呼吸瞑想　　Ānāpāna bhāvanā

現代

仏教以前

釈尊

具体的瞑想方法　　ヴィパッサナー瞑想センターにおいて

参考資料

凡ての人々に共通しているのが呼吸である。

人種や性や年齢、そして生物にも関わらず同じように呼吸している。

これを使って表面的な真理から究極の真理へ向かう方法が人類史の中で開発されてきた。

呼吸瞑想と一言でいっても、扱っている対象の領域が異なるので、呼び名は同じですが内容は各々違います。

意識を扱っているのが現代のマインドフルネス、

深層意識までを扱うのがインドの呼吸瞑想

そして涅槃というエネルギーが０の領域まで範囲とするブッダの呼吸瞑想です。

現代で行われている瞑想であるマインドフルネスはストレスを減少させたり、集中力を高めるのに有効です。

仏教以前のインドの呼吸瞑想は輪廻転生先を変えることが可能だとされ、聖人やyogiや修行者たちによって現在でも実践されています。

釈尊も実際に幼児期からインドの呼吸瞑想を実践しており、出家してからも、師であるアーラーラ・カーラーマとウッダカ・ラーマプッタの2人の下で呼吸瞑想に関わるであろう修行を学んだことが経典Pāsarāsisutta　MN26　　聖求経　英訳 に記されています。

3段階ある呼吸瞑想

	領域	エネルギー	仏教領域	輪廻	アプリ	効果・目標
現代	表層意識	素粒子、意識	欲界	人間界	変化なし	落ち着き
仏教以前	深層意識	意識、魂、霊	色界・無色界	31領域	残存	輪廻転生
釈尊	宇宙外	全意識、0	出世間まで	涅槃	全消去	常に楽な意識

現代

āna/āpānaは、呼吸のインとアウトを意味する呼吸瞑想

気持ちが落ち着き、集中力が増す。

マインドフルネスは、貪欲で憎悪の考えをやめることに有効です。

気が散るような考えが頭に浮かんだ場合は、それが「駆け回る」ことをさせません。

人によっては、今まで気づかなかった循環、消化、排出、代謝、分泌、体温、生殖などの器官活動にスポットライトを当てることができるようになる。

ストレスの原因を概観して、対策を立てることができる。

仏教以前

呼吸瞑想は、釈尊の時代にはヨギによって実践されていました。

ですから、釈尊も幼児期だけではなく出家してからも呼吸瞑想を学びました。

しかし、釈尊は呼吸瞑想に限界を感じたのはこれまでの呼吸瞑想では一時的に苦しみから離れることはできますが、Nibbānaすなわち苦しみからの永続的な救済につながらないことがわかったからです。

当時のバラモン教だけではなく、その後の上座部仏教や大乗仏教の中には、呼吸瞑想を究めることで、８または９段階の禅定に達することが可能になり、現在でもこの方法が伝えられています。

「定」の４段階（四禅定）

四禅（しぜん, Rupajhana）とは、初期仏教で説かれる禅定（ジャーナ）のはじめの4段階のこと。

三界（欲・色・無色）の内の色界に相当し、禅定の段階に応じてこの色界を4分割した四禅天の略称としても用いられる。

禅天の意味で用いる場合は、初禅天から3禅天まではそれぞれ3種の天をとり、4禅天は７種の天をとって合計で16禅天あるとする。　（四禅天には諸説あり、９種とする解釈もある。）

欲界11、色界16、無色界4の合計で31領域になる。

31領域での宇宙エネルギーの流転　　

初禅 paṭhama-jhāna (梵 prathamadhyāna)

諸欲・諸不善（すなわち５感覚器官からの信号に依存すること）を離れ、瞑想対象の尋・伺（すなわち覚・観）を伴いながらも、離による喜・楽と共にある状態。

第二禅dutiya-jhāna (梵 dvitīyadhyāna)

尋・伺（すなわち覚・観）が止み、内清浄による心の喜pitiと肉体の楽sukhaと共にある状態。

第三禅 tatiya-jhāna (梵 tṛtīyadhyāna)

喜を捨し、楽と共にある状態。

第四禅 catuttha-jhāna (梵 caturthadhyāna)

楽が止み、一境性（いっきょうせい）ekaggata一体感だけが残る。

段階

色界の定 (Rupajhana)
四禅	初禅	第二禅	第三禅	第四禅
諸欲(Kāma) / 不善(Akusala) (香・味・触の感覚・未熟な資質)	隔れ、離脱する	離れている	離れている	離れている
尋(Vitakka)(認識対象把握)	ジャーナに従う	静止する	離れている	離れている
伺(Vicāra)(認識対象維持)
喜(Pīti) (喜悦)	静まり、体に浸透する	サマーディが発生し 体に浸透する	消え去っている (苦とともに)	離れている
楽(Sukha) (安楽)			物理的に体へと 浸透する	放棄されている (痛みと同様に)
Upekkhāsatipārisuddhi (純粋、マインドフルな平静)	離れている	内面の安息を経て 精神が統一される	平静でマインドフル	マインドフル 喜びも痛みもない

釈尊以降

三蔵Tipitakaには呼吸瞑想についての多くのsuttāがあります。

Ānāpānassati Sutta (MNパーリ中部経典118)、Ananda Sutta (SN 54.13)、Padīpopama sutta (SN 54.8)など。

それらは、Ānāpānaが正しく実践されると、自動的にSatipatthāna、Saptha Bojjanga、およびすべての37の正覚の要因を満たし、Nibbānaにつながると明確に記述しています。

七覚支（しちかくし） satta bojjhaṅgāサッタ・ボッジャンガー

悟りに至る7つの支分。「七等覚支」（しちとうがくし）玄奘 訳「七菩提分」（しちぼだいぶん）地婆訶羅 訳

念覚支（sati-sambojjhaṅga） - 気づき（サティ）。心で今の瞬間の現象を自覚すること

択法ちゃくほう覚支（dhamma-vicaya（明確に分析・区分）--sambojjhaṅga） - 法の中から真実のものを選ぶ

精進しょうじん覚支（viriya-sambojjhaṅga） - 努力

喜覚支（pīti-sambojjhaṅga） - 喜びに住する

軽安きょうあん覚支（passaddhi-sambojjhaṅga） - 心身に軽やかさ・快適さを感じる

定覚支（samādhi-sambojjhaṅga） - 心が集中して乱れない

捨覚支（upekkhā-sambojjhaṅga） - 対象に囚われない

いつも中途半端な分析で終わっているという弊害があるので、全体性を把握するアプローチを試みても、これも失敗します。

なぜならば分析が途中で終わってしまうような能力では、全体性を把握することなどができないからです。

分析の失敗の中で多いのは、物質と心を混同したままでいることに起因しています。

そこから幻覚が生まれ、それにとらわれます。

āna/āpānaは、呼吸のインとアウトだけではなく、取り込み/取り出しも意味します。

仏教のĀnāpānassatiのsuttāsでは、assassa /passāsaすなわちāna/pānaは、具体的には、徳kusalaを取り込むこと/ 悪徳akusalaを取り除くことがānāpānasati bhāvanaの本当の意味です。

つまり、誤った八道を放棄して八聖道を進むということです。

涅槃Nibbāna は10の悪徳dasa akusalaを取り除くことで達成される、とされています。出典？

悪徳akusalaとは、「niyata micchā ditthi」すなわち「確立された間違った見方」を保持することです。

Ānāpānassati Sutta (MNパーリ中部経典118)では　

“..Ānāpānassati, bhikkhave, bhāvitā bahulīkatā cattāro satipaṭṭhāne paripūreti. Cattāro satipaṭṭhānā bhāvitā bahulīkatā satta bojjhaṅge paripūrenti. Satta bojjhaṅgā bhāvitā bahulīkatā vijjāvimuttiṃ paripūrenti.

翻訳すると「..Ānāpānassati」を使用し（bhāvitā　枠内にエネルギーを充満させる）、頻繁に使用（bahulīkatā）すると、4種類のSatipatthānaが完成（paripūreti）します。 Cattāro satipaṭṭhānaを頻繁に使用すると、Sapta Bojjangaが完成させます。 Sapta Bojjangaを頻繁に使用すると、完全な離脱vijjāvimuttiṃ（Nibbānaすなわちアラハンの境地）を完了します。

Ananda Sutta (SN 54.13)にもまったく同じ声明がされています。

またĀnāpāna Saṃyutta (SN 54)には、“Ānāpānassati, bhikkhave, bhāvitā bahulīkatā mahapphalā hoti mahānisaṃsā“と記述されています。

bahulīkatā

mahānisaṃsā

ここで、「mahappalā」（「mahā」+「pala」）は、Sotapanna, Sakadagami, Anagami,の悟りの4段階を意味します。

したがって、ānāpānassatiが単独で阿羅漢（アラハンArahant）の境地に至ることは経典では明らかです。

ānāpānassatiでサマタを得れば、別個であるヴィパッサナー（洞察）瞑想」をする必要がないことになります。

正しいĀnāpānassatiの育成がどのようにAriya jhānasとmagga phalaにつながるかの詳細な説明は、Padīpopama sutta (SN 54.8)に記述されています。

“paṭinissaggānupassī assasissāmī’ti sikkhati, ‘paṭinissaggānupassī passasissāmī’ti sikkhati”

徳を取り入れ(assasissāmi)、不善を除去する(passasissāmi)ことで、再生プロセスである輪廻(patinissaganupassi)からの拘束を除去して、規律(sikkhati)が育成される。

呼吸瞑想から発展した大念処経　逐語訳　Mahāsatipaṭṭhānasutta DN22　英訳Mindfulness Meditationは

修行内容を明確に記述した経として有名です。

サティパッターナsatipaṭṭhānā　　sati気づき、自覚、心構え　　　paṭṭhānā [pa+ ṭhā]　前に動かす、向ける

patthanā : (f.) aiming at; aspiration; desire.

paṭṭhāna (nt.) setting forth; putting forward; starting point.

たとえば、前半には

長く息を吸う時には　「長く息を吸っている」　と自覚します。

長く息を吐いている時には 「長く息を吐いている」　と自覚します。

短く息を吸う時には 「短く息を吸っている」　と自覚します。

短く息を吐いている時には 「短く息を吐いている」　と自覚します。

bhikkhu dīghaṃ vā assasanto ‘dīghaṃ assasāmī’ ti pajānāti,

dīghaṃ vā passasanto ‘dīghaṃ passasāmī’ ti pajānāti,

rassaṃ vā assasanto ‘rassaṃ assasāmī’ ti pajānāti,

rassaṃ vā passasanto ‘rassaṃ passasāmī’

dīghaṃ長く　　　　rassaṃ短く

assasanto吸う　　passasanto吐く

pajānāti：[pa +ñā + nā] knows clearly

ti　　　かのように　

と呼吸瞑想について言及しています。

参照　　　pure　dhamma（ウェブサイト）の解釈

「長い息を吸い込んで、長い息を吐き出す」とは、「古い悪い習慣を取り除き、古い良い習慣を育てる」ことを意味します。

短い呼吸についてではなく、最近取り組んだ良い習慣、および最近マインドに忍び込み始めた悪い習慣についてです。

破棄する必要があるのは、micchā diṭṭhi（間違った見解）、micchā saṅkappa（間違った考えやアイデア）、micchā vācā（正しくない、有害なスピーチ）、micchā kammaṃta（正しくない/有害な行動）、micchā ājiva（正しくない/有害な生き方）、micchā vāyāma（不道徳な活動に取り組む傾向）、micchā sati（不道徳な活動に集中する傾向）;そのすべてがmicchā samādhi（不道徳な考えや行動に没頭する傾向）をするときの結果です。

同様に、私たちが「取り込む」必要があるのは、sammā diṭṭhi、sammā saṅkappa、sammā vācā、sammā kammaṃta、sammā ājiva、sammā vāyama、sammā satiです。これを続けると、自動的にsammā samādhiになります。

別の言い方をすれば、Ānāpānasatiは八正道を「取り込んで」、反対のものを「捨てる」ことに他なりません。

悪い習慣（gati /āsava）は、不道徳または価値のない行為、言論、または思考に関連していますので、それらを破棄する必要があります。

悪い習慣に対抗するには、良い習慣を養う必要があります。そのためには、マインドに喜びをもたらす道徳的活動を行い、道徳的行動を育成する必要があります。

そして、これを常に行う必要があります。悪い習慣を取り戻したくはありません。つまり、私たちの実践の欠如を監視して、自分自身と他人のために有益な道徳的行為をする機会を探し続けます。

繰り返しの行為が脳の神経接続を強化して習慣を形成します。同じように、頭に浮かぶたびにそれをしないことで、悪い習慣を打破することができます。既存の神経の接続が弱くなっていくのです。

何を考えるべきか：「良いもの（kusalaすなわち道徳的なもの）を取り入れ、「悪いもの（akusalaすなわち不道徳なもの）を捨てる」ことを心に留めておくこと。

これがānāpānasati bhāvanaの本当の意味です。

Assāsa suttaとParama Assāsa sutta

この瞑想は、貪欲で憎悪の考えをやめることに有効です。気が散るような考えが頭に浮かんだ場合は、それが「駆け回る」ことをさせません。

これがいわゆる「マインドフルネス」です。そのような「さまよう考え」に鋭い目を向け、それが浮上してきたらすぐにそれを止めます。

ヴィパッサナー瞑想センターでのĀnāpāna瞑想の教え

このセンターではヴィパッサナー瞑想が効果的になるために、まずはĀnāpāna瞑想を学びます。

教えはシンプルで「自分の呼吸に気づき続ける」ということだけです。

何故、呼吸に気づいている必要があるのか？

最も微細な呼吸にすることで、

アヌサヤ・キレサという心の奥底にある濁りを取りさることができるからです。

anusayaとは煩悩のことで、コップの中の水泡だとしたら、

Kilesaとは煩悩の種のことで、コップの下に溜まっている物質です。無明とも呼ばれる宇宙にある普遍エネルギーがカタチになったものです。　

gati傾向 とāsavas汚れと anusaya潜在力とkilesa煩悩の関係は

仏教用語	パーリ語	コップの中の喩え	内容	具体的
煩悩	kilesa	泥（土と水）菌類、コップ すべての存在	無明 普遍エネルギー	本能・欲求 宇宙法則
有漏	asava	底に沈んでいる発酵体	貪瞋痴の回路	貪欲・怒り
随眠ずいめん	anusaya	底から表面に向かう水泡	渇望・嫌悪	欲望・願望
趣	gati	表面に浮かんでいるアブク	性向	傾向・習慣

心の動きは呼吸に影響を与えるので、呼吸を観察していると心の動きがわかります。

呼吸に集中すると、心は渇望や嫌悪や無知から一時的に離れます。

心が対象である呼吸に忙しくなって、他のことを考えられなくなるからです。

ここでの無知とは対象を理解できないことです。

確かに一瞬のことですが、渇望や嫌悪から自由になるので、その体験をまず確認することから始めます。

集中が強くなるにつれて、呼吸は小さくなり短くなり、呼吸を観察するのが難しくなります。

しかし、息をほんの少し押すようにして際立たせるというテクニックを使って、呼吸に気づき続けているようにします。

4段階の呼吸があり、31領域に例えると

呼吸	微細と粗雑	3界	意識　表層・深層
粗い	oḷārika　　オラーリカ	欲界の動物
微細	sukhumaスクマ	欲界の天部
もっと微細	ati-sukhumaアティ・スクマ	色界
もっともっと微細	passaddhiパッサディ	無色界

軽安覚支（passaddhi-sambojjhaṅga） - 心身に軽やかさ・快適さを感じる　との関連は？

すると、より微細な感覚を察知できるようになり、それに伴って意識のレベルが一段と深層に至ります。

こうして、これまでに気づかなかった自分の感覚や感情や思考のパターンが少しずつ確認できるようになってきます。

こうなるとこれまで潜在意識が入力に対して自動的に反応していたことを自覚することで、その自動反応回路の働き自体が弱体化し、最後にはそれらの動きを停止することができるようになります。

初期段階　　　　　　　　　　　　　　　　第一優先は心を静かに落ち着かせること

繰り返すことに怒りや悲しみを持たない

できるだけ柔らかな呼吸でいる。

強い呼吸になっても、怒りや嫌悪を持ってはいけない。

まだ粗い息をよくするという悪い癖があるなという事実をただ受け入れるだけで評価をしない。

この評価をしないというのが、これからもずっと守るルールである。

集中していても、しばらくしたらサマーディ（集中）が横道にそれる。

そうしたらまた強い決意を持って呼吸を鼻孔と鼻下で身体感覚で感じるという元の作業に戻る。

しかし、またしばらくしたら横道にそれる。

そうしたらまた強い決意を持つ、という繰り返し。

この連続性が修行の目的。

ですからずっと気がそれ続け、集中が続かないことをネガティブに想う必要は一切ありません。

集中が続かないこと、横道にそれること、によって訓練が続けられます。

心の反発

雑念が浮かんできたり、他のことを空想したり、過去のことを思いふけったり、未来のことを予想したり、となかなか自分の呼吸にスポットライトを戻せません。

時には嵐のような息遣いや感情や妄想に巻き込まれることもあるでしょう。

野生の牛の鼻輪に縄をかけると暴れ続けている牛がだんだんと馴らされていきます。

同じように、野生の心は反発して暴れまわりますが、その暴れる雑念に、呼吸という縄をかけて、鼻の下で意思の力でぐっと縛っておくと嫌がる心をだんだんと落ち着くように馴らさせることができます。

citta　 ekaggatā　　心を一境性に保つ、のがコツです。

ekaggatā一境性とは一点に集中していて、主客が１つになっている状態です。

つまり、夢中になって、吐く息と吸う息に神経を尖らしてその動きに懸命になって気づいている、ということです。

どんな激しい観念でも心が穏やかな状態で体験すると、その感情や思考が安まるようになるプログラムが虫から哺乳類に至るまで持っています。

逆に心が荒れた状態で体験すると、その感情や思考という回路が強く残存するようにプログラミングされています。

嵐

嵐と呼ばれる呼吸が急に粗くなることが度々起こります。

それは自分の中にある中層と深層にあるサンカーラによって引き起こされます。

これらのサンカーラを擬人化したものが悪魔マーラや悪霊たちです。

嵐が来た時には呼吸を強くする。

去ったらまた柔らかな呼吸に戻す

嵐が現れるのは瞑想がちゃんと行われている証し。

これまで押し込められていたコンプレックスなどのサンカーラが嵐となって表に出てくる。

したがって深く瞑想をすればするほど、これまで押さえつけていた嵐と出会うことになる。

嵐には立ち向かえ。

逃げても後で、もしくは来世でまた体験することになるのだから。

多くの嵐は瞑想を始めて3日目ぐらいで治まる

嵐との遭遇は最近のサンカーラsankhāra、もしくは過去に作った深いところにあるサンカーラに触れたことが原因。

サンカーラとは自分が知らぬ間に過去に作成した自動反応回路のこと。

切羽詰まった状況でも、即時に反応できるように潜在意識の内に作った条件反射のパターンのこと。

たとえば自分でも止めることができない急激な怒りや、トラウマもその一つ。

トラウマのような深いものは慎重に準備と対処をする。

はじめは難しいが何回も向き合うことを続けているとだんだんと嵐の激しさは治まってくる。

炭火に水をかけるようにはじめは音がジュッとするほど激しいが、続けると火は消え、やがて温度が下がる。

嵐への対処法

立ち向かうとは反発することではありません。

立ち向かうとは、ただ気づいているだけのことです。

そのうちに嵐は消えるのが自然の摂理だから。

歩くことも有効、しばらく歩きながら嵐を観察していればいい。

横たわるのも有効。できる限りリラックスして呼吸を観察していればいい。

それでもうまく行かない時には、自意識過剰にならないようにしながら、自分のパーラミ(Pārami：波羅密；完美的)がよい特別？の存在であると正思惟 Sammā-saṅkappaを使って自信をつけるのも有効。

呼吸を感じるのは聴覚ではなく、皮膚の触覚と冷・温感覚で

ヴィパッサナー瞑想センターでのアーナパーナはヴィパッサナー瞑想に移行する時の役割があるので、皮膚感覚が瞑想の対象となる。

皮膚感覚には多種の感覚感知機能があるが、呼吸の風と温度を感知するのは皮膚の触覚と冷・温感覚である。

弱い信号の場合は、この２つは非常に感知しづらいので、いろいろな工夫が必要である。

心をできるだけ落ち着けて、感覚をマックスに敏感にする

弱い呼吸の時にはあまりに弱い信号になるので、いかなる信号をも逃さないという決意が必要となる。

強い息からはじめて、徐々に弱くしていく

鼻下の場所をはじめに認定し、皮膚の感覚を次に認識してから息を迎える

聴覚に頼らない練習をする

吸う息の冷感と吐く息の温感を試してみる

息が出る時に小刻みに出ているように感じてみる

出る息が鼻下の皮膚にぶつかるように調整する

鼻下を濡らすことで息を感知しやすくする

鼻下が微妙に震えていることを感じる

マスクをして息遣いを感知しやすくする

アーリア人とモンゴロイド人では風圧を感じる鼻下の面積に違いあるかも知れない？

皮膚感覚 cutaneous sensation

体の表層にある触覚，圧覚，痛覚，冷覚，温覚などの異なった刺激の感覚がある。

哺乳類では

触覚感覚器はマイスネル小体，

圧覚感覚器は触小体，

冷覚感覚器はクラウゼ小体，

温覚感覚器はルフィニ小体，

痛覚は自由神経終末であるといわれている。

触覚と圧覚は触点(圧点)への機械的刺激により生じるが，前者は順応が速く，後者は順応がおそい。

ヒトが触覚で皮膚上の2点を識別できる能力は体の部分によって異なり，口唇部や指先の識別能力が最も高い。

ヒトの皮膚温度感覚は冷覚と温覚に分かれていて，それぞれ冷点と温点により生じる。

冷点は温点よりはるかに多い。

温度感覚はそれまで順応していた温度と深い関係があり，同じ温度でも低温から高温に向かうときと，その逆のときとでは前者は温覚，後者は冷覚となるのは，温点が活動するか冷点が活動するかによる。

痛覚の感覚点(痛点)は皮膚の4種の感覚点のうちで最も密度が高い。

ピンのような物で痛点を刺激すると初めに生じる痛みは鋭く一時的で，初痛または速痛と呼ばれる。

刺激後速痛の後に鈍い持続性の痛みが生じる。これを次痛または遅痛という。速痛と遅痛は伝導速度が異なる神経繊維が存在するために起こると考えられている。

昆虫などの体表には機械的刺激に応ずる毛状感覚子(触毛，位置毛)や鐘状感覚子(圧受容器)がある。また，温感覚細胞や冷感覚細胞がある感覚子も見いだされている。しかし，昆虫には痛点に対応する感覚器は知られていない。

中期段階

感覚の段階と呼吸の強弱

自分の精神状態が落ち着くにつれて、感覚も粗雑なもの（オラーリカoḷārika）から微細なもの（スクマsukhuma）に、さらに微細なもの（アティ・スクマati-sukhuma ati-超）そして、最も微細なもの（パッサディpassaddhi　　無色界の寂静）に移っていく。

