断食のすすめ
断食の危険
丁宗鐵 日本薬科大学教授
断食をするとハイの状態になります。
食事(糖分)を取れないので、皮下脂肪が溶けて血中の脂肪酸とコレステロールの量が増えます。この脂肪酸が能を刺激して一時的なハイな気分になり依存症になる人もいます。
脂肪酸が増量して血管に負荷がかかるので、動脈硬化がある人は断食すると症状が重くなる可能性があります。
健康という科学の視点から見ると、良いことがありません。
実証の人にはすすめますが、虚証の人は栄養素を貯めるのが得意ではないので勧められない。高齢者にも勧められない。
しかし食べないことに対する恐怖心や平常心を体験するには大切なことです。
実証とは
体力や抵抗力が充実している状態。血圧・体温・副腎皮質ホルモンの高めで新陳代謝が活発。
元気で無理がきく体で、風邪をひいてもすぐに発熱し、汗をびっしょりとかいてすぐに治ってしまう。
実証タイプは社会では求められるが、体の視点から見ると、未病の状態とも言える。
未病とは現在は健康に見えていても、確実に病気に移行する状態のこと。
予防とは違い、未病はもう病気に片足を突っ込んでしまっているが、まだ表に現れて症状として出ていない状態のこと。
理想は中庸と呼ばれる、緩やかさ・弱さ・しなやかさ・柔らかさ・暖かさも備え持つ状態。
社会とは実証優先の価値観 実証の人が頂点に立ち、虚証が底辺にいるヒエラルキー
実証タイプが社会が求める理想 特に都会・ヨーロッパやアメリカ・現代文明の価値観
競争社会は、エネルギッシュな実証タイプの人に有利な仕組みになっている。
短期決戦型の価値観で、実証の人は社会システムに使い捨てにされている、とも言える。
自分の体力を過信し、自分を酷使し、オーバーヒートしてしまう傾向がある。
虚証の役割
出来上がった組織を安定したものへと作り上げるのが得意
細やかな作業・漏れ間違いのチェック・注意深さ・安定・持続
ブレーキを使って秩序を保つ
コンスタント・余力・マイペース・趣味・家族
「弱さ」「無理がきかない」という体質を受け入れて、そこからどうするかを考える。
細く長く、生きる
年齢が重ねると虚証になり、食欲・活動力は落ちる
昔は粗食に耐える基礎体力も免疫力も弱かったが、現代では設備と技術が揃っているので、
実証よりも長生きできる。
陰と陽
陰は副交感神経が優位 夜 のんびり屋
陽は交感神経が優位 昼 短期決戦が得意
中庸
未病の状態に自分で気づく状態
自分の体質、社会の状況から自分自身を考えて対策を考える
オプテイマルヘルス optimal
health
optimum Latin語のoptimusが語源で「最適条件」を意味する TPOに適応した具体化
年相応の健康をめざす 皺一本で寿命が一年伸びる 皺が寄るのが正常で、皺がないのは生活習慣病の犠牲?
陰陽虚実の相関図
活発になるホルモン
実 副腎皮質ホルモン・ステロイドホルモン
虚 栄養失調
陽 アドレナリン
陰 アセチルコリン、セロトニン
バランス
気・血・水は神経・免疫・内分泌のカタチ
気は外の栄養を取り入れ、水は外敵を撃退する。
血は二つを統合する。三つのバランスが取れているのが中庸。
「気」は生命活動を維持する調節系 西洋医学の自律神経機能
胃腸・心臓・分泌腺の調整
睡眠と休息と少なめの食事
「血」は「気」が体内で物質となったもの 血液やホルモン体液の循環 西洋医学の心臓と血液
夜は早く寝る 体を温める 血行をよくする
「水」は免疫系 外敵から守る機能 皮膚・粘液・リンパ液
温かくしてマッサージ 紫外線を避ける
養生(摂養)
ライフスタイル 予防の日常生活
50歳は養生に努めなくても健康に生きられる年数の限界
遺伝子に使われるのではなく、遺伝子をコントロールすること DNAのスイッチのオンとオフに気を配る
飢餓と生命力 可愛い子には旅をさせよ
絶望的な飢餓を経験すると、我慢する心、耐える心を学ぶことができます。
丸一日何も食べない断食をしてみると、体で「気」というものを体感できます。
移民の一世や二世はバイタリティがあるのも「気」が充実しているからです。
眠っていた人間本来の力が発揮できるようになるからと推測できます。
飢餓は生命力の根源を引き出すことにもつながります。
対して、豊かな食は生命力を衰えさせる
脳幹がいつも満たされていると生命力は徐々に失われていきます。
断食のすすめ
「食べたい」という本能の他に「食べたくない」という本能もあります。
食べたいと思うのも自然なら、食べたくないと思うのも自然。
食を断つこと、それも自然にかなうことです。
たとえばクマの冬眠、冬の植物たちのように、雪や氷のなかで活動を休める生命体の数々
生命は、「食べる、食べない」という大自然の摂理のリズムを反復する。
どちらも生命の奥に潜む大自然の声。
