丁宗鐵 日本薬科大学教授
薬に頼らない生き方
ガンにならない生き方
ガンの嫌がる食事
医者を信じると病気になる
天皇はなぜ生物学を研究するのか
モデルの着ている服が素敵だからといって、自分に合っているとは限りません。合わない健康法は毒になります。人間一人ひとりに合ったオーダーメイドの健康法を見つけることを切に願っています。
病気とは船が岩礁にあたって沈んでしまうようなものなので、その岩礁を取り除けば船はスムーズに目的地に着くことができる。岩礁とは病気を発現させる様々な要素のこと。
糖尿病 60年前の50倍 10人に一人
歴史的粗食文化による体質 明治以降の動物性タンパク質、脂質、高カロリー、菓子、飲料
血糖値が高いので、頭の回転がよく、声も大きく、エネルギッシュな状態になる傾向がある。
痛風 尿酸の結晶が関節に貯まる 有能・上昇志向・闘争心・成功・エネルギッシュ・地位の高い人
プリン体(活動性を高める)が分解されたもの
認知症 脳神経が血液に触れて死んでしまうことから起こる 高血圧・ストレス
旺盛な食欲、栄養過多 苦労が多い、気を使い神経をすり減らした人
楽しく頭を使う、楽しいことを満喫しているんだ、幸福感を味わう リラックス
アトピー性皮膚炎 スナック菓子、きゅうり、すいか
大腸炎 豆類
胆のう炎・ガン 柿、渋茶
癌 実証の体質 ガンにとって魅力的な棲家 アクテイブで前向きな生き様
こうなった今でも実証の生き方を貫き通す
自分の体を労わり「頑張る」ことをストップする
実証とは
体力や抵抗力が充実している状態。血圧・体温・副腎皮質ホルモンの高めで新陳代謝が活発。
元気で無理がきく体で、風邪をひいてもすぐに発熱し汗をびっしょりかいてすぐに治ってしまう。
実証タイプは社会では求められるが、体の視点から見ると、未病の状態とも言える。未病とは現在は健康に見えていても、確実に病気に移行する状態のこと。予防とは違い、未病はもう病気に片足を突っ込んでしまっているが、まだ表に現れて症状として出ていない状態のこと。
理想は中庸と呼ばれる、緩やかさ・弱さ・しなやかさ・柔らかさ・暖かさも備え持つ状態。
社会とは実証優先の価値観 実証の人が頂点に立ち、虚証が底辺にいるヒエラルキー
実証タイプが社会が求める理想 特に都会・アメリカ・現代
競争社会は、エネルギッシュな実証タイプの人に有利な仕組みになっている。 短期決戦型
実証の人は社会システムに使い捨てにされている
自分の体力を過信し、自分を酷使し、オーバーヒートしてしまう価値観
虚証の役割
出来上がった組織を安定したものへと作り上げるのが得意
細やかな作業・漏れ間違いのチェック・注意深さ・安定・持続 ブレーキを使って秩序を保つ
コンスタント・余力・マイペース・趣味・家族
「弱さ」「無理がきかない」体質を受け入れて、そこからどうするかを考える。 細く長く、生きる
年齢 重ねると虚証になる 落ちる食欲・活動
長生き 昔では粗食に耐える基礎体力も免疫力も弱かったが、現代では設備と技術が揃っているので実証よりも長生きできる。
陰と陽
陰は副交感神経が優位 夜 のんびり屋
陽は交感神経が優位 昼 短期決戦が得意
中庸
未病の状態に自分で気づく
自分の体質から考えて対策を考える
オプテイマルヘルス optimal health optimum Latin語のoptimusが語源で「最適条件」を意味する
年相応の健康をめざす 皺一本で寿命が一年伸びる 皺が寄るのが正常でシワがないのは生活習慣病の犠牲
陰陽虚実の相関図
活発になるもの
実 副腎皮質ホルモン・ステロイドホルモン
虚 栄養失調
陽 アドレナリン
陰 アセチルコリン
養生(摂養)
ライフスタイル 予防の日常生活
50歳は養生に努めなくても健康に生きられる年数の限界
遺伝子をコントロールすること DNAのスイッチのオンとオフに気を配る
バランス
気・血・水 神経・免疫・内分泌
気は外の栄養を取り入れ、水は外敵を撃退する。血は二つを統合する。三つのバランスが取れているのが中庸。
「気」は生命活動を維持する調節系 西洋医学の自律神経機能
胃腸・心臓・分泌腺の調整
睡眠と休息と少なめの食事
