アレルギー症と食べても太らない共通項は?
アトピー症と消化の関係とは?
矛盾するゴール
解決策
食べる作法
付録 太らない原因と体質
テーマ アトピーを直しながら太りたい
アレルギーの原因 異分子(ペプチド)に対する過敏な自己免疫
太る理由 食べたものが脂肪やグリコーゲンになる
太れない理由 食べたものが脂肪やグリコーゲンにならない。栄養素が未消化か再結合化していないため
カロリー吸収量が消費量が多くなれば太るし、逆に消費量が吸収量よりも多くなれば痩せます。
相反する問題の解決の仕方
アトピーは血液の栄養過多が原因の一つなので栄養を減らす必要があります。(分解できなかったペプチドを免疫作用が異物と判断してしまい、炎症を発生させることから起こります)。
しかし、同時期にもっと太りたいと思う場合があります。
このような矛盾する二つのゴールがある時にはどのようにしたらいいのでしょうか?
こんな時には二つの共通項を探してみることです。
これがパラドックスにはまってしまった時の対処法の一つです。
「未消化」という共通点
今回は栄養を減らしたいのに栄養を増やしたい、と互いが相反する目標が同時に存在します。
この二つを同時に叶えるキーワードは「未消化」です。
具体的な問題はブドウ糖に分解されていない炭水化物、アミノ酸に分解されていないペプチド、そして脂肪酸とグリセリンに分解されていないグリセローズです。
これらを分解させるのが酵素(アミラーゼ・ペプチターぜ・リパーゼ)です。ちゃんと分解されないまま血液に排出されると、免疫作用はこれらを異物と判断しアレルギーと呼ばれる炎症を起こしてしまいます。
免疫作用が強く働く外部との境界線(表皮、気管、目、鼻、耳、口内)ではアレルギー反応が起こります。
またアミノ酸にレベルまで分解されていないペプチドは体に吸収できないので、そのまま体外に出ていってしまいます。これを体内に貯蓄するには、グリコーゲンや筋肉や脂肪に変換しなければならず、そのためには、食物をブドウ糖やアミノ酸や脂肪酸の分子レベルまで分解することが必要です。
ギャル曽根さんのように、大量の食物が胃腸を通過しても、それらがちゃんと消化されていなければ、そのまま便に出されるので、太ることはありません。
実際に行うことは?
では、どうしたらよいか?
食べたものをちゃんと消化、すなわち分解させてあげれば良いのです。
そのためには、消化器官を正常化させる必要があります。
1物理的
2化学的
3神経的
4思考的
の四つのアプローチがあります。
意識ができることはそのまま実行して、意識ができないことは、消化器官が活性化される環境を作ってあげて、後はそれが自発的に動き始めるのをゆったりと待つことが大切です。
1 歯と骨
歯の噛み合わせ、虫歯、歯槽膿漏を治療する
胃、膵臓、肝臓、小腸の活性化させるためには血液循環をよくする
姿勢は「骨で立つ」
地球の中心からの重心線に沿って骨を並べ繋げることで筋肉は弛緩できるので、血液が鬱積しない。
骨格の歪みや体の硬直化をゆるめる
歪みにより体の一部を圧迫しているようならば、柔軟体操やマッサージや風呂に入ってその箇所を和らげる。
2 酵素(エンザイム)
酵素とは、ヒトのあらゆる活動に関与して、身体を健康な状態に保ってくれているアミノ酸の化合物です。
この酵素が、食べ物を分解し、栄養の吸収・運搬、排泄、代謝の促進、古い細胞を消滅させたり新しい細胞をつくったりして筋肉や骨を作り、免疫力を高め、脳の活動を支えています。
消化活動では、胃と十二指腸(膵臓・胆のう)と腸で食べた栄養分を分解するのも酵素の機能です。体内に取
り入れた炭水化物・タンパク質・脂肪を酵素が小さな分子に分解してくれます。
この酵素は睡眠と密接な関係があります。意識が活性化されていない睡眠状態や瞑想状態の時にさまざまな細胞
が作り出されています。酵素も例外ではなく、睡眠中に生み出されます。
酵素の観点から見ると、「ヒトは、酵素を大量生産するために眠っている」ということです。
睡眠時間はできれば7時間以上とることが望ましい、と周りの人の行動やデータや自分の体験では思っています。
また緊張状態が続くと、酵素は次々に消費されてしまいます。