「食べたくない」という本能の声がよく聞こえるようになるのは、たとえば病気やサバイバルの状況です。
体からの、自然からのメッセージです。
病気→食べたくない→食べない→治癒 というプロセスは大自然の理法です。
動物は、体の不調を感じると断食に入り、治って初めて食をとる。
例えば猫、陽のあたるところで、地面に腹をつけ、食を断ち、じっと動かないでいる。
太陽、大地、断食、安静。
動物はつねに自然の命じる理法(本能智、自然の智慧)に従って生きている。
食べることが自然の欲望であると同時に、食べないこともまた同じように本能の欲求である。
食欲がないから量を減らした、あるいは肉や油物に箸をつけなかった、これも部分的断食です。
日曜日はブランチにした、これも断食です。
断食の根本義は「自然」
自然に還れ、自然に従え 自然という神を礼拝し、これに絶対の尊敬と信頼とを捧げ、我欲や小智を捨てきって、自己の心身の全てをこの神のはからいにお任せする
これがナチュラリストの心の内です。
科学とは
自然に内在する法則を探り究めることが科学である、とすると、自然に従うことを理念とする断食が非科学的であるはずがない。
変態
オタマジャクシからカエル
さなぎから蝶
変態前の動物は一個の例外もなく、どれも食を取らない
ふつうの成長のためには食物をとる
飛躍的な成長のためには食物を断つ
ヒト科の変態
人間の変態はイニシエーション、自分をゼロの地点においてから、再出発。
脱皮、殻を破る、人生の飛躍、生まれ変わる
しゃがんでからのジャンプ
迷えるものが悟りを開く
釈迦もキリストも、断食というバネを何度も求めた。
治すとは衰えた生命を飛躍的に成長させること。
根治するとは、別人のような体になること。
肉体的に生まれ変わること。
断食は新しい自分を創るための手段。
生命=リズム=変化=生きているということ 刺激、幸福、健康
たえざる発展が生命現象の流れ
調和を保つための耐えざる動きが、生命のリズム。
宇宙全体が一個の調和の体系。
調和が失われた生命に、人為的に変化や刺激を与えて、その調和を保たしめよう、回復させようとする行為。
ヨガでは断食は初歩の必須科目、根本義は「ふだん、やらないことをやる」
生命機能に変化、刺激を与える。
宇宙の働きは、瞬時といえども停止することなく、常時変化し、新生している。
だから宇宙は、人間の生命の働きが停止することを許さない。
したがって、われわれが刺激に慣れた生活(停止生活)を続けると、その脱皮新生運動が自然に展開してくるのである。
その働きが、脳による認識には異常現象として映ずるのである。
慣れることとは中毒することで、中毒という麻痺状態は生命の停止状態であり、
停止することは退歩であって、その極は死である。
人間の生命の働きは常に「死に抵抗する働き」を自発的に行じている。
麻痺すると善悪の判断力を失調してしまい、正しい生の営みを行うことができなくなる。
この事実に気がついた人間の先達は、洋の東西を問わず、心身改造法として、「断」「捨」「離」をその教えの基本としているのである。
ありがた味も、よろこびも、感謝も感じない生活は、中毒している証拠であるから、ともかく慣れる生活を続けることは生命にとって苦しみになる。
だから習慣性を断つ行法を定期的に試みなければならない。
無いつもりになって生きてみると、正しい観方、受けとり方が生まれてくる。
頭の思考ではなく、体が外界と和すること、すなわち宇宙を調和的な体系として体感し、その中ににおいて自己をとらえることができれば、悟りも解脱も成就する。
まずは自己が無数の他者によって生かされているものであることを知ることから始まる。
断食はこの認識を容易になさしめてくれる。
食物が人間を生かしている、という事実を。
科学的アプローチ
たとえば入浴が健康に良い。これは本能智、直覚、体験を通して認識する。
断食の歴史を古いが、断食研究の歴史は新しい。
人間はなぜ病気にかかるのか? 自然に背いた生き方をするからである。
病気とはそもそも何であるか? 自然に背いた生き方が心身にもたらした結果である。
これを治すにはどうしたらよいか? 生命を自然に戻せばいい。
断食によって治るとすれば、その理由は何か? 生命が自然に戻るからである。
理屈は一言で要点をつくせる、
しかし、説明し納得して実践してもらうのに本一冊が必要だ。
外界と関係しあいつつ存在することが、生きとし生けるものの本質です。 例えば呼吸。
外界と調和しているときには、自我の生命のうちにも調和がある。
自我の生命のうちに調和があるときには、外界と調和的に関係することができる。
外界との調和、この理を生きることが悟りであり、調和の境地が安心立命。
不調和から調和への飛躍的な成長が、変態である。
外界と自我の調和とは、自我生命の内部調和のことであり、これが人生課題の全てです。
日光が足りないと血液は酸化する?