「血」は「気」が体内で物質となったもの 血液やホルモン体液の循環 西洋医学の心臓と血液
夜は早く寝る 体を温める 血行をよくする
「水」は免疫系 外敵から守る機能 皮膚・粘液・リンパ液
温かくしてマッサージ 紫外線を避ける
中庸になる生活
リラックス 無理せず、できる範囲で 心を第一とする
くつろぎ、爽快で晴れやかな気持ちになる機会を増やす
睡眠時間8時間 ゆったりと起きる
好物と病気の関係 病が好む食事 病という憑きもの 憑依された人
甘いもの 糖尿病
塩味 高血圧
酒 肝臓病
柿 胆のう・胆石
山菜 再生不良性貧血
アイスクリーム ガン
過剰なタンパク質 アトピー
アレルギーになりにくい体質に改善する
油分・糖分・冷たいものを避ける
睡眠をとる
西洋医学と漢方の違い
西洋医学 病名を処方箋の根拠にする 検査・病名・マニュアル 性差を認めず標準化や普遍化を目指す
病名が決まらなければ、適切な治療ができない。
患者が訴えている症状を治す、「標治」対処療法 夏に手足が冷える時には湯たんぽを与える
漢方 患者の状態を根拠に薬を決める 患者の「証」を基準にする。 同病異治
証とは基礎体力・体質・進行状況を基準にした「随証治療」
体の中の異常を治す、「本治」 体質改善 夏冷えの原因を探し、腎臓や循環器系の異常を調べる
自然治癒力を引き出す治療を最優先する
Resilience回復力を最大限に引き出す治療を目指す
組み合わせ療法 手術・放射能・抗がん剤・免疫力を高める・回復力を引き出す治療
ガンとは何か?
二人に一人はがんと診断される。 死亡原因の一位
DNAに傷がついて変異し何十年とかけて段階的に異常な細胞になる。途中でがん抑制遺伝子のスイッチがオンにならなかった結果。
多重にできるもの
ガンの成長年月
1gで約10億個のがん細胞がある。10年近い年月が必要。最初のうちは増殖の速度が緩やかなので、検診で見つかるまでに成長する期間は、20年から30年。
ガンの9割が実証タイプ
頑張って走り続けて生きてきたので、体を酷使し、体からの信号を軽視してしまった。
大切なのは体をいたわりながら、穏やかな時間を過ごすこと
交感神経が優位になってストレス状態が続いているため免疫機能が過剰になり、その機能が自分に向かってしまい、膠原病などの自己免疫疾患を引き起こす可能性が増える
免疫細胞が作られるのは睡眠中
メタボリックシンドロームと実証は同じ症状が多い
エピジェネティクスepigenetics 外部刺激に対する遺伝子の発現の制御
実証タイプの不規則な生活は遺伝子の新たな発現のスイッチを押しやすい
ガン細胞は熱に弱い
体温が上昇すると、アポトーシスapoptosis Greek apo,
away from ptosis, fall 自発的に死滅する
がん細胞増殖には35°が適温
温熱療法が有効 ハイパーサーミア 電磁波でがん細胞を42度以上にして死滅させる
ガンは温めても血管は拡張しないためにホメオスタシスhomeostasis(外的刺激に反応して内的変化をある範囲で均衡状態を保つこと)機能が働かず、熱を放出できずに死滅する。 一回一万円ほど
ガンの原因は食生活
食生活35% たばこ30% 感染症10%
胃腸に負担をかけない食生活が大切
免疫細胞と腸
最大の免疫臓器である腸は副交感神経がコントロールしている
腸管がちゃんとしていれば、免疫が活性化し、体はリラックスしていられる。
そのためには負担をかけない食生活と睡眠が必要。
回復の基本は免疫力
人体は60兆個の細胞 腸には200兆個の微生物 この微生物の人体侵入を阻止しているのが生体防御である免疫作用
腸を鍛える
食物繊維の多いものを食べると、消化に時間がかかり、腸にとっていい運動になる。
糖分をそのまま食べると直に腸に吸収されてしまい、腸を怠け者にする。
十分に運動をしないと、サルコペニアGk. Sarco肉 penia欠落 と呼ばれる薄い筋肉の腸になってしまう
温かいものを取ると腸がよく動いて血流がよくなる。
よく噛むこと
唾液(アミラーゼ)が出る
内蔵(胃・胆)から消化液の分泌が促され胃腸が元気に動き始める。
噛む回数と満腹感は相関関係がある
