足の血管がボロボロになる理由 そして治療法
根本原因は、血液の流れが悪くなることです。しかし生命維持をするためには、それでも無理矢理に血液を体内で循環し続ける必要があるので、血管に能力を超えた過剰な伸縮を要求し続けます。
血管は機械の塩ビや金属のパイプではありません。TPOに合わせて収縮するゴムのようなものなので、常にこの柔軟性が保つ必要があります。しかし無理な圧力があると、ゴムが劣化するように血管も劣化してしまいます。
本来わたしたちが食べた物は胃で分解され、ブドウ糖やアミノ酸などの栄養分になり、腸から血液へと出て行きます。そして今度は、ブドウ糖は血液の流れに沿って、体中の細胞内に入って行き、細胞が栄養をとり、わたしたちは活動できる、という仕組みになっています。しかし、食べ過ぎや生活習慣の乱れ、ストレス、体の不調、運動不足などの様々な理由によって、栄養分が消化されず、血液中に余ってきます。これが、中性脂肪や血糖値などの高さです。
血液の中に、たくさんの栄養分が余っているということは、血液がドロドロ、ネバネバしてくるということです。これは丁度、普通の水と砂糖水の違いのようです。普通の水はグラスを傾けると、スルッと水が流れ落ちてきますね。でも、砂糖水の場合はどうでしょうか?ドロドロしているので、なかなか落ちてこないですね。砂糖の量が多ければ多いほど、落ちてきません。放っておけば、固まってしまうことだってあります。
心臓が一生懸命ポンプの役割を果たして、血液を体中に流そうとするのですが、血液がドロドロしているがためになかなか流れないんです。これが高血圧の方が多い理由にもなっています。
体中の血管という血管を全部合わせると、なんと全長10万キロにもなるそうです。これは、地球を2週半する長さで、血管の隅々にまで、血液を流れるようにするためには、血液がドロドロではなく、サラサラでないと不可能な話です。しかも、血管のほとんどは毛細血管といって、それはそれは細い血管です。ただでさえ血管という通り道が細いのに、それに加えてドロドロ血液だと、詰まってしまうのは当然な話です。
「脳こうそく」も「心筋こうそく」も、流れにくい血液が原因で血管が詰まることによって起きます。もしその詰まりが脳の血管内で起きれば脳こうそくを、心臓付近の血管内で起きれば心筋こうそくとなるんです。
このように、糖尿病の重大な合併症の主原因は、血液が流れにくくなることです。そして、それによって生じる、血管の詰まりなんです。
西洋医学
手術と食事療法と薬と血圧低下の指導が限界です。
保存的治療
根本的な治療ではありませんが、下肢静脈瘤の症状をやわらげたり軽症例の進行を予防します。
私はこれが大切だと思っています。
負担をかけないように細心の注意を払いながら、血の循環を優先させる運動を少しずつ実践することです。動物という生き物は、使わないところは退化するようにプログラミングされているからです。ただゆっくりと、無理しないことが絶対条件です。
運動・マッサージなどによる生活習慣の改善
下肢静脈瘤は、静脈弁が壊れて血液が重力に逆らって心臓にうまく戻らなくなる病気です。したがって、長い時間立っていると症状が強くなり、病気が進行しやすくなります。1ヶ所に長時間じっと立っているのは避け、できるだけ歩き回ったり、1時間に1回程度は休憩をとるようにします。パソコンなどの作業で、椅子に長時間座ったままもよくありませんので、足首の運動をしたり、足台で足を高くするようにします。お風呂で足のマッサージをしたり、夜就寝時に足を高くするのも効果的です。
弾性ストッキングの着用
弾性ストッキングは、足を締めつけて、ふくらはぎの筋ポンプ作用を助けることによって静脈還流をうながし、足に血液がたまるのを防ぎます。足を締めつけると逆に悪くなると心配される方もいらっしゃるようですが、弾性ストッキングは足首から段階的に圧力が弱くなっており、心臓にむかって血液が流れるように考えられて設計されています。
長さによってハイソックス、ストッキング、パンストなどの種類があります。
弾性ストッキングは正しく着用すれば、下肢静脈瘤の治療にたいへん役に立ちます。しかし、履くのが難しかったり、かぶれたりなどのトラブルをおこすことがあり、長くはき続けることが難しいものでもあります。
歩き方
静脈瘤の原因は、下半身への血液循環不良(うっ血)です。
歩き方では、踵からの「過剰な衝撃」が腰に繰り返し伝わり、腰椎の変形とともに坐骨神経が圧迫されるものと、筋肉を硬くしてしまうものの二つのタイプが有り、どちらも血管への圧力が増し、よりうっ血状態をひどくさせてしまいます。
この二つの要因が重なり、心臓から送り込まれる血液をうっ血とのバランスが狂い、血液の逆流を防ぐための弁が壊れ、静脈瘤となるのです。
対策法
足裏のバランスを整えて「指上げ歩き」による負担を軽減!