目指すのはまず、ただの微細であるsukhuma。

感覚が微細になると呼吸もだんだんと微かなものへと変化していく。

ここで微かな呼吸と鋭い微細な感覚が結びつくと相互作用でマインドはより繊細になり、いままで気づくことができなった感覚がわかるようになる。

たとえば痛みのあるツボ、歯のかみ合わせなどの肉体的なものから、特定の怒りや悲しみなどがあるという心理的なものや当たり前として使っている思考パターンなど。

息遣いと門番

心が落ち着くにつれて、息があるかどうかの止まったかのような細やかな糸のような息が出入りするようになる。

自分の息に気が付けない時には、息を気持ちで少しだけ押してあげる。

気づかないからといって、強い息にしてはいけない。

鼻孔の下に門番がいて、入っていく息と出ていく息をみつめているイメージ。

心はこの息という風を感じる皮膚の感覚を一点集中してみつめている。

門番がしてはいけないのは息を追いかけること。感覚を感じる場所、つまり門の面積を限定し、そこの感覚だけを気づけるようにする。

このステージでの瞑想の対象は鼻下の皮膚の感覚の変化。

これが息に気づいている、ということである。

これが明確でないと、意識は対象の矛先を失ってしまい、しまいには眠りについてしまう。

一番の難所　皮膚の敏感さ

皮膚の感覚の変化に気づけるかどうかがポイント。

ちょうど気づけるぐらいに息を押してあげるのがコツ。

それでも気づけない時には呼吸のインを鼻孔を使って感知し、アウトは鼻下で感じ取る。

これはインド西部のATの教えてもらった方法。

鼻孔だけでしてみたら、鼻孔が熱くなり、腫れて鼻血ができるように感じたので止めた。

アーリア人とモンゴロイド人では息が鼻下に当たる割合が違うのかも知れない。

工夫の数々

始める前に鼻下をマッサージ

始める前に呼吸が当たるところを意識して迎え入れる

鼻下を水で濡らし、呼吸を感じやすくする

鼻下の髭を伸ばして呼吸を感じやすくする

鼻下にクリームを塗布

鼻下に息が当たり、感覚しやすい息を試行錯誤で作る

感覚を探しに行く

息をビブラートにして感知しやすくする

始める前に鼻下に意識エネルギーを照射して感度を上げておく

始める前に以前と比べて、心と体が軽く、柔らかくなったことを想い出す

kāya-passaddhi（身軽安）citta-passaddhi（心軽安）、kāya-lahutā（身軽快性）citta-lahutā（心軽快性）、

kāya-mudutā（身柔軟性）citta-mudutā（心柔軟性）kāya-kammaññatā（身適業性）citta-kammaññatā（心適業性）

kāya-pāguññatā（身練達性）citta-pāguññatā（心練達性）、kāyujukatā（身端直性）cittujukatā（心端直性）

31領域と鼻下の関連性を再考した工夫

鼻孔は人、境目は天人、鼻下の一点はブラフマーの入り口

微細な感覚を感じたい時には、

第一に心を静かに落ち着かせ、鼻孔いっぱいを使って、呼吸が鼻孔に当たるのを感じている。

それができていることを確認したら、次の第二で感覚の箇所を境目の一点に移行する。

吸う息のほうが感じやすいので、過呼吸に注意する。

胸が痛くなるなどの症状が出てきたら、鼻孔で吸う息は感じ、境目でゆっくりと長くした吐

く息は感じるようにする。

これで感覚が安定したら、最後の第三で感覚の箇所を境目から鼻下一点に移行させる。

微細な感覚を強く感じたい時には、

呼吸を細く弱く、たまには極端に止めることで、鼻下の一点に感覚がほのかに沸き立つ。

次には、その箇所にスポットライトを当てて、吐く息と吸う息で大きく強くなるように育む。

鼻下に優しい感覚があり続けると体が軽くなるように感じたり、手が小さく感じたりすることもある。

頭が強ばる理由

皮膚感覚が息に気づくことができずに意識が矛先を失っている時に、無理矢理に息を探そうとして鼻下に力を入れると、意識エネルギーがそこから頭にひろがり、後頭部から前頭部まで繋がって覆うように圧迫感を感じさせる。

このような時には逸る気持ちを抑えて、ゆったりと対応するのが良い。

気長にどうすれば皮膚が息を感知できるか、いろいろと工夫するのである。

たとえば、息を少し強いレベルにして、まだ敏感ではない鼻下の皮膚感覚にでも察知できるようにする。

鼻下の面積を拡げる

鼻下の感覚を制限して、すべての感覚ではなく、息があたることだけにすることで楽になる

関心を鼻下一点ではなく、息があたる瞬間だけにする

参照　皮膚感覚で息を感じることができない時の工夫の数々

したがって頭部の圧迫感の原因はまだ敏感になっていないのに無理に力をこめるはやる気持ち。

自分から呼吸する機会を減らして、呼吸を鼻下で感じれるのを「待つ」という忍ぶ心持ちが、圧迫感から解放されるきっかけになる。

感覚の敏感度は徐々に上がっていくものだから。

この強ばる時の前触れは、鼻下に波動があり、しばらくして鼻がツンとする特徴がある。

瞑想とは力が入るものではありません。

その反対にいかに力から脱するかを究めるものです。

呼吸は小さく、細く、針の穴を通すような、

感覚は弱く、壊れやすく、震える、フラジルな、微かな、消えそうな、わずかものに、

意識は深く、微細に、儚く、全体的なものに移行していく。

そこに至るのに力は必要なく、逆に力は取り除かれていく。

そして、より微細な意識になった時に、意図すれば集中力という強いパワーを内外に駆使することもできるようになる。

察知できない時には息を止める試み

息が弱くて体感覚では何も察知できない時には強い息にするだけではなく、一度息を止めてみることが効果がある。

すると鼻下にジワジワするさざ波を感じる場合がある。

なにをやっても鼻下の感覚を感知できない時

鼻と接した皮膚の一点で息を感知します。

あまり力を入れると鼻がツンとして痛くなるので、優しく、丁寧に、ゆっくりと、その一点の皮膚の感覚の変化にスポットライトを当てていきます。

すると、そこに感覚の強弱や、質の変化があることを認識できることがあります。

しかし、理想は鼻下から上唇の間の少し大きい面積です。

理由は、あまり面積が小さいとヴィパッサナー瞑想をする時に、力が集中しすぎて痛くなったり、スポットライトを動かすことに終始してしまうので、小さい面積の強い力より少し大きめの面積のほうが使いやすいからです。

鼻の下の感覚

人によっては炭火のように熱くなったり、重くなったり、軽くなったり、痺れたり、震えたり、脈動など色々なケースがある。

続けていると綿のようにフワフワとして溶けていくような感覚にもなる。

後のヴィパッサナー瞑想の時には、体がバラバラに融解して固体感が消え去り、綿のようになるのを感じる。

ヴァイブレーション

鼻下にさざ波、ヴァイブレーションを感じはじめる。

時に脈動のような大きなヴァイブレーションの場合もある。

すると、より小さな細やかな感覚に気づいていられるようになる。

炭のように、息が通ると強い感覚がし、息が通っていない時には感覚は弱まる。

鼻孔の下にある感覚と呼吸にスポットライトを当てることで、瞑想中は心を思考の連鎖に奪われない。

さまざまな回路が生み出している嵐にも微動だしなくなる。

そして、思考とは時間のかかる粗いものであることに気づく。

なぜならば、思考が最後まで行かない途中であっても、呼吸の気付きに戻ることが可能になるため。

感覚するのを一点だけに絞ってみる　　

瞑想対象を１つの点に集約できるとエネルギーの威力が増し、ビームのように取り扱いやすい

瞬きしないで炎を１分にわたってでも見続けるような徹底的な意識集中力が必要である。

コツは

呼吸の短くゆっくりした微小な息のインとアウト

するどい意識、深い意識

集中を最低でも1分は続ける決意　　　　　　後に3分

Samadhi突入

サマディといってもジャーナではないので本物ではない。

瞬間的なkhanika、５分ぐらいのupacara 、そして本物のappana、とサマディーには３段階がある。

何度も練習をして、瞬間的なものから最低２分は持続できるものにしていく。

感覚と呼吸と意識には相互作用がある。

感覚が粗さから繊細に、呼吸が柔らかく細く短く、意識が鋭くなるのがupacaraサマディの条件になる。

この状態をサンタティsantati　 持続、相続、連続性することで、サマディに達することができる。

瞑想対象をkammaṭṭhāna業処と呼び、このkammaは仕事、働き、ṭhānaは場所を指すので、これは「仕事」や「事務所」の意味になる。

この瞑想法の対象は息の風を感じる皮膚の「感覚」である。

これを明確にすること。

微細な息にとどまれ。

そしてその時の感覚を意識せよ。

感覚が鮮明にはっきりすれば、それが意識を留めさせる。

するとその意識が後にバーバ・サンカーラであるanusaya潜在力とkilesa煩悩を解体するメカニズムは？

後期段階

サマディーを深くすることでもっと心の奥にあるサンカーラまで手術、すなわち解体できる。

鼻孔の下の箇所に風が当たる感覚を感じながら、息の入出にずっと気づいている。

１分ではなく２分、５分、１０分。

安定してくると息はだんだん弱くなり、まるで糸のような空気が入り、出るようになる。

あまりに細く、気づかない時があるので、その時には気づきを鼻下の感覚に移行して、集中を維持する。

時に呼吸をしていない時間があるが、気にしなくても大丈夫である。

生命体には呼吸していない時間もある。

またあまりに小さな呼吸で感知できないときもある。

この意識を得ることができると、後のヴィパッサナー瞑想で体中を隈無くスポットライトを当てることで、これまでに気づくことができなかったしこりや淀みや結び目を見つけることができる。

そこにスポットライトを数分間ずつ当てることで対象が変化して、違和感が減少する。

肉体レベルだけではなく、心理レベル、思考パターンレベルの淀みや結び目にも気づくことができるようになり、この意識を使えるようになる。

この準備をするのがヴィパッサナー瞑想におけるアーナパーナ瞑想の役割である。

3段階における特徴の相違点

段階	瞑想対象	原因	呼吸	目的
初期	鼻孔の呼吸	呼吸	ありのまま	呼吸に関心を継続して集中
中期	鼻下の感覚	呼吸	皮膚が感覚できるように作る	皮膚の感覚に関心を集中
後期	鼻下の感覚	意思	極端に微小に	集中を2分間以上は継続する

4つの段階の呼吸

粗い　　　　oḷārika　　オラーリカ　　　　欲界

微細　　　　sukhumaスクマ　　　　　　　欲界の天部　　　潜在意識との扉を開ける

もっと微細　ati-sukhumaアティ・スクマ　　色界　　　　　　中間意識との扉を開ける

もっともっと微細　passaddhiパッサディ　　無色界　　　　　深層意識との扉を開ける

passaddhi寂静　calmness； tranquillity； serenity　心身の軽快さ　　

パッサディpassaddhi　と無色界と涅槃の関係性は？　　涅槃とは違い振動すなわちエネルギーが有る。

センターのアーナパーナを習得するのが難しい理由

１つは同じ呼吸瞑想と思っているかもしれませんが、メカニズムが3段階あり、それぞれが別物であることです。

１段階目は普通の呼吸瞑想です。

自分（表層意識）が鼻孔を通じて呼吸を意識しています。

感じる場所は鼻孔で、瞑想対象は呼吸の風と音です。

２段階目は

ここでは自分が呼吸を感じると言うよりは、鼻下の皮膚に感じさせるのが瞑想者の仕事です。

感じる場所は鼻下の皮膚で、瞑想対象は呼吸の風です。

ここが一番難しいところです。

途中から呼吸の風圧があまりに小さくなるのでそれを感じることが難しいからです。

極端に敏感にならないと察知できないので、この段階に入った時には、何が何でも感知してやるという決意が必要です。

多くの場合はここで集中が途切れてしまい妄想の中を漂う結果になってしまいます。

慣れるまでは鼻下の窪みを舌先でなめてあげて風圧を感じやすくするのも１つの方法です。

成功すれば鼻下の皮膚にヴァイブレーションが起こっているのを確認できます。

３段階目は

呼吸の風圧がなくても感じ続けるために

感じる場所は鼻下の皮膚で、瞑想対象は呼吸ではなく皮膚の感覚です。

そして肝心なのはその皮膚感覚に刺激を与えているのは呼吸ではなく意識エネルギーであることです。

この意識が皮膚感覚を刺激していることが確認できると、この成功体験をヴィパッサナー瞑想で応用します。

意識エネルギーが一点に集中されるとそこがヴァイブレーションを起こすという摩訶不思議な現象が起きるからです。

意識とは実はエネルギーであるので、それが照射されると対象が変化します。それが十分に強いエネルギー出会った場合は皮膚にヴァイブレーションが起きます。

と言われても信じるわけはないでしょうが。

だって私が他者の皮膚に意識を集中しても、その人はヴァイブレーションを感じないからです。

これは自己催眠なのか、思い込みなのか、それとも自分の体だけに起きるものなのか？

たとえばカメレオンが自分の目から入った信号が脳を通じて体色を変化させたように。

ヴィパッサナー瞑想の特徴

ヴィパッサナー瞑想は釈尊の呼吸瞑想を拡大活用した瞑想法です。

釈尊の呼吸瞑想は、鼻下の体感覚を鋭くして意識を色界と無色界まで拡げて、サンカーラを消去するものですが、

ヴィパッサナー瞑想は、鼻下の一箇所だけではなく、体の隅々までに拡げたものです。

詳細の実践方法は　Mahāsatipaṭṭhāna sutta DN 22　大念処経　英訳The Discourse of Mindfulness

どちらも微細な領域まで感覚するので、そこにある各段階の意識にある自動反応回路にスポットライトを当てて、その回路自体の存在を表層意識で認識します。

するともうそれは無意識でもなく、自動反応でもなく、認知できる因果関係になってしまうので、その回路はもはや勝手に発動することがなくなり、最後には消し去られてしまいます。

ヴィパッサナー瞑想におけるアーナパーナ

没入のjāna禅定ではなく、呼吸と意思で皮膚の感覚を気づける箇所を鼻下につくるのが目的。

この感覚の鋭い箇所を作ることで、より深層の意識にアクセスすることができるようになる。

敏感な皮膚感覚を一箇所作れれば、これによって意識エネルギーを意思の望む箇所に操作することが可能になる。

後にこの一点を体全体に拡げていくとヴィパッサナー瞑想になる。

ヴィパッサナーで体全部をより微細な段階の感覚で感じることで、その段階にあるサンカーラ（結び目、淀み、パターン、作った回路）が感じられ、それを意識することによってサンカーラは弱体化する。

サンカーラの特徴は自動反応なので、その入出力の流れ（回路）を見られることで、それは意識されたものになるので、もはや自動反応回路、すなわちサンカーラではなくなる。

体の所々にある濁りや結び目をより微細な感覚で見つけ、次第に体から感覚、感情、思考のパターンにスポットライトを当てることで、それらを解体していくのがヴィパッサナー瞑想のメカニズムである。

微小な呼吸を小さな部分で感覚できるようになると、それが微細な感覚と深層意識に入るためのスイッチにする

ことができる。

微細な感覚を強く感じたい時や継続させたい時には、呼吸を細く弱く、たまには極端に止めることで、鼻下の一

点に感覚が沸き立ち、継続する。

次には、その箇所に意識のスポットライトを当てて、吐く息と吸う息で大きく強くなるように育むと、自動的

に感覚は敏感なままの状態を保持する。

スイッチを押すと深層意識の探索がスタートして、結び目や塊や濁りや淀みを見つけることができるようになる。

同時に全身にヴァイブレーションを感じることができるようになるが、この現象に関心が向かうと、本来の目的である結び目の発見と融解することができなくなるので、注意が必要である。

これで深層で待ち構えている？嵐に立ち向かうことができる。　メカニズムは？

自分の意思に関わらず、過去に作った感覚の反応回路が発動したのが嵐の原因だが、表層意識がヴァイブレーションを感じているならば、その波動によって回路が弱体化、解体するからである。

アーナパーナの効果は、集中力の向上だが、このスイッチをつくることがヴィパッサナー瞑想センターにおけるアーナパーナの目標である。

スイッチを表面に押し出すトリガーは私の場合は、まず心を落ち着けてから、次に鼻下の一点に息を吸い込み、息を20秒ほど止めることである。するとその一点に変化が現れる。暖かくなったり、ツンとしたり、しびれたりと毎回決まった変化があるわけではない。

ポイントは「待つ」ことである。

自分の意志を使ってその地点に力を入れたり、動かすことは避ける。

そのような感覚が蠕動しはじめるのをただ待つことを受け入れるのである。

次に息をその地点に向かって吐き出し、その地点で息の流れを感じれるように感覚を研ぎ澄ます。

このような呼吸を数回することで、このスイッチを実際に感覚できるイメージのカタチになる。

どうしても吐く息が感じられない場合は、前言を翻して、スムーズな１息で「待つ」のではなく、断続的な息に変えて鼻下の一点で感じやすいものにする。

日常の感応値

普段は感応値が低いために日常生活が快適に過ごせている。

もし脈動、わずかな空気、五臓六腑の変化を感じていたら暮らしづらくなるだろう。

だから必要なときにだけ感覚と意識を変えるのがこの瞑想のメリットである。

まだはっきりとわからないこと

まだわからないのは感応値が上がることで、色界のレベルの察知ができているのかどうか？

色界とは意識界、無色界とは「カンマの種」がある魂界のことを言うのか？

感応値が上がることで、意識はどこまで深層化するのか、またサンカーラを塊としてではなく、パーツまで視ることはできるのであろうか？

サンカーラが塊として感知された場合、それに気づきそこにスポットライトを当てると、どのようなメカニズムで解体されていくのか？

自分は普通で元気だと想っていても、ツボ棒を体に当ててみると想わぬところが触れるだけで痺れることがある。

ツボとは肉体的サンカーラが現れる箇所だといっていいのであろうか？

坐り方の研究は大いに必要だ

足の接地面積を大きくする。

柔軟性を養う順序を学ぶ

尻と太ももの裏側のスジをストレッチする。

正座をして太もものスジをストレッチする。

クッションと布の使い方をマスターする。

骨で坐る

布の圧を利用して楽にする

ツボ

過呼吸

心身症の息ぎれは，発作的に呼吸の深さ，数が増加し，二酸化炭素が体内から洗い出されて血液がアルカリ性となり，手足のしびれ，痙攣(けいれん)，失神発作まで起こすことがあり，過呼吸症候群 hyperventilation syndrome と呼ばれる。

［治療］　　原因として，肺機能障害，酸塩基障害がある場合は，障害の是正に努める。呼吸筋麻痺による息ぎれには，人工呼吸器による補助呼吸を行う。中枢神経障害，心因性原因による場合は，鎮静剤，精神安定剤を用い，また精神療法が有効な場合がある。肺機能障害による息ぎれには，酸素吸入が有効なことが多い。ただし，気管支喘息の息ぎれには無効な場合が多く，また，元来，二酸化炭素の蓄積のある肺疾患では，酸素投与量は慎重に少量から始めなければならない。

jānaという新しい認識の仕方

集中度の高い眼耳鼻舌身の五門に頼らないサマーディ瞑想が禅那jāna

五門から得る情報を正しいとは判断せず、鵜呑みにしたり、信じたりしない。

五門からの情報を土台にして利用することで、五門から離脱できるようにする認識方法。

五門から入る情報の次元から離脱できると、第一禅定が生まれる。

禅定は欲界の意門心路は心が勝手に作る幻覚なので、これも利用しない。

禅定は五門と意門からの信号からではなく、心だけで認識する方法。

３つ認識プラス１

外からの信号（五門）や内からの信号（意門）に頼る欲界認識

物質はあるが五門と意門に頼らない色界禅定

物質そのものがない無色界禅定

特殊な2種類の意門の認識方法を作り上げるのが瞑想する意味。

色界・無色界の禅定による認識と覆いを外した出世間の領域での認識の仕方

瞑想が進んでいる身体の軽さと喜びの実感

眼耳鼻舌身への未練がどんどん消えてきて心が落ち着いてくると、身体も楽になる。

そしてたまに身体が軽く感じる。綿のように、空気のように、身体には何の物質もないのではないかと感じる。

どんどんと喜びが生まれ、体重を感じないので、歩いても坐っても疲れがない。

禅定に入る前からこのような喜びはある。

欲界の喜びとは質が違い、ただ何もなく喜びがある。

心には希望がない。しなければならないこともない。

このような状態の喜びである。

サマーディ瞑想のメカニズム

意門での思考を止めるのがポイントなので、途中から思考が生まれないように、先に意門を利用することで、考えが飛び込んでくるのを防ぐ。

たとえば目の前にあるモノを言葉に出して念じ続けるとこで、心は妄想することができなくなる。

心は一つしかないので、同時に二つ以上のことをできないので、念じるという行為で心のはたらきが独占すると、他のことができなくなるからである。

また、同じものをずっと見ていると、眼を閉じても、それと同じものを見ることができるようになる。

たとえばコントラストの強いものを見ていると眼を閉じても残像があるように。

同じ対象物を２時間〜４時間かけて見続けると、同じ信号だけを認識し続けると心はその信号を学習し、対象を見なくても、心がその認識を作るようになる。

それからさらに瞑想を続けていると、さらに純粋な認識が生まれ、対象物がさらに強く見え始めるようになる。

これは心のはたらきの特徴である。

外界を見る視覚に頼っているのならば、このように見えることはない。

このような体験をすると、見ることも心のはたらきであって、眼でみるだけのものではない、ということを実感する。

こうしてさらに強烈に純粋な光が見え始めるので、意識をさらに強くする。

それから、その純粋は光に集中して瞑想すると、光がかなり大きく見え始める。

これが見えたら心に第一禅定が生まれているという一つの証である。

いわゆるこれが梵我一如の一体感である。

この純粋認識の世界には色界が４，無色界が４の合計８段階のステップがある。

「眼がなくても見える、耳がなくても聞こえるという体験をし、五門を通さなくても認識が生まれる」ことを実感し、いわゆる超能力と言われることの可能性も考慮に入り、実体験することでさらに理解できるようになる。

欲界を捨てない限り禅定の見込みはない

この五門の信号に頼る世界に深い意味はなく、単なる表層で、こだわる価値がないことを実感しないと禅定を体験するのは難しい。

欲界の「俗世間の快楽は微々たるものだ。無意味なのだ」という程度の理解の智慧paññāレベルであっても禅定を得るには十分であるらしい。

だから絶対神を信仰していても、サマーディ瞑想で禅定に達することは可能である。

捨てることを前提にするだけで智慧がすでにあるので、それほど難しいことではないらしい。

禅定の心路citta vithi

manōdvāracitta vithiの長さは通常、平均して10〜12cittāですが、jhānaにいる間にはmanindvāracitta vithiは多くのjavana cittāを持つことができます。

jhānaの最中では、そのような長いmanōdvāracitta vithiは、間に生じるpancadvāracitta vithiによって中断されます。これが、jhānaの最中に外部の音を聞くことができる理由です。

しかし、jhāna samāpatti（禅定）では、単一のmanōdvāracitta vithiが長時間中断されずに続き、javana cittaが中止されることなく発生します。

B B B B B「BC BU MD J J J J J J J J J J J………..

