心路citta vīthi

http://pacha21.com/pali/cittaVithi.htm

はじめに

心路citta vīthiの種類　　五門、意門、禅定、預流果、

段階ごとの機能

認識するプロセス　　復習

心路citta vīthiのメカニズムを知るとわかること

心路の確定心と速行心

「私」があるように感じてしまう理由　bhavangaに戻る回数が増えるため　　cittaの生滅が早すぎるため

実体があると幻想する原因　　　　　　　物質と心を混濁したまま統合する

一瞬を常在と錯覚する心路citta vīthiのメカニズム　　　　釈尊の指摘と覚り

コラム

「生」と「滅」は認識できるのか？

aniccaの多層体験

Sōtapanna道へのaniccaの理解　　私説

禅定の心路citta vīthi

参考資料

Abhidhammattha Saṅgaha摂阿毘達磨義論の心路citta vithi

Vibhaṅga Paṭiccasamuppādavibhaṅga 2.11. Abyākataniddesa

Vinaya 14. Anuvijjakassapaṭipatti

はじめに

cittaとは

cittaは、パーリ語の絵画を意味する「chitra」に由来する、マインドの基礎になるものです。

漢字文明圏の仏教用語ではcittaのことを「心刹那」と呼んでいます。

このエッセイではcittaはメンタルの基礎になる「知る機能」であり、マインドとはcittaによって構成された「意識」という定義で話を進ます。

また、このエッセイでは「心」という漢字は、citta、マインド、メンタル、意識を含めた、物質ではないもの、感情、情緒、日本語の慣用的表現として包括的な意味で使っています。

cetasikaとは

cittaを無地のキャンバスに喩えると、cetasika（心所）はキャンバスを彩る45種類の「絵具」のようなものです。英語ではメンタル的要因と呼ばれています。

このによってcittaは形を表わすのですが、

純粋な無地のcittaに45種類の絵具を重ねると89種類の絵画（心情）が描かれます。

絵具の役目をするcetasikaはcittaで発生し、cittaで朽ちます。

そして、cittaの持続時間は非常に短く、10億分の1秒未満です。

心路citta vīthiとは

17のcittaが一連のセットとなると「知る機能」をもち、パーリ語では「citta vīthi」と呼びます。vīthiとは道路の意味です。余談ですが、pitiと同じように、今では確立された英語の単語になっています。

しかし１つの心路citta vīthiだけで対象を認識できるのではなく、たとえば「手を見ている」と認識するだけでも、このcitta vīthiをたくさん（何億回）必要とします。

たとえば、川という主体があるのではなく、水が流れ続けているはたらきを私たちは「川」と呼んでいるだけです。

心も川のように主体があるのではなく、絶え間なく「知る」はたらきを続けているので、心と呼んでいます。

この心の流れる路をパーリ語でcitta-vīthiといい、漢字では心路と記します。

心路citta vīthiを知るとわかること

ヒトが誤解をしてしまうメカニズム　

どうして幻想を見るのか

自分があると思ってしまう訳

意見や判断が妄想であるメカニズム　

判断は客観的な事実ではなく判断する人の主観になる訳

「ある」でも「ない」でもない世界観

無常性の深層　　　　　

生滅が見えない訳　　　ヴィパッサナー瞑想で何を気づこうとしているのか

まずは、心路citta vīthiを説明してから、上記について解説します。

感覚の心路と思考の心路

5つの物理的な感覚（目、耳、鼻、舌、体にそれぞれ対応するcakku、sōta、ghāna、jivhā、kāyaindriya）からの感覚入力と、心的な感覚（mana indriya脳）からの感覚入力では心路citta vīthiが異なります。

五感のいずれか1つを介して入ってくる感覚入力は、17cittāの心路によって感知されます。そして私たちが意識と呼んでいる識蘊viññānakkhanda（8段階にわたって回路化されてしまったマインドの９番目の意識）がそれを認識して分析します。

この心路はpancadvāracitta vīthi五門心路と呼ばれます。 Pancadvara（panca5つ+dvāraドア）は5つの（物理的な感覚の）ドアを意味します。

それらの外部感覚入力について考えるときの思考入力は、10〜12cittāの心路によって認識され、manōdvāracitta 意門心路（manō心＋dvāraドア）と呼ばれます。

次に両方のタイプのcitta Vīthiについて説明します。

物理的五感覚入力の17ステップの詳細　　　pancadvāra citta vīthi

citta niyama（cittaの法則）によると、高い関心がある対象物（atimahantārammana）を最適に把握する時に、pancadvāra citta vīthiが使われます。

たとえば、視覚対象物である場合、その対象物に高い関心があり、その対象物を見るのに必要な光の条件も整っている場合です。

視覚を使ったpancadvāra citta vīthiのcittāの因果関係の流れは次のとおりです。

17cittaの内容

有　＋　過　動　捨　五　眼　領　推　確　速　速　速　速　速　速　速　彼　彼　＋　有

17	仏教用語	パーリ語	内容
0
１	有分心 過去の有分心	bhavanga AtītaBhavanga	完全に寝ている段階　　　 もしくは過去からの深層意識
２	有分動揺	bhavaṅge-calana	心が動きはじめる準備する段階で「動揺」が始まる
３	有分捨断	bhavaṅge-upaccheda	準備ができたので、有分心は「捨断」される
４	五門引転心	pañcadvārāvajjana	注意が感門からの信号に切り替わる段階
５	眼識	cakkhuviññāṇa	視覚で「知る」段階　　まだ認識ではなく単なる気づき ４の映像を眼識でキャプチャーしてコピーする ここでavyākata PSプロセスが発動する。
６	領受心	sampaṭicchana　 manodvara [sam+paṭi + isu 同意+ a] accepts　受理	5の情報を受け入れる 情報を受け入れることでcittaが対象に関心を持つ段階
７	推度心	santīraṇa manodvara [saṁ+tīraṇa決断] decisio；judgement．	振動（エネルギー情報）を推度（判断）する マインドがその画像（感覚入力データ）を自分のgatiと照合させ、対象に付着する可能性がある。 近づきたいものか離れたいものかのタグをつける
８	確定心	voṭṭhabbana　 =意門引転心　 manodvārāvajjana [＜votthāpeti] 確定	確定して分類する段階 眼識で「見たもの」を確定するのではなく、 「この直前のcitta（推度心）が推度したこと」を確定する。 その決定は、その時の本人のgatiに基づいて自動的に行われる。 その「照合（マッチング）」に基づいてavijjāで行動するという決定は、ここで起こる。
９	速行心１	javana　　 走る、という意味 振動が七回起きる （9から15まで）	自分勝手に推度したものを「意識化」する 入った情報を分類、照合、比較、構築、統合して感覚認識するはたらき 色声香味触意の信号エネルギーが、メンタルの意識エネルギーに変換されて感覚されて認識（分析、統合）が始まる
10	速行心２
11	速行心３
12	速行心４		最強の速行心　　波の最高値（ピーク）
13	速行心５
14	速行心６
15	速行心７		速行心１よりも強い
16	彼所縁心１	tadārammaṇa 二回生起し、滅する	振動の後の残響をデータ化する機能　　 信号が強い時にコンデンサーのような働きをする 有分心ではなく、異熟心（データ化）
17	彼所縁心２	tadārammaṇa	「味わい」の後に心が収まるような余韻の働き

1 Bhavanga寝ている意識B　 or　 AtītaBhavanga（Past Bhavanga過去の無意識）AB　

2 Bhavanga Calana (Vibrating Bhavanga)（振動するBhavanga）BC

3 Bhavanga Upaccheda（捕獲されたBhavanga）BU

4 Pancadvaravajjana（感覚のドア意識）PD

5 Cakku Vinnana（目のドアの知覚意識）CV

6 Sampaticchana（受けとる意識）Sam

7Santīrana（調査する意識）San

8 Vottapana（決定する意識）V

9-15 Javana　　J（把握する意識）

1617 Tadarammana（意識の登録）T

上記のpancadvāracitta vīthiはB B B B B「AB BC BU PD CV Sam San V J J J J J J J T T」BT BT BT BT…..

