの間は真空中の速度で動いていますが、分子によって光が吸収、放射され、マクロ的に見たとき、速度が遅く観測されます。通常、光速度不変という場合は、真空中での光速度を言うようです。ここでひとつ注意しなければならないことは、真空中の光速度が不変という場合、重力場ではない、という条件が必要です。重力場内では、光速度は遅くなります。したがって、質問者さんの、光の速度を遅くするのは可能か、に対しては、重力場を通せば遅くなる、と言えます。
 最後に光子の質量についてです。光子に質量があるというのは間違いですが、ないというのも間違いです。正しくは、光子の質量は定義できないし、定義する必要もない、です。光子の質量はゼロである、という話はよく聞きますが、これは静止質量のことを言っています。これまで他の方々が説明されておりますように、光の速さは一定であり、静止することはありません。したがって、光子の静止質量に意味はありません。

 

 

3.
光子には質量は無いとされています.
質量を持つと仮定すると矛盾が生じるからです.
光子のエネルギーが変わると,電磁波の振動数が変化します.
コンプトン効果などです.
どうして遅くならないか・・・そういう宇宙に住んでいるから?でしょうか.

4.
全ての電磁波は光速で伝搬します.
人間の体温によって発せられる赤外線も光速で伝搬します.
(しかし周辺の空気が吸収する波長帯のものはそこらへんで吸収されます.)

 

5.できないと思います。
 ガリレオの相対性原理。北から南へ30km/hで移動している車から見て、南から北へ30km/hで移動している車は、60km/hで移動しているように見えます。

 しかし、北から南へ光速で移動している車から、南から北へ光速で移動している車を見たとしても、光速は変わりません。
 この段階で、距離&時間と光速と どちらかの絶対性を捨てざるを得ませんが、光速はマックスウェルの方程式で矛盾なく証明されてしまっています。

 

光速度不変の原理は、「どの観測者が見ても光の速度は一定である」ところにそのすごさがあるのだと思います。



ある一人の人間が光を見て、光の速度が一定だというのは、光が波であれば、一応当然のことです。
マックスウェルが発見したのは、光が波であり、その速度は波長に依存しない、というところまでです。

よく言われる「光速度不変の原理」は、地球に止まっている人も、光速近くで飛行中の宇宙人にも、光は全く同じ速度に見えると主張しています。

ご質問にあった、論理的に導けるかどうかですが、確かにローレンツは、ローレンツ変換を用いてこの原理を導いたとされていますが、肝心のローレンツ変換の根拠があいまいです。「こう考えれば光の速度を一定にする理論ができる」という程度の根拠だと思います。

対して、アインシュタインは光速度が一定であることを原理として、ローレンツ変換を導いています。
これが相対論の基礎だとすれば、現代物理は光速度が一定であることの理由を未だにわかっていないといえると思います。
(それを探るのが現代物理の最前線だと言えるでしょう。)


補足としまして、他の回答者様もご回答されていて、全く同じことになりますが、光速度が不変なのは真空中のことで、物質の中では光速は小さくなります。
また、光に質量はありません。ニュートリノに質量があることがわかったという事が話題になりましたが、光に関しては少し事情が異なります。ニュートリノは本当にわからなかったのですが、光に質量がないことはある程度自信を持っていえます。

 

 

ガリレオの相対性原理は、本当の相対性原理です。
アインシュタインの相対性理論と言うのもありますが、
それは偽りの相対性理論です。

ガリレオの相対性原理は、絶対静止はこの世には存在しない!!
これにつきます。

かつては、地球は止まっていると思われていましたが、
惑星の動きから、むしろ太陽のほうが止まっていると
考えられるようになりました。
しかし、その太陽も絶対静止しているかといえば、
そう断言できる根拠は何もありません。

つまり、慣性的に動いていることと、静止していることは
同じことなのです。
相手が動いて、自分は止まっているとする根拠は何もないのです。
相手が止まって、自分のほうが動いていると考えても、
相手が半分動いて、自分が残りの半分動いているとしても
何の矛盾のない原理、それが、ガリレオの相対性原理です。

すなわち、真の相対性理論です。

ところが、アインシュタインの相対論は違います。
まるで光には慣性が働かないような考えを持ち込んで、
つまり、「光速は不変だ」とまるで長島選手の引退の挨拶のような
ことを言って、光を神秘化し、時間や空間がゆがむと言いたい放題の
屁理屈を展開しています。

でも、物理学者がこぞってアインシュタインの相対論のほうを
支持してしまいました。
その背景には、物理学者がこぞって「エーテル」の存在を
信じてしまったからです。
しかも、ガリレオの精神を全く理解せず、エーテルは
絶対静止しているとしてしまったこと、
これが躓きの始まりでした。

でも、「ガリレオの相対性原理の方が正しかった!」、
そのことが多くの人に理解されるまでには、
まだまだ多くの時間が必要でしょう。
それほど、物理界はアインシュタイン病に永いこと
冒されてしまったのです。

最後に貴方に逆に質問です。
「光には慣性があるでしょうか?それともないでしょうか?」

有ると無いとでは天道さんと番頭さん以上の違いが有ります、
言うまでもありませんが、

なお、慣性については、

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1171017411

を参考にしてください。

 

 

中学の理科についての質問です。

慣性は物体の質量が大きくなるほど大きくなることを示す例をあげるてください。
体重の重い人は、電車などに乗っていて急ブレーキをかけると大きくよろける等でいいのですか?

inemurisirouさん

>慣性は物体の質量が大きくなるほど大きくなることを示す例をあげるてください。

慣性は質量の大きさとは無関係です。
そこを間違えると、相対性理論のようなトンデモ科学の餌食になります。

jikoself
さん の言われるように
>『 質量 = 慣性の大きさを表す量 』
>念のため, もう一度 「 慣性 」 = 「 質量 」 です。
と表現してしまうと、やはりトンデモ科学が口をあけて待っているところへ飛び込んでしまう危険性があります。
慣性は、質量が限りなくゼロに近いもの(ほとんどゼロ)でも働きます。
しかも、重いもの(質量の大きいもの)と「同量」に、です。

ガリレオの思想をもう一度確認しましょう。

『重いものも軽いものも同時に落下する』

この言葉の意味をちゃんと理解しないで、先へ進んではいけないのです。
特に、この考えは理科の基本中の基本です。
中学の理科でありながら、理科全体のもっとも大事な部分です。
しっかり身につけたいものです。

>体重の重い人は、電車などに乗っていて急ブレーキをかけると大きくよろける等でいいのですか?
まあ、正しいともいえなくもないですが、そうでもなさそうです。
なぜなら、重心の低い人は、重くても意外と安定しているからです。
逆に、やせて背が高く、重心の高い私?は、すぐころびそうになります。
むしろ、重いボーリングの球と、大きさが同じくらいで軽いビーチボール
を想像したらどうでしょう。
電車が急ブレーキをかけたらどちらも転がりますが、
転がって壁にぶつかったときの衝撃の違いから
「慣性はまったく同じでも、慣性力が格段に違う」ということが
理解できるでしょう。

 

 

 

 

 

相対性理論の疑惑

 

http://www.treeman9621.com/CHIMERA_MEAM_TOP.html