頭痛のしくみ
女性が訴えることが多い頭痛の1つに生理時に伴うものがあるが、これは生理中にエストロゲンが血中から減少し、それがセロトニンに何等かの影響を与えて片頭痛を引き起こしやすくなるからではないかとも考えられている。
原因
血管拡張
片頭痛など。有力なのは後述の「三叉神経血管説」。血管収縮による頭痛はないとされる。
精神・筋の緊張
肩こりからくる筋緊張性頭痛など。筋緊張性頭痛では、『ストレス → 筋収縮 → 頭痛 → ストレス』という悪循環が生じる。
牽引性
頭蓋内の痛覚感受組織がひっぱられたり圧迫されて起こる(例:脳腫瘍、頭蓋内血腫、低髄液圧症候群)。
炎症性
髄膜炎やクモ膜下出血などでは、痛覚閾値の低下のために頭痛が起こる。いわゆる髄膜刺激症状のひとつとして起きる。
神経痛
頭部を支配する感覚神経である三叉神経や上部頸髄神経の損傷は頭部の神経痛を引き起こす。
関連痛
耳・鼻・歯などの疾患による痛みの関連痛となる。
頭痛の誘因となりうる食品
食品中に含まれる物質が、血管作動作用をもたらすことがあり、この血管作動作用には、血管拡張作用と血管収縮作用(収縮作用消失から拡張への反転)があり、どちらも片頭痛発作の誘因となりえる[1]。頭痛の誘因となりうる食品は、片頭痛#原因を参照のこと。
セロトニン説
ストレス・緊張などにより脳が刺激を受けると、血液成分である血小板から血管を収縮させる作用を持つセロトニンが多量に放出されるようになり、脳内の血管が収縮する。時間の経過と共にセロトニンが分解・排泄されて減少すると、一度収縮した血管が逆に広がりはじめるようになり、この時に頭痛が起こるようになるというもの
三叉神経血管説
脳から伝えられた何らかの刺激が血管周囲にある三叉神経を刺激し、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつサブスタンスPなどのさまざまな神経伝達物質が分泌される。その結果、血管が広がり、その周囲に炎症が起こって頭痛として自覚されるというもの。1980年代から有力視されてきた説の1つ。(三叉神経痛)
片頭痛は血管による拍動性の痛みで、若い女性に多く、しばしば家族性である。片頭痛の前は食欲が旺盛になる、甘いものが食べたくなる、眠気をさすなどと言われているが、実際に発作を予知することは不可能である。悪心嘔吐・羞明・めまい・圧痛・食欲不振・多幸感などを伴うこともある。前兆を伴うタイプもあり、視覚暗点・閃輝暗点(ギラギラ輝く歯車のようなものが見える)・一過性半盲(視界の一部が一時的に欠けて見えなくなる)・片麻痺・片側性感覚障害(痛みと半盲の出ている側の手の痺れ)・言語障害(舌のもつれ)などが前兆としてみられる。
睡眠で軽快することが多いが、起床で始まることも多い。但し、睡眠中に呼吸が無意識のうちに止まってしまうという「睡眠時無呼吸症候群」が原因となっていることもある。口呼吸する習慣のある人・肥満気味の人は要注意である。
軽症ではNSAIDs、中等症以上ではトリプタン系薬物が用いられる。エルゴタミン製剤も有効な場合がある。またカフェインも効果的[3]である。
血管説
頭部の血管が拡張することによって頭痛が起こると考える説です。
血小板からのセロトニン(血管を収縮させる作用を持つ)が放出されるため一旦脳の血管が収縮します。 その後、時間の経過とともにセロトニンが分解されていき減少することによって一度収縮した血管が逆に拡張するために頭痛が起こるというものです。
三叉神経血管説
脳神経の中で最も大きい三叉神経(顔面周辺の感覚をつかさどる)が関与しているという説です。
何らかの刺激によって三叉神経が刺激されることにより、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつ様々な神経伝達物質が分泌されます。 それらの働きで拡張した血管や、それによって発生した炎症が神経を刺激して痛みが起こるというものです。
ズキンズキンと脈打つような痛みが起こる片頭痛は、頭の中で血管が拡がり、拍動に合わせて周囲の神経に刺激が伝わることにより起こります。
何らかの原因で脳の太い血管が拡張すると、その周囲を取り巻いている頭の中で一番大きな神経「三叉神経」が圧迫され、刺激を受けます。刺激を受けた三叉神経からは神経ペプチドとよばれる「痛みの原因となる物質」が放出され、血管の周りに炎症が起こります。すると、さらに血管が拡張し、ますます周りの三叉神経が刺激されます。この刺激が大脳に伝わり、“痛み”として認識されることによって、頭痛が起こるのです。この三叉神経からの情報が大脳に伝わる途中で視覚や聴覚、臭覚を司る中枢(後頭葉、側頭葉)や、吐き気をコントロールする嘔吐中枢にも刺激が伝わります。それによって、光や音、においに敏感になったり、吐き気や嘔吐といった随伴症状があらわれます。
また、血管が拡張する原因のひとつに「セロトニンの過剰な放出」が考えられています。過度のストレスにより脳が刺激を受けると、血液成分のひとつ「血小板」から血管を収縮させる作用をもつ「セロトニン」が大量に放出され、脳の血管が収縮します。その後、時間の経過とともにセロトニンが分解・排泄されて減少すると、収縮していた血管が今度は反動で急激に拡がり、頭痛が起こるというものです。
頭痛が長引くと刺激がさらに刺激を呼ぶといった悪循環に陥ってしまうことから、痛みが軽いうちに、早めに対処することが大切なことがわかります。
■片頭痛が起こるしくみ