冷え性の改善
症状
要因
発熱の仕組み
改善方法
症状
体内で熱をつくり出す力が弱まり、血流が弱まり、血行障害が起こる。
しもやけ、腰痛、神経痛、肩こり、肌あれ、免疫低下などが起きうる。
冷え性は女性に多く、女性は男性に比べると、熱を作り出す筋肉が少なく、また低血圧などで血流量が少ないことも考えられる。また、月経の影響などで、腹部の血流が滞りやすいことも考えられる。
要因
体内の発熱作用の低下
ダイエットによるカロリーの摂取不足と皮下脂肪の減少 寒い環境では体温保全のためにずんぐりむっくりとした体型になる
自律神経のバランスの乱れ 蓄熱と放熱のスイッチの切り替え
周期的なホルモンの変動
熱が起きる仕組み 体温が保たれる仕組み
食べ物に含まれる糖質からエネルギーや熱を作り、発熱する
筋肉が動くことによって発熱する
腸の蠕動運動によって発熱する
胃の消化作用によって発熱する
呼吸によって発熱する
腹式呼吸に伴う横隔膜と腹筋の収縮によって発熱する
熱をキープする方法
体温を保つためには、
1外からの熱を取り入れる
2保温
3体内発熱
の三つがある。
暖房、温める諸方法、保温の服装は各自がもう実践しているので、体内発熱について考えてみましょう。
ヒトは運動をすると、筋肉が収縮して発熱します。のこぎりで木を切った経験はあるでしょうか?
寒い冬でも、ほんの3分で汗が出てくるほど体内で発熱します。
また寒い時に体を震わせたことなどあるでしょうか?これも3分ほど続けていると、汗ばむほど熱が発します。
このように体の筋肉を少し動かすだけで、発熱するように動物の体はデザインされています。
主な発熱は、ブドウ糖から発生する熱なので、効率よく熱変換することに注目する人は多くいますが、筋肉の動きによる発熱効果では、比べてみるとどうなのでしょうか?
発熱量の調べ方は?
ここで注目したいのは胃腸の蠕動運動による発熱量と呼吸運動による発熱量です。
消化する時に腸は蠕動運動するのですが、この動きが発熱の基になります。
最近の食事の傾向として、ブドウ糖や甘いものや脂肪成分を直接にとることが100年前に比べると多くなりました。また加工食品に頼った食事をしているため、消化運動をせずともタンパク質・脂肪・糖分を過剰に吸収できていますが、いくら高栄養素を摂取しても、冷え性は改善されません。
何故か?
腸が蠕動運動をしなくても、そのまま吸収できる状態の食べ物を摂取しているからではないでしょうか?
速効性に関心が向くと、体内にすぐに吸収されることが目的とされてしまい、蠕動運動の機能について考えが及びません。
病院での点滴もしかり、栄養価の高い成分を迅速に摂取するということが目的とされ、血液の血糖値や中性脂肪値やタンパク質値(アルブミンとグロブリン)は上げることはできますが、胃腸の運動を抑えてしまっていることには関心が向いていません。
呼吸運動 腹式呼吸
興奮している交感神経が活性化している状態は放熱作用が働き、手足がラジエター機能を持つ
気分が落ち着いている副交感神経が活性化している状態は蓄熱作用が働き、毛細血管には血液量が減る。
冷え性の予防・改善
冷え性は、生活習慣病の側面があるため、生活改善することである程度の予防・改善をすることが可能である。
食べ物と生活習慣の改善策
消化に良いものとは?
何をもって、消化に良い、というのだろう? 消化が悪いっていうのはどういうこと?
判断するときの基準は?
胃腸に優しいとは、どんな意味なんだろう?
胃腸に負担をかけないものである。おかゆ、うどんが「優しい」と思ってはいないだろうか?
また豆腐などの良質な植物性蛋白質が消化が良いと思われているが本当だろうか?
消化の良さの基準には、消化のスピード、吸収量、吸収率、非運動性(胃腸が働かなくても消化できる)、などが考えられるが、胃腸からの視点では、胃腸の収縮や蠕動運動を無理なく続けることができていて、結果として、食物が消化されていることが「良い消化」である、と言える。
点滴や砂糖水のように胃腸が働きをしなくても栄養摂取はできるが、これらは胃腸にとっては良い消化とは言わない。
胃腸が気持ちよく運動ができ、そしてゆっくりと休息できるのが胃腸にとっての良い消化ではないのだろうか。
では、どんな食べ物がいいのだろうか?