と表すことができますが最強のcitta vithです。

上記の場合、強い感覚入力により、bhavangaは一時的にBTに変わります。

このCitta Vīthiには、TやJ Cittaを持たないバリエーションがたくさんあります。

さまざまな種類のpancadvāracitta vīthiについては、

Bhikkhu Bodhiによる「Abhidhammaの包括的なマニュアル」（2000）で詳しく説明されています。

上記の例では、「cakkuviññāna」のイベント、つまり眼球を介して画像がマインドに提示され、マインドがその画像を調査するとどうなるかについて取り上げました。

最初に、「マインドは「bhavanga状態」から解放され、

1AtītaBhavanga 　AB　（Past Bhavanga）　　 過去の深層意識　 「atita」は「過去」を意味

2 Bhavanga Calana BC　 (Vibrating Bhavanga)　振動する深層意識　「calana」は「移動」または「振動」を意味

3 Bhavanga Upaccheda BU　　　　　　　　　捕獲された深層意識　「upacceda」は「停止」を意味

の3つの意識（想い）の瞬間を通過します。

次に、マインドは「5つの身体感覚すなわちpancadvāra（PD）」をみて、どの５感覚入力が通過するかを決定し、そのドアを選択します。このケースでは、cakkuviññāna（CV）であるとします。

次に、Sampaticcana（Sam）cittaでその「絵」が何であるかを調査し、Santirana（San）cittaでどのタイプ（好き、嫌いなど）を決定します。これらに基づいて、Vottapana（V）cittaは、実行する行動を決定します。

最も重要な7つのjavana cittaは、Vottapana citta（V）で行われた決定に基づいて発生します。これは、潜在的なkammaがマインドによって生成される場所です。

最後の2つのTadārammana（T）cittāでは、対象感覚信号のデーターを取り込んで、pancadvāra citta vīthiは終り、Bhavanga状態（BT）に戻ります。非常に強い（mahantārammana）対象のみがTadārammana（T）cittāを持ち、そのような強い印象は一定期間「記憶」に保持されます（つまり、すぐに忘れられません）。

その「一時的な記憶」を失うまで、ヒトは「一時的なBhavanga」になります。たとえば、親の死を聞くと、悲しくなり、その「悲しい状態」が何分から何日も続きます。

もちろん、すべての出来事はnāmagottaとして記録されます。重要でないイベントも記録されます。イベントを思い出す能力とその詳細は、各自の能力に依ります。時々、平均的な人間でさえ「puñña （福徳）iddhi（力）」のために、そのような制限されている能力が可能になります。

17回のcitta生滅

いつ「見えた」のか？　

眼球に物質（信号、波動、光）が触れた瞬間に、「見えた」という識が生まれます。

しかし、この反応をするのは眼識であって、まだ私たちの意識にはそれが分からない状態です。

この段階は5番目であって、9番目には至っていない、ということです。

では、どうなれば「見えた」ことが分かるのか？

まず、見えることに気づくことが8から10回の17cittaサイクルによってなされます。出典？

それから、上記のような17cittaのセットが何億回も繰り返されて、やっと「あ、花が見えました」という認識が出てきます。

1つのcittaが10億分の１秒だとすると何億回といっても時間にすると１秒前後です。

私たちは映画をただ「見る」だけでなく、見たものを観賞します。

たとえば、映画を見ている時に、私たちは特定の俳優を識別し、その俳優の以前の映画を思い出すこともできます。また背景のシーンについてもいろいろと想いを馳せることもあります。

モノ（物質エネルギーとメンタル・エネルギー）は生まれては、一瞬の間はそこにとどまり住み、そして消えていきます。

この「生」の瞬間は見えません。「住」のときは見えます。「滅」のときはまた見えなくなります。

生と滅のときは、cittaは有分心bhavangaとなって対象については何も気づきません。

ヴィパッサナー瞑想をする理由の１つは、

この世で察知できるものは、ずっとそこにあるのではなく、このような現象は生まれては消えるものだと体感するためです。

静止画を時空の連続性として把握するマインド

マインドで起きていることは、映画を見ているときに起こることに類似しています。

映画を見ているときにスクリーンに映る動きは自然に見えますが、実際には、プロジェクターが静的なフィルムを毎秒24フレームの速度でスクリーンに投影しています。　　　　

ヒトは40ミリ秒ごとに静止画像（１フレーム）を見ると、「連続している同じもの」と認識することになります。

1秒÷24≒0.040＝10⁻²×4

同様に、マインドは聞いて、嗅いで、味わって、触れている瞬間のデータを「連続している同一性」として知覚します。

しかし、実際には、各感覚のイベントはほんの一瞬だけです。

科学データと三蔵の主張　　　

MITの発見では、身体が感覚データを取得するのに必要な最小時間は約13ミリ秒であるとされています。

Detecting meaning in RSVP at 13 ms per picture

これが脳による処理速度です。

次に三蔵によると、

物質エネルギーである情報パケットはmana indriya（メンタル感覚器官）によって電磁波に変換され、エネルギー体にあるマインドの心基hadaya vatthu（意識が生まれる場所）に直接送信され、そこで心路citta vīthiの17cittaで処理することで、私たちは時空の連続性を認識をします。

この17cittaのうちの7つ（速行心）の内の1つ〜３つだけが実際の視覚（聴覚・嗅覚・味覚・触覚）として認識になります。

cittaのスピードと脳のスピードの差は1000倍

以上の説明は三蔵に記述されたものを現代語で解釈したものですが、三蔵では心路citta vithiやcittaの具体的な秒数は記述されていないので、現代科学で発見された各情報パケットの単位が約10ミリ秒であると推定されているので、それを基準にして、具体的な数字に置き換えています。

脳の処理速度とcittaの処理速度との違いは計算してみると、

10⁻²×4秒（静止信号が連続性に感じる間隔）×10⁻⁶秒（脳の処理速度）÷17（心路のcitta数）≒10⁻⁹ 秒×4/7

他の計算法では

認識できる物質の中で最も速いのは光ですが、それを認識するために少なくても17のcittaの回転が必要です。

これからcittaのスピードを概算すると、秒速30万（299792458） m/sの光が目の前の1センチを通り過ぎる時間は、約3000万分の1秒でその間に17回のcittaの生滅があるとすると、これを17等分すると、約5億分の1秒となります。

こうしてマインドは、送信された情報を10⁻⁹ 秒（10億分の1秒）単位であるnanosecondで処理します。

脳の処理速度は10⁻⁶秒（10ミリ秒＝100万分の1秒）のスケールなので、マインドの処理速度より1000倍遅いことになります。

私たちの「見る」という経験は、100万分の1秒単位で構成されているデータパケットでしかなく、実際に見ているのは７回連続している10億分の１秒の速行心です。

たとえば、ある対象を１秒間見るとします。本人はずっとそれを見ていると思っていますが、訓練をしていない多くの人は、1ミリ秒の静的スナップショットを1000倍に引き伸ばしていることには気づかず、本人は「見ている」と認識していることになります。

つまり、「感知速度」は脳の処理速度によって制限されており、マインドは「脳からのデータを待っている」状態に常時なっていることを意味します。

　

現代科学では、認識のすべては脳内で行なわれていると考えるのが主流派であり、脳＝マインドを前提にしているのに対して、Tipitaka三蔵の立場は、マインドはエネルギー体であり、その機能や構造やシステムを科学は認識できていないと考えています。

三蔵によると、五感からの信号に反応する（pancadvāra citta vīthi）には3つの意識の反応（manōdvāra citta vīthi）が後に続き、一貫の思考プロセスになります。manōdvāra citta vīthiの意識反応によって、思考、言語活動、体の動作を指示する信号が脳に送信されます。

脳の物理的処理を含むpancadvāra citta vīthiの感覚認識と、cittaだけの反応であるmanōdvāra citta vīthiの思考プロセスでは上記のようにスピードに大きな差があります。

bhavangaという休止状態

マインドがpanca dvāracitta vīthiやmanō dvāra citta vīthiを扱っていないとき、それはbhavangaと呼ばれる「休止状態」にあります。 Bhavanga（「bhava」+「anga」、ここでの「anga」は「の一部」を意味します）は、生命体の特定の「bhava」、この場合は「人間のbhava」を表します。bhavaの慣習的な英語訳の用語は“life continuum”（生命連続体）です。転生する時やした時の核となるエネルギー体です。

bhavanga状態は、B B B B B B B B…………とあたかも一連のbhavanga cittaであるかのように表現されます。

マインドがbhavanga状態にあるとき、私たちは何も「感じません」。また眼がそれ自体を見ることができないように、マインドはそれ自体の状態を「見る」ことができません。これは、感覚入力の間も「休止状態」が起きています。また、深い眠りや意識がないときは、完全にbhavanga状態です。

マインドは通常bhavanga状態にあります。対象の5つの物理的な感覚（cakku、sōta、ghāna、jivhā、kāyaindriya）のいずれかを介すると、bhavanga状態は解除されます。