これまでの実験でストレスにより体内の酵素が減ることが分かっています。
ヒトの体内には2種類の酵素があります。
消化酵素と代謝酵素です。
消化酵素は体が吸収しやすいように消化するためのものです。たとえば、ご飯などに含まれるデンプンを分解するのはアミラーゼ、肉などのたんぱく質の分解はプロテアーゼ、脂肪の分解にはリパーゼという酵素が働いています。これら消化酵素の働きにより、分解された栄養素は小腸で吸収され、体のためのエネルギーとなります。
もう一つの代謝酵素は、体を働かせるのが役目です。運動、呼吸、脳での思考、老廃物の排出、体内に入った異物を飼い馴らす(免疫作用)、細胞の新陳代謝など、人間の生命活動のあらゆる場面で無数の代謝酵素が働いています。
そして、この2つの酵素には密接な関係があります。
一晩でできる酵素の量は一定なので、代謝酵素を使いすぎると、代わりに消化酵素が不足してしまうと「酵素栄養学」の著者エドワード・ハウエル博士は提唱しています。
消化が忙しくなれば代謝酵素は減少し、病気などで代謝酵素が消費されれば消化にまわる体内酵素は減少します。
ですから食べ過ぎたり、消化酵素が大量に必要な焼き肉や揚げ物などばかりを食べていると、消化酵素が大量に消費され、代謝酵素が減り、肌や胃腸の調子が悪くなったりします。また逆にストレスや風邪をひいたりすると、代謝酵素が多く使われ、その分消化酵素が減ってしまいます。これを体(大脳辺縁系)が察知してストレスがある時は食事をして酵素を使いきってしまわないように、お腹が空かない、のではないかと推定されます。
ストレスは、脳の代謝酵素(TRH,ドーパミンノルアドレナリンなど)の消費量を増やしてしまいます。これは、ストレスに対応するためのからだの作用なので「意識」ではどうにもすることができません。
そこで私たちの意識にできることは、ストレスをいかに上手に発散できるかということです。
酵素を含む食べ物を取り入れることは、体内の酵素をほとんど使わずに消化できるというメリットがあります。そこで三大栄養素の消化酵素であるアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼを非常に多く含んでいる食品を意識してとることは望まれます。食物酵素は発酵食品に多く含まれています。
漬物、野菜、果物、刺身、納豆、キムチ、味噌、チーズ
体型と不足している酵素の関係
体型 |
マンゴー型 |
洋ナシ型 |
リンゴ型 |
バナナ型 |
特徴 |
全身に脂肪がつき、ふっくらしている体型。セロトニンという神経伝達物質不足で気分が不安定。甘いものに依存しやすい。 |
お腹や腰、お尻回りなど下半身に脂肪がつきやすい。女性の場合は、女性ホルモンの関係でむくみやセルライトができやすい。 |
上半身が太く、お腹にボールが入っている感じの体型。脂肪は皮下脂肪ではなく内臓脂肪が多い。 |
ほっそりしていて、健康体重を維持できる一方、余分な脂肪やカロリーの燃焼が遅い。バランスを崩すと脂肪が落ちにくくセルライトができやすい。 |
好きな食べ物 |
ケーキ、チョコレート、パスタや米などのでんぷん質、カフェインなど。 |
「脂肪+糖分(でんぷん質)」の食事が好き(これが脂肪蓄積の原因に)。スパイシーなもの、脂肪が多くてクリーミーなもの、味の濃いもの、ジャンクフードなどの塩分の多いもの、スナックなど。 |
「高タンパク+高脂肪」の食事。牛肉、ベーコン、魚、揚げ物、味の濃いもの、アルコール、チーズ、ピーナッツなど。 |
牛乳、ヨーグルト、チーズ、チョコレートなどの甘いもの、パスタや米などのでんぷん質、さっぱりした味のものなど。 |
症状 |
疲労感、気分の落ち込み、うつ症状、血行不良、血糖値の異常など。 |
むくみ、PMS(月経前症候群)、肝臓疾患、甲状腺や肝機能低下など。 |
生活習慣病全般(動脈硬化、高血圧、心臓病、糖尿病、痛風)、腎臓病、腰痛、ヘルニア、骨粗しょう症など。 |
ストレスに弱い、疲れやすい、慢性的なアレルギー、気管支系のトラブル、牛乳アレルギーなど。 |
不足酵素 |
糖質分解酵素(糖分やでんぷん質を分解できない) |
脂肪分解酵素 |
タンパク質分解酵素 |
ほとんどの分解酵素が不足し、消化能力が弱い。乳糖分解酵素も不足し牛乳が消化できない。 |