胃腸が受け入れやすい温度の料理、それとも驚くような温度の料理?
胃腸の収縮がしやすい量、それとも邪魔するほどの量?
胃腸の収縮で分解される柔らかさ、それとも分解されないほどの硬さ?
胃腸を通り抜けやすい粘液性がないもの、それともこびりついてしまうもの?
胃腸の消化液がちゃんと出るのか、それとも出ないのか?
どれも胃腸の立場になってみればよくわかる。
温かくて、腹八分目で、煮込で、油が多すぎない料理をゆったりとした気持ちで食べるのがいいに違いない。
食べ物
体を温める食品を摂取し、体を冷やす食品の過剰摂取は避ける
体を温める食品 海の下に生える物・地面の下に生える物(生ショウガを除く)・豆・干物・発酵食品(酒を除く)・熱を加えた物・塩を加えた物・水・茶・精白精製していない物
食べもの、飲みものの温度が「冷え」の原因に
食べ物に含まれる糖質は、体内で消化され、腸内でブドウ糖として吸収されます。
ブドウ糖は、人間に備わる酵素の働きでATP(≒エネルギーや熱)に変化し、体温は保たれているわけです。
ブドウ糖をATP(≒エネルギーや熱)に変化するには、亜鉛・セレン・鉄・マグネシウムといったミネラルやビタミンB1・B2などのビタミンが必要です。
この時に発するエネルギーは何カロリー?
上記の発熱エネルギーを測定する方法は?
胃腸にとって良い運動とは?
私たちが歩いたり、何か運動をしたりするのも、さらには心臓が動いているのも、食べ物からの栄養をエネルギーに変えているからです。この化学反応は「代謝」と呼ばれますが、代謝で生み出されるエネルギーの75%以上は熱となり、体温の維持に役立てられています。
しかし胃や腸などの消化管内では、消化が行われる際に入ってきた飲食物の温度も「冷え」に大きくかかわってきます。
毎日お風呂に入り、シャワーではなく浴槽に入るようにして、血流を良くする。
38度程度のぬるめのお湯にしっかり浸かる(全身浴)
マッサージや、柔軟体操などを行うことで、血行をよくする。
定期的に適度な運動や、
ウォーキングを行う。
階段はなるべく歩いて昇降する。
有酸素運動を行う。
冷えを覚える部位の運動を行う。
下肢の冷えには、つまさきや膝の屈伸運動や坂道の歩行などを行う。
下腹部の冷えには、腹式呼吸が有効です。
渇きを覚えたとき以外の不要な水分摂取は控える、水を過剰に飲むと、体液量増加により 血液量が増加し、血圧が上昇するので、心臓や血管に負担をかけてしまいます。
腸のトレーニング
@体幹ツイスト
身体をひねる運動は腸を刺激して、ぜんどう運動を促すことができますので、
寝る前や排便したい時、食後などに取り入れましょう!
