やさしき北の人々へ

 

こんな荒地までわざわざきてくださってありがとう

あなたかたが私達の荒地に樹を植えてくれるという思いやりは本当に感謝します

それらの木々がモッコリと繁り、いつの日か昔々のように緑の塊がずっと続く迷路になることを

私達も願っています

だからその木を切ってもう三日間も火のない竈にくべることができないことは悲しいことだけど

地球の環境のためには我慢しようと思います

今晩はみんなで火を囲んで食事をするという私達の夢、これはきっとサタンの誘惑に違いありません

私達はそんな幻夢のために北の方々が植えた木を伐るという欲望が消えさるように神に祈ります

先日私達はこんな噂をききました

あなたがたの国の一画にには固くて四角いものが天に届く程聳えたち、

その中に雷がキラキラと輝いているということです

その神殿は多くの木を伐り倒すことによって生きているとききました

私達はいつもあなたがたにお世話になっていて申し訳ありません

私達は貧しいけれども義のある戦士です

借りた貸しはしっかりと返します

人間として隣人として友人としてできるかぎりのお返しをしたいと思っています

今度は私達があなたがたの国へ行ってその神殿を取り毀して

ほんの少しですがお礼ができれば、と願っています