食事の提案 |
「高タンパク質+低糖」を心がける。タンパク質不足により糖質分解酵素が不足しがちなので、炭水化物と糖質を減らし、高タンパクな食事を心がける。 |
脂肪分解酵素が不足していますが、脂肪をカットしすぎると体調をくずす原因になります。良質な脂肪オメガ3とタンパク質を摂取する。塩分を排出するカリウムを積極的に摂る。 |
「低脂肪+良タンパク質」の食事を心がける。タンパク質分解酵素が豊富な食品や食物繊維を摂る。酵素の効果が最も期待できるタイプです。 |
良質なタンパク質+カロテンやポリフェノールなど抗酸化栄養素を摂る。タンパク質分解酵素を多く含む果物をとる。乳製品は避ける。 |
増やす 食品 |
果物、卵、豚肉、海藻、玉ねぎ、ニラ、山芋など。 |
セロリ、きゅうり、海藻、アボカド、カボチャ、納豆、小豆、イワシ、サンマなど。 |
パイナップル、パパイヤ、リンゴ、にんじん、海藻、ニンニク、納豆、くるみなど。 |
パイナップル、いちじく、メロン、キウイ、バナナ、卵、ゴマなど。 |
3 自律神経
自律神経には交感神経と副交感神経があり、チャンスやピンチの時には交感神経が働き、リラックスしている時には副交感神経が働きます。
交感神経が働くと、瞳孔は開き、血管は収縮し、血圧が上がり、心拍と脈拍は早くなり、呼吸は浅く回数が増え、汗がにじみ、胃腸は活動しなくなり、便秘状態になります。
今回のテーマである消化に必要なのは、この真逆のことです。ですからできるだけ副交感神経が働くように、心身ともにリラックスさせてあげないと、口から入ったものが消化されない状態で、血管や大腸に排出されてしまうことになってしまいます。そしてこれが炎症と太れない体質の理由です。
4 イメージトレーニング
各自が今までに経験してきたリラックス方法(適度なアルコール、静かな音楽、散歩、会話、サウナ、体操)を軸として、そのほかに呼吸法やイメージトレーニング(自分が一番落ち着ける景色や環境や体験を思い返す)を通じてストレスを避けることができます。
5分でもいいので呼吸法や瞑想を行うとストレス解消にとてもいいのですが、それでも晴れない方は過去の楽しいことを強く思い出すのも効果的です。
ヒトの意識は同時に2つのことを考えられないようにできています。二つ以上にスポットライトを当てなければならない時は、交互に行うか、条件反射や小脳の学習運動に頼っています。ですからいいことばかりを思い出している時は、嫌なことは考えることができません。嫌なことを忘れようとすると、それにスポットライトを当ててしまい、より嫌なことが膨れ上がってしまいますが、この方法ならばそうはなりません。また、朝起きた時に「今日も楽しんで過ごそう!」と自分に励ましの声をかけると生活も違ったように見えたり感じたりすることがあります。この「気の持ちよう」は実際の生活に深く関係しており、強い影響を与えています。
ストレスとは意外と簡単に避けることもできるのです。ただし根本的な解決にはならないので、余裕がある時はストレスの原因を見極め、何かを諦めたり、条件反射を書き換えたり、減感療法といってストレスに慣れる訓練などをする必要があります。
ストレス発散の最も良い方法は「すべてのもが繋がっている感覚」が持てた時だと言われています。この時はすべてがつながっているので、他者を排除するのではなく、他を認めて、それらを許せざるを得ない瞬間です。しかしこれはなかなか難しいことですが、もしそれ位の寛容な気持ちが持てる時間をほんの少しずつでいいので増やしていければ幸せです。
ストレスを溜めないというのは酵素を無駄使いしないばかりか、自分の外側にある他者や自然や宇宙との付き合い方を成長させてくれるのではないでしょうか。
このような感覚になるのは難しそうですが、実は食事をするといのことが、全てのものとつながっている感覚を喚起する機会になっています。
食べる作法
次はリラックスできて体によい作法です。
まずは食べる前に、気持ちの切り替えです。
このイメージ(気持ち)が自律神経のスイッチを切り替えます。食事の前までは交感神経を中心にした行動でしたが、これでは胃腸をはじめとした内蔵はちゃんと働くことができません。気持ちを落ち着かせ、吐く息にスポットライトを当てて、副交感神経を活性化させることで、消化酵素が出やすい環境を作ってあげることができます。