まず、軽く足を開いて寝そべり。
片ひざを曲げて右足なら左わき腹のほうへ持ち上げて、身体をできるだけひねります。
(曲げた足と逆の方向へ顔を向けるようにすると深くひねることができます。)
この状態をできれば5秒間キープします。左足も同様に行います。
立ったままの場合、足を大きく開いて上体を倒し、右手で左足のつま先を触るストレッチでも効果があります。
(イスに座った姿勢で上体を左右にひねるだけでも腸が刺激されるので効果があります。自分のやりやすい方法でトレーニングをしてみましょう。)
A腹式呼吸腹筋
女性が「便秘」になりやすい原因のひとつとして、女性は男性よりも腹筋が弱いことがあげられます。腹筋が弱いとうまく腸に圧がかけられず、腸のぜんどう運動を促すことができません。特にお年寄りは腹筋が衰え「便秘」の原因になりかねません。
身体に負担の少ない腹筋運動ですので、簡単にトライできます。
まず、クッションなどを腰の下に敷き、手はクロスして肩にあてます。
足は軽く開き、ひざを曲げた状態が基本姿勢です。
おへそを見る感覚で状態を持ち上げます。
(この時、呼吸をとめないように意識しましょう。)
クッションから上体が離れる程度でよいので20回を目標に行います。
B逆さ自転車こぎ
逆さ自転車こぎは足を動かすことで、さらに腸に刺激を与える上級者向けのトレーニングですので、寝る前に行うと交感神経が高まってしまいおすすめしません。そのかわり、夕食後30分後におこなうことをおすすめします。
仰向けになり、両腕で背中をしっかり支えて胴体を起こし、バランスをとって自転車こぎの動作を行います。
その際、足を大きく動かして腸に刺激を与えることが大切です。
これを30秒ほど行います。
C腸ストレッチ
腸に刺激を与えるためには伸ばす運動も必要です。デスクワークなどで腸が縮こまった姿勢が多い人は腸を伸ばすストレッチをおすすめします。
まず、うつぶせになり、手で身体を支えながら上体を起こします。
この状態を30秒ほどキープします。
(また、この姿勢で大きく深呼吸すると副交感神経が高まり、より効果的です。また、お腹にガスが溜まっている場合は、反対に身体を丸める姿勢が効果的です。)
仰向けになり、ひざを曲げ、両手で抱えて丸まります。
深呼吸をしながらひざを身体に近づけていき、頭も丸めていきます。
この状態を同じく30秒ほどキープします。
「腸もみ」
まずは、仰向けになり、ひざを立てましょう。
腸もみをするうえで、正しい姿勢と腹式呼吸によってリラックスすることを忘れてはなりません。
おへそに手をあて、おへそを中心として半径4〜8cmを時計回りに刺激していきます。
おへその上に両手を重ね、ひとさし指・中指・薬指の指先を使い、ゆっくりとした呼吸にあわせ、小さな円を描くように指を入れていきます。
腸もみをやっていくうちに、硬い部分に気づくのではないでしょうか。
そこに便がたまっているのです。
そこを重点に的に腸もみすることで、腸の蠕動運動を助け、便秘が解消するのです。
腸の動きが鈍る原因とは
そんな蠕動運動ですが、一般的には食事を摂ることで運動が始まります。
ところが、腸は自律神経の影響を大いに受けることも分かっています。ストレスを感じていたり、緊張状態にあると交感神経が優位になり、副交感神経によって運動する腸は鈍ってしまいます。
また、ストレスの他にも加齢、不規則な生活を送る、食生活の乱れなどもダイレクトに影響するので注意が必要となります。
蠕動運動を増やすには
食事の時に少し野菜を多めにとってみる、睡眠は10分でも早く寝てみる、運動は近くの場所の移動手段だけを徒歩にしてみる、など少しずつ改善していくことでも全く違ってくると思います。
蠕動( peristalsis)は、筋肉が伝播性の収縮波を生み出す運動である。
ミミズなどの蠕虫などの体壁筋や、動物体内の消化管などの中空器官で行われる。縦走筋 (longitudinal muscle) と環状筋 (circular muscle) が拮抗する平滑筋系によって行われる。両者を相互的に支配する縦走性神経系による、独立・自立的な活動である。
消化管
消化管の蠕動は、食物をある一定方向に動かすために行われる。
蠕動は自律神経に支配されている。意識的に蠕動運動を活発にさせることはできない。
環状筋
消化管にある環状筋(輪状筋)が食物塊の存在で伸展すると、それが刺激となって収縮運動を行う。環状筋は食べ物が後戻りさせない機能がある。周期的に環状の収縮を次々と下部に伝え、食物塊を肛門側へ移動させる。
縦走筋
縦走筋は消化管を縮める機能がある。縦走筋は、環状筋と良く連携した縮小運動を行い、消化管内で混沌となった食べ物の塊を前進させる役割を持つ。