マインドが非常に活動的であると本人が感じていても、ほとんどの場合、マインドはbhavanga（B）状態にあります。たとえば映画を見ているときでさえ、マインドは大部分がbhavangaの状態にあります（さまざまな種類のmanōdvāra vīthiとpancadvāracitta vīthiの「間」があるためです）。対して脳は映画の光景や音を分析する必要があるためにストレスの限界に達しています。　

マンゴーの試食の喩え

1.pancadvāracitta vīthi五感門心路は、マインドが外部の対象（視覚、音、味など）を体験するプロセスです。以下のアナロジーは、Tipitaka三蔵の解説にあるものです。

2.疲れた旅行者がマンゴーの木の下で眠っているとします。この眠っている状態は、Bhavangaの状態に似ています。熟したマンゴーがその男の男の近くの地面に落ちました。この出来事は、「目のドア」に非常に強烈な可視物質がぶつかるのと似ています。

3.マンゴーの落下は男を目覚めさせ、彼に頭を上げさせます。この出来事は、目のドアに見える対象物が現れるのに似ており、Bhavangaを2回振動させます。今、彼はもう眠っていません。

男は目を開けて周りを見回し、どのような妨害（刺激）があったのかを調べます。

これは、マインドが感覚対象物に対して注意を向けるpancadvāravajjana（PD）cittaに似ています。

4.男は落ちたマンゴーを見ます。これは、対象物を見る目の意識（CV　 Cakku Vinnana）に似ています。そして男はマンゴを拾います。これはcakkuviññānaを受け取るsampaticchana（Sam）cittaに似ています。ちなみに、sampaticchanaは“san“+”paticca“に由来しています。

これについて熟慮して、基本的な考えを得ることができます。

次に、男性はマンゴーを調べて、食べるのに適しているかどうかを確認します。

これは、感覚対象物を調査するsantirana citta (“san” + “tirana” or “theerana“ここでは「感覚対象物が良いか悪いかを決定する」という意味）です。

次に、男はマンゴーが美味しくて食用であると判断します。これはvotthapanaに似ています。（「votta」+「pana」は「何をするかを決める」を意味します。それが腐ったマンゴーだったら、それを捨てると判断するでしょう。

5.男はマンゴーを食べて7回噛み、味を楽しみます。これは、感覚対象物の味を楽しむ7つのjavanacittāの発生のアナロジーです。これは実際にはvottapana cittaで下された決定に対応する行動です。マンゴーが悪かった場合は、ここでマインドはマンゴーを捨てるために適切なjavanacittaを生成します。そのようなプロセスについては後で説明します。　

その後、男性は口の中のマンゴーと歯や舌に付着したジュースを2回飲み込みます。これは、javanasに続く2つのtadārammana（T）cittāのアナロジーです。

タスクが完了すると、男性は寝つきます。これはBhavanga状態が再開されるアナロジーです。

6.しかし、Tipitakaによると、3つのmanōdvāracitta vīthiが各pancadvāracitta vīthiの後に続きます。これら3つのcitta vīthi のjavana cittaはますます強くなり、体の動作（そして言語活動）を脳に指示するのは、最後のmanōdvāracittaのjavana cittaです。

pancadvāracitta vīthiによって開始された一貫の思考プロセスを完了するには、さらに3つのmanōdvāracitta vīthiが必要です。

実際、「夢中になった」とき（たとえば、魅力的な絵を見続けているとき）は、そのような「1プラス3」のプロセスを多数発生させている可能性があります。

その間は、マインドはbhavangaの状態に繰り返し戻り続けます。

対象物を見るとどうなるかを科学用語で理解することで、このプロセスを視覚化するのが簡単になります。

「心路のメカニズムを知るとわかること」を後述してあるのでよかったら目を通してください。

「私が「ある」と思ってしまう理由」も心所の「喚起や統合」との関係もわかり、より明確になると想います。

心的感覚入力の12ステップの詳細　　　manōdvāracitta vīthi　意門心路

典型的な例

17	仏教用語	パーリ語	内容
0
1	有分動揺	bhavaṅge-calana (Vibrating havanga)	心が動きはじめる準備する段階で「動揺」が始まる
2	有分捨断	bhavaṅge-upaccheda (Arrest Bhavanga)	準備ができたので、有分心は「捨断」される
3	意門引転心	Manodvaravajjana	注意を意門からの信号に切り替える まだ認識ではなく単なる気づき
４	速行心１	javana　　 走る、という意味 7回（４から10）の振動	入った信号を認識、分類、照合、比較、構築、統合、判断、思考して情報にするはたらき メンタル・エネルギーの意識化（分析、統合）が始まる
５	速行心２
６	速行心３
７	速行心４		最強の速行心　　波の最高値（ピーク）
８	速行心５
９	速行心６
10	速行心７
11	彼所縁心１	tadārammaṇa	振動の後の残響をデータ化する機能　　 信号が強い時にコンデンサーのような働きをする 有分心ではなく、異熟心（データ化）
12	彼所縁心２	tadārammaṇa	「味わい」の後に心が収まるような余韻の働き

B B B B B「BC BU MD J J J J J J J T T」B B B B B…..

ここでは、「Bhavanga状態」から解放されるのに2つのcitta（BC (bhavanga calana), BU (bhavanga upacceda)のみが必要です。

マインドはすでにārammana（cittaの対象）を知っています。

manōdvāracitta（MD）は、vottapana cittaと同じように決定を行ないます。

7つのJavana cittaが発生し、その後、citta vīthiは2つのTadarammana（T）cittaで終わります。

pancadvāracitta vīthiの場合と同様に、ここでも強度の高い対象物を例としているので2つのTadarammana（T）cittaがあります。

強度の低い信号を処理する場合はTadarammana（T）cittaがないケースもあります。

マンゴーの喩えにあったpancadvāracitta vīthiによって開始された「１プラス３」の感覚イベントのプロセスは、

次のように記述できます。

B B B B B「AB BC BU PD CV Sam SanV J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T」B B B B B…

対象物は、4つのcitta vttathiの後にはじめて認識されます。

2有分心、1五門引転心、1眼識、1領受心、1推度心、1確定心、3意門心、29欲界速行心、8彼所縁心の46cittā

禅定の心路citta vīthi

manōdvāracitta vīthiの長さは通常、平均して10〜12cittāですが、jhānaにいる間にはmanindvāracitta vīthiは多くのjavana cittāを持つことができます。

jhānaの最中では、そのような長いmanōdvāracitta vīthiは、間に生じるpancadvāracitta vīthiによって中断されます。これが、jhānaの最中に外部の音を聞くことができる理由です。

しかし、jhāna samāpatti（禅定）では、単一のmanōdvāracitta vīthiが長時間中断されずに続き、javana cittaが中止されることなく発生します。

B B B B B「BC BU MD J J J J J J J J J J J………..

したがって、Bhavanga状態に戻ることはありません。すなわち、pancadvāra citta vīthi や別のmanōdvāra citta vīthiが発生することはないので、外の世界で何が起こっているのか分からなくなります。

したがって、samāpatti（禅定）に入る前に、実践者はsamāpattiに滞在する時間を決定します。

これが、jhāna samāpattiに入ることができる人々がJavana cittaの真の力を本当に発揮できる理由です。

これを視覚化できる喩えで表すと、レーザービームのスポットが金属板の一点に安定して保持されない限り、そこは加熱されず穴はあきません。

jhāna samāpattiとは、レーザービームをある一点に長時間にわたり安定して保持するようなものです。

Citta vīthiは常に、過去のkamma、つまりkamma vipakaによる外部からの感覚入力から始まることを理解することが重要です。理由がまだわからず。

Jhānaに至る時のcitta vīthi

B B B「BC BU MD P U A G Jh」B B B

B B B「BC BU MD U A G Jh」B B B

1つ目は普通の人のjhānacitta vīthiで、2つ目は、「より高い智慧」を持つ人のためのものです。

B、BC、BU、MD、

Parikamma (P), Upacara (U), Anuloma (A), Gotrabu (G) 次に、Jhāna（Jh）cittaを通過します。

Sotāpanna預流果になる時の心路citta vīthi

Magga Phalaに至るためのCitta Vīthi

B B B「BC BU MD P U A G Pa Fr Fr」B B B

B B B「BC BU MD U A G Pa Fr Fr Fr」B B B

最初のものは普通の人によるmagga phala citta vīthiで、2つ目は、「より高い智慧」を持つ人のためのものです。

B、BC、BU、MDは、前述のとおりです。

次に、Parikamma (P), Upacara (U), Anuloma (A), Gotrabu (G), Path (magga) (Pa), Fruit (phala) (Fr)を通過します。