ひどくなる前に、早めの対応をお勧めします。 「足裏バランステーピング法」や「3本指テーピング靴下」で足裏のバランスを整えて、指を踏ん張らせ、ふくらはぎや太ももへの負担を軽減させることが大切です。
また、程度により、サラシ固定を行い、しっかりと押圧すると負担が軽減できます。具体的には下腿部、太もも3分の1位上から足首の少し上までの範囲に3裂のサラシ包帯を巻くと効果的です。
サラシが自分で巻けない場合には、専用の着圧ハイソックスとコルセットの併用をおすすめします。
静脈瘤を進行させないためには、フットバイターによる足裏のマッサージと、手技による全身の血行促進、最後にすね・ふくらはぎに負担をかけさせないために足裏バランステーピングを施すのが有効です。
程度により、すね・ふくらはぎへの負担を軽減させるために、サラシ療法を施します。
自分で治すセルフリメディ」
足裏のバランスを整えると、ふくらはぎや太ももへの負担が軽減!
自分での対策として、着圧機能あるテーピング靴下で足裏のバランスを整えて、ふくらはぎやももへの負担を軽減させます。また、「免震インソール」を靴の中に入れ、地面からの過剰な突き上げが腰に伝わらないよう防ぎます。
脚まくら
不安定な足裏での歩行は、ふくらはぎや太ももへ過度の負担がかかり、筋肉も緊張状態にあります。毎日寝る前に、脚全体の緊張を専用脚まくらでゆるめ、血行を促すと脚の疲れもスッキリ。
脚のむくみ、脚のだるさ、足の冷えなどのトラブル対策に。 正座をして約10分、重い脚がスッキリ。手軽でカンタン!
体重による押圧効果でアキレス腱から脚全体の緊張をほぐし、血行を促します。 更に、骨盤のゆがみや背中のハリを解消できるストレッチも兼ねられる便利な枕です。
静脈瘤を防ぐエクササイズ
3本指テーピング靴下を履いて『グーパーリハビリ運動』
足裏のバランスを整えて、すねやふくらはぎに余分な筋肉や脂肪を発達させないために有効な方法として、「グーパーリハビリ運動」があります。
テーピングやテーピング靴下で足裏のバランスを整えることに加え、グーパー運動で親指の運動可動域を広げることが大切です。 重要ポイントは、グーパー運動は、『手を使って』親指を付け根から深く曲げたり回したりして動かすことです。手を使わず、足指の力だけで行うのでは、指先しか動きません。踏ん張るためには、指の付け根から内側に曲げたり、回すことが大切です。毎日片足5分ずつ位行うとベストです。翌日に痛みが残らない程度に行って下さい。 お風呂の中で行ったり、またテーピング靴下を履いた状態で行うとより効果的です。
尚、足に痛みがある方は痛いときは行わず、痛みがとれてから行って下さい。
立っている時は『ひざ曲げ立ち』の訓練
電車内や立ち話など直立姿勢の時に、ひざをピンと伸ばしきって立つ悪い癖を正します。ひざを伸ばしきって立つと、全体重をひざの骨に頼って立つことになり、ひざが反り過ぎる「反張ひざ」の原因となります。O脚をひどくさせたり、ひざ痛・腰痛・肩こり・首こりなど体へのダメージが大きいので、ひざを伸ばしきらないことがポイントです。ひざをほんの少しゆるめて立つ癖を身に着けることで、重心が足先に移動し、自然と踏ん張って立つことができるのです。骨に頼らず、筋力で体重を支えることが大切です。
インソール
浮き指で指が踏ん張れないと重心がかかとに片寄るため、扁平足で外側に偏ってしまった重心をインソールでもとに戻します。
悪い歩き方だと、腰の変形と共に坐骨神経の働きを鈍らせ、下肢への血行を悪くしてしまいます。
「ひざを伸ばしきって、踵から着地する歩き方は、危険!」 かかとからの突き上げが、ひざ・腰・首などへ直撃して、体を痛めるます。
体を守る正しい歩行は、普段よりひざを1〜2cm程高く上げ、ひざを伸ばしきらず、足裏全体で着地することにより、ひざ・腰・首への負担を防ぎます
悪い姿勢は、首こり・肩こりと共に自律神経失調状態や血流阻害になります