今ここで生きていられることへの感謝、病院ではなくこの場所にいられることへの感謝、孤独ではなく家族や友人がいることへの感謝、目の前のものを食べられることへの感謝、そしてその食べ物を通じて世界とつながっていることの不思議さと悦び、自分もそのつながりの世界の一部であることの驚きと安らぎ。
何を思うのかは各自のスタイルや宗教や個の体験が違うので、それを軸にして、スイッチを頭(神経)から内臓へと切り替えてあげましょう。
そして食事の最中は、口に入れる料理に想いをかたむけ、個々の素材の成長過程やその生命力、調理者の思いや美学や技、料理と繋がっている自分の「いのち」の不思議さと喜びなどを思いながら、隣人と「うまい!」と言い合えるのは、卓を囲む特別な時間の愉しみです。普段はなんでも名前をつけて分断化していますが、食べるという行為は分かれていた全ての分子(水・細菌・植物・動物)がまた一つにつながる聖なる奇跡の瞬間なのですから。
次はよく噛むことです。ヒトが意図的にできるのは噛むことだけです。後は胃腸の器官に任せ、腸にいる100兆から1000兆の腸内細菌(人体の全部の細胞はたった40兆個)に頼って消化活動をお願いするしかありませんから。
一口で30回は噛む
食べる時には、少なくとも一口あたり30回は噛むことを心がけます。また、虫歯、歯周病などは治療することが望ましいです。虫歯や歯周病などがある場合は、かばいながら食べることで良く噛めていない状態で食べてしまっており、消化されにくいからです。
食べた後の安らぎ
そして、食べた後の30分ぐらいは静かに休むことが望ましいです。急に動き始めると交感神経が活性化してしまい、胃腸の消化活動がなおざりにされてしまうからです。
確かに日常生活では忙しくてそんな余裕がない時もあるでしょう。しかしもし本人が病気の症状を自覚しているのならば、優先順位を考えて、どちらかを選択する必要があります。「意識」か「いのち」です。
手足や頭を活性化させて体の病気を悪化させるか、胃腸の働きを活性化させて病気を治していくかのどちらかです。病気は体からのメッセージです。体の悲鳴です。意識も自分も手足も責任も仕事もステータスも評価も金も
家族も健康の体があってのことです。
二つを並べて冷静に考えてみると、まずは、病気からの離脱です。
こういっても現実の世界では食べた後にゆっくりと休んでいられない環境の人も多くいます。そんな人たちは3回に一回は休むことから始めて、だんだんと毎回できるように努めていけばいいでしょう。また時間も3分から始めて徐々に長くしていければいいと思います。食後の環境が安らげないようならば、食後は買い物をしなくちゃいけないとか言って言い訳を作り、近くの公園で雲や樹木を眺めるようなことから始めることがいいのかもしれません。
食べ方
太るためには食べ方を改善することが大事です。「食べるものに集中する」ことです。食事の時にテレビを見たり、雑誌を読んだりなどの、「ながら食い」は、胃腸の消化には良くありません。
食事の時は、胃に血液が集中し活発に働いてもらうために、副交感神経が優位に働く必要があります。すると胃液や唾液が多く分泌され、消化吸収を促進します。ところが、他のことに集中すると交換神経(意識)が優位に働いてしまうため胃に血液が集まらず、消化吸収がうまくいきません。また満腹中枢も刺激されにくくなるため、食べ過ぎにもなり、胃もたれにもつながってしまいます。
また、食べる順番も重要です。以下の順番で食べると、血糖値が上がりやすく、脂肪になりやすいと考えられます。
1.始めにご飯や麺類などの炭水化物を食べます。
2.次に肉、魚などのたんぱく質を食べます。
3.最後に野菜や汁物を食べます。
これは面白いことに、100年前までの庶民や禅寺で行われてきた順番です。
自然の厳しいところでは、食物と鍋と燃料は貴重なので、一つの鍋で少ない食料を少しの燃料で料理するために上記の順番で調理をしていました。この方法だと最小で最短で効率良く温かい料理ができ、最後には鍋を洗わなくても汁ものでキレイになっています。
