切っちゃえ (前)

 

南の心という剣で北の物質を根こそぎ切断

都市のうそ

組織のうそ

統一のうそ

夢のうそ

ファロスのうそ

宗教のうそ

形にあらわすといううそ

世界全部をぶった切る

不自由、不正義、権力の弾圧、復讐、どれも私の胸をこがすものばかり

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

切っちゃえ (後)

 

ついに

剣は私の喉に触れた

「北」の新時代用に鋳型された私に

「南」の心が力となって身を刳る

探検者である刑事が一皮むけば犯罪者になる

刑事の縄が巧妙で力があればあるほど

自分の首を少しずつ確実にしめあげる

がんじがらめに体をしばりあげる

おまけに口に汚物をぶちこむ

腹の底で波うつ臓液の声はやまない

私の爆発の糧であるポコポコ幻想をきれいにしっかり埋めてくれる

 

なんたる親切

刃こぼれした剣を研ぐには砥石を見つけにゃならぬ