ご覧のとおり、jhānaへの接続はありません。特に、magga phala citta vīthiはjhāna cittaを通過しません。また、magga phalaのGotrabu（血統の変更）cittaは、jhānacitta vīthiの場合とは完全に異なります。

ここでの系譜の変更とは、ariyaすなわち聖人になることです。

Gotrabu（血統の変更）には、magga phalaとjhānaの2種類があるのか？はい

論蔵による認識のプロセス　

五識（眼識、耳識、鼻識、舌識、身識）　pañcaviññāṇaの心路citta vīthiの詳細　　復習　　

たとえば、眼球の網膜を通して信号が脳に伝わると、見たものに対していろいろな反応が起こり、46のcittaが知ろうとするはたらきを始める。

B B B B B「AB BC BU PD CV Sam SanV J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T」B B B B B…

対象物は、4つのcitta vttathiの後にはじめて初期段階の認識がされます。

1五門引転心、2眼識、2領受心、3推度心、1確定心、29欲界速行心、8彼所縁心の46cittā。

まず、色声香味触という物質と眼耳鼻舌身の感覚器官がぶつかることで物質エネルギーのインパクトである触phassaが起こります。

たとえば視覚信号だった場合は、この衝突の物質エネルギーは脳の「レイ・システム」で電磁波に変換処理されて、メンタル体のcakkhu pasāda rūpaに送信されます。、cakkhu pasāda rūpaが波動を受信すると、隣接しているhadaya vatthu rūpaが17回振動します。　このrūpaとは物質エネルギーを意味します。

このhadaya vatthu rūpaの17振動は、citta vīthiの17ステップのcittaに対応します。

1番目の眠っていた有分心はそのエネルギーの振動のために落ち着かない状態になり、

2番目の動揺する有分心になります。

１	有分心 過去の有分心	bhavanga AtītaBhavanga	完全に寝ている段階　　　 もしくは過去の深層識
２	有分動揺	bhavaṅge-calana	心が動きはじめる準備する段階で「動揺」が始まる
３	有分捨断	bhavaṅge-upaccheda	準備ができたので、有分心は「捨断」される

これで以降のcittaの準備ができたので3番目の有分心から次のcittaに引き渡されることになります。

4番目は5つの肉体感覚器官pañcadvārā（pañca五つ +dvārāドア）のいずれかによって開始されるため、五門引転心pañcadvārāvajjanaと呼ばれます。

このケースでは眼門に行くことになります。

４	五門引転心	pañcadvārāvajjana	感覚信号が門から入ってきて「目が覚めた」段階
５	眼識	cakkhuviññāṇa	視覚で「知る」段階　　認識ではなく気づき

眼門が振動することで、「知るはたらき」が始まります。これが5番目の意識化された眼識です。

認識とは各自の意思によって起こるものではなく、cittaが勝手にするはたらきで、後に「何を見たのか？」という知識が生まれます。

見たものが「見えた」という確証ができない理由は、その認識は眼に触れたものを感受したあるがままのものなのか、それとも目に触れたものに「意」のデータを合成させたものなのかは、本人には分からないからです。

釈尊の言葉から推定すると、

経量部sautrāntikaや唯識派が言うように「外界を直接に認識することは不可能である」という見解があります。

対して、上座部仏教では、「外界を直接に認識することは可能である」という見解です。

17ステップの4番目で電磁波化された情報パケットは完全に受信されたので、ここからの3段階のステップ（4番目、7番目、8番目）で感情アプリが作成されます。納得できてない　　遠近のタグを付ける？

五識pañcaviññāṇa　　　　　　　眼識、耳識、鼻識、舌識、身識

領受saṃpaṭicchana　　　　　　　 cittaが眼識でその反応のコピーを受けとり、対象に関心を持つ段階

推度santīraṇa　　　　　　　　　振動から推察してタグをつける。　納得できていない

感情や知識は実はパターンで認識するための装置であり、対象物が「住」の瞬間を基準にして作られているので、それを基準にすると、目の前の事実と認識とは乖離します。

一つの信号がインプットされれば、それにアプリが反応してアウトプットの感情が現れます。人は感情アプリの集合体なので、信号に対して既に設定された「近づきたい、遠ざかりたい、どちらでもない」（好き嫌い）によって判断します。

論理的な善悪で判断するアプリよりも感情のアプリの方が強ければ、いくら理性的なことを言っても、結局は好き嫌いという感情で判断する可能性が高くなります。「わかっちゃいるけど、やめられない」というやつです。

つまり、表層意識の知性では理解できるが、深層意識にある習慣パターンを上書きしていないという状態です。

4つの理解の層と心身との関係

主語	私	人類	生命体	見えない生命体も含有
内容	知ってる	考えている	やっている	できている
物質と内面性	物質	理性	情緒、智性	神性
物質と意識	物質	意識の表層	意識の潜在	意識の深層
基準	自我意識	理性	習慣アプリの脱着	宇宙の法則、真理
H2Oの性質	氷	水	雲	大気
美学	適者生存	人類愛	融通無碍	独立した全体性
インド（ヨガ）	肉体	意思マナス	自性プラクリティ	観照プルシャ
上座部仏教	身体	メンタル体	サンカーラ	ダンマdhamma
キリスト教	体	心	霊	神
神道	体	心　　　　和魂 頭　　　　奇魂	魂　　　　荒魂	霊　　　　　幸魂
善悪	上下、左右、内外	善悪、優劣	体は悪、精神は善	善悪はない

←　特殊性　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　普遍性　→

←　心の不安　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　心の穏やかさ　→

たとえば潔癖症という傾向はこの感情アプリと理論思考アプリによって作成されます。

顕微鏡で見た細菌や学習した細菌学から、どこもすべてが細菌だらけだということ理論的にわかります。

そして、本人がすでに細菌に強い嫌悪感や過度に遠ざかりたいというアプリを作成してしまっていたら、そのアプリを感情まで拡大応用する新たなアプリを作成することも考えられます。

理論を学習したので本人はそれを基準にしているつもりですが、実際には、その理論と結びついた感情アプリによって操作されてしまっている場面もあるかと想います。

これは理論を学ぶ時に、63℃で多くの細菌は減少すること、情報は対象者に向けて発されるので、発信者は保身を前提にした情報にしなけばならないこと、細菌（腸内フローラ）によって動物はサバイバルしていること、多くの細菌は害がないこと、2万種あるカビのうちに生命にすぐに危険なのは2種類（厚生省発表では100種類以上）だけであること、なども一緒にしていればまた違う理解になったのかもしれません。しかし宣伝効果の大きい情報には意図と誘導があるので、自分の体と体験を使って少しずつ安全な実験をして認識を高めていくのがよいのかもしれません。

深層意識にある感情アプリに気づかず、理屈や理論を交えて自己を正当化しようとすることで、多くの精神的苦痛が生まれます。

閑話休題。

5感覚器官から継続的にデータを5番目の五識pañcaviññāṇaの１つに送信し続けたとしても、脳からの入力信号を待っている間、マインドは、ほとんどの時間を何もしていません。

5つの物理的感覚すべてが外界に関するデータをノンストップで送信し続けたとしても、1秒以内に着信するデータを処理するのにマインドは100万分の1秒未満しかかかりません。

この休んでいる時間はマインドが「bhavanga」の状態であるといいます。

私たちが自分の意志でいろいろなことをしていると思っていても、実際にはマインドはほとんどbhavanga状態にあります。

眼球が自身のことを見ることができないように、自分自身の特徴的な状態である「bhavanga」をマインド自身は見ることができません。

5番目から8番目は受信した電磁波を認識して、その反応をコピーしたものに接することで、どのようなを振動であるのか推測し、その内容を確定するプロセスになります。

この4ステップの一連の流れを「心の扉mano dvārāva」といいます。

はじめは五感覚器官からの信号を伝える五門引転心pancadvara citta vīthiは一連の17cittaですが、それに続く意門引転心manodvārāvajjanaからは一連の12cittaになります。

この意門引転心manodvārāvajjanaは3回繰り返されます。

5番目の眼識cakkhuviññāṇaでは電磁波をメンタル体の視覚で受信して見たという振動はしますが、cittaは何を認識したのかわかっていません。

６	領受心	sampaṭicchana　　　　　 manodvara	cittaが眼識で反応のコピーを受けとる 情報を受け入れることでcittaが対象に関心を持つ段階
７	推度心	santīraṇa manodvara	これはどんな振動（情報）なのかと推度（推察）する 近づきたいものか離れたいものかのタグをつける
８	確定心	voṭṭhabbana　五門 =意門引転心　意門 manodvārāvajjana	確定して分類する段階 「見たもの」を確定するのではなく、 「この直前の心（推度心）が推度したこと」を確定する。