参考資料
太れない原因
ストレスと交感神経
ストレスと太れない原因には、胃が関係しています。
胃腸は、自律神経の働きと密接に関わっており、ストレスを感じたり緊張状態が続くと交感神経の働きが優位になります。交換神経が優位に働くと胃腸の働きを抑えるため、食欲がわかなくなったり、食事をしたとしても胃腸がスムーズに働かないため消化不良になります。
また、ストレスの他にも加齢や、不規則な生活を送ったり、食生活の乱れなども胃腸の消化活動にダイレクトに影響します。
ですから食事を摂るときには、特にリラックスして、もうひとつの自律神経である副交感神経を優位にすることで、胃腸の働きを活発にすることを心がけることが必要です。
交感神経と副交感神経
寝ている間は副交感神経が優先して働いているのですが、起きると今度は交感神経が優先になります。交感神経は、体内に貯めたグリコーゲンや脂肪を燃焼さする働きをするため、食べても太らない時間と言えます。
ただこの交感神経が活発に働いているのは寝るまでではなく、夕方ぐらいまでです。夕方以降は徐々に副交感神経が優位になってきてしまうため、脂肪が燃焼しづらい太る時間帯と言えます。ただこれは規則正しい生活をしている時で、その人のリズムによって大きく違ってきてしまいます。
リズムが違うと判断しにくくなってきてしまうので、もしダイエットをしているのならば、判断しやすくするためにも、リズムを整えて規則正しい生活にすることがオススメです。
睡眠不足
睡眠不足で太れないのには2種類の原因があります。まずは、睡眠不足による自律神経の狂いからおきるストレスです。
2つ目の理由は、成長ホルモンの分泌が減ってしまうからです。本来、睡眠時に人間の体は大きくなるといわれていますが、それは体の成長を促進する成長ホルモンが、最も分泌されるからといわれています。成長ホルモンは、脳下垂体から分泌され、筋肉や内臓の成長を促します。太りたい場合には特に最も成長ホルモンが分泌される深夜に寝ていることが望ましいです。
またその他の酵素であるアミラーゼ・ペプチターぜ・リパーゼも睡眠中に体内で作られます。
甲状腺機能亢進症と代謝
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう疾患で、自分の甲状腺組織を異物だと認識して攻撃してしまう自己免疫疾患です。全身のエネルギー代謝が促進されるという症状があり、たくさん食べていても痩せてしまうのだそうです。
すると体を働かせるためのエネルギーの量が上がってしまい、人より多くのカロリーを取る必要があります。
遺伝
食べても食べても太らないという方は、生まれつき代謝がよい可能性が高いといわれています。代謝は、遺伝的要素が高いと考えられているため、家族に同じように太れない体質の方が多い場合には、遺伝により生まれつき代謝が高いと考えられます。
ただ私は、面影は遺伝ですが、体質は環境の影響が強いと思っています。環境を意識的に変えると、その人の体質も変わるので、現状維持の言い訳をするために遺伝を重視してしまう傾向にはいつも疑問を感じています。
胃下垂・胃腸が弱い
食べても太れない方の代表的な原因のひとつ。
胃下垂になると、満腹感、食後の胃のむかつき、食欲不振などの症状がで、栄養吸収が悪くなります。
また、胃腸が弱い場合にも同様に、胃の消化能力が低下しているため、栄養吸収が悪くなります。
胃下垂の場合、食べた物が胃にとどまっている時間が非常に長くなってしまっています。これにより腸にとどまる時間が短くなるため、栄養の吸収量が減るため太りにくくなります。
食べたものを脂肪や筋肉として体に蓄えますが、エネルギー変換できなければ蓄えられることなく、代謝として使わなければいけないので痩せてしまいます。
下痢、胃もたれ、過敏性腸症候群の人は胃腸が弱い可能性があると考えられます。
下痢型
食べたらすぐトイレに行き、朝から何度も便意をもよおしたり、ストレスを感じると下痢をする
便秘型
排便困難が続き、腹痛を伴う。コロコロとしたウサギの糞のような便がでる
交替型
腹痛および腹部の違和感、下痢と便秘が複数日間隔で交互にあらわれる
ガス型
過剰なストレスによってお腹にガスがたまる
便秘