ガンと食事
ガンの発生を促進させる食事を避ける 動物性脂肪の過剰摂取、カロリー過多、糖分、塩分
兵糧攻めが有効 高栄養や糖分を控える粗食が必要 特に糖分とアミノ酸
胃の中を空にしてから寝る。 食べたら4時間は寝ない。 寝ると消化しきれない食物が胃の中に一晩とどまり、その腐敗物を腸が吸収することになる。
新米よりも古米
玄米の弱点 消化吸収にエネルギーがかかる アミノ酸は白米の十倍で栄養過多
食品には温熱性・平性・寒涼性があるので、温熱性の体内の熱をあげ、新陳代謝を促す食品を取る。一つの目安は冬に収穫できるものが温熱性があり、夏に収穫できるものが寒涼性がある 寒涼性といっても、体温を下げるのではなく体温を上げることがないので、必ずしも避ける必要はない。
新陳代謝は内蔵平滑筋(腸)がよく動くと活性化される 筋肉がよく動くと代謝が上がり、熱が発生して体温が上がり、血流も良くなる
ガンが好む?食事 病気が食べさせる
アイスクリーム、ジュース、菓子、果物、冷たく甘い飲食物
ガンはさかんに分裂を行うためにブドウ糖を正常細胞の3〜8倍も必要とする
血糖値が高い糖尿体質の人の半分以上がガンになり、進行が速い
冷えるもの 36度以下の35度がガンの増殖の適温
世界初めてがん手術
1804年に華岡青洲が乳がん手術を行う。
通仙散で全身麻酔をする。朝鮮朝顔を3年以上寝かせて毒性物質が抜けたものを使用。
がんは人生の中間決算が赤字だということ
がん遺伝子スイッチをオンにして、がん抑制遺伝子スイッチをオフにし続けた結果
西洋医学 赤字ならば資金繰りとして銀行から資金を借り入れる。手術・抗がん剤・放射能治療
東洋医学 赤字ならばその理由を徹底的に探し出し、複数ある原因を総合的に解決する
西洋医学一辺倒な人
科学的な根拠のない治療法を提示するのは犯罪的だ。
患者の痛みやQuality of Lifeを高めることには感情移入しづらい
科学の視点のみで見るため、科学の限界や情感の視点、体の視点、いのちの視点からの考察が欠けてしまう
判断の根拠を、他人が作ったデータに任せきっており、それが「科学的」で「良心的」だと言い訳する医者
標準治療とは、標準を決めて、抽象度をあげて、法則を見つけ出した後は、その法則に基づいて、患者の一人ひとりの違いを考慮しないで、適応させてしまう画一的な方法のこと。
9割の人には効果があっても、出てきてしまう残り1割の効果がない人は切り捨てる。
抗がん剤は体表面積に基づいて投与量が決められており、性別や老若は考慮されない。
ガンは人を生き返らせる病気
人生の生き方を根本から考え直させる病気で、立派な宗教家の説教よりも有効。
怖さだけではなく「生き返らせる」という再生の面があるので、これをよく理解して、向き合っていく病気。
表裏とは実虚 熱寒とは陽陰
飢餓と生命力 可愛い子には旅をさせよ
絶望的な飢餓を経験すると、我慢する心、耐える心を学ぶことができます。丸一日何も食べない断食をやらせてみると、体で気がというものを理解することができます。移民の一世や二世はバイタリティがあります。眠っていた人間本来の力が発揮できるようになることもあるようです。生命力の根源を引き出すことにもつながると考えます。
豊かな食は生命力を衰えさせる
脳幹がいつも満たされていると生命力は徐々に失われていきます。 貧乏人の子沢山
緊張と緩和
十分な緩和を体感するためには緊張が必要です。ある程度のストレスがあったほうが、その後のリラックスを深く体感できます。過度なストレスはもちろんよくありません、自分にあったストレスを見つけていくのが、自分の人生の彩を豊かにする秘訣
明るい照明は目を悪くする
暗いところで本を読むと視力が悪くなる、というのは迷信。逆に現代は明るすぎて目に負担をかけている。
日が暮れた後に光がこれほど目に入ってくることはなかった。目に入ってくる光の量を減らしたほうがいい。
夕方になれば疲れて休むのが体の摂理
実証タイプが中庸タイプに変わると、仕事に無理が効かなくなる。これが体にとって大切なこと。
ユンケルなどの精力剤は実証タイプを早死させる飲料
水分の取り過ぎは心臓に負担をかけ、体を冷やす
理由は?
