心地よい枕の作り方
首こりと枕 適切な高さ
活動している時は首への負担が大きく、姿勢が悪いとなおさら首こりの原因になります。
枕を使って仰向けになる事で基本的な姿勢に戻し、睡眠で疲れをとるのですが、高すぎたり、低すぎたりすると全くの逆効果で、より首こりが酷くなります。
低い枕では心臓より低い位置に頭が来るため、頭に血が上り、むくみや頭痛の原因になり、高い枕では、気道を圧迫するので、いびきやストレートネックを酷くさせる可能性があるので、枕の高さは重要です。
枕の適切な高さ
適切な枕の高さは、壁に背を付けて直立した姿勢で、首の隙間が埋まるのが丁度いいですが、体型や性別によって人それぞれ。
しかし、一般的には仰向けになって枕に頭を乗せた状態で、
胸からおでこまでの角度が5度、
背中かから後頭部までの角度が10度から15度
になるのが理想的と言われています。
角度を細かく図るのも難しいので、ポイントとしては、首の後ろと後頭部に隙間が出来ないこと、気道が確保できて呼吸がスムーズなこと、寝返りをしても高さが変わらないことが挙げられます。
タオル枕の作り方
まずバスタオルを広げます。
長い辺を半分にし、それをまた半分にします。
長い辺を端からコロコロと丸めます。
自分の好みに合わせて、キツく巻くと固く細い感触になり、丸めずにふわっと畳むと柔らかい感触になるので好きな高さに調節できます。
こんな感じで一般的な市販のタオル1枚の場合は
首こりと枕 タオルで作る方法 猫背の人のポイント
ただこの1枚だけだと、猫背の人にはすこし首がつまった感じになりこのまま寝ると首こりが解消されないことが多いです。私もタオル1枚で寝てみると寝苦しく、朝少し凝った感じになってしまいました。
なので、次は高さを少し高くするためタオル2枚で作ってみました!
私にはこれぐらいがちょうど良く、タオル1枚をぐるっと巻き、もう1枚を後頭部の後ろに引きます。
猫背気味の人は、タオル枕や枕なしをためす前にチャックしておいてもらいたいポイントがあります。
壁に背中をつけて、後頭部と背中が苦しくなくぴったりとつける人はタオル1枚や枕なしをやっても負担が少ないと思いますが、壁につかない人や頑張ってなんとかつく人は、はじめはタオルを少し高めに設定するといいですよ!
五十肩・四十肩の人にすすめている方法
あとは肩が痛い人や肩こりが強い人はさらに、肩の下や腕の下にタオルを引いて肩と腕の高さを一緒にすると負担が少なくなります。四十肩(五十肩)adhesivecapsulitis 肩関節周囲炎 凍結肩frozen shoulder
タオル枕の使い方
タオル枕は頭を乗せるのを目的としているのではなく、首への負担を軽減するのを目的としている為、後頭部から首の隙間を埋めるように使用してください。
呼吸のしやすさなどを調節しながら使えるのが、タオル枕の良い所です。
首こりと枕 枕なしも意外と効果的
本当に枕なしが首こりに効果的か?
今まで枕の効果を説明してきましたが、枕なしが首こりに効果が見られる方もいます。
しかし、効果が見られるのは一部の方で、基本的には枕はあったほうがよく、人によって姿勢や、寝る時の癖も違うので、枕なしが一概にいいとは言いかねます。
あまり寝返りを打たない、枕が苦手な方は枕を使うと疲れて、首こりが悪化する可能性がありますが、低めの枕を使っている方が枕なしよりは首こりに効果が見られますよ。
10度から15度と微妙ですが、気持ちがいい程度で十分ですので無理はしないようにしてください。
@理想的な寝姿勢で眠る習慣をつくる
あなたは高い枕で寝ていて、下のイラストの人のような寝姿勢になっていませんか?