そして6番目のcitta（hadaya vatthu）自体も、5つの身体感覚からの情報を処理しながら、脳や手足に信号を送信して作業を遂行させます。

具体的には、はじめにmana indriya（物理的なメンタル感覚器官）を介して順番に各分野の脳と連携してこれらの指示を実行します。

たとえば、マインド（6番目のcittaである領受saṃpaṭicchana）が音に興味を持つ場合は、cittaの向ける注意は耳に移動して外部信号と鼓膜が触れた振動のコピーを受けとります。

その後に、その音源に向かって歩くように身体に指示することも可能です。その時はマインドの電磁波を「レイシステム」で脳内の物理的信号にフォーマット変換して、mana indriyaに指示を瞬時に送信します。

mana indriyaはその情報を解析して、脳の他の部分と連携して、たとえば、神経系を介して脚の筋肉を使って音源に向かって移動するよう指示を送ります。

神経の伝達は電磁波と比較すると遅いため、これらの身体の動きには時間差があります。

たとえば、VS嵐のアトラクションで行われたカラーバーキャッチ（棒落とし）のように反射神経（視覚→脳→マインド→脳→手）の中では、脳から運動神経を経由して手に信号を送り、実際に掴むまでに約200〜300msほどの時間がかかります。

https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%8F%8D%E5%BF%9C%E6%99%82%E9%96%93

スピーチする時も同じプロセスで、マインドは情報を脳に送り、脳は声帯を動かして音を出します。

このように、脳は非常に優秀なコンピューターであり、マインドから与えられた指示を的確に実行します。

7番目の推度心santīraṇaでは、受け取ったコピーからどんな振動であるのか推度します。

ここで、受vedanā（感覚）が起こり、タグ（近づく・遠ざかる・どちらでもない）がつき、後に認識が生まれます。　

8番目の確定心voṭṭhabbanaでは、7番目の心が推定した遠近の判別を確定することで、次から7ステップある速行心を走らせることができます。

9番目から15番目の速行心によって、やっと具体的なTPOなどの詳細な認識が始まります。

この段階で、はじめの五門の入力された感覚信号とは直接関係がなくなり、同じ花（信号）を見ても、ある人は欲、ある人は怒り、ある人は善心の速行心が起こっています。

五門引転心がチェックした信号を意門引転心のはたらきで関心のあることにスポットライトが当て、これをきっかけとして、妄想（認識）プロセスがはたらいて「こういう色声香味触を感じた」と判断するプロセスになります。

色声香味触の信号をカタチ・色などに分解して、次に「意」の情報と合成してイメージを作り上げます。

本人が「この味はおいしい」というパターンを習慣づけていると、実際に美味しいかどうかを判断する前にイメージの味は出来上がっています。

こうして色声香味触の信号を具体的に観察するのではなく、ヒトは自分が作ったイメージの世界の中で生きていくことになります。

文化、環境における繰り返しによって「判断」は刷り込むことができるのはこのようなメカニズムだからです。

したがって、ヒトの意見や感想は各自のイメージから作り上げた各自特有のものにすぎないので、自分自身の意見や判断そのものも固執するほど確かなものではありません。

そしてこの７つの速行心のエネルギーによって、業kammaになる善悪の行為が生成されます。

7つとも力の大きさが違い、波のように1番目と7番目は弱く、4番目がピークです。

この７つとも業kammaを作りますが、「走る」力の強さに比例して業kammaの力も決定します。

1番目は弱いので、結果がもし得られるのならば、現世で得ることになる。

2〜６番目は強いので、現世で得られなければ結果は来世以降になる。

7番目は1番目より強いので、結果がでるのは現世か来世までとなる。

人が業kammaを気にしないのは、悪いことをしても目の前ですぐに結果が出ないからです。

なぜならば現世で受ける結果は、１番目の速行心の分だけだからです。

殺人をしても日本では時効は25年でしたので罪に問われないケースも有りましたが、業kammaは消えないので因果は来世以降に先送りになったにすぎません。

（現在は法律は変わりましたが、どちらにしても業kammaが保存されることに違いはありません。）

もし、17ステップの中の７番目以降のcittaで五門引転心がうまれたのならば、速行心は生まれないので、業kammaも生まれず、感情アプリも発動されないので、これは業kammaを作らないヒントになります。

16番目と17番目は彼所縁心と呼ばれるもので、速行心で作り上げた妄想（認識）を登録する機能をもちます。

ホッとして気が抜けたり、余韻を味あう心のはたらきだとも言われていますが、実際は認識されたデータの保存です。

17	仏教用語	パーリ語	内容
0
１	有分心 過去の有分心	bhavanga AtītaBhavanga	完全に寝ている段階　　　 もしくは過去の無意識
２	有分動揺	bhavaṅge-calana	心が動きはじめる準備する段階で「動揺」が始まる
３	有分捨断	bhavaṅge-upaccheda	準備ができたので、有分心は「捨断」される
４	五門引転心	pañcadvārāvajjana	感覚信号が門から入ってきて「目が覚めた」段階
５	眼識	cakkhuviññāṇa	視覚で「知る」段階　　認識ではなく気づき
６	領受心	sampaṭicchana　　　　　 manodvara	心が眼識に移動して、その反応のコピーを受けとる 情報を受け入れることで心が対象に関心を持つ段階
７	推度心	santīraṇa manodvara	これはどんな振動（情報）なのかと推度（推察）する 近づきたいものか離れたいものかのタグをつける
８	確定心	voṭṭhabbana　五門 =意門引転心　意門 manodvārāvajjana	確定して分類する段階 「見たもの」を確定するのではなく、 「この直前の心（推度心）が推度したこと」を確定する。
９	速行心１	javana　　 走る、という意味 振動が七回起きる （9から15まで）	自分勝手に推度したものを「意識化」する 入った情報を認識、思考、判断するはたらき 色声香味触意の信号エネルギーが、メンタルの意識エネルギーに変換されて認識（分析、統合）が始まる
10	速行心２
11	速行心３
12	速行心４		最強の速行心　　波の最高値（ピーク）
13	速行心５
14	速行心６
15	速行心７		速行心１よりも強い
16	彼所縁心１	tadārammaṇa 二回生起し、滅する	振動の後の残響をデータ化する働き　　 信号が強い時にコンデンサーのような機能をする 有分心ではなく、異熟心（データ化）
17	彼所縁心２	tadārammaṇa	「味わい」の後に心が収まるような働き

すべての生命の共通点は６番目の感覚

31領域には無色界の存在のように五感覚器官がない生命体はあります。しかし、「意」と呼ばれる六番目の感覚器官がない生命体はこの世にはありません。

「意」は脳細胞にあるというのは、間違いではありませんが、意は脳の中にのみはたらくというのは間違いです。

たとえばアメーバーに神経管はないが、生きているので生命体です。

また、極端な高温や低温を避けるなどして環境に反応して生きているので、心があるということになります。

心があると断言できるのは、心とは知る機能（認識する）のことだからです。

また、「意」はイメージを作ることができるので、現在の五感覚器官からの信号がなくても、昔の信号を記憶として残していれば、30年前に死んだ友人のことを思い出して、微笑むことができます。

このように、心は五感覚器官と同じ場所で信号という物質を媒体として知る（認識する）機能があることが分ります。たとえば鼻識とは鼻という鼻孔粘膜にある感覚器官が香りの粒子という物質と直接に接触する（ぶつかる）ことで、匂いという感覚が認識されるようになります。

同様に「意」識とは、脳という感覚器官がdhammāという微細粒子の物質と直接に接触する（ぶつかる）ことで、想いという感覚が認識されるようになります。

これが、マインド自身の場所にある「知る機能」で、そのプロセスの流れが心路citta vīthiです。

他の5感覚器官が接触する物質エネルギーに比べて格段と微細なエネルギーですが、phassaという直接の接触がなければマインドに生じる認識の感覚反応は起こり得ません。

心路citta vīthiのメカニズムを知るとわかること

心路の確定心が認識を主観的にさせる

ヒトの認識のプロセスである心路をみると、感覚として受け取る入力信号をそのままに受け取るのではなく、8番目の確定心が瞬間的に判断するということは、その機能を見れば明らかです。

また実際の認識となる速行心の機能を見ればわかるとおり、各自の過去のデータと印象と概念と自動的に結びついて判断されたり結論付けられたりすることから、各自が思考や条件反射をする以前の認識の段階で偏見や誤解が含まれるのは明らかです。

