食事療法
なぜ血管は詰まるの?
通常、血栓は血管が傷ついたり破れたりした時に血管を修復してくれる身体に必要不可欠なものです。にもかかわらず、なぜ血栓が血管内で 溶けきれず、過剰になってしまうのでしょうか?
本来、血栓が血管の破れを修復して止血するという本来の役割を終えた後に、体内酵素「プラスミン」の働きによって血栓が自然に溶け、はがれてなくなってしまえば全然問題ありませんが、血栓が溶けずにずっとそこにはりついたままでいることが問題なのです。
この血栓を溶かす働きのことを「線溶系の働き」といいます。反対に、血管が破れた時に血栓が溶けてなくなるのを防ぐ働きのことを「凝固系の働き」といいます。血液の成分バランスが適正に保たれている場合には、止血する時にはきちんと凝固系の作用が働き、止血が完了すれば線溶系の作用によって血栓を溶かしてしまうというように、その役割は正常に機能してくれます。
しかし、現代人の食生活や生活習慣の乱れなどによって生じるコレステロールや脂肪値の高いドロドロ血液やストレスのある生活が、この「凝固系の働き」だけを強めることになり、かつ、「線溶系の働き」を弱めてしまっているようです。
つまり、現代人は血栓が出来やすく、さらには溶けにくい体質になっているようなんですね。この血栓ができた場所が、脳の血管ならば「脳梗塞」、心臓付近の血管ならば「心筋梗塞」となってしまうのです。われわれ現代人がそのような体質になってしまっていることを考えると、誰もがこの血栓の危険にさらされている、と言っても言い過ぎではないのです。
血栓が血管内で溶けず、そのままになってしまった状態を放置しておくと、知らないうちに脳梗塞の原因となり、遂には大変なことになってしまいかねません。以下のページでは、血管を詰まらないようにする方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
血管を詰まらなくさせるには?
糖分、塩、油の量を減らすのが大切。揚げ物、肉類を食べるとしても一週間に一度ほどにしましょう。
体が悲鳴をあげていることを自覚して、苦しんで生きることと比べれば食事療法も楽なものです。
血栓対策でよく耳にするのは「さ・か・な・す・き・や・ね」という、鮮魚店のオヤジさんがたいへん喜びそうな言葉。つまりは、「魚・海藻類・納豆・酢・キノコ類・野菜・ネギ類」のことで、少しずつ毎日摂るように心掛けましょう!
「魚」
青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペタエン酸)は、血液中の中性脂肪を減少させる効果があり、いろいろなサプリメントも利用されています。
「海藻類」
食物繊維の一種であるアルギン酸が、腸内でのコレステロールの吸収を抑制します。
「納豆」
ネバネバの部分に含まれるナットウキナーゼという酵素が、血栓(血の塊)を溶かしてくれます。
「酢」
クエン酸という有機化合物が血液中の老廃物排出を促し、赤血球の膜をしなやかにしてくれます。
中国では古くから「血管がしなやかになる」と伝承されており、黒酢を料理によく使います。
「キノコ類」
βグルカンという多糖が、血糖値やコレステロール値を下げてくれます。
「野菜類」
野菜や穀類・豆類に含まれる不溶性食物繊維は、大腸の働きを促す効果があり、コレステロールの吸収を抑制します。
「ネギ類」
アルキルチオスリフィネート類という成分が血液の凝集を抑え、血栓の予防に役立ちます。