背中が丸く、頭が前に傾いている「猫背」や、背骨が曲がったり、左右の肩の高さが違ってしまったりする「側弯症」は、小中学生から高齢者まで広い世代で見られます。
猫背は姿勢の良し悪しだけでなく、腰の位置も下がってしまうので、内臓が下垂してお腹も出っ張り、ずん胴体型となってしまいます。 特に問題なことは、体のゆがみを上部となる『首』が補うため、首にもゆがみや変形などが起こってしまいます。そのため、自律神経失調状態が起こり、肩こり・首こりと共に、頭痛、めまいや胃腸の調子が悪くなったり、便秘、冷え、うつ状態など様々な不調を起こしてしまうのです。
原因『なぜ、猫背や悪い姿勢になる人と、ならない人とにわかれるのでしょうか。 この差は、「足裏」に原因があります。
『猫背』や腰曲がりの原因は足裏の重心です。
外反母趾や浮き指・扁平足がなどで指がふんばれないため、重心がかかとに片寄ると後ろへ倒れる危険性が増すため、本能的に背中を丸めたり、首を前に落としてバランスを保とうとします。
また逆に重心が指先の方に偏ると前へ倒れる危険性が増えるために、腰を曲げてバランスを保とうとします。
足裏のバランスを整えて重心を正す
猫背や悪い姿勢を整えるには、土台となる足裏のバランスを整えて、かかとに片寄った重心を正常な位置に近づけ、左右差も防ぎます。
「足裏バランステーピング法」や「3本指テーピング靴下」で足裏のバランスを整えて、足指の力を取り戻して、片寄った重心を正常な位置に近づけると、土台に合わされ、自然と姿勢が整います。
更に、骨盤のゆがみを整えるために、「腰のサラシ療法」や「専用股関節ベルト」で、股関節をしっかりとサポートすると、骨盤と腰椎・背骨・首と上半身が安定し、バランスが整ってきます。
どんなに肩・背中・腰のマッサージや整体を受けてその場では姿勢を整えることができたとしても、最終的に人間の土台である「足」、つまり足裏のバランスを整えることができなければ一日で元のゆがんだ状態に戻ってしまうのです。
ボロボロ血管の回復が期待できる対策というのをテレビで放送していました。
食事編
「味噌」、「チーズ」、「玉ねぎ」には、血管の回復が期待できる栄養素が入っています。
それが、「LTP」と「ケルセチン」で、LTP(ラクトトリペプチド)とは、近年発見されたアミノ酸の一種で、血圧低下・動脈硬化予防が期待できる。
ケルセチンとは、抗酸化作用で活性酸素によるダメージを防ぎ、血流を良くすると考えられている。
特に「玉ねぎ」にはたくさんのケルセチンが含まれています。 さらに、玉ねぎの皮をむいて一週間程度太陽光に当てると、ケルセチンの量はさらに約3倍になるそうです。
運動編
アメリカのルイス・J・イグナロ博士らが、「NO(一酸化窒素)」の役割を発見し、1998年にノーベル医学・生理学賞をしました。
人間の体内では血管を拡張させて、血流を調整する手助けまでしているということです。
これを踏まえて、血管の回復が期待できる運動編として、「桃太郎運動」というものがあります。
どのようにするかというと、まず、椅子に座った状態で足を引き寄せて15秒間止めます。
そして、一気に大の字になり手足を揺らして血液を流します。
この時に止まっていた血液が流れ始め、「NO(一酸化窒素)」が出て血管がしなやかになります。
※この桃太郎運動は、立ったまま行ってしまうと貧血などを引き起こすおそれがあるのでNGです。
椅子に座るか、寝転がってやりましょう。
手術
下肢静脈瘤の手術には、血管をしばる「高位結紮術(こういけっさつじゅつ)」と、血管を引き抜く「ストリッピング手術」があります。
高位結紮術は足のつけ根で血管をしばって、血液の逆流を食い止める手術ですが、新しい治療法の開発にともない現在では実施件数は少なくなっています。
ストリッピング手術は、足のつけ根と膝の内側の2ヶ所を切って、静脈の中に細い針金(ワイヤー)を入れてワイヤーごと静脈を抜き去る方法です。全身麻酔や脊椎麻酔で行われるため入院が必要でしたが、最近は日帰りでできるようになっています。しかし、高周波などによる血管内治療に比べて体への負担が多く、手術後の「痛み」や「出血」などのリスクがあるとされています。