血液循環の良いときには血はアルカリ性、めぐりの悪い時は酸性?
酸化した血は濃く重くノロノロと流れる?
運動不足と疲労は血を酸性にする。
食べるものが体の一部になる。
さっきまで他者だったものが、消化器系器官を介することで「自分」になる。
胃腸の同化作用によって、食物という他者が生命自体になってしまう。
外部ものが内部と一体になるもにになるのだから、車とガソリンの関係とは違う。
万病の因は食にあり。健康は正食によってのみ獲得される。
正しい食物を適量に食べることによって。
偽の食欲
1 習慣、 夕食の時間だ
2 味覚が刺激的すぎる 舌、脳、心、が体に勝る 玄米と味噌汁と煮付けと切り身を見て食欲が起きない
3 商売 見た目、情報、濃い味、
4 カロリーと成分栄養学 食物を燃料や成分としてとらえ、不足分を摂取することがよいという錯覚に陥る。
5 満たされぬ思い 心満たされぬとき、飲食、セックス、意識の刺激に慰めを得ようとする。
幼児期に甘やかされた人は口唇の刺激に慰めを求める
肉食
歯は32本中4本が犬歯、肉食は全体の8分の一?
腸は肉食よりも菜食の方が長くなる 日本とヨーロッパの比較
草食動物(4つの胃をと長い腸をもつ牛)と肉食動物(1つの胃と短い腸をもつ獅子)の比較
他力と自力
病を治すのは天医、それを助けるのが人医。
生命はつねに調和を保とうと努めている。
たとえば、下痢は余分なものを外に出す現象。
病気が治るのはこの力で、自然良能というが、生命みずからが、みずからを治す医師である。
宇宙万物を生かし、動かしている根元の力の力によって、病気が治る。
人間がなすべきは、じたばたしないで天医を信じ、ただジッとその発動を待つ。無手勝流
断食とは天医の全能を信じ、いっさいを任せること。
依存とは利用する心
利用するということは依存すること。
文明への依存とは自然的生命としての主体性をそれだけ失うこと。
頼るものがあると、人間はそれだけで弱くなり、体の器官は怠けものになる。
断食の功徳は、自力尊重の精神が植えつけられて、その人の生活の各方面を支配するようになること。
体型と病
痩せ型 消化と吸収 胃と腸
筋肉型 加工と貯蔵 肝臓
肥満型 輸送と分配 循環器
腸と健康
R・Hファーグソン「腸麻痺と便秘」
ヒポクラテスから今日にいたるまで、医学の論文を書いた著名の士はすべて、大腸内における便の異常堆積を防止することが、将来の病気に対する予備策として、また既存の病気の治療策として重要であることを主張している
歴史書と病い
抱朴子(317年)晋の葛洪の著書。内篇は神仙術に関する諸説を集大成し、後世の道教に強い影響を及ぼす。
長生を得んと欲せば当(まさ)に腸中を清くすべし、不死を得んと欲せば腸中滓(かす)なかるべし
日本最古の医書「神遺方」では、体中に纏いて禍なすものを病という、とある。
なぜ難病が治るのか?