対象に対する判断が客観的な事実ではなく、認識する人の主観に依拠するのは心路によって認識プロセスが行われるためです。

したがって、自他（特に自分）の意見に固執する理由がないこともこの心路システムが明らかにしています。

私が「ある」と思ってしまう理由

bhavangaに戻る回数が増えるため　

認識できる物質の中で最も速く変化するのは光ですが、１つの光子を認識するために少なくても17の心の回転が必要です。これからcittaのスピードを概算すると、秒速30万（299792458） m/sの光が目の前の1センチを通り過ぎる時間は、約3000万分の1秒でその間に17回のcittaの生滅があるとすると、これを17等分すると、約5億分の1秒となります。

また他の計算式では

10⁻²×4秒（静止画が動画として見える間隔）×10⁻⁶秒（脳の処理速度）÷17（心路のcitta数）≒10⁻⁹ 秒×4/7

とすると1つのcittaは10⁻⁹ 秒（10億分の1秒）で生滅します。

cittaが生滅することでヒトは対象を認識します。

その認識は心路citta vīthiと呼ばれる17回のcittaの生滅を繰り返すことで行われるのだが、そのたびにbhavangaという「元の自分」に一度戻ってから繰り返されます。

ちなみにこの沈黙の中で活動を休止している「元の自分」がインド哲学の梵我一如の「我」のことです。

心路citta vīthiを使う回数があまりにも多くなると、戻る度に「自分」という実感があるので、この状態がずっと続くと、「自分がいる」という誤解が生まれる、と推察されます。

cittaの生滅が早すぎるため

また、光や音よりも早く変化していく「citta」は周囲と比較することで、相対的に「変化していない実体」として感じられてしまい、cittaが認識の核になるので、常に「中心」すなわち「主体である自分」を基準にするという実感を持ってしまいます。

そして、これらの実感から「変化しない自分」や「永遠の我」がここにあるのだ、というところまで勘違いをするケースもあります。

音の場合のcittaの処理速度

1秒間に音が4000万回（40メガヘルツ）変化しているとヒトは音として認識できます。

しかし変化する回数が速くなると、その変化を捉えられなくなります。

この時の計算式は？

実体があると幻想する原因　　　　物質と心を混濁したまま統合するため

心路citta vīthiの構造からして生命体の認識は、一連の「静止イメージ」で「目の前の動的世界」を体験します。

つまり、10億分の17秒の静止信号の連続でこの「動き」を把握します。

そして、瞬間的に消えるこの「静止信号」を補填する記憶や未来予測を混合したあとに統合してイメージ化（パターン認識）することで実体のあるもの（永続的な世界）と誤謬することも可能になります。

このプロセスを論蔵Abhidhammaでは以下のように説いています。　出典？

マインドは外界を静止画のようにして一連の「気づきの瞬間」としてとらえます。

これらを視覚化してみると、それらは来るとすぐに、去っていきます。

では、私たちのマインドはどのように外の世界を「恒久的」と見なすのでしょうか？

また、特定の状況をどのように「良い」または「悪い」と判断するのでしょうか。

2人が同じものを見ても、1人はそれを「良い」と認識し、もう1人は「悪い」と認識する場合があるように、多くの場合において1つのモノを別のモノのように認識します。

ここには良い悪いの判断は各自の傾向と経験と現状把握の能力によること、また、瞬間を重ねることで１つの恒久的な連続体としてとらえられることを示唆しているように解釈できます。

私たちが外界をみるとき、それらを常に見ていると思っていますが、実際にはいくつかの瞬間的イメージを静止画（スナップショット）として見ているだけです。

聴覚も同じように、通常、1分あたり100〜160語、1秒間に約2単語、１文字あたりでは0.1秒ほどで、理解しています。次々と新たな音が入ってくるので、常にほんの一瞬で文脈全体を想定して理解しているのです。

つまり、私たちのすべての感覚入力と意識は、流れる感覚のごくわずかな痕跡であり、マインドはそれを継続的で安定した体験として作り上げます。

具体的には

物質のレベルでは、あらゆる感覚信号は、固定化された静的な一瞬のイメージとして入力され、

マインドのレベルでは、その信号をつなげて、まるで流れている一体のイメージとする経験を構築し、

智慧（微細元素）のレベルでは、２つを混同することなく分別することで、波動としてとらえて直観し、

ダンマdhammāのレベルでは、波動を形成している粒子を一瞬で「知る」ことになります。

たとえば、物質界は固体、マインド界は液体、精神界は気体、天界はプラズマと喩えてみます。

固体の物質が悪くて、液体のマインド界が良いというものではなく、マインドのレベルには、天の霊的存在のカミだけではなく、餓鬼であるpetas（幽霊）もいます。

パーリ語ではこの微細な世界を「manomaya kaya（mana心+maya成り立つ）」とよび、エネルギー体であるマインドの世界として解釈します。

私たちの肉体は、「身体的な喜び」だけでなく、さまざまな体の病気や痛みを介して、エネルギー体や霊的レベルの状態を知るためにあります。

その体の違和感によって、マインドや智慧やダンマのレベルの不調和を察知することができます。

釈尊の指摘と覚り　　　一瞬を常在と錯覚する心路citta vīthiのメカニズム

仏教史の中では、阿羅漢（31領域からの離脱者）に到達するのに最も時をかけなかったのは修行者のバーヒヤBāhiya Dārucīriyaである、とされています。　　

udāna 1.10　　　　　　　　　　　　　　　https://suttacentral.net/ud1.10/pli/ms　　

『自説経』パーリ仏典経蔵小部の第3経　　https://suttacentral.net/ud1.10/jpn/taikan

釈尊がサーヴァッティのジェータ林のアナータピンディカ（長者）の園地にいる時に、スッパーラカの海岸に樹皮行者のバーヒヤが滞在していました。

釈尊が彼にかけた言葉は

“ditté ditta mantan bhavissati.” “suté suta mattan bhavissati”, “muté muta mattan bhavissati”, “viññāté viññāta mattan bhavissati”

でした。　

ditti：[f.] light　光

mantan 　痕跡

bhavissati：[bhavati の fut．] 相違ない

Suta　　聴覚、音、リスニング、

muta　　味覚、匂い、

viññāta　　顕在意識　viññānaのこと

意味は 「見られるものはほんの一瞬だけの痕跡である」（そして同様に）「聞けるものも、匂いも、意識も、ただの一瞬の痕跡である」です。

内容は、

ヒトの心は連続する世界を感じるようになっているが、実際にはほんの一瞬でしかない痕跡を心が何度も重ねて繰り返すことによって、いつまでもそこにあるかのように認識しているにすぎない、と説いています。

一瞬しかないものが連続して存在しているかのように感じられるのは、ヒトの認識システム、すなわち心路citta vīthiのメカニズムに起因する錯覚であることを示唆しています。

対象の物質エネルギーだけが「生」「住」「滅」ではなく、私たちの感覚器官も「生」「住」「滅」の流れの中であり、この２つは接触したほんの一瞬のエネルギーを、偶然にも意識を向けることができたら、これまた「生」「住」「滅」の流れの中にある私たちの心が感覚信号として感知します。

（ゲームに夢中の時に外界の感覚信号を察知しない状態が思考中にはデフォルトになっています）

このような状況にも関わらず、あたかも「住」だけが継続している実体があるかのように判断して、「有無の有」として認識して、すなわち錯覚して生きています。

つまり、このように実体があると認識されるのは、対象の物質エネルギーの「住」と主体の感覚器官の物質エネルギーの「住」がたまたま重なった瞬間（接触）をメンタル・エネルギーとして感知しただけで、それ以外の「生」と「滅」の状態は感覚されることがないからです。　詳細の確認を考察中

ところが物質とメンタルのエネルギーを混同することで、それが瞬間の重なりではなく、一つの連続しているエネルギーの塊として認識しているのが原因です。

また２つを混濁せずに２つの重なりで見れば、自分自身も実際には一瞬の痕跡でしかありません。

この世でしようとしていることはその消え去る一瞬を実体だと信じて大切に（事実、リアル、執着）しても、自分が望むように努力して、世界を実体と見せることができるのは短い時間だけであって、長期にわたるとそのような状態は維持できません。

