興津   時間と友達になる    時間操縦法

 

時間と友達になろう

時間がこの世と私を助けてくれる

 

焚き火が体を暖めてくれる

 小さな火がだんだんと大きくなる

味噌が体を元気にしてくれる

 微生物が毎日せっせと働いて豆と米を旨いミソにしてくれる

年が体を愛しくさせてくれる

 老うことで深い知恵を授けてくれる

 

 

4つの時間+1つの時間

時間にもいろいろあります。どれもこの瞬間に同時にある時間です。

 

時計の時間

自分の時間

三世代の時間

地球の時間

宇宙の時間

 

 

単位

機能

場所

美学

家族

元素

時計

一時間

分割

都市

美・技術

乙女

自分

一日

主体

恩恵・豊穣

三世代

60年

波の変化

闘争

青年

地球

47億年

繋がり

山・海・沙漠

叡智

老年

宇宙

宇宙誕生

地球外

 

 

プラスアルファは4つの全てを含んでいるのがこの世とあの世の時間。

時と場が一つになっている相対性理論の時間。

 

この4つ+1つの間をみんなは生きている

どれもが同時に存在している

どの「時」に焦点を当てることで切り替えができる

一つの「時」にとどまらず、また元の「時」に戻るのも大切だ

これを訓練したら

体内の「時」でタイムマシーンも作ることができる。

いつでも、どこへでも行ける。

 

大切なのはチューニング。

時間のチューニングを合わせること。

こちらから積極的に受け入れる体勢を作る。

それができたら次は待つこと。

ものによって流れる時間が違う。

 

すぐに結果が出るものもある。

数日のものもある。

30年待ってもまだ結果が出ないものも私にはいくつかある。

まだ準備が出来ていないのだろうと、今日も生きる。

そして私が生きている間は現れないものもいくつかある。

それでも今日も朝から準備して、ゆったりと待っている。

 

 

興津 外房半島

一年半ほど、外房の山中に暮らしていたことがある。家はないのでテント、電気はないので灯油ランプ、ガスはないので木の枝、風呂はないので小川という生活を始めた。

飯盒でコメを炊き、海岸で貝のシッタカや海藻のハバを採って汁をつくった。

しばらくして、だんだんと掘っ建て小屋、灯油のランプ、木桶の薪風呂へと変わっていった。

汗をかき擦り傷のおおわれながらも、ゆったりとした暮らしであった。

いつもが平和であったわけではない。

もともとは他の生命体が住む領域に侵入していったのだから、摩擦もいろいろとある。

前は猿が住んでいた丘だったので、はじめの戦いは緊張したものだった。

5、6頭の猿が木の上から次々と飛び降りて襲ってくる。こちらは鎌と竹棒で戦った。ミョウガが生える小川沿いはマムシの住処だったので主導権争いは続いた。水気のあるところは里芋、乾いたところにはジャガイモを植えたのだが、元の主であるセリやミツバとの戦いは続いた。

充実した毎日だった。

山中の斜面には広葉樹もあるのだが、なだらかなところは杉と檜が植林されていた。その枝や葉が地面に落ちているので薪には困らなかった。

 

少し落ち着いた頃に兄弟姉妹を一人ずつ呼んで一緒に暮らした。

毎日、火を熾すのだが、誰もがする共通点があった。

それは燃やす木の材料だ。

針葉樹の葉は枯れると脂分を多く含んでいるので勢いよく燃える。だから彼らは次々と枯葉を運んでは焚き火を続けた。ただ枯葉の弱点はすぐに燃え尽きてしまうことである。運ぶ作業は休むことなく続けるしかない。終わることのない作業になってしまう。

時の流れを知っていると、始めは枯葉で火を熾すがそれから小枝、中枝、太枝、幹へと燃やすものを変えていく。

決して急いではないけない。しっかりと小枝が芯まで燃えないと、中枝を入れても火が移らず、途中で消えてしまう。

大切なのは小さな弱い火を集めて一つにすること、次に燃やすものの温度を高めること、空気の流れを作ること、火に優しく息を吹きかけること、熾を作ることだ。

自分があたふたしても仕方がない。時に任せて作業するしかない。太い幹まで火が付けば、人間が何もしなくても、火は翌朝までだって燃え続けている。

 

 

いつも彼は時宜を得た発言をする  He always says the right thing at the right moment [time].

 

甲陽軍鑑‐品四〇下「人の時宜するに、此方より時宜せざるは大非儀にて候」

 

葉隠「風体の元は時宜なり」「伊達する心にてなければ、時期はならずと也」

姿とは変化する時間を知ることである、伊達の心構えがなければ、どうして時や処や位にかなった振舞ができようものか