爆発の後は一人旅

 

ユートピアがぶっ飛んだ

私の「性」を核として破裂した

しがみついていた翼がちぎられた

貪欲の生が楔を打ちこみいれた

 

民主も社会も共産もイデオロギーの幻

理念も目的も荒野の一里塚

平和も共生も箱庭の美

国際化もテクノロジーも時の無性

学歴も肩書きもシステムの鎧

 

なんだか一つ抜け出せたような

でもここは闇、ポップとオリジナルな音をBGM

お洒落、ファッション、雑誌の中の感情細やか、心やさしき都会人

 

不安になって電話した、あそこもここも

返ってくるのは単調な電子音

都市(まち)をさまよい歩くが歩道橋の下にも異界はあらず

 

ちぎれた翼には黙祷をささげ、川に葬れ

流れの先には海があるから

美に魂に心震わすものに対し

芥の中の腐肉の中の汚穢の中の神秘を砂粒にふりかけ、

自己なる翼を錬金する術の旅に出る

正直言って、変に悲愴感にじみでる格好の悪い、踵ひきずる後姿だった