内臓諸器官を休養させる
過剰栄養分を排出する
毒物・老廃物を排出する
白血球が増加する 始めてから1週間あるいは10日間ごろから増加、2週間目に急増で平素の1.6倍
潜在生命力の反撥を呼ぶ 隠れている自然の力を引き出す
食の傾向と性格との関係
酸性食 子供っぽさ
甘いもの 甘えっ子
肉類 わんぱく坊主
酒を溺愛 母親の乳房
噛まない 落ち着きがなく自己内観に欠ける
偏食 偏屈
交感神経と副交感神経
自律神経の交感神経と副交感神経は反対方向に引っ張り合うことによって調和が保たれる。
この2つは拮抗、協力でも対立でもない。
生命のリズムとはこの引き合う現象のリズムのこと。
外界との調和、環境への適応のできにくい人、対人感がとりわけて苦手の人は自律神経のバランスが取れていない人。
ノイローゼは脳脊髄神経の過労から。その根底に自律神経のゆがみがある。
現代の文明社会は交感神経の興奮を呼び起こす刺激があまりにも多くある。
刺激に対する過敏な反応を抑制するために意識(理性)でコントロールしようとするが、それは副交感神経の役割(機能)なので、いくら頑張っても葛藤が深まるばかりで、イライラするだけで解決の道がない。
このイライラが脳神経の過労であり、ノイローゼの本体です。
治すためにはいくら考えても無駄であり、考えること自体が症状です。
ただ副交感神経に任せるのみが解決策です。
苦しみから逃げられると考え、断食に頼り逃げ場所とするようでは治りません。
自己の心の歪み、生きる姿勢の誤りを厳しくみつめる必要があります。
自分で自分を再教育しなくてはならない。
他に頼る心がある限り治らないと諦めるべきです。
病人の共通点は「生かせれている」ことがわからない、自他の間に壁を設け、宇宙の調和の姿が目に映らず、対立や摩擦ばかりを探し出して、この世を苦の場にわざわざしている。
生きていること自体が楽しくてしかたない!と感じるのが生命の自然のありようです。
不眠症とは眠れない病気ではなく、眠れないということを恐るという心理症状のこと。
恐怖が交感神経を刺激し、アドレナリンを分泌させます。そりゃ眠れなくなります。
恐怖心は生命体として自分を守る必要があるときに生じます。闘争のための準備態勢です。
血液を皮膚の表面から筋肉に送ります。血の凝固性が強まるのは流出する血液の量をなるべく少なくする備えである。
この血液の機能の低下は、胃と腸には逆に働くので、消化器の機能はにぶってくる。
心配事のあるときに食欲が進まないのはそのため。
家庭や生活環境により社会での厳しい(当たり前の)人間関係に適応するための下地に欠けている塀の中の世界。
適応できないことが恐れの心をうみ、それが習慣化すると必要のないときも恐る精神構造を持ってしまう。
何日間の断食が適当か?
ガンジーは21日間の本断食をした。
最長の記録は1910年にアイルランド人9人(アブトン・シンクレア)が94日間絶食したものであろうか。
少年、老人、虚弱者、強度の貧血者は5日以内の短期断食を半年ぐらいで数回行う間歇断食が良いという話がある。
年齢は、最低7歳で最高84歳ぐらい 滝川偽作 腸カタル治療のために七日間
私たちは3日ぐらいから一週間もしくは二週間ぐらい、平均して10日間が適当ではないか?
・胃や腸の弾力が回復するに要する期間
・体内の掃除を終わるに要する期間
・白血球の増加が顕著となる時期
・体重の減少率が少なすぎ多すぎず 断食14日で約13%
断食の難しさは、あとの食事の取り方
重湯から始めてだんだん量や質をふやしてゆく過程が難しいし、補食に入ると急に食欲が目覚めるからこれを制するのが困難。
断食で最も大切なのは、心を安らかに保つこと。
たとえば一時的な出家をすることが、生命力の復活に多いに資する。
心構えの準備
・病気に対する考え方を正す 病気は自分が作り出したもの 過去の誤った生活を反省し改善
・病気を敬虔に受け入れる 体の声を聞く絶好の機会であり、肯定的に全てをとらえる心構え
外界との調和の始まり
・病気を我儘や逃避の逃げ場にしない 病気が治っては困るという潜在意識もヒトにはある
次に
・断食に対する信頼心 なぜ治るのか理論を知る
・納得のいかない点があるのならば、遠慮なく質問する。
・家族の理解
・入院に先立ち、身辺の諸事を整理し、入院中は娑婆のことはすっかり忘れて、別世界に悠々と遊ぶという心境
予備断食
急激な環境の変化により、器官に与える影響の激変を避けるため
断食前の酸性食をさけるため