したがって、Bhavanga状態に戻ることはありません。すなわち、pancadvāra citta vithi や別のmanōdvāra citta vithiが発生することはないので、外の世界で何が起こっているのか分からなくなります。

したがって、samāpatti（禅定）に入る前に、実践者はsamāpattiに滞在する時間を決定します。

これが、jhāna samāpattiに入ることができる人々がJavana cittaの真の力を本当に発揮できる理由です。

これを視覚化できる喩えで表すと、マッチ棒の火でオイルランプ（オイルに浸した芯）を点火するとき、マッチ棒の火が芯の近くで安定せずに動いてしまう場合には点火できませんが、火を安定して保持できれば、すぐに点火する状態です。

レーザー光線の喩えを使うと、レーザービームのスポットが金属板の一点に安定して保持されない限り、そこは加熱されず穴はあきません。

jhāna samāpattiとは、レーザービームをある一点に長時間にわたり安定して保持するようなものです。

Citta vithiは常に、過去のkamma、つまりkamma vipakaによる外部からの感覚入力から始まることを理解することが重要です。

Jhānaに至る時のcitta vithi

B B B「BC BU MD P U A G Jh」B B B

B B B「BC BU MD U A G Jh」B B B

1つ目は普通の人のjhānacitta vithiで、2つ目は、「より高い智慧」を持つ人のためのものです。

B、BC、BU、MD、

Parikamma (P), Upacara (U), Anuloma (A), Gotrabu (G) 次に、Jhāna（Jh）cittaを通過します。

サマーディ瞑想のステップ

対象を決める。モノ、カミ、呪文、音、呼吸、変化、踊り

自分が対象に関わり近づき、スポットライトを当てる。

対象に集中することで禅定が生まれる。

禅定（サマーディ状態）とは、自分という主体が消えて、対象と区分がなくなる「一体感」である。

具体的には、

瞑想をすると、対象がどんどんと明確になってきて、光になる。

それを眼耳鼻舌身からの信号としてではなく、神経管が認識する。

対象を五感覚器官を通じずに神経管で受け取っている。

こうして、外からの光の情報はなくても、体内の認識力だけでそれを感じ続けている。

これをuggaha nimittaという。　uggaha取得taking up　　 nimita相mark，sign； image； target，object

さらに瞑想を続けると、完璧なカタチで見え始める。これをpatibhāga-nimitta似相とよぶ。

さらに瞑想を続けると、その対象が襲ってくる。

もしくは襲うように引き込まれて、対象と自分が一体化してしまう。

これまでに対象していたものが自分を襲ってきて、自分を抑えて自分に乗り移ってしまう一瞬の出来事である。

この認識の次の瞬間は有分心になる。

自分と他という区分が消える瞬間にこそ喜びが究極的に強烈に感じられる体験である。

サマーディ瞑想では対象が体の中にありありとそのまま観えることである。

対象を眼で見てなくても、厳密に明確に観えることが必要な条件であり、これを実践していると喜びを感じる。

宗教に関わらず、誰にでも体験できる。

問題はこの経験から離れなくなるなり、自分の体験に執着して絶対視をして、他者の話を聞かないようになる。

仏教は瞑想の世界が陥る偏見の闇に光を当てて分析し、科学的に心理学の立場で解説しようとしている。

禅相nimitta―禅定を修行するとき、心が専注する対象。イメージでもいいし、概念であってもよい。

取相uggaha-nimitta―取得した禅相。学んだ禅相。定力が上昇したとき、息の相が心によって徹底的取り入れられたときの禅相。

似相paṭibhāga-nimitta―取相の禅相に似ている。定力が更に深まったとき、非常に取相に似た禅相が心の中に、安定的に生起する。それは純潔で欠陥がないとは言え、やはり修行によって生起した一種の概念に過ぎない。

禅那jhāna―心が完全に専一的な状態にあること。

＜清浄道論・第三品＞では、「心と心所を平等（<説>よいバランスを保つこと）にし、落ち着かせ、散乱させず、雑にならないようにして単独の対象の中に安住すること」と述べている。

＜長部Dīgha Nīkāya＞では、禅那の心を「寧かで静か、清浄・透明で、すでに育成されており、邪悪なく、柔軟・従順で堪能、強固で沈着して、不動である」と禅那の心には強力な生命力があることを示唆している。

禅那は通常四色界禅を指すが、四無色界禅を含むこともある。

ニミッタの出現

　集中力が出てくると、黄色やその他の色が目頭からおでこにかけて見えてきます。継続的に30分ほど呼吸に集中していると、顔の前に、明るい光が見えてきます。

それはさまざまで、異なった色が見えたりしますが、目を開けて、「これは何だ」と見てはいけません。

あくまでも呼吸に集中し続けます。この時点で光の方に注意を向けると、集中力は途切れてしまいます。

質問：好奇心が湧いて、これは何だろうと思って見たくなってしまうのですが。

答：見てもいいですが、初めのうち光の方を見るとすぐになくなってしまいます。そして集中力が途切れます。

訓練を続けたい時には、光の方を見ないで、呼吸に集中します。

　呼吸に集中し続けると黄色やオレンジ色が見えてきます。そして、さらに呼吸に集中し続けるとその色は、だんだんと白く変わっていきます。色が白くなっても呼吸に集中し続けて下さい。そうすると白い色がさらに明るさを増し、クリスタルのように透明になってきます。

　そしてこのニミッタ、（相、イメージ）が10分間も安定しているようなら、今度はその光のニミッタの方に集中します。つまり、ニミッタには3段階あります。

1、黄色、オレンジ、その他の色として現れる。

２、色が白くなってくる。

3、さらに輝きを増し、透明になる。

ゆっくりゆっくりとこのニミッタが安定してきたら、集中力を呼吸からニミッタの方に移します。

質問：「見たい見たい」と思って見てしまって、そこでニミッタがなくなってしまいます。どうやって引き伸ばしたらよいでしょうか。

答：それは心が興奮しているからです。静かでなくなっているからです。リラックスして心を静めましょう。

　そしてニミッタに集中して、1時間、2時間、心が外へ飛んでしまうことなく集中していると、身体の感覚がなくなります。ただ、心とニミッタだけになります。それが禅定です。禅定には初禅から四禅までありますが、そこまで到達するには、先生の案内が必要です。急がず、ゆっくりゆっくりとやっていきましょう。

禅定の安止

#16 jhāna-vīthi, magga-vīthi　　禅の路、道の路

Appanā-javana-vāre pana vibhūtāvibhūta-bhedo natthi.

Tathā tadārammaṇuppādo ca.

一方、安止の速行の仕方では、明瞭と不明瞭の区別はない。

またそこでは、彼所縁は生まれない。

bhedo：Breaking; rending; division; disunion; breach，schism; sort，kind

光の対象が見えたとしてもまだ次元を破ったとは限らない。

一体感が生まれて、これまで意識で認識していたのが、意識することもなく自動的に動く瞬間があり、自分でなにもしようとすることなく、ただ認識が流れていく。

ただ心が流れている。

そのような一体感のような、自分の意識が消えてしまう瞬間が次元を破った一つの証である。

Tattha hi ñāṇa-sampayutta-kāmāvacara-javanānam aṭṭhannaṃ aññatarasmiṃ parikammopacārānuloma -gotrabhū-nāmena catukkhattuṃ tikkhattum eva vā yathākkamaṃ uppajjitvā niruddhānantaram eva yathārahaṃ catutthaṃ pañcamaṃ vā chabbīsati mahaggata-lokuttara-javanesu yathābhinīhāra-vasena yaṃ kiñci javanaṃ appanā-vīthim otarati. Tato paraṃ appanāvasāne bhavaṅga-pāto va hoti.

その場合には、智相応欲界速行心8つの中のどれか一つが遍作、近行、随順、種姓という名前で4回、ないし3回、順次に生まれて、滅するとその直後に、つまり5回目、あるいは4回目に、大心と出世間心の速行心26の中のどれかの速行心が導引力によって安止の心路に入る。その後、安止が終わったら、有分に落ちる。

aññatara：a. [añña他other の比較級] 隨一，二者の一，或る.

appanā-vīthi　　　安止の心路

遍作parikamma

準備という意味　　あまねくよく準備している

近行upacārā

近寄るという意味　禅定に近寄る、似ている心

upaそこら辺　cārā歩いている　　　中に入ったわけではないこと

強引に瞑想している状態で、サマーディの味をまだ味わっていない。

随順anuloma

ほとんど似ているという意味　　　禅定サマーディにピッタリ付き従っている

種姓gotrabhū

gotra家族・家系、bhūなりました、生まれたという意味で、「家系になった」

次元を超えた世界の住人になったという意味。

gotrabhūの心が生まれたら、次の速行心は必ず禅定心になる。 B B B「BC BU MD P U A G Jh」B B B

しかし、これはまだ欲界善心の心で、色界のものではない。

安止定appanā-samādhi

本物の禅定心　　サマーディに入って、安定して、そこに止まっている状態の心

appanā：f. [Sk. arpaṇa. cf. appeti] 安止，根本定

近行upacārāと安止定appanā-samādhiの混同

近行の結果として、心が清らかになり、なかなか怒ることも欲が生まれることもなく、落ち着いた状態になるため、。多くの修行者が近行で「これでいい」と満足して修行を止めてしまう。

近行では先が見えないため、先を見ようとはせず、それで安心してしまうため

安止定は、心の何かが切れて「破った」という認識があり、次元を破って上に飛んだという経験がある。

膜を破って飛び出し、もう元には戻らない状態を経験する。

安止速行の法則

禅定安止の法則

#24 appanā-javana 安止速行

ādikammikassa pana paṭhamakappanāyaṃ mahaggata-javanāni abhiññā-javanāni ca sabbadā pi ekavāram eva javanti. Tato paraṃ bhavaṅga-pāto

一方、初めて人が最初に得達する時は、大界の速行心と神通の速行心は、いつでも1回だけ速行する。

その後、有分に落ちる。

ādikammika：[m.] beginner

paṭhamako：First，previous

appanā：f.　安止

禅定に慣れると安止速行心がずっと続く

初めての禅定では1回しか禅定の心が生まれないが、次からは延ばすことができる。

すると速行心は7つという法則も変わり、1つの心路の中で、100でも200でも連続して生まれる可能性もある。

Cattāro pana magguppādā ekacittakkhaṇikā. Tato paraṃ dve tīṇi phala-cittāni yahtārahaṃ uppajjanti. Tato paraṃ bhavaṅga-pāto.

また、4つの道心が生じるときは、１心刹那生じる。その後、2,3回、果心が適宜に生じ、それから有分に落ちる。

欲界の智慧、禅定の智慧

「見たくない、聞きたくない、認めたくない」というのは底流にある「拒否（怒り）」が具象化したものなので、その時には智慧がない。

無常の理解については、欲界の智慧では「俗世間の快楽は微々たるものだ。無意味なのだ」という程度の理解である。

だから、無常そのものでなくても、概念だけを徹底的に叩き込んで、無上に基づいて考えるようになってしまえば、それは智慧の生き方になる。

対して、禅定の智慧は、「眼耳鼻舌身に頼ることはばかばかしいことだ。無意味だ」という理解と納得である。

禅定が生まれない理由

眼耳鼻舌身からの刺激にも喜びはあるが、

「眼耳鼻舌身からの情報は心底から面白いものではなく、煩わしいものである。また頭の中の概念にこだわるのも煩わしい。そういうことから離れた方が、大変落ち着いて幸福だ」という実感を持った理解と腑に落ちた納得がないからである。

サマーディ瞑想をする人は、なにか対象を作って、瞑想するのだが、それによって、その対象に頼っていることが明確に理解できるからである。これが理解できると頼らない時空に達するステップとなるのか？

サマーディ瞑想の一体感

自分が対象に係わっている最中に、自分を忘れているのは大きな喜びがある。

この喜びは欲界のものだが、このような自我を忘れて、自分と他という区分が消える瞬間にこそ喜びが強烈に感じられる体験をしている。たとえば、お神輿、セックス、大会場でのウェーブ、コンサート。

しかし、ここでの無我は対象との区分のない一体感である。

たとえば、画家も眼を閉じて対象を観て、イメージを持って作品を描く。

しかし、サマーディ瞑想はこれらのイメージの作成とは違い、より強烈で、もっと深い一体感がある。

集中力が高まっているので、眼を閉じても対象をより強く感じ、区分のない一体感がある。

五蓋（ごがい）pañca nīvaraṇān　　瞑想修行を邪魔する、5つの,認識を覆う障害

貪欲（とんよく）kāmacchanda - 渇望・欲望 abhijjhāとの違いは？

瞋恚（しんに、byāpāda、梵: vyāpāda） - 怒り・憎しみ

惛沈・睡眠（こんじん すいめん、thīna-middha） - 倦怠・眠気

掉挙・悪作（じょうこ おさ、uddhacca-kukkucca） - 心の浮動、心が落ち着かないこと・後悔

疑（ぎ、vicikicchā） - 疑い

出家者が戒律を収めた後、初禅に入る前の段階として、この五蓋の除去が言及される。

この五蓋が取り除かれることで、その人には歓喜・喜悦、身体の軽安（きょうあん）・安楽・三昧が生じ、初禅へと入っていく準備が整うと述べられる。

kāmacchandaは貪欲と訳されているが、kāmaとは欲界kāmalokaの欲という意味は、欲望の欲lobhaと理解するのではなく、「眼耳鼻舌身に頼っている世界」と理解するほうが、サマーディ瞑想する時にはわかりやすい。

欲界kāmalokaでのメインテーマは五門からの信号を使って「身体を楽しませる」ことなので、これまでの習慣の認識方法では、いくら瞑想をしてもジャーナjānaは生まれない。

ジャーナは欲界の次元を超えることを理解して、そのための準備と相応しい実践をしていないので、ジャーナ体験は瞑想する人々の１万人に１人しか得られないと言われている。　

救って欲しい人は瞑想よりもまずは理性から

「誰かに頼りたい、すがりたい」と思っている人は、まず自分の理性を育てることを優先させる。

瞑想は、「ものごとは自分で判断したい、自分で決めたい」という人に向いている。

五自在　pañca-vasītā　　　瞑想者が道を誤らないため　　　　　瞑想者を守るマスターすべき五項目

1.引転自在−サマーディから出た後で、　サマーディ中にまだ残っている思考・感情を判別・確認する能力

āvajjana は省察reflectionの意味で、心を向けて観察すること。

āvajjeti：[ā + vajj + e] observes

欲界に戻って、自分の体験を思い出し、ただ事実をありのまま、客観的に観察して確認する。

解釈は誤解なのでただ自分に起きた事実を観察するだけにする。

するとカミとの一体化というような解釈をしなくなる。

宗教家が解脱を見つけられず、輪廻を遡る途中でやめてしまうのかと言うと、「解釈したからである。説明したので間違ってしまった」と釈尊は説いている。出典？

2.入定自在−サマーディに入りたいと思うとき、いつでも出来る能力

samāpajjana [abs．of samāpajjati] having entered upon； having engaged in

3.在定自在−自分の決めた時間にサマーディに留まることが出来る能力

adhiṭṭhāna [fr. adhi + sthā] 1. decision，resolution，self-determination，will 　決定

パーリ語では誓願の意味が多いが、ここでは違う。　ここでは、意図したようにする意欲の意味。

4.出定自在−自分の決めた時間がきたらサマーディから出る能力

vuṭṭhāna [the sandhi form of uṭṭhāna] rising out 起き上がって出ること

禅定から出て、欲界の常識に適応すること。2つの認識範囲の違いを明確に理解すること。

5.観察自在−サマーディ中にまだ残っている思考・感情を判別・確認できる能力

paccavekkhaṇa　観察

禅定の弱点もよく観察する。

これで、禅定に対して起こる強力な執着（欲）が消える。

日常生活での欲はlobha、禅定に対しての欲は、nikanti

第一禅定から成長するためには、このnikantiを捨て、五自在をして、成長の可能性を探り、現状の欠点を認識することで、第二禅定以降を作ることができる。

言葉を回転させることで禅定を得ることができると思っている者が言語を繰り返さないで禅定が得られるはずだと瞑想を続けることで、第二禅定を作ることができる。

言葉で考えなくても、何かものを見たらすぐに一体になるということが第二禅定である。

何かを見たら何も頭に浮かばない状態で、これは我を忘れてしまうことなので、たとえば車の運転などのように現代文明での日常生活では危ないものと判断される。

また、非想非非想処定を作ったとしても、五自在をして欠点をチェックしなければ、成長はそこで止まり、ヴィパッサナー瞑想をすることがなくなってしまう。

第一禅定　　尋、伺、喜、楽、一境性と共にある　　世俗的な欲を捨てることで、第一を得ることができる。

第二禅定　　伺、喜、楽、一境性と共にある　　　　言葉による思考を捨てることで第二を得ることができる。

第三禅定　　喜、楽、一境性と共にある　　　　　喜pītiがなくても統一はできる。

第四禅定　　楽、一境性と共にある　　　　　　　楽がなくても統一はできる。

第五禅定　　捨、一境性と共にある　　　　　　　捨upekkhāつまり身体の感覚がない状態に至る

参考資料

呼吸 respiration

【呼吸研究の歴史】

　いき(息)もの，英語のアニマル(ラテン語のanima＝息，生命に由来)などの語からもわかるとおり，呼吸と生命は古来密接に結びつけられてきた。空気中のプネウマ pneuma(精気)が体内に取り込まれて生体を活気づけるという考えはギリシアにひろく見られ，アリストテレスは3種の精気を区別した。2世紀のローマのガレノスは自然精気が消化，栄養，排出などのいわゆる植物性機能をになうと考えた。こうして呼吸を具体的な生命現象と関連させる努力はなされたが，思弁にとどまった。

　W. ハーベーが血液循環を確証(1628)して以来，研究は新しい段階に入り，血流にのって全身に分配される空気の重要成分は何かが問題になった。16世紀の錬金術的化学者･医者パラケルススは，〈硫黄精〉と〈硝石精〉によって燃焼は起こり，かつ呼吸と燃焼は同じ現象であると考えていた。この解釈は，17世紀に呼吸について実験した R. ボイル，メーヨー John Mayow(1640‐79)などに影響を与えた。18世紀にはフロギストン(燃素)説の誤りを経て，ラボアジエが燃焼での酸素の役割を確定する。呼吸も体内での酸化として位置づけられたが，熱をだす燃焼と同じことが体内でも起こると考えられたので，J. L. ラグランジュは，肺のみで燃焼が起これば肺は高熱になりすぎると論じた。ここからかえって，酸素は全身末梢組織に分配されるはずだとの正しい見通しが生まれた。

　20世紀初めのエネルギー代謝の研究は，酸素を用いない解糖，発酵を中心にしていたが，有機酸から水素を奪う脱水素酵素の作用も，1920年代から明らかになる。呼吸とは酸素が直接に基質を〈燃やす〉のではなく，基質から奪われた水素が酸素と出会うことであるとの理解が，こうして整ってきた。細胞内で水素を授受する機構については，セント･ジェルジなどもモデルを提出したが，H. A. クレブスのクエン酸回路(1937)が正しい回答をあたえた。第2次大戦後の研究の発展で，呼吸の反応成分はすべてミトコンドリアに局在することがわかった。こうして，プネウマ説にはじまり，肺での空気の出入りを意味していた〈呼吸〉は，現代生物学の用語では，細胞での基質からの水素原子の取出しと，その水素を酸素と化合させる際のエネルギーを用いての ATP 生成(酸化的リン酸化)を意味するに至っている。　　　　　　長野 敬

【呼吸の生化学】

　以上のような歴史的経過から，呼吸は古くは動物の呼吸運動をさす言葉であったものが，動物の外界とのガス交換(これを外呼吸という)，さらに体液と細胞のガス交換(これを内呼吸という)をも含める言葉となった。そして，現在，生化学的には呼吸は次のように定義されている。

(1)狭義には生体が分子状酸素 O2を最終電子受容体として有機化合物を二酸化炭素 CO2，水 H2O，アンモニアNH3などの無機化合物にまで酸化的に分解し，生体に利用可能な形で(ATP として)エネルギーを蓄えることを呼吸という。

(2)この定義を拡張し，無酸素条件下で分子状酸素の代りに硝酸塩，硫酸塩を最終電子受容体として上記と同様の過程が行われる場合をも含める。これはある種の嫌気性細菌が行う呼吸で，それぞれ硝酸呼吸，硫酸呼吸という。(3)さらに広義には，アルコール発酵や解糖のように，外から最終電子受容体の供給がなくても，基質から生じた化合物の間で酸化還元が行われ，この過程で ATP が生成される場合をも含む。この場合を無酸素呼吸，無気呼吸，嫌気呼吸，または分子間呼吸といい，これに対し(1)の場合を酸素呼吸または好気呼吸という。

　呼吸の強さを知るには，酸素消費量または二酸化炭素放出量を測定すればよい。前者の測定には酸素電極法，検圧法などが用いられ，後者の測定には赤外線ガス分析法，電気伝導度測定法などが用いられている。二酸化炭素放出量(モル)と酸素消費量(モル)の比，[CO2]/[O2]を呼吸商respiratory quotient(略称 RQ)という。実際には容積比として求めることが多い。グルコース(糖類)が完全酸化するときは RQ＝1(C6H12O6＋6O2＝6CO2＋6H2O)。脂肪やタンパク質のように分子中の酸素原子の割合が糖より少ない物質では RQ＜1(ステアリン酸 C18H36O2＋26O2＝18CO2＋18H2O，RQ＝0.69)。逆にリンゴ酸のような有機酸の場合は RQ＞1(C4H6O5＋3O2＝4CO2＋3H2O，RQ＝1.33)。ただし，基質が同じでも呼吸経路により RQ は異なる。たとえば，アルコール発酵のような二酸化炭素放出を伴う無気呼吸が併行して行われると RQ は上昇する。

　グルコース酸化の最終的な反応式だけを見ると，生体外での燃焼も呼吸もまったく同じであるが，両者は次の点で異なる。(1)生体外での燃焼を引き起こすには発火点まで熱しなければならないが，生体内での酸化は酵素により低い温度のもとで段階的に進行する。(2)生体外での燃焼時に遊離されるエネルギーは，ほとんどすべて熱の形で放出されてしまうが，呼吸では遊離されるエネルギーは高い効率で ATP に蓄えられる。