体が高血圧になる理由
自ら圧を上げて、酸素と栄養が滞りがちになった末梢血管に血液を送ろうとしているためです。ですから降下剤でいきなり血圧を下げてしまうと、手足のしびれや周囲から見ると「うつ」の状態になります。脳の末梢血管にも血がわたらなくなったので、活動までも停滞してしまうからです。血圧を正常化させるのではなく、その人にあった血圧にして、長い時間をかけて徐々に下げていくのが大切。
動脈硬化も治る
前はもう治らないと言われていたが、血管のサビであるコレステロールを取り除けば元に戻る。一番いいのは軽度の運動。漢方薬では、大柴胡湯(だいさいことう)柴胡加竜骨牡虫?湯(さいこかりゅうこつぼれいとう
骨粗鬆症
使わなくなった骨が弱まる 叩いてあげるといい
中性脂肪を減らす
糖が三つくっついたもの
豆の皮
ペクチンが免疫を乱す
予防接種は風邪の入口
予防接種は4種類の抗原が体内に入ってくるので、体はこの抗体をつくることにつきっきりになってしまいます。
免疫作用はこの点に集中してしまうので、これら以外の風邪の抗原はいってくると、適応できず風邪にかかってしまうというわけです。虚証の人はインフルエンザの予防接種はしないほうがいい。
ワクチンの問題
鶏の卵でウイルスを増殖するのだが、抗原にタンパク質が残ることがある
日本でアレルギーが流行りだした原因は予防接種にあるのではないかという説がある
ワクチンのウイルスに抗体が結合すると激烈な反応があり、その複合物が腎臓病・肝臓病・皮膚病を誘発することがある。
ワクチンに含まれている防腐剤は水銀化合物でアレルギーの原因にもなる
ダイエットのために運動しても効果は薄い
体脂肪1キロのエネルギー量はフルマラソンの2回半分なので、運動で痩せるのはほぼ不可能。
ダイエットには代謝をあげる。体温が一度上がると代謝も1.6倍になる
冷たい飲料を飲むと内蔵が冷やされて、上がった代謝が台無しになる。スポーツや汗をかいたあとに冷たいものは飲まないほうがいい。
食後は横になって休むな
横になると体の循環と代謝が悪くなり、消化吸収も遅れてしまう。胃腸に血液が集まり、脳に血が行かなくなり、横になってしまう。
油と胆のう
胆嚢の調子が悪いと脂っこいものを食べると胃の調子を崩す。
油を分解するには胆汁が欠かせないが、分泌液が少ないと胃がもたれる。
脱感作とアレルギー
アレルギーは過敏性から起こるので、反応してしまったものを少しずつ体内に取り入れながら体の過敏な反応を減弱させる必要があります。
食物(そば、小麦、米など)は揚げたり焼いたりして、カリカリにすればタンパク質が変形して抗原性がなくなります。しかしわずかに抗原の元は残っているので、それを体内に取り込むことによって脱感作を進めていきます。
腸とアレルギー
抗原を消化吸収できる丈夫な腸にする必要があります。大人になればもう遅すぎます。
腸を丈夫にするには、規則正しい食事、消化酵素が一度に出る条件反射、間食をない、おやつは低タンパク、ノンオイル、
幼少時の食が一生を決める
食物アレルギーは食べ物のタンパク質に反応するかどうかで決まります。成長させようと離乳食や高栄養のものを食べさせるのが良くない。できれば乳の出る限り母乳で育てる。昔は2年。離乳は焦る必要はない。母乳の方が成長が遅いがそれは子供の腸の消化吸収を整えているので焦る必要はない。
アレルギー(アトピー・花粉症)は考え方が関係している
過敏なところがあるということは、どこかほかに足らなくなっった部分も必ずある。
免疫全体の調節が必要。大人になってからの体質改善はほぼ無理。
アレルギーは精神からくる病で、その家族を診察すると、考え方が偏っていたり、おかしかったりする。
甘いものはよくない
病気は家庭病
生理の時は安静にする
子宮内膜症は生理中の過度な運動や労働が原因
子供を産むことは治療行為
妊娠中は免疫調整が活発に働き、膠原病などは徐々に治ってくる
乳がんの増加は授乳率が低下したため
天皇と生物学
天皇が生物学を研究するのは、海外の最上流階級と付き合う皇室外交。外交でのたしなみ。
ほかの動植物を人間の支配下におき、自然の制服を目指す人間至上主義だけではなく、自然の恵みに感謝し自然の脅威に怯え、地球の一員として謙虚に生きさせてもらっている、ということを実感するための「生物学」