高すぎる枕
「こんなに高い枕で寝てる人なんていないだろ」と思うかもしれませんが、私どもの経験上、高すぎる枕を使っている人は意外にもとても多いのです。
タオル枕で気軽に低めの枕を試す
自宅のタオルを使い簡単に低めの枕を作れるので、気軽に低めの枕を試すことができます。
1. まずはベッドの上にバスタオルを広げてください。そして、長い辺を半分にたたみます。
2. もう一度、長い辺をたたみます。
3. 長い辺をコロコロと丸めます。
4. 下のように丸まったら完成です。
通常の枕と見比べてください。低めにできているのが分かると思います。
このタオル枕のような形を「ヒトコブ形状」と呼びます。枕の上に頭をのせるのではなく、首のカーブに沿わせてお使いください。下のイラストのようになります。
ヒトコブ枕
タオル枕のようなヒトコブ形状の枕は、首の自然なカーブを損なわずに寝やすいので、ストレートネックでお悩みの方にとてもオススメの形状の枕です。
とはいえ、タオル枕は反発弾性がないので圧迫感を感じることがあったり、形状が崩れやすいという欠点があります。そこで私どもが素材・形状にこだわって開発したイチオシのヒトコブ形状枕があるのでご紹介します。
首のリラックスを追求して設計しました。ウレタンの内部をくり抜き(エアースプリング構造)、さらに、表面をウェーブ状にカッティングしているので、あなたの頭・首を柔軟に受け止めます。
眠りながらストレッチするかのように首を自然に伸ばせられます。ストレートネックでお悩みの方、首・肩に重みを感じる人に自信を持っておすすめします。
玄関マット枕の方法
毛足が短くて裏地のついた玄関マット(60×90cm程度)とタオルケットをご用意ください。玄関マットの代わりに、固くなった座布団を使っても構いません。
玄関マットは蛇腹(Z型)に三つ折りにして使用します。
玄関マットの上に、端を揃えて丁寧に折り畳んだタオルケットを重ねてください。このとき、枕の角は出来るだけ直角にしてください。
次に、肩口にしっかり枕を当てて寝てみます。そしてタオルケットを1枚1枚めくりながら、自分に合った高さに調節します。
力を抜いて横向きになったときに、顔の中心線が布団と平行になるようにしてください。
仰向けに寝てみて喉や首筋に圧迫感がなく、後頭部から肩にかけて力が抜けている状態が良い高さです。
手を胸の前でクロスし、寝返りが左右スムーズに打てるか確認してみましょう。
『睡眠姿勢』のメカニズム
肩が痛いときの寝る姿勢
では、このような肩の痛みで寝られない人がよくされる『寝る姿勢』をみてみましょう!
『あおむけ』であれば、体にぴったり腕をつけてお腹に手を乗せるような姿勢になります。
『あおむけ』は痛みが『横向け』より比較的出やすい方が多いため、『横向け』で寝る場合は痛い側の肩を上にして身体にピタッと腕をくっつけて寝るケースが多いです。
おおよそこのような『寝る姿勢』をとられます。
これは自分が自然に痛みから逃れようとしてあれこれした結果たどり着く『姿勢』なので、ほぼ満点に近い正解なんです。
「この『寝る姿勢』をなぜとるのか?」
という理由を探ることからみえる『寝る姿勢』のポイントをまとめて紹介していきたいと思います。
その理由を探るにに必要な肩の構造・機能から確認していきましょう!
1、肩甲骨面(scapula plane)
僕たちの身体は、上から見たときに樽のような楕円っぽい『胸郭』の後ろ側にピタッと羽のように『肩甲骨』がへばりついています。
よって『肩甲骨』は、身体に真横になって付いているわけではありません。
そのため、仰向けに寝て床に背骨をつけた状態からみれば約30°の角度が付いて浮いています。
もちろん、実際はふとんが沈み込むことでこの浮きは少なくなりますがそれでも多少の浮きは出ます。
そのやや斜め上に向かって角度の付いている肩甲骨ですが、肩が機能的に運動するときにはこの『肩甲骨』の向いている角度に合わせておこなうと良いと言われています。
この角度で動かすのが、肩の筋肉に部分的な緊張が少なく行える自然な角度なわけですね。
そのため、みなさんは普段何気に腕を挙げるときは、おおよそこの『肩甲骨面』上のラインを通ります。
まっすぐ横に挙げるのは『ラジオ体操』などのときでしょうね。
物を持たずに一時的な体操でする分には構いませんが、荷物を持ったりしているときにこの位置で挙げると肩に負担がかかってしまいますのでご注意ください。
実際寝てみて腕を布団の上に置くと、『肩甲骨面』から腕の位置がずれてしまいます。
この位置であれば、肩の前方の組織(筋肉など)に緊張が起きてしまいます。
肩を傷めていない方であればもちろん問題ない程度です。
しかし、肩を傷めている方にとってはこのささいな負担も大問題になります。
「肩の負担をすこしでも減らしたい」と思われた方は、『肩甲骨』と『腕(上腕骨)』の角度をなるべく合わせていくのが望ましいのです。
それには、『腕(上腕骨)』の位置を上げる必要があって、『肩』の後ろ側にバスタオルやクッションなどを挟んで高さを作ってやることが肩にやさしい『寝る姿勢』づくりになるのです。
ポイント:あおむけで寝るときは、肩から腕にかけて後ろ側にクッションなど何かを敷いてあげると良い
2、肩の捻じれ
次は、肩のポジションをどうしておくのが『肩関節』にとってやさしいことになるのでしょうか?