　呼吸の反応系は，多くの場合次の二つの過程に大別される。(1)基質分子が脱水素され(これと共役して水素受容体が還元され)，基質分子の炭素鎖が切られる。(2)還元された水素受容体から最終電子受容体へ電子が渡される。呼吸の代謝経路の典型的なものは，解糖系(図1)で生じたピルビン酸が，クエン酸回路(図2)で完全酸化を受ける場合である。解糖系の諸酵素は細胞質の可溶性画分にあると考えられているが，細胞質中の微細構造に結合していると主張する研究者もある。真核生物では，クエン酸回路，β 酸化，および電子伝達系の諸酵素はミトコンドリアに含まれている。赤血球や肝臓および多くの植物の組織では，グルコースの一部は解糖系とは異なるペントースリン酸回路(細胞質の可溶性画分にある)によって完全酸化を受ける(図3)。解糖系で働く補酵素がNAD であるのに対し，この回路の場合は NADPであることと，回路上に五炭糖が出現することが特徴である。脂肪酸が分解されるときは，脱水素されたのちカルボキシル末端から炭素原子 C2個きざみで炭素鎖が切られアセチル CoA を生じる(β 酸化。図4)。これがクエン酸回路へ入り完全酸化を受ける場合と，グリオキシル酸回路(マイクロボディにある。図5)へ入りもう一度脱水素されたのちコハク酸となる場合がある。緑色組織で光のもとで行われるグリコール酸の酸化的分解は光呼吸 photorespiration と呼ばれるが，ATP 生成がないから本来の呼吸とは生理学的な意味が異なる。

　呼吸過程の最後の部分で，NADH やコハク酸から電子を分子状酸素に渡す経路を電子伝達系または呼吸鎖という(図6)。この系は酸化還元電位の異なる多数の成分から構成されており，電子は酸化還元電位の低いものから高いものへと流れてゆく。電子伝達にはフラビン，ユビキノン，ヘムのほかに非ヘム鉄，銅イオンも関与している。この系の成分は4種の複合体の形でミトコンドリア内膜に存在する(図7)。この電子伝達と共役して行われる ATP 生成を酸化的リン酸化反応という(図8)。ADP とオルトリン酸の濃度が下がると，呼吸鎖の反応速度(電子の流れの速さ)が低下する現象を呼吸調節 respiratory control といい，基質と酸素の不必要な消費を避け，ATP の消費に見合った供給を行うしくみと考えられている。細菌においては細胞膜にミトコンドリアのものと類似の呼吸鎖が存在する。

　グルコース1molが解糖とクエン酸回路を経て酸化されるとき生成する ATP は，前核生物では38mol，真核生物では36molである(表1)。グルコース1molが完全酸化されるときの自由エネルギーの生成は686kcalである。ADP から ATP を生成するのに必要な自由エネルギーを7.3kcalとすれば，ATP が38mol生じる場合を考えると，呼吸によって277.4kcal，すなわち約40％の効率で，ATP の中にエネルギーが蓄えられたことになる。アルコール発酵ではグルコース1mol当り ATP が2molしか生成しない。大気中に分子状酸素が大量に存在するようになったのは光合成生物の出現以後であるから，酸素を用いる効率のよい呼吸系は，無気呼吸を基礎として代謝系の進化の結果，あとからでき上がったものと考えられる。

　呼吸の第1の生理学的意義は ATP の生成であるが，細胞構成成分の前駆体(表2)およびこれら成分の合成に必要な還元力(NADPH)を供給するというもう一つの重要な役割をもっている。　　　　　嶋英夫

【動物の呼吸】

　18世紀の末になって，呼吸の実体は，動物が外界から O2を吸収し，外界に CO2を排出することであることがわかった。さらに呼吸器官から取り込まれた O2は，血液によって体中の細胞にまで運ばれ，CO2は逆に細胞から放出されて，血液によって呼吸器官に運ばれるということも明らかにされた。そこで動物と外界とのガス交換を外呼吸，体液と細胞とのガス交換や細胞内での酸化的分解過程を内呼吸(細胞呼吸，組織呼吸)といって区別するようになった。また，血液中のヘモグロビンのように，O2の運搬の働きをしている色素を呼吸色素と呼んでいる。細胞の中では炭水化物，脂肪，タンパク質などの有機化合物が分解され，その中に含まれている化学エネルギーが取り出されて，細胞のあらゆる生命活動のエネルギーとなるのであるが，この分解に O2が利用され，分解の最終産物として CO2が生じるのである。

　外呼吸の際，O2と CO2の移動は，体表や呼吸器官の膜を介しての拡散によって行われる。小型の水生動物，たとえばゾウリムシ，アメーバ，プラナリアなどは体表における拡散だけで体中に十分な O2を補い，CO2を放出できる。しかし，体の厚みが1mm以上になると，拡散だけでは体の深部まで十分に O2をいきわたらせることはできない。とくに活動性が低く酸素要求の少ないものを除くと，ほとんどの動物は体表から深部への O2，あるいは逆方向の CO2の運搬のために，体液の循環を利用している。また昆虫では細かく分岐して体中にいきわたっている気管系が，空気を直接組織に供給している。水生動物の呼吸器官であるえらは，体表の一部の表面近くに血管の分布がとくに密になっているところであるが，ガス交換の面積を増大するためにひだとなっているのが普通である。これに対して陸生動物の肺は空気呼吸に適した器官であって，脊椎動物では食道の一部のふくらみとして形成され，空気をその中に吸い入れることによってガス交換面の乾燥を防ぐことができる。えら呼吸でも肺呼吸でも，たいていの動物では呼吸器表面をたえず新鮮な水や空気にふれさせておくために，呼吸運動によって換水や換気が行われている。魚類では，呼吸運動によって起こるえらの表面の水流の方向と，えらの毛細血管内の血流の方向とが逆になっていて，ガス交換がきわめて効率よく行われることが知られている。また，カツオやマグロのように，たえず泳ぎまわっている魚は運動によって換水をしており，泳がないと呼吸困難になるといわれる。

　空気中には容積比にして約20％の O2と0.03％の CO2が存在する。1気圧で空気と平衡状態にある水1l 中には5℃で9.22ml，20℃で6.51ml，海水にはそれぞれ6.89ml，5.05ml の O2が含まれている。空気の重さは水のほぼ1/1000であり，同じ量の O2を含む水と空気の重さを比較すると，空気は水の約1/30000に過ぎない計算になる。さらに空気は，水に比べて粘度もずっと少ないこともあって，空気中で呼吸運動に費やす労力は，水中よりずっと少なくてすむはずである。魚が呼吸のために使うエネルギーは，哺乳類の20倍以上にも達するという報告もある。

　えらや肺をもつ動物でも，ある程度は皮膚でガス交換が行われている。たとえば，カエルで調べたところでは，冬眠中は必要な O2の2/3以上を皮膚からとっており，CO2の排出は年間を通じて肺よりも皮膚からの方が多い。皮膚呼吸のために，カエルの皮膚はつねに湿っている必要があり，これがカエルが水辺から離れられない理由の一つである。鳥類や哺乳類では皮膚呼吸の割合はきわめて少ない。

　呼吸量や代謝量は体が大きい動物ほど大きいが，体重に比例するのではなく，体重の3/4乗に比例して増加するとされている。この関係は同種の個体間にも，また一つの分類群に属する異種間にもあてはまる。たとえば，哺乳類について体重の対数を横軸に，個体当りの O2消費量の対数を縦軸にしてプロットすると，小さなネズミから大きなゾウまでの種々の動物が，3/4のこう配をもつ直線上にならぶ。個体の呼吸量が体重の3/4乗に比例するならば，単位体重当りの呼吸量(呼吸度)は体重の1/4乗に反比例することになる。すなわち，小型の動物ほど呼吸度は大きい。たとえば体重1kg当り1時間の O2消費量は，体重25gのネズミでは1.65l であるのに対し，体重が4tに近いゾウでは0.07l である。一般に活発な動物は不活発なものより呼吸度は大きい。また同じ個体でも，活動の程度によって呼吸量は大きく変化する。ヒトが走るときは，呼吸量は速さに比例して増加し，静止状態の呼吸量の10倍以上にも達する。昆虫類では飛翔(ひしよう)中に呼吸量が100倍に増加することがある。呼吸量はまた温度，酸素濃度などの環境要因によっても変化することが知られている。　佃 弘子

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

【ヒトの呼吸】

　アメーバのような単細胞生物では，生体と外界との間に行われる O2と CO2の拡散のための移動距離が短いので，細胞表面で直接，周囲の環境とガス交換が行われる。しかし，高等な多細胞動物になると，ガス交換のための特別なしくみが必要となる。ヒトや哺乳類では肺の中に空気を吸い込んで，全身分の O2と CO2の交換をまとめて行い，肺と体内の組織との間のガスの運搬は血液循環のシステムによっている。循環系の分岐によって，毛細血管とその周辺の組織との間の距離は短縮され，ガスの拡散によるガス交換が可能となる。十分に O2を含み，CO2の少ない動脈血が毛細血管に到達すると，ガスの濃度こう配に従ってO2は組織へ移り，CO2が組織から血液へ移る。ここで血液は静脈血となって心臓の右心房，右心室を通って肺へ送られ，肺の中の気道の末端分岐部に位置する肺胞に接する毛細血管に達する。ここで拡散によって血液から肺胞へ CO2，肺胞から血液へ O2のガス交換が起こり，血液は動脈血化し，左心房，左心室を経由して体内の組織へ送られる。

　吸気は気道(口腔，鼻腔，咽頭，喉頭，気管，気管支，細気管支)を通過するうちに水蒸気で飽和され，呼気も完全飽和の状態にあり，このことは体内の水の収支に一つの役割を演じている。

　測定によって成人は1分間に約250ml の O2を消費し，約200ml の CO2を呼出する。一定時間内の CO2の排出量と O2の摂取量の比，呼吸商(RQ)は，呼吸によって燃焼される栄養素の種類に応じて，0.75〜1.0の値をとる。大気と血液のガス交換は肺胞で行われる。気管支系の最も細い部分である細気管支が肺胞管に移行し，肺胞管は肺胞に分かれる。一つの細気管支に属する肺胞の集まりが直径1〜1.5cmの肺小葉を形成する。肺小葉の内部に細気管支と肺動脈の小さい枝が入り込む。一つの肺胞は直径およそ0.1mmであるが，両側の肺について総計すると，肺胞の数は3億から7億5000万個の間にあり，ガス交換が行われる全肺胞面積は約70m2と推定される。肺胞には弾性繊維と格子繊維からなる支持基質があり，肺胞の入口は平滑筋繊維に囲まれている。血管系は両側の肺で分岐して約300m2の面積をもつ毛細血管網となって肺胞の表面にからみつき，ここで分圧の高低に応じて O2と CO2の交換が起こる。

［呼吸運動］　　肺胞と外界の間のガス交換，つまり換気は，呼吸運動によって生ずる気道の各部の圧力の差が原動力となって起こる。外呼吸のための運動を呼吸運動，それに働く骨格筋を呼吸筋という。呼吸運動は規則正しい吸息と呼息の交代である（図9）。吸息によって胸腔が拡張し，外気は気道から肺の中に吸いこまれ，呼息により胸腔は縮小して，肺内の混合ガスが押し出される。両側の肺はこの胸腔の運動に受動的に従う。吸息のときには肺容量が増加して肺胞内の圧力(肺内圧)は外界の圧力(大気圧)より低くなり，呼息のときには肺容量が減少して圧力差は逆となる。吸息は，横隔膜が収縮(平坦化)して胸腔が下方に広がるとともに，外肋間筋が収縮して肋骨がひきあげられ，その他の補助呼吸筋の活動も加わって，結果として胸郭はひき上げられ，胸腔が前方と左右へ広がることにより起こり，受動的に肺へ空気が流入する。呼息は一般に受動的に起こり，胸郭自身の重さと弾性による胸郭の沈下(胸郭の収縮)が主体であるが，強制的に呼息が行われるときには，腹壁の筋肉群の活動(腹圧の上昇)によって，横隔膜が上方へ押し上げられ，それに内肋間筋の収縮が加わって胸腔の容積は減少し，肺は圧縮されて気道内のガス体は外へ向かって流れる。

　肺は気管の部位だけで固定されていて，胸壁には付着していない。肺の表面と胸壁の内面は胸膜でおおわれているが，両方の間の狭い空所を胸膜腔といい，安静呼息時における胸膜腔の内圧(胸腔内圧)は外気よりも約−4mmHg低い。ここにはムコ多糖類を含む胸膜液がある。安静時の呼吸運動による肺内圧(肺胞内圧)の変化は，吸息時には大気圧より0.7〜2.2mmHg低く，呼息時には0.7〜2.2mmHg高い。このほかに，呼吸運動に伴う肺の拡張，収縮には，肺の弾力繊維，肺胞の表面張力による収縮する性質，肺胞の表面張力を減少させる表面活性物質(レシチンを含むリポタンパク質)の量，肺，胸郭の受動的伸展性を示すコンプライアンス，気道抵抗，非弾力性組織抵抗などの種々の因子が関係し，これらはいろいろな呼吸器疾患の病態との関連からも重要視されている。

　吸息は直ちに呼息へ移行するが，通常，呼息と次の吸息の間には休止期がある。呼吸数は新生児では1分間に29回(未熟児では34回)，健康な成人では安静時1分間に平均11.7(10.1〜13.1)回，軽労働時に平均17.1(15.7〜18.2)回，重労働時に平均21.2(18.6〜23.3)回で，24回をこえることはない。呼吸筋として横隔膜がおもに働く場合を腹式呼吸，肋間筋が主体となる場合を胸式呼吸というが，自然の呼吸運動では両方が共存している。おおよそ，肺活量の2/3が横隔膜の運動に，1/3が胸郭の運動によっている。男子では女子に比べて腹式呼吸の割合が大きく，とくに高齢者ではこの割合がさらに大きくなるが，これは加齢による胸郭の伸展性の減少のためと考えられている。

　呼吸運動は，脳幹部の呼吸中枢で形成される自動的周期性興奮が，呼吸筋支配運動ニューロンを経由して呼吸筋へ送られることによって起こる。たとえば横隔膜は，第3･4頸髄の運動ニューロン群から発する横隔神経に支配されているので，それ以下のレベルでの脊髄損傷で肋間筋の運動麻痺が起こっても，横隔膜による呼吸運動は続けることができる。

［肺気量と肺容量］　　安静時呼吸での呼息後，胸郭は中間状態，安静時呼息位(基準位)にある。安静時呼吸において出入する空気量，すなわち1回換気量は成人男子で約500ml である。さらに努力吸入により最大約2500ml(予備吸気量)を吸入できる。安静時呼息位からさらに強制呼息によって呼出できる量(予備呼気量)は最大1500ml である。このときなお肺内に残るガス量(残気量)が約1200ml ある。これらの基本的な肺気量は lungvolume として表され，それらの組合せによる肺容量は lung capacity として表される（図10）。capacity として表されるものには，たとえば全肺容量や機能的残気量がある。前者は前記の肺気量すべての和(約6000ml)であり，後者は予備呼気量と残気量の和(約2700ml)である。肺活量もcapacity の一つであって，最大吸息位から最大呼息位，すなわち，1回換気量，予備吸気量，予備呼気量の和(約4500ml)をいう。したがって全肺容量は肺活量に残気量を加えたものでもある。残気量と全肺容量以外の各量はスパイロメーターspirometer(スピロメーターともいう。肺気量計)によって測定され，肺気量測定はコンプライアンス，動作時の呼吸機能検査や肺機能検査に応用される。なお1分間に呼吸気道に入った外気量を分時換気量という。上にあげた種々の気量や容量は年齢，性別，体質，訓練によって個人個人で著しく異なる。したがって肺気量測定結果の絶対値よりも肺気量の変化のほうが重要であって，たとえば肺疾患の経過を監視するのはこのことによる。1回の安静呼吸によって肺胞に入る新鮮な外気量は350ml で，これが機能的残気量約2700ml と混合するのであるから，1回の安静呼吸の換気率は約1/8である。このことは肺胞気の組成が呼吸周期によって大きく変動せず，ほぼ一定の値を保つことができ，呼息相においても血液とのガス交換を可能にしている。

［肺胞におけるガス交換］　　肺でのガス交換には肺胞換気が重要である。しかし呼吸系のうち肺胞までの空気の通過経路となる部分，すなわち口腔，鼻腔，咽喉頭腔，気管，気管支などはガス交換に関与しないので，これらの諸部分の空間容積(約150ml)を死腔または解剖学的死腔という。ところが種々の原因で一部の肺胞が機能的にガス交換に関与しないような場合，これも一種の死腔と考えられるので，この死腔を前記の解剖学的死腔に加えたものを機能的死腔(または生理学的死腔)といっている。健康人ではこの二つの死腔はほぼ等しいが，病的状態では機能的死腔が解剖学的死腔よりも大きくなる。解剖学的死腔は吸気が肺胞へ到達するために必要な経路となること，死腔で吸気の清浄化，加湿，加温が行われること，死腔の一部が発声器官の一部を構成していることなど，重要な機能を果たしている。

　1回換気量のうちの肺胞換気量とよばれる部分だけが肺胞に接する。したがって肺胞換気の程度は，肺胞ガスの組成に直接影響を与えるので重要である。健康人の肺胞換気量は1分間当り約4l，これに対する肺毛細血管血流量は約5l/分で，その割合，換気血流比は約0.8である。外気が呼吸気道を通って肺胞に達すると水蒸気で飽和され，37℃に加温される。水蒸気の圧力は47mmHgで，肺胞気の圧力は大気圧に等しいから，肺胞気の O2分圧は104mmHg，CO2分圧は40mmHgである。呼気は死腔のガスと肺胞気との混合物であり，安静時の呼吸では呼気の1/3が死腔気，2/3が肺胞気で，そのガス組成は水蒸気飽和空気と肺胞気の中間値となる。

　肺胞の平均直径は約0.1mm，ガス交換が起こる全肺胞面積は約70m2と推定されている（図11）。それに接する毛細血管には75〜100ml の血液が含まれ，ミクロン単位の厚さの膜をへだてて約2000ml の肺胞気との間で O2と CO2の交換が行われる。ガスの拡散は圧力のこう配によって起こる。肺胞気の O2分圧は100mmHg，静脈血では40mmHgで，その差は60mmHgである。CO2分圧はそれぞれ肺胞気で40mmHg，静脈血では46mmHg，その差は6mmHgであるが，CO2の膜の拡散速度は O2のそれの20倍もあるので，十分な交換が行われる。拡散に有効な膜の面積は拡散の過程に影響し，正常面積の1/3〜1/4になると安静時でも換気障害が起こる。激しい運動時には膜の表面積のわずかな減少でも影響が大きい。肺胞気と血液の間には肺胞上皮，基底膜，毛細血管内皮があり，これらを一まとめにして呼吸膜(肺膜)といい，厚さは0.1〜1μ で，ガスはこれらを通過せねばならない（図12）。毛細血管の直径は7μ 前後で，ほぼ赤血球の大きさである。O2もCO2も呼吸膜を容易に通過するが，肺浮腫などで間質液が貯留すると拡散距離が長くなって，換気不全が起こる。

　拡散の距離は短く，血漿(けつしよう)までが約1μ，赤血球内で約1μ と見積もられ，肺胞と赤血球が互いに接触している時間(1秒以下)内に分圧の平衡がなりたつと考えられる(血液から肺胞気への CO2の拡散はきわめて速く，0.4秒以内にほぼガス平衡に達する)。動脈血化した毛細血管内の血液の O2分圧，CO2分圧は肺胞のそれらとほぼ等しいとみなされる。ガスの呼吸膜での拡散のしやすさを拡散能といい，1mmHgの圧力差で1分間に肺胞気と血液との間を移行するガス量で表す。成人の安静時の O2の拡散能は21ml/分･mmHgO2分圧で，激しい運動時には肺胞が伸展されて表面積が増し，呼吸膜の厚さが減少すること，毛細血管が拡張して換気面積が大きくなることなどによって，値が3倍に増加する。CO2の呼吸膜の通過があまりに速やかなので，肺胞気と毛細血管血液との CO2の圧力差は1mmHg以下で，現在の技術では測定できないが，拡散能はガスの拡散係数にほぼ比例するから，O2のそれの20倍として約400ml/分･mmHgCO2分圧と推定される。

［血液によるガス輸送と組織におけるガス交換］　　血液路による O2および CO2の輸送のあらましは次のようである（図13）。血液中の O2はおもに赤血球のヘモグロビンと可逆的に結合し，体循環によって組織に運ばれる。動脈血はおよそ21容量％の O2を結合しうる。静脈血も，なお12〜14容量％の O2を含んでいる。細胞からは炭酸が血漿の中に出て，一部はそのまま溶けて，一部は重炭酸塩に，一部はタンパク質と結合して血漿中を運ばれ，肺胞の中で呼気に移る。100ml の血液中には50ml の炭酸が含まれているが，2ml が血漿中に溶けていて，およそ40ml は重炭酸塩類の形で化学的に結合し，一部は重炭酸ナトリウムとして血漿中に，一部は赤血球内に重炭酸カリウムとして存在する。およそ8ml は血色素と化学的に結合してカルバミノヘモグロビンとなっている。ガス交換に際して解離されうる炭酸のごく一部分だけが放出されている。

　血液によって運ばれた O2が細胞内に取り込まれて，細胞内の呼吸酵素の働きによって，栄養素などの有機化合物の酸化が起こる物質代謝の過程は多様であって，多数の酵素がそれぞれ定まった反応段階で作用して進められる酸化の過程には，O2の添加によってスタートする好気性反応と水素を放出する嫌気性反応とがある。酸素消費によるエネルギーの産生は糸粒体(ミトコンドリア)の中で起こり，エネルギー貯蔵物質としてアデノシン三リン酸(ATP)がつくられ，呼吸の反応によって遊離されるエネルギーは ATP の化学結合エネルギーの形でプールされ，必要に応じて細胞の生理作用の維持など種々の仕事に用いられることになる。

　組織の毛細血管部で，周囲の組織との間にガス交換(組織呼吸)が起こる。組織液の O2分圧は細胞の代謝活動によって変化するが，平均40mmHg(20〜45mmHg)で，動脈血 O2分圧との間に55mmHgの分圧差があって拡散によって平衡に達し，毛細血管を流れていく血液の O2分圧は40mmHgとなっている。一般に細胞内は細胞外液よりも O2分圧が低く(平均6mmHg)，拡散によってO2は組織液から細胞内へと移っていく。細胞内代謝が正常に起こるために必要な O2分圧は1〜5mmHgである。細胞や組織の CO2分圧は平均45mmHg，動脈血 CO2分圧は40mmHgで分圧差は小さいが，CO2は拡散性が大であるから速やかに平衡に達する。

［呼吸中枢と呼吸調節］　　生体の酸素需要と炭酸ガスの産生は時々刻々変化していて，これに応じて呼吸運動の頻度と深さが調節され，肺胞換気が増減して体の O2分圧，CO2分圧が一定に保たれる。このような呼吸調節は，脳幹の呼吸中枢による横隔膜と肋間筋の周期的収縮を主体とする呼吸運動の制御，呼吸反射による神経性調節，それと体内の O2分圧，CO2分圧，水素イオン濃度(pH)などの化学的呼吸調節因子による化学調節のメカニズムによって，絶えず促進的，抑制的な影響を受けて行われている。