一般的に、下痢は痩せている人に多い症状、便秘は太っている人に多い症状と思われがちですが、実は、便秘も太れない方の原因の1つとしてあげられています。下痢の場合には胃腸の機能が低下していることで栄養吸収が、正常に行われておらず、太らないことになりますが、便秘の場合には、正常な吸収が行われていないためにまだ排泄されずに残ってしまう状態です。
腸のなかに便が溜まっていると余分なものまで吸収してしまったり、腐敗物が何日も溜まっている状態なので身体に毒素がまわりやすく、血行不良や代謝を低下させるなど、太りやすい状態をつくってしまう上に、健康維持のためにも良い状態とはいえません。食べても太らないようにするためには、便秘の解消を心がけてください。
便秘の解消法としては、水をたくさん飲む、食物繊維を多く摂る、お腹のマッサージやストレッチをする、腸内環境をよくするために発酵食品を毎日食べたりなど、さまざま方法があります。
また腸内のビフィズス菌は、腸内環境を整え、消化、吸収、排便をスムーズにしてくれます。
緊張状態が長いと交感神経が優位になり、血管や腸も萎縮して便秘になるので、吐く息にスポットライトを当てて、リラックスするのが効果的です。
牛乳に含まれている乳糖によって、腸内環境が良くなったことで、便秘が解消された場合もありますが、実は乳糖が理由でない場合もあります。それはその乳糖によって、下痢の症状を起こして”スッキリ”しているだけ、と言うものです。この症状は乳糖不耐症の人には起こりやすい現象です。体の中で乳糖を分解できず、腸内にて浸透圧が起こり、それで水分が集まり、便が水分を含みすぎて軟便になる現象です。この場合は牛乳に頼らず、ツボやうつ伏せ体操がオススメです。
合谷ごうこく 三陰交 さんいんこう
親指と人差し指の付け根の内側。 くるぶしの骨から指幅4本分上で、骨の後ろのくぼみ。
親指をたてて、くぼみに押しあて、左右に動かす感じでマッサージします。
効果的な体操
腸の活性化にはうつ伏せが効果的です。
小腸は、大腸と違って複雑な形に折り畳まれているので、マッサージではなかなか刺激しづらい臓器です。しかし、うつ伏せになると、小腸全体をまんべんなく直接に刺激できます。
・1日10分ほど、うつ伏せに寝る。その時に、ゴロゴロ寝転がる動きを5回以上行う。
栄養不足
栄養が不足してしまっては太ることはできません。太れない方の根本的な問題なのが、この栄養不足です。また、この栄養不足の問題には、体の機能を整えることも大事です。特に胃の調子が整っていないと、正しい栄養吸収ができず、結局栄養不足になってしまいます。まずは適度な運動などを行い、体調を整えることが望ましいでしょう。
また、栄養をとるためには食べることが必要です。そして太るためには炭水化物を摂ることがまず先決です。そして、それを蓄えるためにビタミン、ミネラルも摂ることが必要になってくると考えられます。
太らない体質
原因としては遺伝子系のホルモン異常から、単なる思い込みまで広範囲に考えられており、原因を1つに特定することはできません。もし虚弱体質を改善したいのであれば、まずは食生活の見直しと運動が必要であると考えられています。
褐色と白色の脂肪細胞
よく食べる割に太らない方の体質的な特徴としては、普通の人よりも、腸内のビフィズス菌の数が4倍ちかく多かったり、胃の活動が活発であったり、褐色脂肪細胞という体温を調節するために脂肪を燃焼させる細胞の働きが活発だったりいろいろなケースがあります。また、血糖値が上がりにくい方、食べ物からカロリーが吸収されにくく、排泄が早い方もいます。
逆に、太りやすい人は、脂肪を貯めておく役割がある白色脂肪細胞の数が普通の人よりも多かったり、細胞自体が膨張しているからです。白色脂肪細胞は胎児のころから成長期にかけて増加し、この間にその人の白色脂肪細胞の数が決まってしまうといいます。ですから、小さい頃から太ったまま大きくなってしまうと白色脂肪細胞が多い体質になってしまい、少し食べただけでも太りやすくなってしまうようです。
歯や骨格
歯の噛み合わせや顎関節の調子がよくないと、食べ物を良く噛むことができなくて消化が困難になり、胃腸に負担がかかる場合もあるといいます。これが長年続いていくと、体質的に胃腸が弱くなり、食べても太らないようになってくるそうです。