予備断食の期間はゼロから本断食の三分の一から四分の一にするものが多い。
また本断食を1日だけにして、前後の予備断食をメインにする方法もある。
本断食
大切なのは水を一杯飲むこと。
睡眠時間が短くなる
皮膚からの分泌物が多くなる。 肝臓や脂肪や筋肉が熱量に分解する時に発せられる
入浴は体を疲労させるので避ける
反応
3日目ぐらいから舌の表面がザラザラしてくる「舌苔」になる。
4、5日目あたりにピークになり、腔内は臭く、食欲がわかなくなり、10日ぐらいは空腹感がなくなる。
体温、脈搏、血圧が下がる
小便の臭い、色が濃くなる
宿便 断食7日目から2週間目ぐらい排出される。
発疹が背中や胸に出る人もいる 体内の毒物の排出 大掃除終わりのメッセージ
人により、倦怠感、眩暈、頭が重くなるなどの症状もある。
特殊反応
症状が悪化したような現象が生じる
胃疾患の人が4、5日目に嘔吐を催す 胃の収縮により底の残骸物が外に出される
蓄膿症の人が9、10日目から膿がぼたぼたと喉に落ち込む 白血球が病菌に打ち勝つ現象
心臓病の人 弁膜症の人 非常に烈しく動悸を打つことがある
腎臓病の人 尿中のタンパクが増える
既往症の反応が出る 既往症までが根治される
補食
断食は自己を創り変えるという事業です。
サナギが殻を脱ぎ捨てて蝶になるように、古い自分を捨てて、新しい心身の創造
断食はその準備工作 天医であり、はからい
補食が自力道 治るではなく治す
汝、悔い改めよ、食い改めよ
心を未来に向けること
愛と労働の生産的な人生に意識を集中させること この姿勢が健康の根本動力
時の方向を見つめて進むのが、生命の法則
断食直後の消化器は生まれたての赤ん坊のように無力になっているので細心の注意が必要
重湯、3分がゆ、五分がゆ、7分がゆ、全がゆ、普通のご飯、と量と堅さを増す
副食物も同様に質と量を増やしてゆく
たとえば、
朝 もやし・麸の味噌汁
昼 かぼちゃの煮付け、トマト、ナスの煮付けなどの野菜食だけ 量を少しずつ増やす
断食日数と同じだけの食養生を続ける。
本断食10日間の場合は2ヶ月後に種が実って、生命力の花が咲く変調期になることがある。
この時期には食欲が盛んになるので気をつけること
勝って兜の緒を締めよ
自分の内側の感覚や変化や「流れ」にスポットライトを当てるようにする
そうなると「断食行は成れり」
断食の後の食生活 少食・生食・咀嚼
腹八分目 ソクラテス、ゲーテ、エジソン
菜食中心の食事
アルカリ性食品
生かされている心
よく噛む 胃には歯がない 唾液こそが第一の消化液 タンパク質と脂肪は胃液で分解、炭水化物は唾液で分解
アゴの上下運動 頭の血行が良くなる
イニシエーション
断食において古い自己を死なしめ、そのあとに新しい自分を生まれ変わらせる
「大死一番、大活現成」
空気に感謝できる人は、外界、他人の全てと和合できる人。
これからの心の姿勢
生きる力は自分のものでない
錯覚と傲慢が不調和の因
生きる力は宇宙の発現であり、自己のうちに宿っている。
これを活かすか殺すかは本人次第。
強くなりたいという願望があるうちは実ることがない。
「強い」とは外界と調和すること。
強くなるのは生命体の義務。
外と内の調和
他と調和するには、よくされることを求めないで、まずはよくすることに専心する。
受身ではなく能動的な「あたえる」姿勢になると人間社会には調和が生まれ、これが宇宙万有を支配する大自然の法則。
他人の長所だけを探す
人のなすことはすべて善意に解釈する
裁く暇があれば善いことをする
受け入れる人には「いま、ここ」が安住の天国。
「いま・ここ」から逃げる人に安住の地はない。
修行
副交感神経を活性化させる訓練 自律神経の調和
坐禅、静坐、腹式呼吸、毎朝水をかぶるなど
笑って生きる
姿勢を正す
潜在意識にある自動反応回路アプリケーションを上書きするには
10の引き出し(領域の段階)がある心の性質
どれを引き出すかによって性格が影響される
地獄 恨み、ねたみ、怒り
餓鬼 貪欲、貪り、あれもこれも欲しい
畜生 自分のことしか考えない
修羅 争い
人間 迷い
天上 一時的な喜びや安心
声聞 勉強して、魂を磨くこと
縁覚 体験的に座禅を組んだり、断食をすること
菩薩 自分だけではなく他人様に幸せになってもらいたい
如来 世界の人がどうすれば幸福になるんだろう
病気は過去のもの
悪い癖を改めるには神様(自然、いのち、「空」、霊、大いなるもの)の力に寄り添うこと。
そして、その神様の存在を意識していること。
病気は神様から与えられた試練?