気づいてはいても実体があることを前提とした世界を基盤にして努力してきたが結局の所、その実りはなく「わたし」はただ無力な存在でしかなく、あまりに虚しく苦しい。　

「わたし」のいますべきことはこのいくら努力を続けても結果に裏切られ続ける馬鹿げた世界観から離れて、実際にある涅槃nibbānaの価値観で生きることである。

という解釈です。

コラム

「生」と「滅」は認識できないのか？　　　考察すべきテーマ　

現象の「生」の瞬間と「滅」の瞬間は認識できない、と17ステップの認識システムは説明できるか？

つまり「無常」の認識は不可能である。その理由をアビダンマは心路を使って説明しているのか？

感覚信号と感覚器官との衝突のエネルギーがhadayavatthuで17回振動するのか、それとも10億分の1秒ごとに新たな感覚信号と感覚器官との衝突エネルギーを得ているのか？

花は常に変化している（生・住・滅）＝実体がない、と仮説する。

ヒトが認識できるのは「住」のときだけで、生と滅の時には五門どころか有分心に接触する力がないので心は認識することができず、有分心の状態になっているので、実体がないことに気が付かない。

モノ（花）の「住」の刹那をcittaが捉え（2つの物質エネルギーがぶつかり）、それから5〜16のcittaで対象を認識しようとするが、cittaは物質の刹那よりも遥かに速いので、速行心が機能している9〜16の間に、花が「滅」に移行していることは稀である。

したがって、殆どのcittaは「住」を捉えているので、対象物に実体がある、という誤解に陥る。

もし本当にモノに実体がないのならば「生」や「滅」の瞬間も認識できるはずなのに、認識できるのは「住」だけで、実体がない瞬間を認識できないならば、実体があると仮定するのが論理的な思考法である、とする人たちが世界の学者たちの主流である。

もし本当に実体がない（生・住・滅）のであれば、こうして、実体がないものを実体があると前提することから誤謬が始まる。

視覚で対象の「住」しか捉えないものを実体があると判断することが前提となり、

何事に対しても、このパターン認識を基盤として、各自が世界を理解する誤解が成立する。

また、この「実体が無いものを有る」とする一面的な見解が、深層意識の不安とこだわりの執着に繋がっていくと仮説する。

マインドはこの執着で新たな自動反応アプリケーションが累乗的に付加され続けることにより、輪廻転生の中だけで生きることになる。

しかし、Aが証明されないからといってA‘を仮定した世界を前提にするのは論理的とはいえない。

実体がない瞬間を認識できないとしても、実体があると仮定するのは表層的論理性ともいえない。

ここが現代の学問が誤謬の積み重ねになる原点である。

実体がないことは証明されなくても、実体があることを前提にすることを肯定するのは学者のすることではない。

それは政治家や法律家などの常識を作ったり実践する人たちの仕事である。

事実は「ある」でも「ない」でもなくわからない、である。

常識は「ある」ことで話を進めますが、これも利便性のためであり事実はわからないのでよろしくです。

そして真理は「ある」でも「ない」でもなく「生・住・滅」である。

第一の覚りは、「私や世界がある」と思っていたのに、それがそうではない、ということが分かること。

これが分かると、「ある」ということの認識の内容が、それまでの俗世間の認識の内容とは完全に異なるものに変化する。つまり「ある」ことを断定するのではなく、便宜上で受け入れるだけで、事実や真理はそうでないことを認識して生きるということである。

「住」だけを認識して勘違いする　認識から実体があると考えるのは当然

物質が有と無の繰り返しの流れだと仮定しても、ヒトには有の側面しか認識できない。

現象が消える瞬間を認識したことがないので、「永遠なもの」があるという実体論に何の違和感もなく陥るのは当然のことである。

無常（生・住・滅）の認識が可能な条件は

速行心の７つの間、10億分の7秒の間に対象物が変化するのを把握したら可能

10億分の1で入力、5で気づき、9〜16の間で変化を把握するという稀なことは可能なのか？

対象物の変化が10億分の7秒よりも早すぎたり遅すぎたりする場合ば変化の把握はできない。

フリーフローとバンガーはパターン認識であるという仮説

変化している感覚（フリーフローの泡立ち、バンガの溶解）を錯覚することは可能である。　　　

フリーフローは意識のスポットライトをスピードを上げて上下させることで、それらの箇所の「住」を感覚するが、それぞれのスポットライトの当たり具合で「住」を感覚するタイミングにズレがあるのでそれらを「生」と「滅」と錯覚している

そして泡立ちの感覚をパターン認識化することで、その感覚を維持している。

バンガーは意識のスポットライトを動かすスピードを遅くすることで、感知できる「住」と感知できない「生」と「滅」の2箇所が感覚されるが、動かす方向の反対側の過ぎ去る箇所を感覚のスポットライトにすることで溶解し続けるバンガーを感じる。たとえば両手に意識のスポットを当ててから、次にその力を弱めながら肘、肩に向かって移動すれば、手先から順番にバンガを感じる。

この溶解の感覚をパターン認識化することで、その感覚を維持している。

成長している過程は認識できるが、それが衰えて消える瞬間は認識できないという仮説

速行心の7番目で現象の消えゆく瞬間を認識できるがそれはすでに弱まったcittaで力がないので、認識はとても薄いもので、cittaが微妙に動くだけで、本人は明確に知った気持ちにならない。

10億分の7秒の間に対象が「生・住・滅」するという偶然性の根拠は？

aniccaの多層体験

無常aniccaには多くの実感があります。

常に変化し続ける、というのはどのような体験なのでしょうか？

この世界を「見たくない」というのは底流にある「怒り」が具象化したものなので、そこには無常の智慧はない。

「俗世間の快楽は微々たるもので飽きてしまった。限界がわかったら無意味なものだ」というのが欲界の智慧。

「眼耳鼻舌身に頼る喜びは限定されていて不自由で本当にばかばかしく無意味だ」という腑に落ちる納得が禅定の智慧

無常そのものを体験できなくても、概念だけを徹底的に叩き込んで、無上に基づいて考えるようになればそれは智慧のある生き方になる。

無常の概念とは、この世のものは「生まれては、住まい、消え去っていく」性質であることを知ること。

実践では、ヴァイブレーションとは生まれて消えているということなので、振動の波の中で暮らす

体を構成する細胞は生・住・滅をくり返しています。

さらに、細胞を構成する分子はもっと早く、生・住・滅をくり返しています。

さらに、分子を構成する原子はもっと早く、生・住・滅をくり返しています。

さらに、原子を構成する素粒子はもっと早く、生・住・滅をくり返しています。

さらに、素粒子を構成するBhūtaはもっと早く、生・住・滅をくり返しています。

さらに、Bhūtaを構成するSuddhātthakaはもっと早く、生・住・滅をくり返しています。

さらに、Suddhātthaka を構成する四大元素はもっと早く、生・住・滅をくり返しています。

真理は「ある」でも「ない」でもなく、ただ「生・住・滅」である。

科学　計測できる世界

事実　計測できる世界　＋　認識できる世界

常識　認識できない世界を排除して、認識できる世界だけの因果関係を基盤にして作った社会のルール

概念とは、この世のものは「生まれては、住まい、消え去っていく」のが性質であることを知ること。

実践では、ヴァイブレーションとは生まれて消えているということなので、振動の波の中で暮らす

真理　「ある」でも「ない」でもなく、ただ「生・住・滅」である。体感するまでは信仰、もしくは指標。

　　　それを実体験で確認して体現するのがアラハンへの「道」

私　　認識できない世界を排除しないで、認識できない世界の因果関係を熟慮して頭の隅に置いておく

　　　その因果関係が可能かどうかは瞑想と観照contemplationをして追体験を試みる

Sōtapanna道へのaniccaの理解　　私説　足りないことは？瞑想してまたわかったら付記する。

前提はaniccaとは常に「生、住、滅」と変化し続けるのがこの宇宙の自然摂理であることを再認識する。

第1歩目は「自分が望むことを保てるのは一時的なことで長期でみると維持することができない」ことを自覚して生きること。

第2歩目は、31領域の輪廻転生の視点から、心も物質も結局は溶解していくもの、儚いもの、「ある」ではないもの、摑まえることができないもの、空しいもの、虚しいもの、流浪するものであることを認識して、そこでは何をやっても自分は無力であることを実感すること。

第３歩目は「わたし」を同化させていた体、心、五蘊、魂などから１つ１つ離れていくこと。

そして「実際にはこれまで信じていた「わたし」は「ある」ときもあり、「ない」ときもあり、「生・住・滅」と流れるエネルギーのことを「わたし」と呼んでいたんだ」と確信すること。