　呼吸運動は，胸腹部の広い範囲に存在する横隔膜や肋間筋など，多数の呼吸筋の秩序正しい協調活動によって，円滑な吸息運動と呼息運動が交代することで維持されている。呼吸筋の活動を支配している多数の運動ニューロンは脳と脊髄の広い領域に分布しているが，これらは脳幹部の特定の領域にある呼吸中枢によって統合的に制御されている。以下に述べる多数の呼吸調節のメカニズムの大多数は，フィードバック型のループをつくっていて，神経性および化学調節の調節因子による中枢神経系への求心性入力のほとんどすべてがこの呼吸中枢に収束し，呼吸調節の効果は呼吸中枢からの神経性出力の変化として現れてくる（図14）。

　呼吸反射による神経性調節には，気道にある肺伸張受容器から起こるヘーリング=ブロイエル反射，肺刺激受容器，肺胞壁の J 受容器から起こる反射，肺血管反射，肺化学反射などをふくむ肺迷走神経反射がある。また，気道とくに咽頭，喉頭，気管，気管支内面にある咳の受容器の機械的および化学的刺激によって発生する求心性インパルスが，肺迷走神経内を上行して延髄に達してひき起こされる咳の反射，鼻腔内の受容器から三叉神経内を上行する求心性インパルスによって起こるくしゃみの反射のように，防御反射としての意味をもつ反射がある。このほか，皮膚，粘膜の化学刺激，温熱，機械的刺激などに応ずる非特異的受容器，骨格筋と腱の固有受容器からの反射も知られている。呼吸運動は精神感動，睡眠，身体運動によっても変化し，また，ある範囲内では随意的に促進(深呼吸)，抑制(息こらえ)することができることから考えて，脳の高位中枢(前頭葉，辺縁系，視床下部，その他上位の脳，脳幹部，脊髄に存在する呼吸関連領域，体温調節，発語，発声，嘔吐，嚥下，あくびに関係している中枢内の部位)との機能的結合があると推定されている。循環反射のメカニズムでもある頸動脈洞，大動脈弓の圧受容器も呼吸運動に影響を与える。化学的調節因子のうち動脈血の O2分圧，CO2分圧，pHは頸動脈小体，大動脈小体の化学受容器を介して，髄液のpHの変化は延髄腹面の中枢性化学受容性領野の関与によって呼吸運動に影響し，血中の性ホルモンも影響する。しゃっくりは横隔膜の痙攣(けいれん)性収縮によって起こる発作的呼吸運動であり，声門が閉じているので奇妙な発声と特有な感覚が生ずるが，呼吸調節系の異常によって起こると推測されてはいるものの，発現のメカニズムは不明である。

　身体の運動を行うとき，運動開始とともに換気量は著しく増加する。このときの肺胞気の CO2分圧の上昇は軽く，身体運動による呼吸運動の促進と換気量増加を説明することはできない。O2分圧，CO2分圧以外の原因として種々の因子が考えられているが，呼吸促進がきわめて速やかに現れること，受動的に運動させた場合にも起こることから，神経性因子の働きが有力視されている。すなわち大脳皮質の運動野から脊髄へ送られる遠心性インパルスが，脳幹部の呼吸中枢に促進的に影響し，また屈伸によって四肢の関節の受容器から求心性インパルスが呼吸中枢に伝えられて，呼吸運動の促進，換気量の増加が起こると考えられている。　　　福原 武彦

［呼吸の異常］　　すでに述べたように，健康人の呼吸数は安静時1分間に平均11.7回，1回の呼吸量は約500ml で，リズム，深さともほぼ一様に保たれ，通常は自覚されないが，このような正常な呼吸運動は，上記の呼吸調節機構の異常をはじめいろいろの原因によって，さまざまの異常をきたすことがある。呼吸の深さ，リズムなどの変化は，呼吸中枢の障害のほか，大脳･脳幹の障害，呼吸筋の萎縮･麻痺，胸郭･肺の弾性･粘性の変化，肺のガス交換機能障害，動脈血組成に影響を与える糖尿病性アシドーシス，腎機能障害など多くの原因によって起こる。一般に，呼吸リズムの乱れは中枢神経の障害，浅く速い呼吸は肺･胸郭の硬くなる変化，遅い呼吸は気道の閉塞性障害，大きく速い呼吸は動脈血組成の異常による場合が多い。

(1)回数，深さの異常　頻呼吸は呼吸数の増加した場合を指し，一般に呼吸の深さは浅くなる。正常人での運動後に見られるほか，肺繊維症，僧帽弁狭窄症による肺鬱血(はいうつけつ)などの拘束性換気障害において認められる。これは，肺が硬くて伸びにくくなるために，ヘーリング=ブロイエル反射効果の変化や呼吸筋内受容器の刺激で速く浅い呼吸になるものと思われる。毎回の呼吸量が異常に増加した状態が呼吸亢進であって，神経症患者に多く認められる。徐呼吸は呼吸数が病的に減少した場合を指す。クスマウル大呼吸は持続的に著しい呼吸亢進と徐呼吸が共存する場合で，糖尿病，尿毒症，コレラの昏睡時などに多く認められ，生体の代謝性アシドーシスに対する反応と解される。呼吸低下は毎回の呼吸量が減少した場合で，睡眠時にしばしば認められるほか，呼吸筋麻痺で頻呼吸とともに認められることが多い。

(2)リズムの異常　呼吸の深さ，回数が一定でなく，周期的に変化するので，一般に周期呼吸と呼ぶ（図15）。チェーン=ストークス呼吸は，浅い呼吸からしだいに深い呼吸となり，再び浅くなって，15〜60秒の無呼吸期に移行するという周期を，比較的規則的に繰り返す呼吸である。大脳半球から間脳にかけての障害による意識障害，心臓や肺の病気の重症末期に多く認められるが，最近では老年者の睡眠中にも比較的しばしば出現することがわかってきた。原因に関してはまだ定説はないが，呼吸中枢の血中二酸化炭素レベルに対する感受性の低下あるいは感度の不安定化，血中二酸化炭素レベルを決定するうえで主役となる肺と，それを感知する呼吸中枢間の血液循環時間の遅れなどが関係しているといわれる。ビオー呼吸は失調性呼吸とも呼ばれ，チェーン=ストークス呼吸のように深さの周期的変化はなく，急激な短い呼吸の間に，持続時間の一定しない停止期のある呼吸で，主として髄膜炎において見られ，呼吸中枢の延髄レベルでの脳障害に関連するといわれる。ため息呼吸は，正常な呼吸が，ときどき深い吸気とこれに続く長い呼気で中断されるもので，神経症や神経循環無力症に多く認められる。

(3)外観の異常　口すぼめ呼吸は，呼気に際して口をすぼめて気道内圧をあげ，気道閉塞を軽減しようと無意識に行っている呼吸で，進行した慢性肺気腫患者に見られる。鼻翼呼吸は呼吸困難のある場合に見られるもので，鼻翼が呼吸に伴って動く場合をいう。細気管支炎，肺炎，鬱血性心不全，自然気胸などに多く見られる。ただし，子どもでは興奮すると呼吸時に鼻翼が運動するので，これだけでは呼吸障害の症状とはいえない。起座呼吸は，寝ていると呼吸困難が強いため起き上がってしまっている状態で，急激に起こった肺鬱血の症状とされてきたが，気管支喘息(ぜんそく)や慢性肺気腫でも見られることがある。下顎呼吸は，吸息時に下あごが上方に上がり，呼息とともにゆるやかに下がるもので，呼吸はしばしば不規則となる。采死の重症患者に見られる。喉性呼吸は同様に采死または昏睡の患者に見られ，かたわらにいる人にも聞こえるほど，ごろごろまたはぜいぜいいう音を伴う呼吸である。咳反射が不十分なため，気管や気管支に痰が貯留し，その中を空気が通るために起こる。⇒息ぎれ‖呼吸機能‖呼吸機能検査‖呼吸困難　　　　　　　　白石 透

【呼吸器官 respiratory organ】

　外呼吸を主要な機能とする器官。植物では呼吸根のような特殊化したものがあるが，一般には通気組織と気孔が空気の通路となっており，とくに呼吸器官と呼べるものはない。

［無脊椎動物の呼吸器官］　　無脊椎動物で分化した呼吸器官にはえら，気管，肺があるが，特別の呼吸器官をもたないものも多く(腔腸動物，扁形動物，袋形動物，触手動物，棘皮(きよくひ)動物など)，これらでは体外，体内の表皮を通して呼吸が行われ，とくに触手などの薄くなった表皮に集中する。軟体動物のえらは，基本的には体側壁が外套腔(がいとうこう)内に突出したくしえら(侯鰓)で，入鰓(にゆうさい)血管と出鰓血管が通る扁平な軸部に薄いえら板(鰓板(さいばん))がくしの歯状に列生して呼吸上皮を形成している。えら板には繊毛があって，水流を起こして呼吸のための換水をするが，頭足類では外套筋の運動で換水する。多板類，単板類ではくしえらは多対あるが，腹足類では体が巻くため片側では消失し，あるいは全部消失して二次的に外套膜の一部が突起してえらとなり，陸生のものでは外套腔壁が肺となる。二枚貝類のえら板は，糸状になって折れ曲がり結合したりして，複雑な構造となっている。多毛類では，いぼ足にある背触鬚(はいしよくしゆ)あるいは腹触鬚が葉状，糸状，樹枝状などに変形して，えらを形成している。羽状触手は呼吸上皮としての役割を果たすが，えらではない。節足動物では，付属肢の付属突起が変形してえらを形成している。剣尾類のえらは書鰓といわれ，腹肢の後面に列生している100〜150枚の葉状突起で構成されている。甲殻類のえらには簡単な板状のものもあるが，十脚類の分化したものでは，葉状，糸状，樹枝状の鰓条が列生した構造となり，胸肢の基部に形成されるが，その部位，数は種類により多様である。一般に頭胸甲の側甲で覆われた鰓室内に保護され，付属肢あるいはその特化した部分を動かして換水する。口脚類や等脚類では腹肢の一部分がえらの役割をするよう変形している。橈脚類(じようきやくるい)などの小型の群では特別の呼吸器官はない。昆虫類の水生幼虫には，主として腹部から突出した羽状，総状のえらがあり，血管のかわりに気管小枝が入り込んでいるのが特徴的である。トンボ類幼虫の直腸鰓は，直腸壁に形成された微細なひだで，内部には気管小枝が密に分布しており，肛門を通して換水される。半索動物のえらは咽頭にあいた1〜多対の鰓裂で，消化管内と体外とを連絡しており，基本的には脊椎動物の鰓裂と同じ構造のものである。ホヤ類では鰓裂は細分して多数の小孔となり，咽頭は繊毛を密生した網目状の鰓臥となって囲鰓腔の中に包み込まれ，出水口で体外に通じる。気管は，体表皮の一部が体内におち込んで呼吸上皮を体組織中に入り込ませている構造物で，主として陸生の昆虫類，多足類，蛛形類(ちゆけいるい)，有爪類(ゆうそうるい)に発達している。軟体動物有肺類にある肺といわれるものは，外套腔体壁に毛細血管が分岐，結合しながら密集して呼吸上皮を形成しているものである。外套腔は呼吸孔をのこして薄い隔壁で閉じられて呼吸気室となり，水分の蒸発を防ぐとともにその下面の筋肉を上下させて換気する。ナマコ類には，直腸から体腔内に膨出した樹状の薄膜管で作られた呼吸樹(水肺)と呼ばれる器官があり，呼吸に用いられる。肛門と直腸の運動によってその管内を換水する。　　　原田 英司

［脊椎動物の呼吸器官］　　脊椎動物では，外呼吸に関与する器官には口，鼻，咽頭，喉頭，鰓裂，皮膚，腸管壁などもあるが，これらは呼吸以外に重要な機能も備えているので，普通は呼吸器官には数えない。水呼吸を行う水生脊椎動物の呼吸器官はえらであり，空気呼吸をする動物のそれは肺とその付属器官である。えらはほぼ樹状またはくし状の器官で，その外表面が呼吸作用をもつのに対し，肺は袋状の構造でその内表面が呼吸機能をもつ。また発生学的には，えらは咽頭の側壁に現れる内臓弓(鰓弓)の表面から発生するのに対して，肺は内臓弓の後方の消化管の膨出から生ずるもので，構造的にも発生的にもまったく別個の器官である。高等硬骨魚類だった古生代の総鰭類(そうきるい)はえらで水呼吸をしていたが，それと同時に肺を備え，口腔へ貫通した鼻孔によって空気呼吸をも行うようになっていた(現存の総鰭類であるシーラカンス類は空気呼吸はせず，もっぱらえらによる水呼吸をする)。その直接の子孫である両生類では，幼生(オタマジャクシ)はえら(カエルは内鰓，イモリとサンショウウオは外鰓)で水呼吸をするが，変態して両生化するにつれてえらは退化していき，それに代わって肺が発生し，やがて肺呼吸に頼るようになる。もっとも，えらが消失しても肺は発生せず，外呼吸は皮膚だけに頼るもの(ハコネサンショウウオ，アメリカサンショウウオ)や，天然状態では生殖可能になりながらもえらを終生維持し(この現象をネオテニーという)，水呼吸を続けるもの(エゾサンショウウオ，メキシコサンショウウオ‖別名アホロートル)が知られている。現生の肺魚類は水呼吸のためのえらと空気呼吸のための肺をともに備えている。比較発生学的に知られるところでは，硬骨魚類のうきぶくろは肺と相同の器官である。また古生物学的な証拠によれば，空気呼吸をする水生動物にはじめに肺が現れ，次いで水呼吸をする魚類でこれが浮力調節器官であるうきぶくろへ変形したと考えられている。したがって肺とうきぶくろを兼備する動物はいない。

　えらと肺とに共通する点が二つあり，その一つはガス交換という生理的機能である。他の一つはえらの外面，肺の内面は総面積がひじょうに大きく，その表面はきわめて薄い上皮に覆われ，そこに毛細血管が豊富に分布しているという形態的共通点である。血液を通じてのガス交換という共通の機能はこの共通の構造によって達成される。⇒鰾(うきぶくろ)‖鰓(えら)‖肺　　　　　　田隅 本生

【呼吸法の文化史】

　呼吸は本来，呼息と吸息にもとづく生理現象であるが，古くギリシアやインド，中国では，宇宙の大気と身体内部の生命の息(生命力)とを媒介する機能をもつとされた。この考え方はその後，とくにインドや中国で大きな発展をみせた。インドの古代哲学(ベーダーンタ学派)では呼吸(プラーナpr´ｌa)にかかわる機能を呼気，吸気，等気，上気，媒気の5種に分類したが(五風説または五気説)，ヨーガ学派では，呼気→呼吸の停止→吸気という3種の機能からなる呼吸法(調息，プラーナーヤーマpr´ｌ´y´ma)の実修が説かれた。これは中間における呼吸の停止期間を長くすることに意を用い，独自の坐法と並行して宇宙との合一を目指すヨーガ瞑想(めいそう)の基本とされた。このヨーガの呼吸法はその後仏教にも取り入れられ，そのテキストの一つが後漢のころ安世高によって《大安般守意経》として漢訳されたが，〈安般〉とはサンスクリットの´na‐ap´naを音写した安那般那(阿那波那)を縮めたもので呼吸の意である。これよりさき，中国では戦国時代に身体運動を伴う呼吸術である導引が行われていた。また道教が成立すると胎息という独自の呼吸法が説かれたが，これは胎児が母親の腹中で行う呼吸の方法とされ，不死の生命を得るための最終的な手段とされた。また道教では，吸気を下丹田に集めて精と結びつける還精という呼吸法が説かれているが，これは仏教の禅定で重視される丹田呼吸とも関連している。このように中国では，呼吸法をめぐってヨーガ，仏教，道教の相互交流の跡がうかがえるが，その一例として天台智百(ちぎ)の《摩訶止観(まかしかん)》をあげることができる。この著作の〈病患境〉という章には，座禅瞑想中に病気になったときそれを治すための対症療法的な呼吸法が細説されている。《摩訶止観》は日本の仏教に大きな影響を与えた論書であるが，そこに説かれている呼吸法は無視され，日本ではインドや中国の場合におけるように，呼気や吸気が宇宙と身体を循環するという観念は発達しなかった。《日本書紀》には，伊弉諾尊(いざなきのみこと)が息を吹くとそれが級長戸辺命(しなとべのみこと)という神になったとする伝承が語られているが，これはあくまでも風神の生成論であって，呼吸を媒介とする宇宙論がそこから生みだされることはなかった。　山折 哲雄

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Is Ānāpānasati Breath Meditation?

June 2, 2017; revised September 2, 2017

1. If you Google “Anapanasati”, almost all websites that come up identify it as “Buddhist breath mediation” or “mindfulness of breathing”. But Tipitaka suttās clearly lead to the conclusion that breath meditation is not Buddhist Ānāpāna bhāvanā.

• Breath meditation was practiced by yōgis even at the time of the Buddha. So, breath meditation predates Buddha’s Ānāpāna bhāvanā. Buddha rejected it, because it does not lead to Nibbāna, or PERMANENT relief from suffering.
• There are many suttās in the Tipitaka that clearly state that when Ānāpāna is followed correctly, that automatically fulfills Satipatthāna, Saptha Bojjanga, and all 37 Factors of Enlightenment, and leads to Nibbāna. Therefore, Ānāpānasati is infinitely more deeper than just focusing on one’s breath.

I will provide evidence for those two statements below. First, let us see what can be accomplished with Buddhist Ānāpānasati bhāvanā.

1.「Anapanasati」をGoogleで検索すると、ほとんどすべてのWebサイトで「仏教の呼吸瞑想」または「呼吸のマインドフルネス」と表示されます。しかし、Tipitaka suttās では明らかに、呼吸瞑想は仏教のĀnāpānabhāvanāではないという結論に至ります。

呼吸瞑想は、釈尊の時代でさえヨギによって実践されていました。ですから、呼吸瞑想は釈尊のĀnāpāna bhāvanāより以前のことです。釈尊はそれを拒否したのはNibbānaすなわち苦しみからの永続的な救済につながらないからです。

Tipitakaには多くのsuttāがあります。それらは、Ānāpānaが正しく実践されると、自動的にSatipatthāna、Saptha Bojjanga、およびすべての37の正覚の要因を満たし、Nibbānaにつながると明確に述べています。したがって、Ānāpāna satiは、単に呼吸に焦点を合わせるよりもはるかに深いのです。

以下に、これら2つの証拠を示します。まず、仏教のĀnāpānasati bhāvanāで何が達成できるかを見てみましょう。

2. According to the Ānāpānassati Sutta (MN 118): “..Ānāpānassati, bhikkhave, bhāvitā bahulīkatā cattāro satipaṭṭhāne paripūreti. Cattāro satipaṭṭhānā bhāvitā bahulīkatā satta bojjhaṅge paripūrenti. Satta bojjhaṅgā bhāvitā bahulīkatā vijjāvimuttiṃ paripūrenti.”

• Translated, “..Ānāpānassati, when used (bhāvitā) and used frequently (bahulīkatā), completes (paripūreti) four types of Satipatthāna. Cattāro satipaṭṭhāna, when used and used frequently, completes Sapta Bojjanga. Sapta Bojjanga when used and used frequently, completes the full release (Nibbāna or Arahanthood)”.
• Exactly the same statement was made in the Ananda Sutta (SN 54.13). In fact, most of the suttās in Ānāpāna Saṃyutta (SN 54) has that phrase or the phrase: “... Here, “mahappalā” (“mahā” + “pala“) means the four Noble stages: Sotapanna, Sakadagami, Anagami, Arahant.

Therefore, it is quite clear that ānāpānassati, by itself, can lead to all the way to the Arahanthood. Thus, one does not need to do “separate vipassanā (insight) meditation after getting to samatha with ānāpānassati” as some suggest.

2Ānāpānassati Sutta (MN 118)によれば　 “..Ānāpānassati, bhikkhave, bhāvitā bahulīkatā cattāro satipaṭṭhāne paripūreti. Cattāro satipaṭṭhānā bhāvitā bahulīkatā satta bojjhaṅge paripūrenti. Satta bojjhaṅgā bhāvitā bahulīkatā vijjāvimuttiṃ paripūrenti.

翻訳すると「..Ānāpānassati」を使用（bhāvitā）（枠内にエネルギーを充満させる）すると、そして頻繁に（bahulīkatā使用）すると、4種類のSatipatthānaが完成（paripūreti）します。 Cattāro satipaṭṭhānaは使用、および頻繁に使用すると、Sapta Bojjangaが完成させます。 Sapta Bojjangaは、使用および頻繁に使用すると、完全な離脱（Nibbānaすなわちアラハンの境地）を完了します。　

Ananda Sutta (SN 54.13)でもまったく同じ声明がされています。実際、Ānāpāna Saṃyutta (SN 54)のsuttāのほとんどには、“Ānāpānassati, bhikkhave, bhāvitā bahulīkatā mahapphalā hoti mahānisaṃsā“というフレーズがあります。

ここで、「mahappalā」（「mahā」+「pala」）は、Sotapanna, Sakadagami, Anagami, Arahantの4つの高貴な段階を意味します。

したがって、ānāpānassatiが単独でアラハンの境地に至ることは明らかです。したがって、一部の人が示唆するように、「ānāpānassatiでサマタを得た時には、別個であるヴィパッサナー（洞察）瞑想」をする必要はありません。

3. The next key question is: “Can breath meditation, by itself, lead to Arahanthood?     This is the critical question that needs to contemplated by those who believe that  Ānāpānassati means breath meditation.

• Nibbāna is removal of greed, hate, ignorance: “rāgakkhayō dōsakkhayō mōhakkhayō idaṃ vuccati nibbānanti“.  This verse is in many suttās, for example, in Nibbāna pañhā Sutta (SN 38.1).

If Ānāpānassati means breath meditation, how could keeping the mind on one’s breath by itself REMOVE rāga, dōsa, mōha from one’s mind?

3.次の重要な質問は「呼吸瞑想は、それだけでアラハンの境地に至りますか？」

これは、Ānāpānassatiが呼吸瞑想を意味すると信じる人々によって熟慮される必要がある重要な質問です。

Nibbāna とは、欲、憎しみ、無知を取り除くことです。

“rāgakkhayō dōsakkhayō mōhakkhayō idaṃ vuccati nibbānanti“.　　　　至る？除去？

これは Nibbāna pañhā Sutta (SN 38.1)含め、いくつかのsuttaに出てくるフレーズです。

Ānāpānasnasatiが呼吸瞑想を意味する場合、どうすればマインドを自分の呼吸に留めることができるのでしょうか？マインドからrāga, dōsa, mōhaを除去できるのでしょうか？

4. The conventional (and erroneous) teaching in many texts today is that one needs to get to samādhi with Ānāpānassati and then one needs to do Vipassanā or insight mediation to attain magga phala.