それを肩の捻じれのポジションの観点でまず考えます。
『肩関節』は、人体で1番自由度の高い関節であることからいろいろな動きができます。
その中で『捻じれ』の動きといえば外旋(がいせん)。外側に捻じる動きになります。
手でみれば親指が外側に向いていく動きになります
次は内旋(ないせん)内側に捻じる動きになります。手で見れば小指が自分の身体に向くような動きになります。
この2つの動きには、お互いで比較すると
外旋 肩関節の求心性が高まり、関節内圧が上がる
内旋 肩関節の求心性が低くなり、関節内圧が下がる
『肩関節』は炎症を起こしているときのため、関節内はなるべくゆったりしておいてほしい状態。
そのため、肩関節は『内に巻いた状態(内旋位)』
にあるほうがいいんですね。
寝ている姿勢を考えていればこれは自然にしていますが、その捻じれで関節内を少しでも緩めて楽にしようとしていたと考えられるんですね。 肩関節のポジションは、軽く内に捻じる(内旋)ほうが楽です。
3、関節包の緊張バランスをはかる
筋肉のバランスとしては、おおよそ『肩甲骨面』にあわせておくのがいいことは確認できました。
あと、知っておきたいのは、『関節包』の緊張に偏りが出ない角度についてです。
関節を包んでいる袋みたいなものですが、これが変に部分的に突っ張ることも避けたいことです。
これに似たもので『良肢位(りょうしい)』というのがあります。
この2つは、関節包の緊張がゆるい良肢位(関節が1番楽なポジション)
『肩甲骨面での肩関節30°挙上でねじれは生じていない(中間)位置』
『肩関節が、外転60〜80°、屈曲30°、外旋20°の位置』です。
4、寝る位置を高くする
あと、肩がすごく痛い方の中には「寝転ぶとどんな体勢をとってもジンジン痛んで寝られないから、ソファで寝ています」 という方がいらっしゃいます。
これは、どの向きにして寝ても腕に対して重力がまともにかかるため、
あおむけ 肩関節前面が突っ張るように腕が床方向に沈む力
横向け 腕が内側に沈み込んで肩関節の外側が沈み込む力
その重みによる刺激が肩まわりに直接かかることが考えられます。
そこで、リクライニングした椅子やソファもしくは上半身にクッション・バスタオルを入れて角度をつけるなどで寝ることで重力面と腕の軸を合わせることができ、その負担を受けずに済むことができるようになります。
ポイント:なるべく身体を起こして(角度をつけて)寝る
横向きに寝る姿勢での寝方のポイント
まずは、比較的重症の方は『あおむけ』になれない人が多いこともあり、『横向きの姿勢』から考えていきたいと思います。
ポイント1:『痛い側の腕を上にして寝ること』
痛い側の腕を下にして寝ると、肩甲骨の向きと腕の位置が一致しやすい
腕の挙げる角度も腕が床に着いているため角度をつけやすい
ことから悪くない姿勢ではあります。
しかし、『傷めている肩を床で圧迫してしまう』という最大の欠点があり、この圧迫刺激で『痛み』を生じさせてしまいます。そのため、やはり『痛い側の腕は上側に向けて寝ること』を選択する必要があります。
ポイント2:『肘上に何か巻き付ける』
少しだけ腕を開くためにバスタオルなどをわきの下肘の位置あたりに挟むようにします。
わきに挟むと余計肩の外側にテンションがかかってしまいますので、わきには挟まずに肘から少し上くらいの範囲で挟むか、肘上にタオルなどを巻き付けましょう。肘上のところにタオルを巻き込んで留めておくことで自然に肘の位置が開くようにします。これだと寝返りで仰向けになった時も肩が下がりにくくなる効果があります。
ポイント3:上半身に傾斜をつける
横寝であってもあおむけであっても上半身に角度をつけるようにして寝てみましょう!
