大勢の前で緊張して体が硬くなるメカニズムと対処法
「体が硬くなる」のは「心と体の回路」が発動したからです。
すなわち、過去に体験した時の緊張によって、心身に防衛反応回路が作成され、それが使われたからです。
いいところを見せるのではなく、自分の弱点を他者ともシェアする訓練が積み重ねていけば、体は柔和になります。
他者からどう見られても自分の中身が突然に変化することはないので、自分に誠実であれば、後のことは諦めるのがシンプルな対処法です。
他者からの評価がよくなくても、それは他者の問題であって、評価と自分の本質とは同一ではないから。
メカニズム なぜ緊張して体が固まるのか
脳が状況を「危険」と誤認する
大勢の前=「注目される=捕食される可能性がある」という古代の記憶(原始反応)。
扁桃体(へんとうたい)が危険信号を出して、自律神経の交感神経がオンになる。
交感神経の暴走アドレナリンとコルチゾールが分泌され、筋肉は「闘う or 逃げる」モードになる。
ところが壇上などで逃げられない状況では、「フリーズ反応(凍結)」が起きる。
交感神経がオンになると筋肉が収縮する
背・首・肩の筋肉が収縮する。
呼吸も浅くなり、脳への酸素供給が減少する。
こうして、肩に力が入り、顔が青くなり、頭が真っ白になる。
対処法 体+心のトレーニング方法
呼吸でリセット(最も即効性がある)
吸うより「吐く」息を長くする (たとえば3秒吸って、8秒吐く)
「吐く」ことで副交感神経が優位になり、大脳辺縁系は安全性を確認し、「大丈夫だ」と判断する。
1分続けるだけで手の震えや口の乾きが減少する。
緊張法 身体を“ゆるめる”ために逆に過度に緊張させる
緊張すると、筋肉の過収縮が生じた後には筋肉が緩和する。
そこで、あえて手足をグッと5秒間握りしめて、その後にスッと解放させる(3回繰り返す)
脳が「リラックス信号」を受け取り、筋肉の緊張度が下がる。
認識の切り替え
「見られている」→「共有している」へ変換する。
聴衆は「敵」ではなく「聞く役割を担う味方」。
大きな自分を見せたり、理念を発表したりするのではなく、本当に感じている確実なことだけを語る
慣れる 事前に言動を繰り返すことで、心身を慣らす”
声を出してリハする(無言で練習するのは逆効果)。
座って読むのではなく、実際の立ち位置・姿勢で練習。
脳が「これは危険ではない」と学習する。
深いレベルでの本質的対処法(潜在意識)
緊張とは「評価される恐怖」の反射。
つまり、「自我防衛」が過剰に作動している状態。
呼吸を介して「観察者としての自分」にスポットライトをあてる。
つまり、「緊張している自分を、ただ観る」ことができるようにする。
緊張=悪ではなく、「ただのエネルギー」と感じられるようになる。
「緊張を消そう」とするのではなく、
緊張があることに気づき、「いま、緊張している。でもそれも命の働きの1つ」と、ひと呼吸おくことで、
緊張を大事にしながら、「暖かさ・軽やかさ・柔らかさ・楽しさ」で包みこんであげる。
まとめ
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対処法 |
作用 |
具体的な方法 |
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生理的リセット |
副交感神経を優位に |
長く吐く呼吸 力の入脱法 |
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認知転換 |
「評価される」→「分かち合う」 自分を大きく見せない |
聴衆=味方と捉える 感じていることを真摯に話す |
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慣れ |
条件反射の安定 |
実際に声出し・姿勢練習 |
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内面の統御 |
緊張のメカニズムを認識して観察 |
瞑想・観察の訓練 |