腰が曲がる理由

 

腰が曲がって前屈姿勢になっている高齢者の方を見かけることがあります。
単に「老化現象」では片付けられない問題です。高齢者の腰が曲がる仕組みとしては3つの問題が有ります。

1つ目は「骨」の問題です。2つ目が「筋」の問題、そして3つ目が「神経」の問題です。将来、腰が曲がらないようにするには、どうすれば良いのでしょう?腰が曲がる仕組みと、それを予防する体の鍛え方を簡単に説明します。

 

骨の問題

女性の方に多い骨粗鬆症ですが、軽い衝撃でも脊椎の圧迫骨折を起こしてしまいます。椎体の前方部分がくさび形に潰れることが多く、ひどくなると背中から腰にかけて曲がってしまうことがあります。

高齢になると、とくに女性では骨粗鬆症になります。骨粗鬆症では、軽微な外傷で(外傷がなくとも)脊椎の圧迫骨折を起こします。腰椎すべり症で椎体が前方にすべり、不安定な場合にも腰曲がりが起きます。これらは構築学的な腰曲がりと言えると思います。

「骨」の問題に関しては、骨粗鬆症の治療を行い、圧迫骨折を予防することが大切になります。腰椎すべり症に関しては、現時点では予防は不可能です。

筋の問題

高齢になると筋に変性が起きます。背筋の脂肪変性がひどくなって萎縮すると腰を真っすぐに保つ力が弱くなってしまいます。骨に異常ないのに腰が曲がっている場合は、背筋に問題があると考えられます。

腰曲がりがあると、背筋は常に伸張された状態になります。この状態が持続すると筋の疲労、変性、萎縮が起こり、さらに腰曲がりが強くなってしまいます。

「筋」の問題に関しては、日頃からの背筋強化が必要です。筋力を強化すると腰曲がりを予防できる、というエビデンスはありませんが、全身運動と背筋強化は効果があると思われています。

神経の問題

加齢に伴い発症しやすい脊髄変性症になると歩行時に足が痺れたり、痛みを伴うなどの症状が現れ、時には会陰(えいん)部の感覚に異常が生じることもあります。

しかし、腰を曲げると歩行時に感じていた下肢のしびれや痛みが出なくなるため、だんだんと前屈みの姿勢が長くなってしまうようになってしまいます。これが神経からくる腰の曲がりの原因として考えられます。

神経を保護するために腰を曲げた生活を続けていると、腰の筋や関節などの拘縮が起こり、常に腰曲がりになってしまいます。脊椎以外に股関節や膝関節の拘縮が2次的に腰曲がりを引き起こしていることもありますので、注意を払う必要があります。

腰部脊柱管狭窄を予防する術は現時点ではありません。全てに言えることですが、腰痛や下肢痛・しびれが強くならない程度の全身運動を習慣的に行うことは、予防法として最も期待できる方法だと考えられます。

腰の曲がりを防ぐには

骨の問題である骨粗鬆症については、加齢や女性の閉経以外にも食事や運動の習慣などが深く関係しておりますが、骨粗鬆症と診断された場合は投薬治療によって改善を目指しましょう。

「筋」の問題に関しては、日頃の全身運動と腹筋、そして背筋強化が腰の曲がりの予防に繋がります。しかし、無理に背筋や腹筋を鍛えると他に障害が出る可能性があるため、無理をしないでゆっくり始めることが大事です。

簡単な背筋運動

散歩や買物で外出する時にはリュックサックを使う事をお勧めします。500mlのペットボトル等をリュックサック入れて歩くことで背筋に少し負荷が掛か、背中が真っすぐになります。

薄めの雑誌をリュックサックの背中に当たる部分に入れておくと背筋が伸びて良い姿勢になります。まずは無理をしない背筋に負荷をかけることから始めて下さい。

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1.  両手・両足を伸ばしてうつ伏せになります。

手の幅・足の幅は少し広めにとりましょう。(肩幅より広くしましょう)

2.息を吐きながら対角線上にある手と足を同時に持ち上げ、3秒キープします。

(右手と左足、または左手と右足)

反動を使わずにゆっくりと行いましょう。

背筋を使って持ち上げるように意識します。

手足を高く上げるほど負荷が大きくなりますが、慣れるまでは無理しないようにして行いましょう。

3.息を吸いながら、持ち上げた手足をゆっくりと下ろします。

4.反対の手足でも同様に行いましょう。

簡単な腹筋運動

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治療法

「治療をすると、曲がった腰がまっすぐになりますか?」

「おそらく今よりは、まっすぐになります」

 

脊柱管狭窄症の痛みをやわらげるには、どうしても「前かがみの姿勢」をとることが習慣となります。その姿勢で体の重心をとろうとした結果、腰が曲がってしまったからです。腰を大きく曲げないと、立ったり歩いたりするときに、重心がうまくとれません。

つまり、腰に問題があるから、腰が曲がったわけではないのです。

ではどこに問題があるのか?股関節です。

股関節が硬くて可動域が狭いと、人間の体は前後方向のバランスを取るために、腰を丸くせざるを得ないのです。継続してこの姿勢をとることで、筋肉が硬直し、背中が丸くなってしまうというわけです。

股関節がやわらかく可動域が広ければ、一時的に前かがみになったとしても、姿勢を戻せば、またすぐ元の位置に重心を戻すことができます。

しかも、ご高齢の方の場合、どうしても老化で上半身を支える筋肉の力が弱まっていますから、なおさら背中から腰が曲がりやすいのです。

 

また腰の曲がりは、血流障害からの回復を阻害するので、仙骨位置の修正体操と、股関節の周辺を温めると、痛みがやわらぐと同時に、腰の曲がりも徐々にまっすぐになります。

股関節の体操

片足抱えストレッチ

両足を伸ばして余分な力を抜いてから、片足を曲げ両手で抱えます。この時、膝が胸に触れる程度の柔らかさがあるのが理想です。

 

足の裏をくっつけて体を前に倒す

両足の裏を合わせた状態で、あぐらをかきます。その足を両手でつかんで、前方に体を倒していきます。

痛みを感じる少し前でとめて、15秒程度キープします。

 

仙骨と腸骨のロック(仙腸関節)を緩めるマッサージ

AKA博田法 (arthro-kinematic approach)関節―運動学