宇宙を支配する6つの謎  マーティン・リース

この宇宙はとてもよくできている

 

 

物質間の相互作用の強さを表す「N」   N重力の弱さ

原子の組み立てをつかさどる「ε」、

宇宙崩壊の鍵を握る「Ω」、

1998年に発見され大反響を呼んだ反重力「λ」、

宇宙の構造を決める「Q」、

我々の世界の次元を決定する「D

 

 

N 重力の弱さ    電磁気力と重力の強さの比    1036

クーロン力   k×q1a2/r2          引力と斥力

万有引力    g×m1m2/r2                 引力のみ      地球の重さ 6×1027g

 

重力は星を形成する力

中心が高密度・1000万℃以上の高温になると核融合が起こり4つの水素がヘリウムになることで、エネルギーが発し星になる。地球に一番近い星は太陽で寿命は100億年ほどである。

 

原子の組み立てをつかさどる「ε」 核融合効率

4つの水素を超高温・超高圧にすると、1つのヘリウムになるとエネルギーを発する

詳細にはまずは2つの水素陽子が重水素(陽子と中性子)になり、次に2つの陽子と中性子が核力(強い力)で結びついて1つのヘリウムになる。

この時に質量は100から99.3に変化するので、質量の0.7%がエネルギーに変換される。

この核融合率εは0.007である。

 

0.006では、重水素が安定しないので、ヘリウムは生成されず、核融合のない水素の塊だけの宇宙になる。

0.008では、水素原子2つがつながりヘリウムができるので、ビッグバンの後に冷えることで水素が生き残ることがなくなり、ヘリウム以上の元素によって構成される宇宙になり、水素がないため水が存在しない。

 

 

微調整   フレッド・ホイル

ヘリウム(2陽子+2中性子)3つがくっつくと炭素(6陽子+6中性子)になる。

はじめの段階はヘリウム(2陽子+2中性子)2つがくっついてベリリウム(4陽子+4中性子)になる。

ベリリウムは寿命がとても短い  10-17秒  が、それにヘリウムが加わったものと炭素のエネルギー準位が近いために共鳴現象によって炭素が生成される。

 

原子は、その原子に特有ないくつかのエネルギー状態(エネルギー準位)をもっています。

最もエネルギーの低い状態を基底状態、それ以外の状態を励起状態といい、

エネルギーの低いものから、第1励起状態、第2励起状態(n =1, 2, …)と名づけられています。

 

原子内の電子は、光を吸収することによってエネルギーを手に入れ、より高いエネルギー準位へと移動します。

一方、エネルギー準位の低い方へ原子が移動する時は、

光を放射することによってエネルギーを外に出しています。

この様に、光を放出したり吸収したりしてエネルギー準位を移り変わる事を、遷移といいます。

 

 

 

 

宇宙崩壊の鍵を握る「Ω」  臨界密度と実際の密度の比

臨界密度とは、膨張をギリギリで止める物質・エネルギーの密度のこと。  H原子6個/m3

Ω=実際の密度/臨界密度

Ωは時空の曲率を決めるので

Ω>1  円球   閉じた宇宙  三角形の内角の和が180度以上

Ω<1  鞍    開いた宇宙  三角形の内角の和が180度以下

Ω=1  平面   平坦な宇宙  三角形の内角の和が180

宇宙マイクロ波背景放射によるとΩ≒1なので、宇宙空間はほぼ平坦

 

Ω〜0.05  原子 

Ω〜0.3  原子+暗黒物質

Ω〜0.7   暗黒エネルギー

Ω〜1   原子+暗黒物質+暗黒エネルギー

 

 

宇宙は膨張している

一般相対性理論   重力は時空の歪みである

物質は空間に歪み方を指示する。空間は物質に動き方を指示する。

ニュートン力学では空間は運動の背景(前提、キャンバス、独立したもの)

一般相対性理論では、空間は実体を持ったダイナミックな躍動するもの

 

 

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フリードマンがアインシュタイン方程式を解いたら「宇宙は膨張している」という結果が出た。

 

 

1998年に発見され大反響を呼んだ反重力「λ」、 宇宙定数 

アインシュタインの宇宙モデルによる「宇宙項」のこと

アインシュタイン方程式を計算すると宇宙が膨張してから潰れてしまうので、それが困るからと入れたのが宇宙項であり、これによって宇宙は永遠不変を維持できると考えた。

しかしその後の実験や観測で宇宙の膨張が認められたので、宇宙項を取り外そうとした。

しかし、一度は取り外そうとしたものだが、

宇宙の膨張

宇宙定数がなければ、平坦な宇宙は成り立たない。

 

 

 

 

 

 

宇宙の構造を決める「Q

構造のまとまり具合

初期宇宙に揺らぎがあった

 

宇宙マイクロ波背景放射でみると宇宙は均一ではなく強度差(密度差)があった。

物質の密度にゆらぎがあった。

1100000  ゆらぎ

もしQがもっと大きければ

物質が集まりすぎてほとんどがブラックホール?

もしQがもっと小さければ

物質が集まらないので構造が生まれない

 

宇宙の密度はダークマターを含めて水素原子6個/m3

星を作る物質の密度は0.2個/m3

 

 

 

 

最初の星が生まれるまで

ダークマターハロー    

宇宙の晴れ上がりより前にダークマターが密度ゆらぎにしたがって集まる

ダークマターは電磁波(光)に影響を受けることなく集まる運動をすることができる。

対して晴れ上がるまでは原子核は自由自在に集まる運動をすることができない。  

 

ダークマターハローにガスが引き寄せられる

中心に分子ガスができる

重力によって収縮していく

回転しながら凝縮する

中心が分子雲コアとなる

原始星の誕生

まわりのガスを引き寄せて大きくなる

核融合開始

恒星の誕生

 

 

 

我々の世界の次元を決定する「D

2乗法則  力の強さが距離の逆2乗に比例する

 

球面の面積 4πr2    円周2πr

電気力線の密度  電気力線の数/4πr2 

 

もし世界が4次元空間だったら

星の軌道が安定しない

重力が逆3乗法則になる

ブラックホールだらけになってしまう

 

超ひも理論 super string theory   9次元空間プラス時間空間

物質の最小単位

 

素粒子を長さのある弦として捉える  ⇔ 大きさのない点

分母になるときも0にならないので解が無限大にならない。

長さはプランク長さ

 

超対称性粒子 未発見

ボソンとフェルミオンの特徴を入れ替えた素粒子があることを前提にした理論なのでsuperがつく

 

 

素粒子の種類の違いとは、振動の仕方の違い

重い素粒子ほど振動が激しい  E=mc2

 

現在発見されている素粒子は17種類

3次元空間では足りない

説明するには9次元カラビ=ヤウ空間が必要

 

Dブレーン

弦が運動しているのは高次元空間なのになぜ私たちは3次元で生きているのか?

重力子は端がないので3次元にはくっつかないので高次元に出ていくことができる。

高次元の重力現象は、低次元の開いた弦の現象と同じ

 

ホログラフィック宇宙

重力のホログラフィー原理

3次元の重力現象は2次元平面の現象と同じ

ブラックホールの中で起きていることはすべて表面が「知っている」