また、猫背だったり姿勢を保てなかったりなど、骨格に問題があって太れないこともあるといわれています。骨格が歪んでいると筋力が低下しやすく、血液の循環がうまくいかなくなり、内臓の機能が低下したり免疫力が低下してしまうのだそうです。内臓の働きが弱くなると、食べ物の消化、吸収が難しくなって太れなくなってしまいます。
身体の中心に歪みがあると、身体の代謝機能や血流に影響があります。血流は内臓機能に大きな影響があり、血流が悪いと胃腸機能が低下して、栄養吸収が悪くなり、太れない体質になります。
代謝
代謝とは、食べ物などから摂取した栄養やエネルギーを、体内で利用したり消費することを指します。食べても太りにくい人は、普通の人よりも代謝がよいといわれています。意識していなくても常にこまめに動いていたり、何気ない動作でも筋肉をよく使っていたりするそうです。
体内の筋肉量が増えると基礎代謝(身体の維持のために使われるエネルギー)が上がるといわれていますので、筋肉がある程度ついているほうが、それだけエネルギーを多く使うので太りにくくなります。
筋力がつく運動をする
運動をすることも太るためには大事な方法です。一般的には運動はダイエットの方法として有名ですが、適度な筋肉をつける運動も効果があります。アミノ酸がタンパク質に変化して体の筋肉になるからです。
まずは、十分なカロリーと栄養素をとり、筋力トレーニングを行い、十分な睡眠をとります。食事、運動、睡眠、この3つのバランスが正しい筋肉をつくるには必要です。また、正しいボディバランスが出来上がると、胃腸などの内臓のバランスも整いだし、消化能力が必然的に上がってくると考えられています。
筋肉は、筋トレなどにより通常では受けない強い負荷を受けると、筋肉を形成する筋線維の一部が断裂、破裂し、疲労状態となり一旦筋力が低下します。その後およそ36〜72時間で元の水準まで回復したのち、再び同様の負荷を与えられた際に備え、元の水準を超えて筋線維が成長すると考えられており、この現象を「超回復」とよび、この現象により筋肉がついてくると推定されています。
しかし、超回復を待たずにトレーニングしつづけると、筋肉の回復がままならなかったり、筋肉の損傷につながりますので無理のないスケジュールでトレーニングを行うことが望まれます。一般的には、筋トレは48〜72時間、つなわち2〜3日おきにするのが最も効果的だと考えられています。
運動には大きく分けて、脂肪を燃焼する有酸素運動と筋力を上げる無酸素運動があります。筋肉をつける無酸素運動の筋トレとして、スクワット・腕立て伏せ・腹筋などを多くとりいれるといいでしょう。
バストアップを望んでいる方の場合は、筋トレなどでまずは標準体重に近づけた上で、女性ホルモンを活発にするために血流を良くすることが大事だと考えられています。マッサージやストレッチや入浴が効果的です。いずれにせよ、まずは標準体重になることからはじめることが望ましいでしょう。
お腹のゴロゴロ
胃腸が活発に蠕動運動を起こしている時は「ゴロゴロゴロゴロ」「ぎゅるるるる」「ぐぅぅぅぅ」などという音が鳴りますが、これは腸蠕動音、超雑音、グル音などと呼ばれています。
空腹の時にお腹が鳴るのとよく似ているので「もしかして、お腹空いてるの?」なんて周りの人に訊かれたことはありませんか。
この音は消化をしていたり、胃腸が活発に動いており、今日も腸が元気だという証拠です。
ただ、逆に蠕動運動が活発になりすぎると、下痢症状を招く恐れもありますので注意が必要です。
妊娠
痩せすぎている人の場合には、自分自身だけでなく胎児にも影響が出る可能性があるといわれています。母親からの栄養が足りなければ、胎児に補給される栄養も少なくなります。その結果、低体重の子供が生まれる可能性が高いといわれています。
また、子宮内環境が低栄養状態にあると、胎児は飢餓に備えようとして、低代謝状態で生まれてしまう可能性もあると考えられており、生まれた子供は、逆に太りやすい傾向にあるといわれています。
太りたい人の情報室 http://www.futoru.com/category/1920589.html