• However, from the above discussed suttās it is quite clear that Ānāpānassati by itself can lead to even the Arahanthood!

Of course this erroneous interpretation — that breath meditation is Buddhist Ānāpāna bhāvanā —  is not something that current practitioners  came up with. It can be traced back to Buddhaghosa’s Visuddhimagga, see, “Buddhaghosa’s Visuddhimagga – A Focused Analysis“.

4.今日の多くのテキストでの従来の（そして誤った）教えは、はじめに Ānāpānassati でsamādhiに到達する必要があり、次にmagga phala（アラハンに至る４段階の道）を達成するためにVipassanāまたは洞察瞑想を行う必要があるということです。

しかし、上記で議論したsuttaから、Ānāpānassati自体がアラハンの境地にさえ導けることは非常に明確です！

もちろん、「呼吸瞑想とは仏教のĀnāpāna bhāvanāのことである」という誤った解釈は、現在の実践者が思いついたものではありません。Buddhaghosaの清浄道論にまでさかのぼることができます。Buddhaghosa’s Visuddhimagga – A Focused Analysis

5. The incorrect version of Ānāpānassati was there even before the Buddha. In the Arittha Sutta (SN 54.06), the Buddha, upon finding out that Bhikkhu Arittha was practicing the incorrect breath meditation as Ānāpānassati told him, “..Atthesā, ariṭṭha, ānāpānassati, nesā natthī’ti vadāmi. Api ca, ariṭṭha, yathā ānāpānassati vitthārena paripuṇṇā hoti taṃ suṇāhi, sādhukaṃ manasi karohi; bhāsissāmī”ti.

• Translated, “..There is that ānāpānassati, Arittha. I don’t say that there isn’t. But I will describe the real (yathā) ānāpānassati, listen and pay close attention. I will speak.”
• Furthermore, that incorrect version of breath meditation was used by yōgis at that time even to attain higher jhāna. However, those anāriya jhāna are attained by just SUPPRESSING defilements (keles), and will not lead to ANY magga phala. Those who cultivate such anāriya jhāna will also have next birth in Brahma realms, but after that they can be reborn even in the apāyās.

5. Ānāpānassati の誤ったバージョンは、釈尊の以前でさえ存在していました。Arittha Sutta (SN 54.06)では、釈尊は、比丘Aritthaが誤った瞑想をしているのを知って、彼に言いました。

“..Atthesā, ariṭṭha, ānāpānassati, nesā natthī’ti vadāmi. Api ca, ariṭṭha, yathā ānāpānassati vitthārena paripuṇṇā hoti taṃ suṇāhi, sādhukaṃ manasi karohi; bhāsissāmī”ti.

「.. Aritthaよ、そのようなānāpānassatiがないとは言わない。しかし、私は本物のānāpānassatiを説明するので、耳を傾け、細心の注意を払いなさい、では説明します。」

さらに、当時のyōgisヨーギは、より高い jhānaを達成するために、その誤ったバージョンの呼吸瞑想を使用していました。しかし、それらのanāriya jhānaは、単に汚れ（keles）を抑制することによって達成され、magga phalaにつながることはありません。そのようなanāriya jhānaを育む人々は次の誕生（来世）をブラフマの領域でもしますが、その後は apāyāsにも生まれ変わる可能性があります。

6. The main reason for the incorrect interpretation of Ānāpānassati as breath meditation is that in many suttās it is described as assāsa/passāsa, which conventionally means taking in/putting out of something, and particularly to breathing in/breathing out.

• In fact, āna/āpāna (which rhymes as ānāpāna) also mean taking in/putting out, as we discuss below.
• However, in the suttās on Ānāpānassati, assāsa/passāsa or  āna/pāna specifically mean taking in kusala/getting rid of akusala, or, equivalently, taking in the Noble Eightfold Path/discarding the miccā eightfold path.

That should be clear to anyone who knows that Nibbāna is attained via getting rid of dasa akusala.

6.Ānāpānassatiが呼吸瞑想として誤って解釈される主な理由は、多くのsuttāsでassāsa/passāsaとして記述されていることです。

実際、āna/āpānaは、以下で説明するように、取り込み/取り出しも意味します。

ただし、Ānāpānassatiのsuttāsでは、assassa /passāsaすなわちāna/pānaは、具体的には、kusalaを取り込むこと/ akusalaを取り除くことを意味します。つまり、誤った八道を放棄して八正道を進むということです。

Nibbāna はdasa akusalaを取り除くことで達成されることを知っている人なら誰にでも明らかであるはずです。

7. In the assāsa Sutta (SN38.5), it is specifically said what needs to be “taken in” (assāsa):

• “Katamo panāvuso maggo katamā paṭipadā etassa assāsassa sacchikiriyāyāti (what needs to be “taken in”). Ayameva kho āvuso ariyo aṭṭhaṅgiko maggo etassa assāsassa sacchikiriyāya (it is the Noble Eightfold Path that needs to be “taken in”). Seyyathīdaṃ (namely): sammādiṭṭhi sammāsaṅkappo sammāvācā sammākammanto sammāājīvo sammāvāyāmo sammāsati sammāsamādhi”.
• Parama assāsa Sutta (AN38.6) has the same statement, emphasizing with the term “parama” or “superior”.

Therefore, there should not be any confusion about what assāsa means.

7. assāsa Sutta (SN38.5)では、「取り入れる(assāsa)」必要があるものと具体的に述べられています。

“Katamo panāvuso maggo katamā paṭipadā etassa assāsassa sacchikiriyāyāti（取り入れる必要があるもの）. Ayameva kho āvuso ariyo aṭṭhaṅgiko maggo etassa assāsassa sacchikiriyāya (八聖道が取り入れる必要があるものです。)

Seyyathīdaṃ (換言すると): sammādiṭṭhi sammāsaṅkappo sammāvācā sammākammanto sammāājīvo sammāvāyāmo sammāsati sammāsamādhi”.

Parama assāsa Sutta (AN38.6)にも同じフレーズがあり、「parama」つまり「上の位置」という用語を強調しています。

したがって、assassaの意味について混乱はないはずです。

8. A detailed description of how the cultivation of correct  Ānāpānassati leads to Ariya jhānas as well as magga phala is described in the Padīpopama sutta (SN 54.8), also called the Dipa Sutta.

• “So satōva assasati, satōva passasati” means “He maintains his mind on dhamma that should be taken in (kusala or moral) and those that should be gotten rid of (akusala or immoral)”.

“paṭinissaggānupassī assasissāmī’ti sikkhati, ‘paṭinissaggānupassī passasissāmī’ti sikkhati” means, “one cultivates discipline (sikkhati) by removing bonds that binds one to the rebirth process (patinissaganupassi) by taking in morals (assasissāmi) and getting rid of immorals (passasissāmi)”.

8.正しいĀnāpānassatiの育成がどのようにAriya jhānasとmagga phalaにつながるかの詳細な説明は、Dipa Suttaとも呼ばれるPadīpopama sutta (SN 54.8)に記述されています。

“So satōva assasati, satōva passasati” とは

Kusala徳を取り入れ、akusala不善を除去するダンマにマインドをキープする、という意味です。

“paṭinissaggānupassī assasissāmī’ti sikkhati, ‘paṭinissaggānupassī passasissāmī’ti sikkhati” は,　徳を取り入れ(assasissāmi)、不善を除去する(passasissāmi)ことで、再生プロセス(patinissaganupassi)との拘束を除去して、規律(sikkhati)が育成される。

9. As is the case with many Pāli words, the meaning of the word Ānāpāna is embedded in the word itself. The two words  “āna” and “āpāna” combine to rhyme as ānāpāna. When  “sati” is added for being mindful of that, it becomes ānāpānassati.

• “Āna” is taking in; In Sinhala, “ānayanaya” is “import”. “Äpāna” is discarding;  In Sinhala, “apanayanaya” is “export”. Thus “äna”+”äpäna” or anapana is “taking in/discarding” or import/export.
• “Assa” is same as “āna”, and “passa” is the same as “āpāna”. In Sri Lanka, parents tell their child to clean his/her room by saying, “kämaraya (room) assa passa (or aspas) karāganna”.
• When cleaning the room, the child needs to get rid of the clutter (passa), but also can take in (assa) something like a flower vase to make the room look more pleasant, or to take in a chair that can be useful.

So, one does not throw away everything or take in everything. One needs to be selective in taking in “good things” and throwing away “bad things”. That is where mindfulness comes in. That cannot be done with breath.

9.多くのパーリ語の場合と同様に、Ānāpānaの意味は語句自体に埋め込まれています。 「āna」と「āpāna」の2つの単語は、ānāpānaとして韻を合わせます。そのことを念頭に置いて「sati」を追加すると、ānāpānasnasatiになります。

「Āna」が取り入れで、「Äpāna」は放棄です。シンハラ語では、「ānayanaya」は「輸入」で「apanayanaya」は「輸出」です。したがって、「äna」+「äpäna」またはanapanaは「取り込み/取り出し」またはインポート/エクスポートです。

•「Assa」は「āna」と同じであり、「passa」は「āpāna」と同じです。

すべてを捨てたり、すべてを取り入れたりすることはありません。 「良いもの」を取り入れ、「悪いもの」を捨てる際には、選択する必要があります。ここでマインドフルネスの出番です。

「息」では選択や判断はできません。

10. Most people are reluctant to give up the wrong practice of “breath meditation” simply because they are attached to the “state of well being” that can be reached with breath meditation. But that relief is only temporary.

• It is even possible to attain anāriya jhānas with breath meditation, but those jhānas are also temporary, because the defilements are only SUPPRESSED. On the other hand, the Ariya jhānas attained via correct Ānāpānasati bhāvanā are permanent even in future rebirths because deeply-hidden defilements (anusaya) are REMOVED.

It must also be mentioned that breath mediation can be used to calm down one’s mind. But one should not expect to make much progress towards Nibbāna using it. In fact, if one gets “addicted” to it (as I have seen many people do), it could be a serious distraction to the Noble Path.

10.ほとんどの人は、呼吸瞑想で得ることができる「幸福の状態」に執着して「呼吸瞑想」の間違った実践を放棄することを嫌がります。しかし、その救済は一時的なものです。

呼吸瞑想でanāriya jhānasを達成することも可能ですが、これらのジャナも一時的なものです。一方で、正しいĀnāpānasati bhāvanāによって達成されたAriya jhānasは、深く隠された汚れ（anusaya）が除去されるため、将来の転生においても永続的です。

また、呼吸瞑想を使って心を落ち着かせることができることにも言及する必要があります。しかし、それを使ってNibbānaに向かって大きな進歩を期待することはできません。実際、（多くの人がそうなるのを見ましたが）「中毒」になると、それは四諦の道に深刻な障害になる可能性があります。

11. As I have emphasized in the “Bhävanä (Meditation)” and the “Maha Satipatthana Sutta“, one should not restrict either Ānāpānasati or Satipatthāna bhāvanā to formal sessions conducted sitting down at an isolated place.

• When the Buddha said, “..Ānāpānassati, bhikkhave, bhāvitā bahulīkatā..” in #2 above, he meant doing it as much as possible, anywhere possible. That means basically all the time! One just needs to be mindful of one’s actions, speech, and thoughts, and stop bad ones and cultivates good ones.
• This is the fundamental approach to practice, see, “Living Dhamma” section for a step-by-step process that can be used by even those who do not believe in the basic tenets of Buddha Dhamma, like rebirth or kamma.

11. Bhävanä (Meditation)とMaha Satipatthana Suttaで強調したように、anāpāna satiまたはSatipatthāna bhāvanāを孤立した場所で座って行われる正式なセッションに制限すべきではありません。

釈尊が上記の＃2で「..Ānāpānasnasati、bhikkhave、bhāvitābahulīkatā..」と言ったとき、彼は可能な限りどこでもそれをすることを意味しました。つまり、基本的には常にです！自分の行動、言論、思考に留意し、悪いものを止め、良いものを養います。

これが実践の基本的なアプローチです。転生やkammaのようなBuddha Dhammaの基本的な信条を信じない人でも使用できる段階的なプロセスについては「Living Dhamma」のセクションを参照してください。

12. Some people believe that Ānāpānasati or Satipatthāna bhāvanā should be done in formal sessions, because of the verse, “Idha, bhikkhave, bhikkhu aranna gato vä rukkhamüla gato vä sunnägära gato vä nisidati pallankaṃ äbhujitvä, ujuṃ käyaṃ paṇidhäya, parimukhaṃ satiṃ upaṭṭhapetvä”, that appears in multiple suttās explaining both Ānāpānassati and Satipattāna bhāvanā.

In most English translations this verse is written as,

“There is the case where a monk, having gone to the wilderness, to the foot of a tree, or to an empty building, sits down folding his legs crosswise, holding his body erect, and setting mindfulness to the fore”.

• But there is a deeper meaning to this verse. For example, in the word “rukkhamūla“,
  “rukkha” is “tree” and “mūla” is the “root”; even though the top of a tree sways back and forth with the wind, the tree trunk close to the root is very stable. Thus “rukkhamūla gatō vā” means getting to a stable mindset. In the conventional interpretation is says, “having gone to the foot of a tree”.
• The deeper meaning of that complete verse is discussed in detail in, “Prerequisites for the Satipatthāna Bhāvanā“. Then the verse can be stated something like, “get into a calm and stable mindset that is devoid of greed, hate, and ignorance; keep a modest attitude without any sense of superiority; be forthright and honest, and keep the mind on the main object of cooling down the mind”. That can be done anywhere, a formal session is not needed, even though that could be helpful.

One could also use the conventional meaning for formal sessions. But of course, it is the deeper meaning that is much more important even in formal sessions.

12. Ānāpānasati や Satipatthāna bhāvanāは公式セッションで行われるべきだと考える人もいます。

それはいつくかのsuttaに記述されている

“Idha, bhikkhave, bhikkhu aranna gato vä rukkhamüla gato vä sunnägära gato vä nisidati pallankaṃ äbhujitvä, ujuṃ käyaṃ paṇidhäya, parimukhaṃ satiṃ upaṭṭhapetvä”

をこの２つの瞑想にも適用しているためです。

ほとんどの英語の翻訳では、この聖句は次のように書かれています。

「比丘は野に行き、樹の下で、もしくは誰もいない建物の中で、足をクロスさせて座り、体をまっすぐに起こし、気づきの状態でいなさい」

しかし、この聖句にはもっと深い意味があります。たとえば、「rukkhamūla」という単語の「rukkha」は「木」、「mūla」は「根」です。木のてっぺんは風で前後に揺れますが、根に近い木の幹は非常に安定しています。したがって、「rukkhamūla gatō vā 」とは、安定した考え方に到達することを意味します。従来の解釈では、「木の根元に行く」と解釈されてきています。

その完全な頌歌のより深い意味は、Prerequisites for the Satipatthāna Bhāvanāで詳細に議論されています。それから、この節は次のように述べている可能性があります。

「渇望と嫌悪と無知から離れ、静かで落ち着いたマインドの状態に入っていきます。そして優越感がない控えめな態度を保ち、率直かつ正直になり、マインドを冷静にすることを目的にして心を保ちます。」

それはどこでも行うことができるので、正式なセッションは効果的でありますが、絶対の条件ではありません。

正式なセッションを従来の意味で解釈することもできます。しかし、もちろん、正式なセッションという語句にも、より大切で深い意味があります。

13. If anyone has any evidence to the contrary from the Tipitaka, please make a comment at the “Discussion Forum“. I will be happy to address any such issues.

• Other than the three commentaries (Patisambhidamagga, Petakopadesa, and Nettippakarana) that are included with the Tipitaka, all other commentaries written later have many inconsistencies and outright misinterpretations; see, for example, “Buddhaghosa’s Visuddhimagga – A Focused Analysis“.

13.誰かがTipitakaから反対の証拠を持っている場合は、「Discussion Forum」でコメントしてください。このような問題に対処させていただきます。

Tipitakaに含まれる3つの解説（Patisambhidamagga、Petakopadesa、およびNettippakarana）を除き、後で記述された他のすべての解説には多くの矛盾と完全な誤解があります。たとえば、「Buddhaghosa’s Visuddhimagga – A Focused Analysisを参照してください。

6. Anāpānasati Bhāvanā (Introduction)

The top 10 posts in this section describe the fundamentals of Buddhist meditation. The rest of the posts in this section are on possible meditation subjects and can be used to clarify unresolved questions, and to gain samādhi. The first 11 posts should be followed in that order, at least initially.

このセクションの上位10件は、仏教の瞑想の基礎について説明しています。このセクションの残りのトピックは考えられる瞑想のテーマに関するものであり、未解決の質問を明確にし、サマーディーを獲得するために使用できます。最初の11件は、少なくとも最初はこの順序でフォローする必要があります。

1. I hope that  several key points are clear from the discussion in the post, “The Second Level – Key to Purify the Mind“:

• Bad habits (gati/āsava) are associated with one more immoral or unworthy acts, speech, or thoughts. We need to discard those.
• To counter the bad habits one needs to cultivate good habits. For this, we need to cultivate moral behavior by engaging in moral activities that bring joy to the heart.

AND we need to do this all the time; we cannot let bad habits come back, which means we need to be on the lookout for any lapses in our practice. And we need to be on the lookout for opportunities to do moral acts that are beneficial for oneself and others.

1. The Second Level – Key to Purify the Mindでの議論から、いくつかの重要な点が明らかになれば幸いです。

悪い習慣（gati /āsava）は、不道徳または価値のない行為、言論、または思考に関連しています。それらを破棄する必要があります。

悪い習慣に対抗するには、良い習慣を養う必要があります。そのためには、マインドに喜びをもたらす道徳的活動を行い、道徳的行動を育成する必要があります。

そして、これを常に行う必要があります。悪い習慣を取り戻したくはありません。つまり、私たちの実践の欠如を監視する必要があります。そして、自分自身と他人のために有益な道徳的行為をする機会を探し続ける必要があります。

2. The Buddha described bhävana as follows: “āsevitäya, bhāvitāya, bahuleekathāya,...” or “keep close association, use often, and use all the time (what is good)……”. When one is making an effort to form a new habit, one should be thinking about it and doing things to support that whenever possible. Trying to do it in a formal meditation session will not be enough.

• We discussed the current scientific explanation of how repeated acts help form habits by strengthening a set of neural connections in the brain in an earlier post in this series. The same thing works to break bad habits by NOT doing it whenever that comes to the mind; existing neural connections will get weaker.
• What is to contemplate: To be mindful to “take in good things (kusala or moral things), and to “discard bad things (akusala or immoral things)”. This is the real meaning of ānāpānasati bhāvana.
• In the wider sense, “āna” includes anything that needs to “taken in” for the betterment of life, and “āpāna” the opposite. For example, we should eat only foods that are good for the body, and stay away from or discard foods that are bad.

Nowadays, “āna” is taken to be “breath in” and “āpāna” is taken to be “breath out”; “sati” means mindfulness so, the word “ānāpānasati” is interpreted as “mindfully breathing in and mindfully breathing out”. This is the conventional (or “padaparama“) interpretation of “ānapāna“, and that is only a very narrow use; see the post below that explains these terms.

2.釈尊はbhävanaを次のように説明しました：「āsevitäya、bhāvitāya、bahuleekathāya、...」すなわち「密接な関連を保ち、頻繁に使用し（枠内にエネルギーを満たす）、（良いことを）常に使用する……」。新しい習慣を作る努力をしているときは、それについて考え、それをサポートするために可能な限りのことをする必要があります。正式な瞑想セッションだけでは十分ではありません。

このシリーズの以前に、繰り返しの行為が脳の神経接続を強化して習慣を形成する現在の科学的説明をしました。同じように、頭に浮かぶたびにそれをしないことで、悪い習慣を打破することができます。既存の神経の接続が弱くなっていくのです。

何を考えるべきか：「良いもの（kusalaすなわち道徳的なもの）を取り入れ、「悪いもの（akusalaすなわち不道徳なもの）を捨てる」ことを心に留めておくこと。これがānāpānasati bhāvanaの本当の意味です。

より広い意味では、「āna」には、生活を改善するために「取り入れ」なければならないあらゆるものが含まれ、「āpāna」にはその逆が含まれます。たとえば、体に良い食べ物だけを食べ、悪い食べ物は避けたり捨てたりするべきです。

現在、「āna」は「呼吸のブレスイン」、「āpāna」は「ブレスアウト」と解釈されています。 「sati」はマインドフルネスを意味するので、「ānāpānasati」という言葉は「マインドフルに息を吸い、マインドフルに息を吐く」と解釈されています。これは、「ānapāna」の従来の（すなわち「padaparama」）解釈であり、これは非常に狭義です。これらの用語を説明する以下のトピックを参照してください。

3. These aspects are discussed in many suttā. I have a couple of posts that discuss the Sabbāsava Sutta (sabba+āsava is all āsavas), which point out seven specific steps that will help remove bad habits and develop good habits (gati/āsavas).

Looking at the same goal from a slightly different viewpoint, five such steps are given in the Vitakkasanthāna (vitakka+san+thāna = removing defiled thoughts) sutta; I hope to write a post on this later.

3.これらの側面は多くのsuttāで説明されています。 SabbāsavaSutta（sabba + āsava　すべてのāsavas）では悪い習慣（gati /āsavas）を取り除き、良い習慣を身につけるのに役立つ7つの具体的な手順を示しています。

わずかに異なる視点ですがVitakkasanthāna（vitakka（考え） + san（貪瞋痴） +thāna（削除））suttaには、同じ目標の5つのステップが示されています。これについては後にトピックにします。

4. Now, with all the discussion we have had up to this point, how can just a process of “breathing in” and “breathing out” mindfully GET RID OF either the bad habits (gati/āsāvas) or the five hindrances?

• Of course, that is not possible.
• But it CAN do one thing, as we mentioned before. If we sit in a quiet place with the eyes closed (i.e., turn off the five physical senses in effect), AND fix the mind on the breath, we can get the five hindrances to settle down and not come up (assuming that we are staying away from committing the BIG EIGHT immoral acts).

However, this calming down or getting to Samatha is a TEMPORARY solution. The moment we come back to the real world with all its distractions and temptations, those habits take over.

4.さて、ここまでの議論で、「息を吸い込む」と「息を吐く」だけのプロセスで、悪い習慣（gati /āsāvas）または5つの障害を取り除くにはどうすればよいでしょうか。

もちろん、それは不可能です。

しかし、前述したように、1つのことを実行できます。目を閉じて静かな場所に座って（つまり、効果的な5つの身体感覚をオフにして）、マインドを呼吸に固定すると、マインドが落ち着いて5つの障害が立ち上がらなくなる可能性があります（ビッグエイトの不道徳な行為を犯さないようにすることが前提です）。

ただし、これで落ち着き、すなわちサマサに至っているのは一時的な解決策です。私たちが日常生活に戻った瞬間に気晴らしと誘惑で、これまでの習慣が再開されます。

5. The breath meditation needs to be used appropriately, with the understanding that it can provide only temporary relief. This breath meditation is the same meditation that was used by the Hindu yogis to attain mundane (Anāriya) jhānā even before the Buddha.

