東京サブリミナル特区    必要ないからCM

 

必要ないものに限って、懸命に宣伝している。

びっくりさせて、惑わせて、不安にさせて、脅して、焦らせて、ウキウキさせて、惚れさせる。

音、せりふ、映像、美しさ、スピード、魅力の総動員で、繰り返して刷り込むのがいつものやり方。

だって本当は必要ないものばかりなんだもん。

わかったよ、その情熱にたまには、お付き合いもいたしましょう。

たしかにこちらの心も喜んでいる。

 

広告してるものは買う必要なんかない。

だっていいものだったら友達が教えてくれるもの。

売るために、大金払って知恵を絞っている。

宣伝費がどれほどコストに上乗せされいることやら。

そりゃあ、原価を知ってる者にとって売値が高いはずだわ。

広告してるものは買う必要がない。

 

自分が安定しない時には気をつけよう。

病気、落ち込んでいる時、旅行中、新しい環境。

こちらから会いたいと思った人はいい人。

向こうから来る人にはちゃんと注意いたしましょう。

 

大切なものはあなたの大切な人が直接に教えてくれる。 

大事なことは大事なモーメントがあるんだ。

それにはまず自分で用意しておかなきゃならない。

向こうから来るんじゃないんだ、こっちで準備して、ただ動かず待つだけなんだ。

 

 

グーグルでその人の好みで思想までが解析され、フェイスブックで投網をかけられ、ツイッターで潜在意識に餌をばら撒かれている。

毒くわば皿まで。

でもたまにだよ。

 

 

 

前に何度かコマーシャルを作ったことがある。英和辞典、鮮魚居酒屋、カメラ、シロアリ駆除。

いかに潜在意識に訴えるかが腕の見せどころと、あらゆるメソッドを使う。

博報堂からJT日本タバコの仕事依頼がきた。アウトドアのシーンで10代後半の日本女性が吸いたくなるようなCMと番組を頼まれたことがある。えっ、煙草は20歳を過ぎてからでしょう、いやそうじゃないんだって。20歳を過ぎると日本の女性は洋モクに嗜好を変えるので、日本女性が国産タバコを吸うのは10代半ばからハタチまでなので、マーケティングをそこに絞り、視聴者に気づかれないようにやってくれとのこと。影、周波数、サブリミナル、集合意識、ダブルミーニング、選別者意識、JK語、リズム、1/fゆらぎ、フラッシュバック、誘導ミュージックなんでも使って評判のいい購買意欲が湧くものや深層意識に訴えるものをという話だ。

NHKでもNHKスペシャルの「プロジェクトJAPAN」のオープニングや 大河ドラマ「天地人」でもサブリミナルを使う時代、CMではいろんな効果ある技術が望まれ続けている。

地平線までビルが立ち並ぶ東京。昔に誰がこの姿を想像することができただろうか?昔といっても、ほんのちょっと前のできごと。40年前は新宿西口から西にはひとつの高層ビルもまだなかった。まだ淀橋浄水場にはコンクリートの水道管がずっと並び、何もない空き地もずっと続いていた。川にはゲンゴロウが、空には雀が。

ところが今はもうTOKIO電脳空間都市となって、ここはサブリミナルに埋め尽くされた世界になった。 

ここでは乙女の美学さえもが人の心を惑わすことに利用された。そしてそれが当たり前の電脳空間になった。

この純粋さは閉じられたサークルの中でしか輝きを持たない。そしてその乙女の正義は枠の中でしか通用しない。

いや、中では通用するどころか王道なので、ますます自信と実績が磨き上げられてしまうので困ってしまうのだ。

 

乙女よ、そこに立ち止まるな、

あなたのピュア(純潔さ)が、自分自身とみんなの身体を壊す武器となる。

埋め込まれるな、人工のサブリミナルの世界に。

危ない時のおまじないはシンプルでいい。

「ゆっくりと丁寧に優しく息を吐く」ことを数回続けてください、

そして自分の体の声を聞くことを試してみてください。

 

 

 

参考資料

恐怖管理理論 広告戦略  

恐怖や不安を感じると、無意識に安心できて楽しいものを欲する。 

恐怖の重苦しいニュースの後に流れるCMに解放感を与える効果がある。魅力的で安心できる情報に強く惹きつけられる。

そこは電通をはじめとした代理店がしのぎを削って取りに行くCM枠だ。ここが腕の見せどころ。スバルよりレクサス、森永よりもハーゲンダッツのCMが流れる。より贅沢感・高級感のものを消費者が求めるからだ。

死亡ニュースや恐怖ニュースを流すと商品が売れる。

ストレスに耐えた分、自分にご褒美を与えたくなってしまうのである。

そしてニューロマーケティング、fMRIで脳活動を測定して消費者意識調査を行い商品開発や商品宣伝に利用している。脳の前頭葉と扁桃体の変化を見て、ヒトの喜び、興味、快楽を操つるのだ。そして判断をくだす時に活動する大脳辺縁系にインプット(刺激・ホルモン・理由)を与えてヒトの決断を操作するニューロインフォマティクス(脳情報科学)。

繰り返して流れるCM、何度も目にする広告の商品は避けよう。 刷り込まなくては消費者に買ってもらえない商品なのだから。

 

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