病気治しは自分で作ってしまった自動反応回路(アプリ)の書き換えることでもある。
病気のことはもう気にしない、心配すると交感神経が働き、血中の糖が増え、検査して落胆する
食物に感謝の気持ちを持つと食欲が抑えられる
犠牲になってくれた動植物に対する感謝
食べることは他の命をいただくこと。
食べられるものの身にもなってください。
イエスの断食
「断食をするときは、偽善者のするように、陰気な顔つきをしてはならない」
「何を食べようか、何を飲もうかと、自分の命のことで思い煩い、何を着ようかと自分の体のことで思い煩うな。命は食物にまさり、からだは着物にまさるではないか」
クマさん断食
一日断食 酒・タバコ・砂糖・動物性タンパク質・乳製品を禁じる
注意)水は毎日1.5リットル以上は摂取すること 水は湯さましで良い
3日断食をする時は、
1日目 発芽玄米一合五勺を好みの硬さに炊き、3食に分ける
野菜の煮物を一食につき一碗食す
2日目 本断食
3日目 発芽玄米一合五勺を好みの硬さに炊き、3食に分ける
野菜の煮物を一食につき一碗食す
11日間断食 減食5日断食1日復食5日
1日目 発芽玄米二合を好みの硬さに炊き3食に分ける。
野菜(五種類以上 例えば人参・大根・ごぼう・ネギ・里芋・じゃがいも・蓮根・玉ねぎ・蒟蒻など
2日目 発芽玄米一合五勺を好みの硬さに炊き、3食に分ける
野菜の煮物を一食につき一碗食す
3日目 発芽玄米一合五勺を好みの硬さに炊き3食に分ける
野菜の煮汁(実は無し)を一食につき一椀食す
4日目 発芽玄米一合五勺を好みの硬さに炊き3食に分ける
梅干し一個、のり一枚を副食代わりとする
5日目 発芽玄米一合をおかゆ状に炊き3食に分ける
梅干し一個、のり一枚を副食代わりとする
6日目 本断食 水を1.5リットル以上摂取すること
7日目 5日目と同じ
8日目 4日目と同じ
9日目 3日目と同じ
10日目 2日目と同じ
11日目 1日目と同じ
12日目以降一週間ほどは、肉(魚は可)・油もの(揚げ物、炒め物)はできるだけ避け、一度に食べすぎないように注意すること。
減食について
減食一日目 玄米一合半を少し柔らかめに炊いて3食に分ける。
一食毎にのり一枚&梅干し一個
二日目 玄米一合を前日より柔らかく炊き3食に分ける。おかゆに近い感じ 一食毎にのり一枚&梅干し一個
三日目 玄米半合を(重湯のように)柔らかく炊き3食に分ける。 一食毎にのり一枚&梅干し一個
減食期間中は冷まし湯(白湯)を1ℓ以上は摂取する。
参考資料
節食のデメリット
最近ブームといわれる「糖質制限ダイエット」への疑問を呈した記事が『週刊現代』と『週刊ポスト』に載っている。
週刊現代のほうから見てみよう。このダイエットのやり方はシンプルで、ご飯やパン、イモ、果物などの炭水化物に含まれる糖質の摂取量を1日130グラム以下に抑えるというものだ。
炭水化物を極力減らせば、おかずは何でも好きなだけ食べていい。
もともとは糖尿病や重度の肥満患者に対する食事療法として考案されたものだそうだ。
糖質制限ダイエットは危険だと、糖尿病の世界的権威、関西電力病院院長の清野裕医師がこう解説する。<「人間には一日170グラムの糖が必要とされています。そのうちの120〜130グラムは脳で消費され、30グラムは全身に酸素などを運ぶ赤血球のエネルギー源として消費されます。糖質は、生命を維持するために欠かせない栄養素なのです。
糖質を制限してしまうと、代わりにタンパク質を構成しているアミノ酸を、肝臓が糖に作り変えるというシステムが働き始めます。タンパク質を糖に変えられるなら、肉を食べれば問題ないのではないかと思う方もいるでしょう。しかし、人体の維持に必要なエネルギーをタンパク質や脂質でまかなおうと思ったら、毎日大量の肉を食べなければなりません。数キログラムもの肉を毎日食べ続けることは現実的に不可能です。
糖エネルギーが不足すると、それを補うために、体は自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えていきます。結果、筋肉量がどんどん減っていってしまうのです」>
このダイエットをやっていた70歳の男性が、ある日、尻もちをついて尾てい骨を折ってしまった。調べたら骨密度がたった1年半で10%も落ちていたことがわかったという。週刊現代によれば、寝たきりの原因ナンバー1の脳卒中も、糖質制限ダイエットと深い関わりがあるということが、最新の医療調査で明らかになったという。某医師がこう話している。