• Since the time Buddhaghosa’s Visuddhimagga was accepted as the basis of Theravada Dhamma (in the fifth century CE), this “literal interpretation” of the ānāpānasati has been used.

The real anāpānasati bhāvanā is not described in the Visuddhimagga and is not described in any  Mahayaṃa or even Theravada texts today. One needs to go directly to the Tipiṭaka to find it; it is described in many suttā, for example, the Assāsa sutta. I could not find an English translation of this sutta. Another one Arittha Sutta and the translation published at the Access to insight site is not complete, even though it does contain Buddha’s admonition to Ven. Arittha that in and out-breathing is only one version of Ānāpānasati (in the sutta it says it is NOT the Ariya or Noble version): http://www.accesstoinsight.org/tipitaka/sn/sn54/sn54.006.than.html.

5.呼吸瞑想は一時的な緩和のみを提供できることを理解した上で、適切に使用する必要があります。この呼吸瞑想は、釈尊の以前でも平凡な（Anāriya）jhānāを達成するためにヒンドゥー教のヨギが使用した瞑想と同じです。

BuddhaghosaのVisuddhimaggaが上座部Dhamma（CE 5世紀）の基礎として認められた時以来、ānāpānasatiの「文字通りの解釈」が使用されてきました。

実際のanāpānasatibhāvanāはVisuddhimaggaには記述されておらず、今日の大乗や上座部のテキストにも記述されていません。Tipiṭakaを直接見る必要があります。 Assassa suttaなど、多くのsuttāで説明されています。このsuttaの英語訳は見つかりませんでした。もう1つのArittha Suttaと「Access to insightサイト」で公開された翻訳には、釈尊のArittha尊者への忠告が含まれていても、完全ではありません。 Aritthaが息を吸ったり吐いたりすることはĀnāpānasatiのたった1つのバージョンである（suttaの中でそれはAriyaすなわちNobleバージョンではないと言っています）

http://www.accesstoinsight.org/tipitaka/sn/sn54/sn54.006.than .html

6. Thus there are two interpretations of the Ānāpānasati Bhavana: one is the conventional “breathing” version and the other is the real version recommended by the Buddha, which has a wider interpretation, including breathing to a minor extent.

• The Ānāpānasati sutta is the condensed version of the Buddha’s desana on Ānāpānasati Bhavana. As with most main suttā, the discourse was condensed into the form for easy transmission. Other suttā, mostly by Ven. Sariputta, have explained the terms like “āna” and “āpana” in detail (like the Assāsa Sutta).
• See, “Is Ānāpānasati Breath Meditation?“, where I provide a detailed discussion based on the Tipiṭaka.
• Furthermore, Sinhala commentaries (Atthakathā) were also written to explain the main suttā. Unfortunately, these atthakathās were burned down shortly after Buddhaghosa wrote his Visuddhimagga and other books. However, three important ones (Patisambhida Magga Pakarana, Pitakopadesa, and Netthipakarana) have survived because they had been included in the Tipiṭaka. What I describe here is from those books in the Tipiṭaka.

Buddhaghosa was a Hindu before converting to be a Buddhist later on; see, “The Life and Work of Buddhaghosa” by B. C. Law (1927). Some say he became a Buddhist in order to introduce Hindu concepts to Buddha Dhamma. Either that or he just used whatever he understood to be the Ānāpānasati without any malicious intentions. Either way, the correct interpretation had been hidden for all these years; see, “Buddhaghosa’s Visuddhimagga – A Focused Analysis“.

6.したがって、ĀnĀpānasatiBhavanaには2つの解釈があります。1つは従来の「呼吸」バージョンであり、もう1つはブッダが推奨する実際のバージョンです。それは呼吸の広義が少し違う解釈です。

Ānāpānasati suttaは、Ānāpānasati Bhavanaについての釈尊のdesana（講話）の要約版です。ほとんどの主要なsuttāと同様に、簡単に伝達できるように凝縮された形式になっています。主にSariputta尊者によって他のsuttaでもānaとāpanaについて詳細に説明しています（AssāsaSuttaなど）。

Is Ānāpānasati Breath Meditation?を参照してください。ここでは、Tipiṭakaに基づいて詳細なディスカッションを提供しています。

さらに、シンハラ語の解説（Atthakathā）も主要なsuttāを説明するために書かれました。残念ながら、これらのatthakathは、Buddhaghosaが彼のVisuddhimaggaと他の本を書いた直後に全焼しました。ただし、3つの重要なPatisambhida Magga Pakarana、Pitakopadesa、およびNetthipakaranaは、Tipiṭakaに含まれているために残存しています。ここで私が説明するのは、Tipiṭakaからです。

Buddhaghosa仏教徒に改宗する前はヒンドゥー教徒でした。 B. C. Law（1927）による「The Life and Work of Buddhaghosa」を参照。ヒンズー教の概念を仏法に導入するために彼が仏教徒になったと言う人もいます。それとも悪意の意図はなく、彼がĀnāpānasatiであると理解したものを書いたのか、のどちらかです。いずれにせよ、正しい解釈はずっと長い間にわたって隠されていました。Buddhaghosa’s Visuddhimagga – A Focused Analysisを参照してください。

7. The key message of the Buddha was that we need to remove the greed, hate, and ignorance that we all have in our minds, and by doing that we can experience the nirāmisa sukha that is of better quality and of permanent nature. Let us now discuss the basic meditation technique that will start us on the correct path to achieve lasting happiness.

• More evidence from the Tipiṭaka: “ “.

7.釈尊の重要なメッセージは、私たち全員がマインドに抱いている貪欲、憎しみ、無知を取り除く必要があるということであり、そうすることによって、質の良い、永続的な性質のnirāmisa sukhaを体験することができます。永続的な幸福を達成するための正しい道を歩むための基本的な瞑想のテクニックについて説明しましょう。

Tipiṭakaからのより多くの証拠：Is Ānāpānasati Breath Meditation?

7. What is Ānāpāna?

The top 10 posts in this section describe the fundamentals of Buddhist meditation. The rest of the posts in this section are on possible meditation subjects and can be used to clarify unresolved questions, and to gain samādhi. The first 11 posts should be followed in that order, at least initially.

Revised April 2, 2017 (#4); September 2 (#11)

このセクションの上位10件のトピックは、仏教の瞑想の基礎について説明しています。このセクションの残りのトピックは考えられる瞑想のテーマに関するものであり、未解決の質問を明確にし、サマーディーを獲得するために使用できます。最初の11件のトピックは、少なくとも最初はこの順序でフォローする必要があります。

1. The Ānāpānasati Sutta in the Majjhima Nikaya (Ānāpānasati Sutta, MN 118) starts off with the following, just after the very first verse:

Ānāpānassati, bhikkhave, bhāvithā bahulīkathā mahāpphalā hoti mahānisansā. Ānāpānassati, bhikkhave, bhāvithā bahulīkathā chattāro satipaṭṭhāna paripūreti. Chattāro satipaṭṭhānā bhāvithā bahulīkathā saptha bojjhaṅga paripūrenti. Saptha bojjhaṅgā bhāvithā bahulīkathā vijjā vimuttin paripūrenti.…..

That means: “Ānāpānasati , Bhikkhus, when practiced frequently bears much fruits and leads to much benefits. Ānāpānasati , Bhikkhus, when cultivated and pursued, brings the four Satipaṭṭhānas to their completion. The four Satipaṭṭhānas, when cultivated and pursued, bring the seven bojjangas to their completion. The seven bojjangas, when cultivated and pursued, bring vijjā (opposite of avijjā) and vimutti (or Nibbāna) to their completion….”

• Now, if ānapāna means “breathing in and breathing out”, how can that lead to the completion of the four Satipaṭṭhānas, the seven bojjangas, removal of avijjā, and the attainment of Nibbāna? Can anyone seriously think that is possible?

Instead, ānapāna MEANS cultivating Satipaṭṭhāna, saptha bojjanga, etc., by “taking in morals” and “expelling immorals” as we discuss below.

1. Majjhima NikayaのĀnāpānasati Sutta（ĀnāpānasatiSutta、MN 118）は、最初の節の直後に次のように始まります。

「比丘よ、Ānāpānasatiを実践すると、頻繁に多くの実を結び、多くの恩恵につながります。 比丘よ、Ānāpānasatiは、育み極めていくと、4つのSatipaṭṭhānasを完成させます。 4つのSatipaṭṭhānasは、育み極めていくと7つのbojjangasを完成させます。7つのbojjangasは、育み極めた時にvijjā（avijjāの反義語）とvimutti（すなわちNibbāna）を完成させます。」

さて、ānapānaが「息を吸い込んで息を吐く」を意味する場合、4つのSatipaṭṭhānas、7つのbojjangas、avijjāの除去、およびニッバーナの達成にどのようにつながるのでしょうか。誰かがそれを可能だと真剣に考えることができますか？

代わりに、ānapānaは、以下で説明するように、「道徳を取り入れ」、「不道徳を追い払う」ことによって、Satipaṭṭhāna、saptha bojjangaなどを育成することを意味します。

2. Satipaṭṭhāna bhāvana is a more detailed version of the Ānāpānasati bhāvana. Thus it is important to learn the correct version of the Ānāpānasati. If one does Ānāpānasati correctly, it can be easily turned to Satipaṭṭhāna bhāvana.

2.Satipaṭṭhāna bhāvanaは、Ānāpānasati bhāvanaのより詳細なバージョンです。したがって、Ānāpānasati の正しいバージョンを学ぶことが重要です。 Ānāpānasatiを正しく実行すれば、簡単にSatipaṭṭhāna bhāvanaに変えることができます。

3. First let us figure out exactly what the Buddha meant by “āna” and “āpāna” in “āna+āpāna+sati” which rhymes as ānāpānasati; of course “sati” is mindfulness.

• “Āna” is taking in; In Sinhala, “ānayānaya” is “import”. “āpāna” is discarding;  In Sinhala, “apānayānaya” is “export”. Thus “āna”+”āpāna” or ānapāna is “taking in/discarding” or import/export.
• “Assa” is same as “āna”, and “passa” is the same as “āpāna”. In Sri Lanka, parents tell their child to clean his/her room by saying, “kāmaraya (room) assa passa (or aspas) karāganna”.

When cleaning the room, the child needs to get rid of the clutter (passa), but also can take in (assa) something like a flower vase to make the room look more pleasant, or to take in a chair that can be useful.

3.まず、釈尊が「āna+āpāna+ sati」の「āna」と「āpāna」によって何を意味しているかを正確に理解しましょう。もちろん「sati」はマインドフルネスです。

「āna」は取り入れです。シンハラ語では、「ānayānaya」は「輸入」を意味します。 「āpāna」は破棄です。シンハラ語では、「apānayānaya」は「輸出」です。したがって、「āna」+「āpāna」すなわち「napāna」は「取り込み/破棄」すなわちインポート/エクスポートです。

「Assa」は「āna」と同じで、「passa」は「āpāna」と同じです。スリランカでは、親が子供に「kāmaraya（部屋）assa passa（すなわちaspas）kar sayingganna」と言って自分の部屋を掃除するように言います。

部屋を掃除するとき、子供は散らかった物を取り除く（passa）必要がありますが、花瓶のようなものを取り入れて（assa）、部屋をより美しく見せたり、便利な椅子を取り入れたりすることもできます。　

4. During the time of the Buddha itself, auxiliary suttā as well as commentaries (“Atthakatha“) were written to explain the key words/phrases in the main suttā that were abbreviated for easy transmission; see, “Preservation of Dhamma“. There are two important suttā, Assāsa sutta and the Parama Assāsa sutta that describe how one should “take in” kusala thoughts and “discard” akusala thoughts; that is “āna”+”āpāna” (ānapāna) or “assa/passa”, for cleaning up (the mind).

• In the Mahasaccaka Sutta, “assa/passa” was also used to indicate “in and out breathing” when the Buddha was describing to Saccaka how he engaged in the “breath meditation” per instructions by Alara Kalama and Uddacaramaputta while he was searching for the truth as Bodhisattva.
• But the very next verses of that sutta describes how he gave up on that technique and moved onto the correct path.
• So, we need to be careful about making sure a given phrase is used in the right context, depending on the situation.

For example, there are several conventional and deeper meanings to the key words “atta” and “anatta“, and one needs to be able figure out which meaning to use for a given case; see, “Atta Hi Attano Natho“, “Anatta – the Opposite of Which Atta?“, and links in those posts.

4.釈尊の時代には、簡単に伝わるように省略された主要な仏法のキーワード/フレーズを説明するために、補助的なsuttaと注釈（「Atthakatha」）が書かれました。Preservation of Dhammaをご覧ください。 2つの重要なsuttaがAssāsa suttaとParama Assāsa suttaであり、kusalaの考えを「取り入れ」、akusalaの考えを「破棄」する方法を説明しています。つまり、マインドをクリーンアップするために「āna」+「“pāna」（ānapāna）すなわち「assa / passa」するのです。

Mahasaccaka Suttaでは、釈尊がSaccakaに、まだ菩薩としての真実を探している頃にAlara Kalama と Uddacaramaputtの指示に従って「呼吸瞑想」をどのように行ったかを説明するときに、「呼吸のインとアウト」を示すために「assa/passa」も使われました。

しかし、そのsuttaの次の節は、彼がその手法をあきらめて正しい道に進んだことを説明しています。

そのため、状況に応じて、特定のフレーズが適切なコンテキストで使用されていることに注意する必要があります。

たとえば、「atta」および「anatta」というキーワードには、いくつかの従来のより深い意味があり、特定のケースでどの意味を使用するかを理解できる必要があります。Atta Hi Attano Natho“, “Anatta – the Opposite of Which Atta?を参照してください。

5. When one knows what kusala/akusala kamma are, the first thing to do is to prevent from doing akusala kamma and to make an effort to do kusala kamma by engaging in meritorious actions (puñña kriya); see, “Ten Immoral Actions (Dasa Akusala)”, and “Punna Kamma – Dāna, Sīla, Bhāvanā”.

• Thus when one leads a moral life, one is automatically engaging in the basic form of Ānāpānasati .

AND one cannot do a proper formal Ānāpānasati meditation and get to even samādhi, let alone a jhāna, unless one leads a moral life. The five hindrances are too strong to be suppressed; see, “Key to Calming the Mind – Five Hindrances”.

5. kusala / akusala kammaが何であるかを知っている場合、最初に行うことは、akusala kammaを実行しないようにすることと、価値ある行動（puñña　福なる土壌 kriya）に従事することによってkusala kammaを実行するための努力をすることです。Ten Immoral Actions (Dasa Akusala)”, and “Punna Kamma – Dāna, Sīla, Bhāvanāを参照してください。

したがって、人が道徳的な人生を送るとき、人は自動的にĀnāpānasatiの基本的な形に従事しています。

そして、人は道徳的な生活を送らない限り、適切な正式なĀnāpānasatiィ瞑想を行うことができず、jhāna どころかsamādhiにさえも到達することができません。

5つの障害は強すぎて抑制できないのであればKey to Calming the Mind – Five Hindrancesを参照してください。

6. Formal Ānāpānasati bhāvana can be done in a formal sitting or walking meditation session, while engaging in the basic version (taking in what is good/discarding what is bad) all the time.

• There is no need to do samatha bhāvanā separately. If one does a formal Ānāpānasati session with the eyes closed in a quiet place, one will automatically get into samādhi. Let good thoughts grow, and discard bad thoughts. Very simple.
• Another thing to do in a formal meditation session is to contemplate on a particular dhamma concept like anicca, dukkha, anatta. This is really focusing on “āna”.

When one gets to samādhi, the mind goes on “auto pilot”; you will feel that your mind is taking charge and you need to exert less effort to keep the focus.

6.正式なĀnāpānasati bhāvanaは、基本的なバージョン（良いものを取り入れ、悪いものを破棄する）に常時従事しながら、正式に座ったり、または歩く瞑想で行うことができます。

Samatha bhāvanāを個別に行う必要はありません。静かな場所で目を閉じて正式なĀnāpānasatiセッションを行うと、自動的にsamādhiに入ります。良い考えを育て、悪い考えを捨てましょう。とてもシンプルです。

正式な瞑想セッションで行うもう1つのことは、anicca、dukkha、anattaなどの特定のdhammaコンセプト について熟慮することです

これは本当に「āna」に焦点を当てていることです。

samādhiに到達すると、マインドは「自動操縦」になります。マインドに主導権があるように感じ、集中力を維持するためにより少ない労力ですみます。

1. When one does the basic version while engaged in other activities, one is only being mindful of what one is engaged in, i.e., the task at hand. That task presumably does not involve any of the BIG EIGHT we discussed previously; see, “The Basics in Meditation”. It could be a technical task or a daily chore like washing dishes or driving.  Be mindful of just the task (washing, driving, etc). Here one will NOT get into samādhi, so there is no danger in injuring oneself; Many people get into accidents while driving, because they are not being mindful of driving.

However, if one does not have a specific task (say, when riding a bus or waiting at the doctor’s office), one could be engaged in Ānāpānasati bhāvanā. When our minds are not focused on something (like in the above mentioned cases), all sorts of ideas bubble up. As we discussed in  “The Basics in Meditation”. These are due to deeply-ingrained habits or āsavā that we have acquired not only in this life but also from previous lives.

他の活動に従事しているときに基本バージョンを実行するとき、自分が従事しているもの、つまり目前のタスクにのみ注意を払いましょう。そのタスクは、以前に議論したBIG EIGHTのいずれもおそらく含まないでしょう。The Basics in Meditationを参照してください。それは技術的な仕事かもしれませんし、皿洗いや運転のような毎日の雑用かもしれません。作業（洗濯、運転など）だけに注意してください。ここではサマディに入らないことで、怪我をする危険をなくします。運転中に事故に遭う人が多いのは、運転をちゃんと意識していないためです。

ただし、特定のタスクがない場合（バスに乗っているときや診療所で待っているときなど）は、「Ānāpānasati bhāvanā 」に従事できます。私たちのマインドが何かに集中していない場合（上記の場合のように）、あらゆる種類のアイデアが浮上します。The Basics in Meditationで説明したように、これらは、私たちがこの人生だけでなく、前世からも身につけてきた、深く根付いた習慣や「āsavā」によるものです。

8. The more we keep reviving or re-living this habit (i.e., doing āna/apāna or assa/passa), we strengthen that good habit (gati).

We have come all this way in the cycle of rebirths that are mostly filled with suffering because of our bad habits (gati) that have been percolated to very dense state of deep-seated cravings (āsavas). It may take some time to develop this “āna/pāna”, but you will definitely see results in a few weeks to few months.

8.私たちがこの習慣を復活または復活させ続ける（つまりāna/apānaすなわちassa / passaを行う）ほど、その良い習慣（gati）を強化します。

私たちは、根深い渇望（āsavas ）が非常に密度の濃い状態で浸透している悪い習慣（gati）のために、苦しみでいっぱいになって「転生のサイクル」に戻ってくるようにしてきました。この「āna/pāna」を開発するには時間がかかる場合がありますが、数週間から数か月で結果が確実に表れます。

9. In the ānapānapabba of the Satipaṭṭhāna sutta, it says, “..sō satō vā assa sati, satō vā passa sati. Digham vā assasantō digham assasāmi ti pajānāti, digham vā passasantō digham passasāmi ti pajānāti, ……” Here it DOES NOT mean “take long breaths in, expel long breaths out”; rather it means, “get rid of old bad habits, and cultivate the old good habits”.

• Similarly, the very next sentence (“..rassam vā assasantō…”) is not about short breaths, but on those good habits that you started to work on recently, and those bad habits that started to creep in to the mind recently (if there is any).

There is no way that one can purify one’s mind by breathing in/out, even though it can get one’s mind to calm down (samatha). The correct way of doing it does both samatha and vipassāna together.

9.Satipaṭṭhāna suttaのānapānapabbaには、「..sō satō vā assa sati、satō v āpassa sati. Digham vā assasantō digham assasāmi ti pajānāti, digham vā passasantō digham passasāmi ti pajānāti、……”と書かれています。これは、「長い息を吸い込んで、長い息を吐き出す」という意味ではありません。これは、「古い悪い習慣を取り除き、古い良い習慣を育てる」ことを意味します。

同様に、次の文「..rassam vā assasantō…」は、短い呼吸についてではなく、最近取り組んだ良い習慣、および最近マインドに忍び込み始めた悪い習慣についてです。（もしあるのであれば）

心を落ち着かせる（samatha）ことはできますが、呼吸をすることで心を清めることはありません。それを行う正しい方法は、samathaとvipassānaの両方を一緒に実行します。

10. When we think a bit more about this, we realize that what needs to be discarded are micchā diṭṭhi (wrong views), micchā saṅkappa (wrong thoughts or ideas), micchā vācā (incorrect, harmful speech), micchā kammaṃta (incorrect/harmful actions), micchā ājiva (incorrect/harmful way of living), micchā vāyāma (tendency to strive on immoral activities), micchā sati (tendency to focus on immoral activities); when one does all that micchā samādhi (tendency to get absorbed in immoral ideas/actions) is the result.

• In the same way, what we need to “take in” are sammā diṭṭhi,  sammā saṅkappa, sammā vācā , sammā kammaṃta, sammā ājiva, sammā vāyāma, sammā sati, and when one keeps doing that one automatically gets to sammā samādhi.

Put it in another way, Ānāpānasati is nothing but “taking in” the Noble Eightfold Path and “”discarding” the opposite.

10.これについてもう少し考えると、破棄する必要があるのは、micchā diṭṭhi（間違った見解）、micchā saṅkappa（間違った考えやアイデア）、micchā vācā（正しくない、有害なスピーチ）、micchā kammaṃta（正しくない/有害な行動）、micchā ājiva（正しくない/有害な生き方）、micchā vāyāma（不道徳な活動に取り組む傾向）、micchā sati（不道徳な活動に集中する傾向）;そのすべてがmicchā samādhi（不道徳な考えや行動に没頭する傾向）をするときの結果です。

同様に、私たちが「取り込む」必要があるのは、sammā diṭṭhi、sammā saṅkappa、sammā vācā、sammā kammaṃta、sammā ājiva、sammā vāyama、sammā satiです。これを続けると、自動的にsammā samādhiになります。

別の言い方をすれば、Ānāpānasatiは八正道を「取り込んで」、反対のものを「捨てる」ことに他なりません。

11. The longer one “takes in” or “lives” the Noble Eightfold Path and “rejects” the opposite, easier it becomes to get to samādhi in a formal meditation session. When samādhi grows little by little, one day one will automatically get into the first Ariya jhāna. However, there is one more thing that is needed before getting to the Ariya jhānā: an understanding of anicca, dukkha, ānatta. We will discuss why in a future post.

