味覚障害

 

味覚障害ってなに?     こんな症状が出たら、味覚障害

 

味覚減退

食物の味が薄く感じる   濃い味だとわかるが薄い味がわからない

味覚消失

味が全くわからない     味がしない無味症

自発性異常味覚

何も食べていないのに、いつも苦い味がする

悪味症

食物が何とも表現できないいやな味になる

解離性味覚障害

甘味などだけがわからないと訴え、検査でも甘味のみ傷害されている

味の錯覚

甘みを苦みとまちがえるなど

 

メカニズム

口にした食べものは、唾液によって物質が溶けます。舌の味蕾(みらい)と呼ばれる部分に入り込み、味蕾(みらい)の中の味細胞が味覚を捉えるのです。そして、味覚神経をとおって大脳へ信号を送り、味を判断する大脳の味覚中枢が信号を受信→味を判断します。味覚障害は、伝達経路のどこかが故障することで起こる症状です。

 

ストレスや肉体疲労が起こると体に負荷がかかり、「活性酸素」と呼ばれる酸素が通常よりも大量発生します。そうなると、カラダはそれを分解するためにSODと呼ばれる酵素を大量に使用して防御します。

このSODの原料に亜鉛が使われるので、味の感覚まで亜鉛が回らないのが、亜鉛不足の原因です。

 

 

どんな人がかかりやすいの?

1 .55歳以上である     唾液が年齢とともに減ってくると味覚を感じにくくなる傾向があります。

2.無理な食事ダイエットをしている    ダイエットによる栄養の偏り、とくに亜鉛不足によるものです。

3.一人暮らしである  一人暮らしだと出来合いのものを食べる機会が多くなり、栄養が偏りがちになります。

4.ファーストフードやインスタント食品、コンビニ弁当をよく食べる 添加物が亜鉛の吸収を阻害する。

5.野菜中心の食事をしている  一見、健康的な食事をしているように見えても野菜には亜鉛が不足しています。

6.長期間飲んでいる薬がある 血圧を下げる薬、アレルギーの薬などの薬は亜鉛の吸収を阻害する副作用がある。

7.舌苔が多くついている、または歯磨き時に舌を毎回磨いている 舌の表面を傷つけ、舌苔がつきやすくなる

 

患者数

味覚障害は年齢・性別、生活習慣、病気・ストレスの影響を受けやすいといわれています。不規則な生活習慣を送っている・過剰なストレスを感じる・栄養不足になる・多数の薬を服用しているなどが味覚障害になりやすい人といえるでしょう。現代病ともいわれている味覚障害は、年々患者数が増加しています。1990年〜2004年の間に、およそ10万人増え、24万人にまでおよんでいるのです。年齢的には5070歳に多く見られ、女性の発症率が高い傾向があります。

 

味覚障害の原因とは?

突発性……亜鉛の低下が原因のこともあります

薬剤性……抗アレルギー薬や鎮痛・解熱剤など味覚障害の原因となる薬が多くあります

亜鉛欠乏症……味蕾の新陳代謝が十分に行われなくなります

全身疾患……貧血や消化器疾患のほか、脳梗塞や脳出血、糖尿病など味覚を伝える神経経路に異常をきたす

口腔疾患……ドライマウスや舌炎など

心因性……ストレス、うつ病などによって亜鉛を使う酵素が味覚以前に消費される

加齢……年齢を重ねると味を感じる感覚器の機能が衰える

 

味蕾(みらい)の減少

味を感じる器官である味蕾(みらい)と呼ばれる約9000個の感覚受容体が、五大基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)の情報を受け取り、脳に伝えることによって感じます。しかし味蕾は加齢とともに減少するので、高齢になるほど味覚は衰えてきます。老化とともにこの味蕾は減少・委縮することが分かっており、高齢者の味蕾の数は新生児の3分の1にまで減少するといわれています。よって味が感じにくくなることは生理現象であるともいえます。残念ながら、加齢による味覚の減少は生理現象のひとつであり、改善はできません。

 

亜鉛の欠乏

亜鉛は体に必要な栄養素のひとつです。この亜鉛が欠乏すると味蕾(みらい)の働きが悪くなります。亜鉛はかきや牛肉・たまごなどに多く含まれていますが、食生活が乱れたり無理なダイエットをしたりすると不足しがちになるでしょう。

また、亜鉛が不足すると味覚障害のほかにも、髪や爪がいたんだりすり傷が治りにくかったりするなどの症状が出るのです。

 

だ液の分泌が減ったり鼻がつまっていたりする

だ液は味蕾(みらい)味の成分を運ぶ役割があります。ですから、何らかの原因でだ液の分泌量が減ると味を感じにくくなるでしょう。(シェーグレン症候群など)

唾液は、味の成分を溶解して味蕾へ運ぶ役割を果たしているので、味を感じるには唾液が必要不可欠です。また、唾液は味蕾細胞を保護する役割があります。

また、鼻がつまっていても味は感じにくくなります。特に、うまみなどの繊細(せんさい)な味が分かりにくくなるでしょう。

 

薬の副作用

特定の薬の副作用として、味覚障害が出る場合があります。キレート作用と言って、亜鉛の吸収を阻害する副作用が働くためです。

いろいろな種類の薬を、毎日飲んでいる方はどれがだめなのか、混乱するかもしれません。

かかりつけの医師や薬剤師に、症状を話してみるしかありません。ただし、このような副作用が出る薬は処方される際に医師や薬剤師から説明があるでしょう。薬の服用をやめれば、味覚障害も治ることが多いです。

 

脳の障害や心理的な問題

脳の味覚をつかさどる部分がダメージを受けると、味覚が感じられなくなります。脳出血や交通事故などで脳にダメージを受けると、まれに味覚が感じられなくなることもあるのです。

また、心理的なことが原因で特定の味だけ感じられなくなったりするケースもあります。脳のダメージが原因の場合は、残念ながら味覚を完全に取り戻すのは難しいでしょう。心理的なことが原因ならば、精神科の治療を受ければ回復する場合が多いです。

味覚障害の原因としては以下のものが挙げられます。

 

どんな治療をするの?

食生活の改善

亜鉛製剤の服用

味覚障害を起こす薬を違う薬に変える

原因の病気がある場合はそれを治す

唾液分泌低下の場合は唾液分泌促進剤の投与

カンジダ症の場合は抗真菌剤の投与

心因性の場合はカウンセリング

 

ストレスや疲れを減らす

普段の生活で、イライラしたり肉体的な疲れがたまることでも、亜鉛不足になります。

ストレスや肉体疲労が起こると、SOD(Superoxide dismutase)と呼ばれる酵素がたくさん使うことになっていまいます。このSODの原料に亜鉛が大量に使われるので、必要な量が味覚に回らなくなり、亜鉛不足となってしまう理由です。

 

 

味覚障害体験記  https://www.lissage.com/Kanpou/mikaku-1.html