血管内治療は、ストリッピング手術のように静脈を引き抜いてしまうかわりに、静脈を焼いてふさいでしまう治療です。細い管(カテーテル)を病気になった静脈の中に入れて、内側から熱を加えて焼いてしまいます。焼いた静脈は焼肉のように固く縮んでしまい、治療後半年ぐらいで吸収されてなくなってしまいます。局所麻酔で細い管を差し込むだけなので、従来のストリッピング手術のように入院が必要なく、日帰りで治療ができる体に負担が少ない低侵襲治療です。
血管内治療には高周波(ラジオ波)を使う高周波治療とレーザーを使うレーザー治療があります。現在では高周波(ラジオ波)およびレーザー治療ともに保険適用されています。
高周波(ラジオ波)治療やレーザー治療などの血管内治療は、細い管を静脈の中に入れるだけなので針穴だけで済み、皮膚を切らずに治療ができます。
効果的な下肢静脈瘤の治療には、患者さんの下肢静脈瘤の症状や進行状況に応じて様々な治療法を組み合わせることが必要です。
そのため、血管内治療でも同時に何ヵ所か皮膚を切って静脈瘤を切除することがあります。最近では、スタブ・アバルジョン法(Stab avulsion)といって、 特殊な器具を使って非常に小さい傷(1-3mm)だけで静脈瘤を切除する方法が多く選択されています。この方法だと傷が小さいため縫う必要がなく、傷痕が残りにくく痛みも少ないとされています。
高周波(ラジオ波)治療やレーザー治療とスタブ・アバルジョン法を組み合わせることによって、より効果的な下肢静脈瘤治療が期待できます。
時速200km以上の血流が血管に負荷を
血流の拡大映像で、赤血球や白血球がゆっくりと血管内を流れる姿が写し出されているのを見た覚えはないだろうか。しかし、実際は動脈だと時速200km以上になる。
私たちが生を受けてから死ぬまで、血管はこれだけ高速の血液が流れ常に圧力と刺激を受け続けている。加えて日々の飲酒や喫煙、ストレスなどのリスク因子によって血管はさらにダメージを受ける。
血管は外膜・中膜・内膜3層構造になっている。弾性をもつ内膜は、ゴムホースに例えられる。若い頃はしなやかで、高速の血流にさらされても動じずに、血球に酸素を乗せて末梢まで運び、二酸化炭素を肺に届ける仕事をこなす。
やがて老化とともに血管の弾力がなくなり、内膜自体も痛み、剥がれて傷ついてくる。そこにコレステロールなどが集まり、内膜の中にマクロファージが入りこんで膨らんでくる。その膨らみが大きくなると、血管が閉塞したり(脳梗塞、心筋梗塞)、破れて出血(脳出血・くも膜下出血)したりする。
こうした動脈の硬化度を定量的に測る手法はないものか。長年研究が続けられた結果、流体力学の理論を用いた測定が考案された。同じ速度で液体を流せば、硬い管ほど早く目的地に到達する。管に弾性があると、液体は内壁にぶつかり進むので遅い。
この「脈波」を元に年齢差で血流の一定基準を作成。これで被験者の血管年齢が推測できるようになった。これが「PWV(Pulse Wave Velocity)検査」というもので、日本語では「脈波伝播速度検査」と呼ばれている。
PWV検査は体に負担がなく方法はいたって簡単だ。手首足首と心臓の位置にカフと呼ばれるセンサーをつけ、10分以内で測定は終了。同時に「ABI(Ankle
brachial index)」検査も行うことが可能だ。こちらは上肢と下肢の血圧の比を測り、比較的太い血管の狭窄をチェックする。
PWV検査は、現在増加している糖尿病の「閉塞性動脈硬化症(ASO)」の検査にも用いられる。動脈硬化は多くの合併症を誘発させ、発症するとその予後に大きな影響を与える。死に直結するようなリスクだ。将来の狭心症や、心筋梗塞、脳卒中などを避けるには、まず血管の弾力性の測定が有効だ。その上で、具体的な生活習慣の改善などに取り組むことが大切だといえる。