<「一般的に、糖質制限をするとカロリーを補うために脂質やタンパク質を大量に摂るようになります。すると、血管に悪玉コレステロールが溜まっていく。その結果、血管が痛んだり老化が進んだりして、脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性がどんどん高まっていくんです」>
過度の制限をするのではなく、こうしたらいいと食物学学術博士の佐藤秀美氏がいう。
<「高齢でも、体型がどうしても気になる、という人はたくさんいると思います。そういった人は、甘い菓子などの炭水化物の間食をやめるだけで、大きな効果が得られるはずです。(中略)高齢者は糖質制限をすれば、内臓組織の原料となるタンパク質が不足し、体はどんどん老化します」>
糖尿病でない人の糖質制限「死亡率1・31倍」
週刊ポストは北里大学北里研究所病院糖尿病センターの研究チームが日本人の糖尿病患者24人を対象に食事療法の比較研究を行い、「日本人にも糖質制限食は有効だ」とした論文が、今年1月(2014年)に医学誌に掲載されたと報じている。
しかし、週刊ポストもタンパク質過剰摂取による腎臓悪化や成人病リスクが高まるという批判があると警告している。国立国際医療研究センター病院の糖尿病研究連携部は、昨年1月に糖尿病でない人の糖質制限食に関する海外の複数の論文を分析し、対象者約27万人の死亡率は糖質制限していない人の1.31倍という分析結果を発表したと書いている。
糖質制限ダイエットは効果が大きい分、極端な制限は体の負担も重い『両刃の剣』という指摘もあるというのである。それでもあなたは「炭水化物」をやめますか。
週末断食 久保田展弘
ブッダのダルマは宇宙の本質に根差した生命的原理 数え切れない関係の上に、ただ一瞬あるのだという、存在の愛しさ。
四聖諦 四つの真理 苦の原因が人間の執着にある
涅槃 ニルヴァーナ 生命の火が吹き消された、の意味のサンスクリット語 死の意味 仏教はこれを「迷いの燃えさかる火を完全に打ち消した」状態、つまり「悟りに入った境地」まで広げてとらえた。
教会の祭壇上にある十字架のイエスとは違い、人間の罪を告発していない。
横たわったブッダは無防備だ。
石原結實 食べない健康法
お腹が一杯になると、食物中の栄養素が胃腸から血液に吸収されて、血液中の栄養状態が良くなり、白血球も満腹となり、外からバイ菌やアレルゲンが侵入してきても、体内でがん細胞が発生しても、食べようとしない。
逆に、空腹の時は、白血球も十分に栄養を取れず空腹になるので、処理する能力が高まる。つまり免疫力が増強するのである。
動物が病気をすると食欲がなくなるのは白血球の力を強めて病気を直そうとする反応ではないか
柴田年彦 ほとんど食べずに生きる人
断食博士のくろう話 甲田光雄
脳はブドウ糖がなくてもエネルギーをβ‐ヒドロキシ酪酸、α‐アミノ窒素とアセト酢酸から取る。
安保徹 カリウムK40の中性子が崩壊して、電子を出しながら陽子になる。そのときに放射能が出て、カルシウムCaになる。だから少々の野菜を取るだけでも生きられる。 そしてこの放射能がエネルギー源になっている。
断食関係の本
断食(絶食)少食のすすめ 日本綜合医学会編
柴田年彦 ほとんど食べずに生きる人
石原結實 食べない健康法
森下敬一 腸造血説
ブリヤ・サバラン フランス生理学者 食べているものでその人間がわかる。
桜沢如一 食養法
片瀬博士 万病一毒説
≪断食体験4泊5日/8食付≫ 【22,500円】
■断食とは……
体に入ってくるあらゆるものを断つことで、心身のバランスを整えるというもの。現代社会では「食べること」すら肉体や内臓のストレスになってしまうことがあります。食べない・動かない・考えないを基本に、いちど全てをリセットしてみてはいかがでしょうか。大正から続いていますが、最近では、働く女性からの問合せが多いのだとか。疲れを癒すのにもオススメです。
※個人の状態に合わせた100%カスタマイズのカリキュラムです。
■お食事
今回のメニューでは内臓に負担のかかりにくい野菜を中心とした料理をお召し上がり頂き、1日水のみの本断食を含みます。入所時から徐々に消化の良いものに変わっていく無理のない断食を体験し、そののち回復食に変えていきます。
■入所後の流れ
まず、申込書に記入して頂きます。
・入所の目的
・現在の体調
・生活のリズム
・静養院に来ようとしたきっかけ
などを聞いた上で、入所時の過ごし方を院長からアドバイスします(部屋でゆっくり過ごしたり、散歩したりという過ごし方になります)。退所時には、その後の日常生活の過ごし方についてもアドバイスします。