胎児は心臓拍動も蠕動によってなされる。
代謝
代謝(たいしゃ、metabolism)とは、新陳代謝の略称で、外から取り入れた素材を体内で化学反応させること。代謝は大きく異化 (catabolism) と同化 (anabolism) の2つに区分される。異化は物質を分解することによってエネルギーを得る過程であり、例えば細胞呼吸がある。同化はエネルギーを使って物質を合成する過程であり、例えばタンパク質・核酸・多糖・脂質の合成がある。
酵素は、熱力学的に不利な反応を有利に進めるために使われる。また、酵素は、細胞の環境もしくは他の細胞からの信号(シグナル伝達)の変化に反応することにより代謝経路の調節も行う。
代謝の目的は、
エネルギーの獲得
摂取した栄養素を、生体に転換
生体の成分を合成する
細胞が使う物質を合成または分解
食物繊維
従来は、消化されず役に立たないものとされてきた。後に有用性がわかってきた。ただし、定義から明らかなように栄養素ではない。
ヒトの消化管は自力ではデンプンやグリコーゲン以外の多くの多糖類を消化できないが、大腸内の腸内細菌によって、一部が酪酸やプロピオン酸のような短鎖脂肪酸に変換されてエネルギー源として吸収される。食物繊維の大半がセルロースであり、人間のセルロース利用能力は意外に高く、粉末にしたセルロースであれば腸内細菌を介してほぼ100%分解利用されるとも言われている。デンプンは約4kcal/g のエネルギーを産生するが、食物繊維は腸内細菌による醗酵分解によってエネルギーを産生し、その値は一定でないが、有効エネルギーは0〜2kcal/gであると考えられている。大腸の機能は食物繊維の存在を前提としたものであり、これの不足は大腸の機能不全につながることになる。
歴史
1918年、医師であるジョン・ハーヴェイ・ケロッグは『自家中毒』という著書を出版し、腸内で細菌が未消化タンパク質から作る毒が健康を害するという自家中毒説をもとに、未消化の肉には細菌が繁殖しやすいが、食物繊維は腸を刺激して活発にさせるので毒が作られにくいという理由で菜食をすすめた。
しかし、一方で栄養学では「食べ物のカス」ともされ、長年役に立たないものと認識されていた。たとえば、栄養学の創設者である佐伯矩は、玄米は栄養が多いが未消化物が多いので消化吸収の効率が悪いなどとして、ある程度精白した米である七分搗き米をすすめていた。
1967年に、インドのマルホトラは食物繊維の摂取が多い場合、がんのリスクが減るという報告をしている。
種類
植物のセルロース、こんにゃく、ごぼう、きくいも、海藻
効果
野菜や穀類、豆類等に含まれている不溶性食物繊維は、大腸の蠕動運動を促す。
熟した果物などに含まれている水溶性食物繊維は、食後の血糖値の急激な上昇の抑制や、コレステロールの吸収を抑制する作用が報告されている。
食物繊維の効用として、脂質異常症予防、便秘予防、肥満予防、糖尿病予防、脂質代謝を調節して動脈硬化の予防、大腸癌の予防、その他腸内細菌によるビタミンB群の合成、食品中の毒性物質の排除促進等が確認された。長寿地区住民の高齢者の食物繊維摂取量と同一人の腸内細菌叢を分析することによって、食物繊維の摂取量が多いと、働き盛りの青壮年なみに有用菌(ビフィズス菌等)が優勢で老人特有の有害菌(ウエルシュ菌等)は抑えこまれていることが実証された。さらにこの有用菌は腸内腐敗防止、免疫強化、腸内感染の防御、腸管運動の促進といった作用のあることがわかった。
2007年11月1日の世界がん研究基金とアメリカがん研究協会によって7000以上の研究から分析したがん予防の報告書では、結腸や直腸のがんの予防との関連がありうるとしている。
食物繊維摂取量との関連が検討された生活習慣病は多岐に及び、心筋梗塞の発症ならびに死亡、脳卒中の発症、糖尿病の発症との間に負の関連を認めたとする研究報告が数多くある。また、循環器疾患の強い危険因子である血圧並びに血清(または血漿)LDLコレステロールとの間でも負の関連が示唆されている。さらに、肥満との関連を示した疫学研究も多数存在する。
100gの内
ワカメ 乾 68.9 g 9.0 g 59.9 g
ヒジキ 乾 60.7 g 22.5 g 38.2 g
コンブ] 乾 36.5 g 7.4 g 29.1 g
かんぴょう 30.1 g 6.8 g 23.3 g
海苔) 乾 26.4 g 10.8 g 15.6 g
切り干し大根 20.7 g 3.6 g 17.1 g
アズキ 乾 17.8 g 1.2 g 16.6 g
ダイズ 乾 17.1 g 1.8 g 15.3 g
コムギ