電気が走るような肩の痛み
はじめから意識していたら痛みをあまり感じなくても、腕を急に上げると肩に電気が走るような痛みがある、という症状があります。
これらは加齢によっても多くの人が体験するもので、神経を圧迫することで電気が走るような感覚がするケースは多くあります。
意識のあり方で痛みの強さが変わるのは、感覚とは身体(フィジカル)と脳の回路(メンタル)の両方によって生じるものだからです。
メンタル面では、3つのメカニズムが関係しています。
予期と制御による痛みの抑制(予測制御モデル)
- 人間の脳は「次に何が起こるか」を常に予測している。
- 予測どおりの刺激(たとえば「上げると痛い」)は、脳内で感覚入力の強調度を下げるので、痛みを弱める。
- 逆に、予測してない時に痛みが来ると、脳が「危険!」と判断して電気ショックのように痛みを強調する。
筋緊張と反射の連鎖
- 驚きや怖がることで、肩や首まわりの筋肉が瞬間的に収縮する。
- この“過剰な緊張”が、腱や神経を圧迫して痛み信号を増幅させる。
- 一方、動きを意識してゆっくり起こすと、神経が滑らかに動く余裕ができて痛みが出にくくなる。
注意の焦点化と感覚フィルターの調整
- 「痛みに注目する」と、脳は痛みの信号を増幅する。
- 「どう動かすか」を意識すると運動野と体性感覚野の連携が強まり、痛みがノイズとして処理されにくくなる
- 要するに、注意の向け方が痛みの出方を変えることができます。
要約すると
これは脳と体を同調させる動き方が自然にできている証拠、言い換えれば、マインドフルネス的身体制御を使っているいい状態です。
では次に、フィジカル面を見てみます。
このような痛みを感じるのは肩のどこが悪いのでしょうか?
腕を急に上げた時に「電気が走るような痛み」が肩に出る多くの場合は神経の圧迫か炎症が関係しています。
よくある3つの原因
肩の中でも「上腕骨」と「肩峰(けんぽう)」の間にある腱が擦れて炎症を起こす。
腕を上げるときに“電気が走るような痛み”が出やすい。
特に途中の角度(60〜120度)で痛むなら、この可能性が高い。
肩を上げる動作で腱や滑液包が骨に挟まれて痛むので、急に動かすと「ビリッ」とくる。
長期化すると夜間痛(寝返りで痛む)も出てくる。
肩や腕に走る“電気的な痛み”が特徴。
肩そのものよりも首の神経出口が狭くなっているケース。
緩和・改善の方向
「電気が走る」=神経系の反応(圧迫や炎症あり)
「意識して動かすと痛くない」=筋緊張を避けられているサイン
痛みを避けようとして動かさない期間が長すぎると、「凍結肩(五十肩)」に移行することがあるから、“痛くない範囲”で動かすのがコツです。
腕を上げた時の角度と痛みが出る位置で見分けるヒント
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角度 |
疑われる病態 |
主な原因 |
痛みの位置 |
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0〜60° |
それほど痛くない |
– |
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60〜120° |
インピンジメント症候群 |
腱・滑液包が挟まる |
肩の前〜上 |
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90°付近でもズキッ |
棘上筋腱炎 |
棘上筋腱の炎症 |
肩の外側 |
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120°以上 |
痛みが軽くなる傾向 |
– |
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意識的にゆっくり動かすことで、腱が挟まらない軌道をとれるので「意識して動かすと痛くない」。
@ インピンジメント症候群(Impingement Syndrome) 「in中へ」+「pangere打つ、突く」= 衝突
肩峰(肩甲骨の骨)下の空間が狭くなり、棘上筋腱や滑液包が物理的に挟まって圧迫される

対処法
A 棘上筋腱炎(きょくじょうきんけんえん)Supraspinatus
Tendinitis


改善の方向:
痛みが強い時期は安静+冷却
少し落ち着いたら「タオルを使った可動域ストレッチ」 (両手でタオルを持って、背中側で上下にゆっくり動かす)
姿勢を整える(猫背で肩が前に入ると腱が挟まりやすくなる)
「痛めない肩の上げ方ストレッチ動画(理学療法士監修)」英語版
動画: https://www.youtube.com/watch?v=hbFm9z_bvhM youtube.com
動画: https://www.youtube.com/watch?v=h8Mm3TdGYws youtube.com
日本人が説明している解説動画
【肩峰下インピンジメント症候群】肩の痛み、ゴリゴリ音の原因と改善のストレッチ方法:
youtube.com+1
【肩痛インピンジメントに効果的な肩のストレッチ】 youtube.com
注意点