■スケジュール
[1日目](予備断食)
15:00までに入所・受付
16:00 夕食(五分粥、野菜の煮物、小鉢)
18:00 静座(15分)
[2日目](予備断食)
7:00 静座(15分)
7:15 朝食(三分粥、味噌汁、小鉢)
11:00 昼食(重湯、梅干)
16:00 夕食(重湯、梅干)
18:00 静座(15分)
[3日目](本断食(水のみ))
7:00 静座(15分)
18:00 静座(15分)
[4日目](回復食)
7:00 静座(15分)
7:15 朝食(重湯、梅干)
11:00 昼食(三分粥、野菜の煮物、小鉢)
16:00 夕食(五分粥、野菜の煮物、小鉢)
18:00 静座(15分)
[最終日]
7:00 静座(15分)
7:15 朝食(五分粥又は七分粥、野菜の煮物、小鉢)
朝食後に解散
・ご希望の方には、別途料金で以下の物をご用意致します。
シーツ交換 500円/掛け布団カバー交換 500円/枕カバー 150円/歯ブラシ 150円/はみがき 150円/ポカリスエット 200円/牛乳 100円
※あくまで療養所であるため、院長の指導の元、心身の休息を取って頂きます。観光などはできませんので、あらかじめご了承ください。※効果には個人差があります。
■施設のご紹介■
断食は、人間が本来持っている自然でバランスのとれた健全で健康な心と体を取り戻すことを目指すもの。『静養院断食療養所』は創立から90年、日本初の断食専門施設です。
施設は大自然に包まれた生駒山の中腹にあり、騒音や喧騒に悩まされないことも大事な要素。“食”を断つだけではなく、精神の疲れを断つことで、心・身・体のバランスをとっていきます。野菜を中心とした料理を摂りながら胃腸を休め、ゆったりとした時間を過ごしに行きませんか。
静養院断食療養所院長 寺井嵩雄 桜木健古
経験の医学と論理の現代医学
五臓六腑と言う、「五行説」に納まる形体自体が、巧妙で、かつ不思議なものである。これは五臓(心・肝・脾・肺・腎)と六腑(大腸・小腸・胆・胃・三焦・膀胱)の組織構成による。どうして、この組織構成なのか、不思議であるばかりではなく、同時に説明が出来ない。
この「説明できない」ものを、そのままにして、人知レベルの発明発見が繰り返され、新しい仮説が生まれ、それがベースとなって、様々な論理が生まれたのである。
医学にしても、人知のレベルが基盤になっている。生体の構造や機能および疾病を研究し、疾病の診断や治療や予防の方法を開発する学問が、医学の起こりで ある。そして今日では基礎医学、臨床医学、社会医学、応用医学などに分けられ、その分野細分化され、更に複雑化されて、途方もない範囲を占めるようになった。
しかし、基盤は十六世紀頃に開発された西洋医学が基盤となって、今日の現代医学がある。
人体を五臓六腑に腑分けして、諸器官の働きを考えてみると、例えば心臓ひつと取り挙げても、現代医学では、十六世紀に組み立てられた、イギリス皇帝の宮 廷医であったウィリアム・ハーヴェーの『心臓原動力説』が血液循環理論の基礎を成している。
この考え方は、東洋医学でいう「気の血行力学」とは程遠く、西洋医学ではこの考え方を、殆ど認めていないようだ。
そして、大半の現代医学者たちは、盲目的に370年以上も前に提唱された『心臓原動力説』(1628年に発表された論文)を盲目的に信奉しているという現実がある。
例えば、心臓に限定して考えるならば、血液循環の原動力が、現代医学が言うように「心臓のポンプ作用」にあるのか、東洋医学のいう、「飢えた細胞の血液の吸引力」にあるのか、両者は仮説上、大変な隔たりを持っている。
また、東洋医学や民間療法でいう、断食によって血液循環の不全が改善されるという事実を見れば、「細胞が飢える為に、血液を要求する為、血液の吸引力が増大し、その結果、血液循環が促進される。更に、不完全であった病巣部の血液も正常化する」という臨床例より、血液の循環は、どうも心臓の“ポンプ作用”
のみではなさそうである。探究すれば、こうした事実は明確になって来る。
つまり、血液循環の原動力は心臓のポンプ作用であるとする現代医学では、断食によって、例えば中耳炎や蓄膿症が血液循環の不全がなくなることで、これが完治するという臨床例を説明できないからである。
また、「西医学」の西勝造先生は、「血液の原動力は全身の細胞が飢えることによって生じる血液の吸引力にある」と論じている。これは、血の運行は「気」であるということになる。
そして、循環する運行に関わっているのは「血気」である。
西勝造氏の健康法を基礎にしている背腹運動