• Keep practicing “ānapāna” as much as possible throughout the day. With time, you will feel the “cooling down” or ‘nivana” or “a taste of Nibbāna“.
• Buddha Dhamma is NOT about following rituals. It is all about cleansing one’s mind and that takes an effort and concentration. Initially it could be hard, but as one gains samādhi bit by bit, one gets motivated. In few months one can look back at one’s life and see that it has changed for the better.
• Even though one can start with discarding immoral deeds and cultivating or taking in moral, one needs to know the real meanings of “san“, anicca and anatta in order to do the ānāpānasati bhāvana in a deeper sense: (i) One needs to comprehend which “san” or defilements to be discarded; see, “San“. (ii) One needs to know the deeper meanings of Tilakkhana; see, “ “

11.八正道を「取り入れ」すなわち「生きて」、それに反するものを「拒絶」する時間が長いほど、正式な瞑想セッションでsamādhiにたどり着きやすくなります。 samādhiが少しずつ成長すると、ある日自動的に最初のAriya jhānaに入ります。ただし、Ariya jhānāに到達する前に必要なことがもう1つあります。anicca、dukkha、ānattaを理解することです。その理由については、今後のトピックで説明します。

「ānapāna」を一日中できるだけ練習してください。時間が経つにつれて、「クールダウン」すなわち「nivana」または「Nibbānaの味」を感じるでしょう。

仏法は儀式に付き従うものではありません。それはすべてマインドを清めることであり、それには努力と集中力が必要です。最初はそれは難しいかもしれませんが、人が少しずつsamādhiを得るにつれて、やる気が出てきます。数か月すれば、自分の人生を振り返って、それがより良い方向に変化したことがわかります。

不道徳な行為を捨て、道徳を養うすなわち取り入れることから始めることはできますが、より深い意味でānāpānasati bhāvana を実行するには「san」、anicca、anattaの本当の意味を知る必要があります。

（i）「san」すなわち汚れを破棄することを理解する必要がある　　　　　Sanを参照してください。

（ii）三相Tilakkhanaのより深い意味を知る必要がある。Anicca, Dukkha, Anattaを参照

8. The Basic Formal Anāpānasati Meditation

The top 10 posts in this section describe the fundamentals of Buddhist meditation. The rest of the posts in this section are on possible meditation subjects and can be used to clarify unresolved questions, and to gain samādhi. The first 11 posts should be followed in that order, at least initially.

このセクションの上位10件のトピックは、仏教の瞑想の基礎について説明しています。このセクションの残りのトピックは考えられる瞑想のテーマに関するものであり、未解決の質問を明確にし、サマーディーを獲得するために使用できます。最初の11件のトピックは、少なくとも最初はこの順序でフォローする必要があります。

1. As we discussed in the previous posts of this series, it is important to live a moral life without engaging in the BIG EIGHT in order to achieve the full benefits of meditation. One could start even while making progress on the BIG EIGHT, and these formal sessions will help with those as well.

1.このシリーズの以前のトピックで説明したように、瞑想のメリットを最大限に活用するには、BIG EIGHTに従事せずに道徳的な生活を送ることが重要です。 BIG EIGHTを実践して進歩している間にも始めることができ、これらの正式なセッションはそれらにも役立ちます。

2. Now let us talk about how to do the correct ānāpānasati meditation as taught by the Buddha; see, “7. What is Ānāpāna?“.

First pick out a quiet time slot that you can allocate without having to worry about other tasks. Initially, 10-15 minutes a day would be fine and you can extend the time to several hours when the benefits of proper meditation becomes clear and you start feeling the nirāmisa sukha.

2.ここで、釈尊によって教えられた正しいānāpānasati瞑想を行う方法について話しましょう。7. What is Ānāpāna?

最初に、他のタスクを気にすることのない静かな時間帯を選びます。最初は、1日10〜15分で十分です。適切な瞑想の利点が明らかになり、nirāmisa sukhaを感じるようになると、時間を数時間に延長できます。

3. Pick out a room away from external disturbances as much as possible. A room that can be darkened and the door can be closed would be ideal. Sit in a comfortable chair with arm rest, and this becomes important when one start getting into samādhi, because the body could become less rigid and tends to slide off (however, some people including myself tend to “freeze” just like in samādhi statues).

Anyway, do not make the chair too comfortable because you may fall asleep. With practice this sleepiness will automatically go away, when the mind starts liking the meditation sessions, i.e., when one of the pancanivarana, thina middha, is automatically removed. One comes out of samādhi energized.

3.外の騒がしさからできるだけ離れて部屋を選びます。暗くすることができ、ドアを閉じることができる部屋が理想的です。アームレスト付きの快適な椅子に座ります。これは、samādhiに入るときに重要になります。身体のこわばりがなくなり、椅子から滑り落ちる傾向があるためです（ただし、私を含む一部の人は、サマーディ像のように「凍る」傾向があります）

とにかく、眠りに落ちる可能性があるので、椅子をあまり快適にしないでください。練習をすれば、この眠気は自動的になくなります。マインドが瞑想セッションを好きになると、つまり五蓋pañca nīvaraṇāni、の1つである惛沈・睡眠（倦怠・眠気）thina middhaが自動的に削除されます。エネルギーのあるサマディから出てきます。

4. Sit in the chair with the hands on the lap and eyes closed. What we will be trying to do is to ward off any thoughts of lust, cravings, etc. (kāmacchanda), any thoughts of hate (vyāpāda) in particular, and also any stray thoughts such as on kids or other pending tasks. We want to experience the “cooling down” due to the absence of kāmachanda and vyāpāda, and also to focus the mind on a Dhamma concept. For those who are starting out, it may be good to do the following first:

• In order to keep the mind from running away, keep saying in your mind, “May all beings be happy and healthy”. Or, you could think about some act of generosity that you did recently. But all of a sudden you may drift to a thought of some type of a sensual pleasure (involving any of the senses). Deliberately get rid of that thought and focus the mind back on the original task.
• If a hateful thought (towards someone or something) comes to mind, forcefully stop that thought as well. Here you should deliberately think about good thoughts about that person. It is important to remember that even the most vile person has friends/family that love that person. Sincerely say, “May X be happy and healthy”. Even if you have good reasons to despise that person, it is important to realize that our task is to remove the hateful feelings that WE have. When we do that, in the future we will not generate strong hateful feelings even if someone does something that may appear to be against us.

Thinking about the serenity of a Buddha statue helps in the case of both kāmacchanda and vyāpāda (and any stray thought).

4.膝に手を添えて目を閉じ、椅子に座ります。私たちがしようとしているのは、欲望や渇望などの考え（kāmacchanda）、特に憎しみの考え（vyāpāda）、そして子供や他の保留中のタスクなどに「さまよう考え」を追い払うことです。kāmachandaとvyāpādaがなくなることによる「クールダウン」を体験し、Dhammaの概念にマインドを集中させたいと私たちは思っています。もう始めている人は、最初に次のことをするのが良いかもしれません：

マインドが逃げるのを防ぐために、「すべての生き物が幸せで健康でありますように」とマインドに留め続けてください。または、最近行った寛大な行為について考えることもできます。しかし、突然、ある種の官能的な喜び（いずれかの感覚による）の考えにドリフトする場合があります。意図的にその考えを取り除き、元のタスクにマインドを集中させます。

（誰かまたは何かに向けた）憎悪の考えが思い浮かんだ場合は、その考えも強制的に停止します。ここでは、その人について良い考えを故意に考えるべきです。最も卑劣な人でさえ、その人を愛する友人/家族がいることを覚えておくことは重要です。誠実に「Xは幸せで健康になりますように」と言います。その人を軽蔑する正当な理由があるとしても、私たちの仕事は私たちが持っている憎しみの感情を取り除くことであることを認識することが重要です。そうすれば、将来、誰かが私たちに反対しているように見えることをしても、強い憎悪の感情を抱くことはありません。

仏像の静けさについて考えることは、kāmacchandaとvyāpādaの両方の場合（そしてさまよう考え）に役立ちます。

5. Once one gets some practice to sit at one place with a focused mind for a little while, one should start meditating or contemplating on Dhamma concepts. It may be a good idea to start with the introductory posts (posts above this post). 

After that, one could read one of the posts from the “Key Dhamma Concepts” on the top menu just before the meditation session and then contemplate on those concepts; for example, one could think about examples on “anicca“: We cannot maintain anything to our satisfaction over long term. If you are old enough you have many examples on your own. If you are young, you can still maintain your body, hair, teeth, etc to your liking but when you get to middle age, you will see that it is an impossible task. The easiest is to think about your parents/grand parents and see how their bodies have changed, how they are unable to keep their bodies the way they would like.

5.すこしの間でいいので1つのことに集中して座る練習をしたら、Dhammaについて瞑想または熟慮を始めます。

イントロダクションのテーマから始めるのは良い考えです。

その後、瞑想セッションの直前にトップメニューにある「Key Dhamma Concepts」の1つを読んで、それについて熟慮することができます。

たとえば、「anicca」について考えることができます。私たちは長期にわたって何も満足できるように維持できません。あなたが十分に年を取っているなら、あなたはあなた自身で多くの例があるでしょう。若い場合でも、体、髪、歯などを好きなように維持することができますが、中年になると、それは不可能な事であることがわかります。最も簡単なのは、あなたの両親/祖父母について考え、彼らの体がどのように変化したか、彼らが彼らの望むように彼らの体を保つことができていないのを見ることです。

• For this purpose, I have also added new posts on how one can look at the world through Buddha Dhamma in this section. The posts that I have added after the “Myths about Meditation” are good ones to read before the session and then to meditate on those ideas; for example, “A Simple Way to Enhance Merits (Kusala) and Avoid Demerits (Akusala)“. The other three posts below that one may be a bit advanced for some; if so, browse around and find ones that are suitable. Eventually, the key concepts in the “Key Dhamma Concepts” section need to be grasped. I encourage everyone to read the posts in the “Moral Living and Fundamentals” section first.

You could actually read any post from any area of the site and use that as a “focal point” on the meditation session later on. Not all sections are relevant to everyone. Different people can get to samādhi focusing on different topics. The only posts that is absolutely necessary are the ones on anicca, dukkha, anatta. But if they are hard to grasp, one should probably start at the “Moral Living” section. It is a matter of getting used to new concepts. In meditation, one will automatically “drift to samādhi” when the concepts become clear; the mind becomes awake and clear.

このために仏法を通して世界をどのように見るか、という新しいトピックも追加しました。 「Myths about Meditation」の後に追加したトピックは、瞑想のセッションの前に読んで、それらのアイデアについて熟慮するのに適しています。

たとえば、A Simple Way to Enhance Merits (Kusala) and Avoid Demerits (Akusala)などです。その下にある他の3つのトピックは、一部のトピックが少し上級者向けかもしれません。もしそうなら、周辺の他の適切なものを見つけてください。最終的には、Key Dhamma Conceptsセクションを理解する必要があります。まずMoral Living and Fundamentalsを読むことをお勧めします。

実際には、サイトの任意の領域からトピックを読んで、それを瞑想の「焦点」として使用できます

すべてのセクションがすべての人に適しているわけではありません。

自分にあったトピックでサマーディーに至ります。絶対に必要なのはanicca、dukkha、anattaのトピックだけです。しかし、それらを理解するのが難しい場合は、おそらくMoral Living and Fundamentalsから始めるべきでしょう。新しい概念には慣れるのがいいです。瞑想では、概念が明らかになると、自動的に「サマディにドリフト」します。マインドが目覚めて明確になります。

6. Inevitably, your mind will try to wander off during the session. Stopping lustful and hateful thoughts is the main task of this formal meditation session. If any distracting thought comes to the mind, DO NOT let it “run wild”; this is what is called “being mindful”. Keep a sharp eye on such stray thoughts and put a stop soon as they surface.

• The other three hindrances (thina midha, uddhacca kukkucca, and vicikicca) will automatically come down. You will be surprised how refreshed you feel after a “good meditation session”.
• Initially it may be hard, but if you are persistent you should be able to see the results within a week to a month depending on the situation with the BIG EIGHT. Those will also gradually diminish too.

Once one gets the mind to calm down some, one could start focusing on the good/bad habits that one has, in addition to “taking in” Dhamma concepts.

6.必然的に、あなたのマインドはセッション中にふらふらしようとします。この瞑想の主なタスクは、貪欲で憎悪の考えをやめることです。気が散るような考えが頭に浮かんだ場合は、それが「駆け回る」ことをさせないでください。

これがいわゆる「マインドフルネス」です。そのような「さまよう考え」に鋭い目を向け、それが浮上してきたらすぐにそれを止めてください。

他の3つの障害（thina midha倦怠・眠気、uddhacca kukkucca心の浮き立ち、vicikicca疑い）は自動的にダウンします。 「良い瞑想セッション」の後は、爽快に感じることに驚くでしょう。

最初は難しいかもしれませんが、BIG EIGHTの状況によりますが、1週間から1か月以内に結果を確認できるはずです。難しさ徐々に減少します。

心を落ち着かせる心をつかんだら、ダンマのコンセプトを「取り入れる」ことに加えて、自分が持っている善悪の習慣に焦点を当てることができます。

7. In the Anapānapabba of the Satipaṭṭhāna sutta, it says, “..sō satō vā assa sati, satō vā passa sati. Digham vā assasantō digham assasāmi ti pajānāti, digham vā passasantō digham passasāmi ti pajānāti, ……” Here it DOES NOT mean “take long breaths in, expel long breaths out”; rather it means, “get rid of old bad habits, and cultivate the old good habits”.

• Similarly, the very next sentence (“..rassam vā assasantō…”) is not about short breaths, but on those good habits that you started to work on recently, and those bad habits that started to creep in to your mind recently (if there is any).
• This is why understanding how habits are formed and becomes āsavā is important; there are several posts on this subject.
• There is no way that one can purify one’s mind by breathing in/out, even though it can get one’s mind to calm down (samatha). The correct way of doing it does both samatha and vipassana together.

In the above verse, sati is a very important term; it is not mere concentration, but contemplation with an understanding of anicca, dukkha, anatta (actually any form of meditation cannot be done effectively without at least some understanding of anicca, dukkha, anatta).

7.Satipaṭṭhāna suttaのAnapānapabbaでは、「..sōsatōvāassa sati、satōvāpassa sati。 Dighamvāassasantōdighamassasāmitipajānāti、dighamvāpassasantōdighampassasāmitipajānāti、……”

とありますが、ここでは、「長い息を吸い込んで、長い息を吐き出す」という意味ではありません。「古い悪い習慣を取り除き、古い良い習慣を育てる」ことを意味します。

同様に、次の文「..rassamvāassasantō…」は短い息についてではなく、最近取り組み始めた良い習慣、および最近心に忍び込み始めた悪い習慣についてです。

このため、習慣がどのように形成され、「āsavā」になるかを理解することが重要です。この件に関していくつかのトピックがあります。

心を落ち着かせること（samatha）はできますが、呼吸で心を清めることはありません。それを正しく行うには、samathaとvipassanaの両方を一緒に実行します。

上記の節では、satiは非常に重要な用語です。それは単なる集中ではなく、anicca, dukkha, anattaを理解した熟慮です（実際、anicca, dukkha, anattaを少なくともある程度理解しないと、いかなる形の瞑想も効果的に行うことはできません）

8. The key to success is to do this as often as possible. You do not need to be in a quiet place either, even though it helps especially initially. As you make progress, try to do it while riding the subway or a bus (but not while driving!), while waiting at the doctor’s office, during a lunch break, etc.

8.成功の鍵は、できるだけ頻繁に行うことです。特に最初は静かな場所にいることは役立ちますが、進歩するにつれて、地下鉄やバスに乗っているとき（運転中ではなく！）、診療所で待機しているとき、昼休み中などにも試してください。

9. When one starts on Ariya Bhāvanā, sometimes things may look worse before getting better. It is like trying to cool a hot iron by sprinkling water on it, when all that smoke comes out and may appear to be getting worse. But one needs to be persistent. One needs to keep in mind that uncountable beings have attained “cooling down” by having faith in the Buddha.

Understanding key Dhamma concepts is key to any type of meditation. Whenever you have time, try to read on different topics. Things will start “falling into place” at some point, if it hasn’t yet. From that point on, one will start feeling the joy of Dhamma, and will be seeking to clarify things with enthusiasm. It is a good addiction to have!

9. AriyaBhāvanāを始めると、状況が良くなる前に悪化することがあります。それは熱い鉄に水をかけることによってを冷却しようとするようなものです。煙が出てきて悪化しているように見えますが。しかし、辛抱強さが必要です。仏を信じることによってこれまでに無数の存在たち（31領域の生命体）が「クールダウン」を達成したことを心に留めておく必要があります。

ダンマの主要な概念を理解することは、あらゆるタイプの瞑想の鍵となります。時間があるときはいつでも、さまざまなトピックについて読んでみてください。物事はある時点で「適所に落ちる」ようになります。その時から、ダンマの喜びを感じ始め、熱意を持って物事を解明しようとするでしょう。それは良い中毒です！

9. Key to Ānapānasati – How to Change Habits and Character (Gati)

The top 10 posts in this section describe the fundamentals of Buddhist meditation. The rest of the posts in this section are on possible meditation subjects. They can clarify unresolved questions, and lead to samādhi. But one must contemplate on them.

Meditation is all about purifying one’s mind. We all have individualized cravings and habits that we have acquired in our past lives that continue during this life unless we act to change or stop them. We need to cultivate good habits and stop bad ones. The only way to do this is to be mindful of our actions and stop bad actions as they start as thoughts in our minds. Most bad thoughts arise due to bad habits; they just “pop up”.

Introduction to Character or Personality (Gati)

A Broad View of the “Person” Trying to be a “Better Person”

How Character (Gati) Leads to Bhava and Jāti

How Habits are Formed and Broken – A Scientific View

9.Ānapānasatiへの鍵–習慣と性格を変える方法（Gati）

このセクションの上位10件の投稿は、仏教の瞑想の基礎について説明しています。 このセクションの残りの投稿は、可能な瞑想の主題についてです。 彼らは未解決の質問を明確にし、サマーディに導くことができます。 しかし、彼らは熟慮しなければなりません。

瞑想とは、心を清めることです。 私たちは皆、私たちが過去の人生で身に付けた渇望と習慣を個別化しており、それを変えたり止めたりしない限り、この人生の間続きます。 良い習慣を身につけ、悪い習慣をやめる必要があります。 これを行う唯一の方法は、私たちの行動に注意を払い、悪い行動が私たちの心の中の思考として始まるときに止めることです。 ほとんどの悪い考えは悪い習慣が原因で発生します。 それらはただ「ポップアップ」します。

キャラクターやパーソナリティの紹介（Gati）

「より良い人」になろうとする「人」の広い視野

キャラクター（ガティ）がいかに存在と誕生に導くのか

習慣がどのように形成され、壊れるか–科学的見解

常に気づいていなければならない理由　　　Ānāpāna/Satipatthānaの鍵

新しいkammaの生成をはじめるパターンの１つは、楽しい行動をはじめるランダムな想いが心の中に浮かんでくるときです。

たとえば、何かをしている最中に突然と、気になっている映画や、人気の料理店の情報や、頭に残っているメロディーや、先月に見たショーウインドーの商品のことなどです。

これらの想いは、道を歩いている時に気になっている旋律を偶然に聴くよりも多く遭遇します。

この心に浮かんだ想いの現象は経典にある

“manañca paṭicca dhammē ca uppajjati manōviññāṇaṃ“によって始まるものです。

これらの突然な想いは過去に作成した「カルマの種」が原因となり条件が揃うことで結果kamma vipākaとして現出しました。

ここまでは阿羅漢であろうとも止めることはできません。

しかし、その後の対応は修行している人としていない人では違いがあります。

修行している人は、

その後に発生する自動反応回路のsankhāraに操られるのではなく、そのような回路を弱体化させる行為を実践します。

それは、一瞬一瞬に気づき続けることです。

気づくというマインドのエネルギーが、自動反応回路の流れをそこで止めるからです。

たとえば怒りや憎悪のようなエネルギーが表出して感情に現れてくるのは、無意識の中で作動している自動反応回路を途中で遮断することができなかったからです。

回路は入力された信号を処理して決まった言動（たとえば暴言や暴力）をただアウトプットするだけです。

怒りや憎悪が悪いのではありません。

これらが悪いものだと思っているのならば、それは「思考の自動反応回路」による出力です。

怒りも憎悪も自分が嫌悪しているものを拒否する時に起こる反応なので、ごく普通のことです。

ただその反応が過剰（暴言や暴力）になることで自他により多くの苦しみを与えているものであるのならば、その回路を弱体化するのが苦しみから離脱できる方法です。

過剰に反応すると、回路はより強固になり、簡単に作動されるようにプログラミングされています。

ですから、その回路が動き出したら、できるだけ早くその流れを察知して、私はこの状況に嫌悪感を持っているのだということを冷静に気づくことができるようになっていけば、反射的な言動が徐々に弱体化されていきます。

心が穏やかな時には弱い回路しか作成できないからです。

好き嫌いの嫌悪感を持つことが問題なのではありません。

自動反応回路に心身にまかせて言動することが問題なのです。

ですから、まずは過度な熱い気持ちに気づくことから始めます。

嫌悪感自体を弱体化させるのは次のステップになります。

これは嫌なことだけではなく、過度な願望でも同じことです。こららの渇望があるときには、嫌悪と同様に、この対象に愛着する気持ちがあることに気づくことが大切です。

気づくことで、自動反応回路に操られることなく、ただ愛着があることを楽しむことができるからです。

こうして、場当たりで過去に作ってしまった因果関係や決めつけてしまっているルールなどの粗雑な回路をより微細な回路にしていきます。

また、因果が結びつきがあまりに狭いTPOでしか適応いていない回路が付着している場合は掃除してあげます。

こうして、気づいていることで、そのような「新しいkamma」が生成されていくことを見守っていることで、そのkammaは弱いエネルギーとなります。

そして最終的には、kammaは作らず、回路は操作可能で必要最小限ですむようになります。

これがĀnāpāna/Satipatthānaを実践している時に、本人が自覚していなくても行われている「心のメカニズム」です。

こうしてĀnāpāna/Satipatthānaを実践して、

より微細な世界（dhātu →bhūta→四大元素→dhammā）の変化に気づくことができると、自分の心に付着している回路をその段階ごとに掃除できるようになっていきます。

新しいkammaの生成を開始する別の仕方があります。

これは、「私たちが楽しい行動に着手するランダムな思考を思い浮かべる」ときです。

たとえば、何かをしている時に突然と、昔に見た映画のことや、将来の旅の計画について考え始めたりすることがあります。

これらはdhammā（エネルギーのあるkamma bījaやエネルギーのない記録nāma gotta）がマインドの感覚器官であるmana indriyaに接触すること、すなわち“manañca paṭicca dhammē ca uppajjati manōviññāṇaṃ“によって始まります。

これらも因果関係kamma vipākaの経験です。

ですから、これらは偶然ではなく、過去に作成したkamma bījaによって起きた結果の一般的なケースです。

いずれの場合も、そのような「新しいkamma」を見守って、常に気づいていることでエネルギーは弱まります。。

この訓練がĀnāpāna/Satipatthānaの鍵となります。