ホテルなどの大きいクッションみたいな枕あれば楽ですが、普通はありませんのでクッション・バスタオルなどを重ねてゆるやかにでも傾斜ができるようにしましょう!
あおむけで寝るときのポイント
最初の痛くてあおむけができない頃には横向きで寝ることをしますが、「同じ横向きでずっと寝ていると反対側の肩が圧迫され続けて痛くなってくる」 という問題が起こります。
そのため、いつまでも横寝だけしていればいいというわけにはいかなくなります。
そこで、時期をみはからって可能になってきたら『あおむけ』もしていきましょう!
ポイント1:肩から肘までの高さを上げる
『クッション』か『まくら』、『バスタオル』などを用意し、それを肩甲骨の浮きが出るところあたりから肩・腕から肘までを乗せるようにして肩の前面に突っ張りが出にくいようにしましょう!
ポイント2:肘に何か巻き付ける
これは寝返りをしてしまって横向きに寝ることを考えたときに有効になる方法です。
肘の上の腕のところに『タオル』などをくくりつけ厚みをつくります。もちろん腕をグルグル巻いていればいいわけなのでギュッと縛ったりする必要はありません。巻く量で腕の上がりも変わりますのでそこの微調整はみなさんに行っていただく必要があります。
ポイント3:上半身に傾斜をつける
あおむけでも横向けと同様に上半身に角度をつけるようにして寝てみましょう!
ポイント4:身体を痛くない側にずらして寝る
痛みがある側に上半身が移動している状態があると、相対的に肩関節は『わきをぴたっとくっつけた状態(内転)』
状態になります。
そこで、寝るときに上半身をぐっと『痛い側と反対側にずらす』と肩の外側の緊張がゆるみやすくなりますので寝る前に試してみてください。これらを組み合わせて、少しでも寝るときに『肩関節』が負担を感じないようにしてあげることで睡眠の質をましにすることができるでしょう!
四十肩・五十肩の痛みを和らげる寝かた
四十肩・五十肩の痛みで、どうしても、痛くて眠れない時があります。
こんな時は、痛む肩に無理な力が加わったり、筋肉が引き伸ばされたりしないよう、痛む方の肩を上にし、市販の「抱き枕」などで、高さをかせいで寝ると、痛みを和らげて眠れます。
また、痛みで眠れない時の応急処置として、三角巾で腕を吊って寝る方法もあります。 ただし、痛みが治まった後も三角巾で腕を吊って寝るのは避け、痛みが治まったら外して寝るようにしましょう。
四十肩・五十肩の痛みが和らぐ寝かたの基本は、「痛い方の肩を上に」して 〜「抱き枕」や「毛布」を利用する。
四十肩・五十肩の痛みを和らげる寝かたの基本は、「痛む方の肩を上」にして寝るのが基本です。
また、先に書いたとおり、「市販の抱き枕」等を利用して高さかをせぎ、下から支える事で痛みを和らげて眠る事が出来ます。
ここで少し、四十肩・五十肩の痛みを和らげる寝かたの工夫として、家にあるものを利用して、痛みを和らげる寝かたの工夫をしてみましょう。
用意するものは、「バスタオルor毛布」
これらを折りたたんだり、丸めたりするだけ。 これを抱きかかえる、もしくはひじから肩の部分に入れて下から支えるようにします。
市販の抱き枕も、色々な素材なものがあり、それはそれでお勧めなのですが、家にあるもので代用してみる事も簡単なことですので、一度、試してみてはいかがでしょうか。
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