第4歩目は静穏な気持ちで物質と心の変化に気づき続け、自身がエネルギーの流れになることで、概念や一般名詞を基準にしなくても暮らせること。

第5歩目はaniccaによる認識です。波動、つまり生まれては消えていくものにしか感覚できないようになります。

視覚では噴水の形ではなく水しぶきを見て、

聴覚では鳥のさえずりは消え、音の点が拡がり、

味覚ではカレーの味は消え、スパイスと温度と歯ごたえと5味が拡がり、

嗅覚ではバラの香りは消え、甘さと仄かさと酸味と螺旋が拡がり、

触覚では

意覚では編集して統合することを止め、分解したものをそのままにしておく

こうして、起こるあらゆる感覚は、無常の理解を生み出すだけです

第6歩目は、生じるものは必ず消え去り、2度と再現されないという体験と、そこからくる強い確信です。

これが道をあるき続ける推進力になります。

そして「わたし」が涅槃nibbānaに瞬間的に戻ることを体感する。

自分の中で起こるすべてのことを意識すると同時に、変化することを理解してそれに反応しないように努めます。 これが真の智慧です。自分自身の本質の理解であり、自分自身の奥深くにある真実を直接経験することによって達成される理解です。 これは仏陀が「yathā-bhuta-ñāna-dassana」と呼んだもので、現実をありのままに観察することによって生まれる智慧です。 この智慧があれば、人は苦しみから抜け出すことができます。 起こるあらゆる感覚は、無常の理解を生み出すだけです。 すべての反応が止まると、渇望と嫌悪のサンカーラがすべて止まります。 現実を客観的に観察する方法を学ぶことで、人は自分自身に苦しみを生み出すのをやめます。

禅定について

jānaという新しい認識の仕方

集中度の高い眼耳鼻舌身の五門に頼らないサマーディ瞑想が禅那jāna

五門から得る情報を正しいとは判断せず、鵜呑みにしたり、信じたりしない。

五門からの情報を土台にして利用することで、五門から離脱できるようにする認識方法。

五門から入る情報の次元から離脱できると、第一禅定が生まれる。

禅定は欲界の意門心路は心が勝手に作る幻覚なので、これも利用しない。

禅定は五門と意門からの信号からではなく、心だけで認識する方法。

３つ認識プラス１

外からの信号（五門）や内からの信号（意門）に頼る欲界認識

物質はあるが五門と意門に頼らない色界禅定

物質そのものがない無色界禅定

特殊な2種類の意門の認識方法を作り上げるのが瞑想する意味。

色界・無色界の禅定による認識と覆いを外した出世間の領域での認識の仕方

瞑想が進んでいる身体の軽さと喜びの実感

眼耳鼻舌身への未練がどんどん消えてきて心が落ち着いてくると、身体も楽になる。

そしてたまに身体が軽く感じる。綿のように、空気のように、身体には何の物質もないのではないかと感じる。

どんどんと喜びが生まれ、体重を感じないので、歩いても坐っても疲れがない。

禅定に入る前からこのような喜びはある。

欲界の喜びとは質が違い、ただ何もなく喜びがある。

心には希望がない。しなければならないこともない。

このような状態の喜びである。

サマーディ瞑想のメカニズム

意門での思考を止めるのがポイントなので、途中から思考が生まれないように、先に意門を利用することで、考えが飛び込んでくるのを防ぐ。

たとえば目の前にあるモノを言葉に出して念じ続けるとこで、心は妄想することができなくなる。

心は一つしかないので、同時に二つ以上のことをできないので、念じるという行為で心のはたらきが独占すると、他のことができなくなるからである。

また、同じものをずっと見ていると、眼を閉じても、それと同じものを見ることができるようになる。

たとえばコントラストの強いものを見ていると眼を閉じても残像があるように。

同じ対象物を２時間〜４時間かけて見続けると、同じ信号だけを認識し続けると心はその信号を学習し、対象を見なくても、心がその認識を作るようになる。

それからさらに瞑想を続けていると、さらに純粋な認識が生まれ、対象物がさらに強く見え始めるようになる。

これは心のはたらきの特徴である。

外界を見る視覚に頼っているのならば、このように見えることはない。

このような体験をすると、見ることも心のはたらきであって、眼でみるだけのものではない、ということを実感する。

こうしてさらに強烈に純粋な光が見え始めるので、意識をさらに強くする。

それから、その純粋は光に集中して瞑想すると、光がかなり大きく見え始める。

これが見えたら心に第一禅定が生まれているという一つの証である。

いわゆるこれが梵我一如の一体感である。

この純粋認識の世界には色界が４，無色界が４の合計８段階のステップがある。

「眼がなくても見える、耳がなくても聞こえるという体験をし、五門を通さなくても認識が生まれる」ことを実感し、いわゆる超能力と言われることの可能性も考慮に入り、実体験することでさらに理解できるようになる。

欲界を捨てない限り禅定の見込みはない

この五門の信号に頼る世界に深い意味はなく、単なる表層で、こだわる価値がないことを実感しないと禅定を体験するのは難しい。

欲界の「俗世間の快楽は微々たるものだ。無意味なのだ」という程度の理解の智慧paññāレベルであっても禅定を得るには十分であるらしい。

だから絶対神を信仰していても、サマーディ瞑想で禅定に達することは可能である。

捨てることを前提にするだけで智慧がすでにあるので、それほど難しいことではないらしい。

禅定の心路citta vīthi

manōdvāracitta vīthiの長さは通常、平均して10〜12cittāですが、jhānaにいる間にはmanindvāracitta vīthiは多くのjavana cittāを持つことができます。

jhānaの最中では、そのような長いmanōdvāracitta vīthiは、間に生じるpancadvāracitta vīthiによって中断されます。これが、jhānaの最中に外部の音を聞くことができる理由です。

しかし、jhāna samāpatti（禅定）では、単一のmanōdvāracitta vīthiが長時間中断されずに続き、javana cittaが中止されることなく発生します。

B B B B B「BC BU MD J J J J J J J J J J J………..

したがって、Bhavanga状態に戻ることはありません。すなわち、pancadvāra citta vīthi や別のmanōdvāra citta vīthiが発生することはないので、外の世界で何が起こっているのか分からなくなります。

したがって、samāpatti（禅定）に入る前に、実践者はsamāpattiに滞在する時間を決定します。

これが、jhāna samāpattiに入ることができる人々がJavana cittaの真の力を本当に発揮できる理由です。

これを視覚化できる喩えで表すと、マッチ棒の火でオイルランプ（オイルに浸した芯）を点火するとき、マッチ棒の火が芯の近くで安定せずに動いてしまう場合には点火できませんが、火を安定して保持できれば、すぐに点火する状態です。

レーザー光線の喩えを使うと、レーザービームのスポットが金属板の一点に安定して保持されない限り、そこは加熱されず穴はあきません。

jhāna samāpattiとは、レーザービームをある一点に長時間にわたり安定して保持するようなものです。

Citta vīthiは常に、過去のkamma、つまりkamma vipakaによる外部からの感覚入力から始まることを理解することが重要です。

Jhānaに至る時のcitta vīthi

B B B「BC BU MD P U A G Jh」B B B

B B B「BC BU MD U A G Jh」B B B

1つ目は普通の人のjhānacitta vīthiで、2つ目は、「より高い智慧」を持つ人のためのものです。

B、BC、BU、MD、

Parikamma (P), Upacara (U), Anuloma (A), Gotrabu (G) 次に、Jhāna（Jh）cittaを通過します。

サマーディ瞑想のステップ

対象を決める。モノ、カミ、呪文、音、呼吸、変化、踊り

自分が対象に関わり近づき、スポットライトを当てる。

対象に集中することで禅定が生まれる。

禅定（サマーディ状態）とは、自分という主体が消えて、対象と区分がなくなる「一体感」である。

具体的には、

瞑想をすると、対象がどんどんと明確になってきて、光になる。

それを眼耳鼻舌身からの信号としてではなく、神経管が認識する。

対象を五感覚器官を通じずに神経管で受け取っている。

こうして、外からの光の情報はなくても、体内の認識力だけでそれを感じ続けている。

これをuggaha nimittaという。　uggaha取得taking up　　 nimita相mark，sign； image； target，object

さらに瞑想を続けると、完璧なカタチで見え始める。これをpatibhāga-nimitta似相とよぶ。

さらに瞑想を続けると、その対象が襲ってくる。

もしくは襲うように引き込まれて、対象と自分が一体化してしまう。

これまでに対象していたものが自分を襲ってきて、自分を抑えて自分に乗り移ってしまう一瞬の出来事である。

この認識の次の瞬間は有分心になる。

自分と他という区分が消える瞬間にこそ喜びが究極的に強烈に感じられる体験である。

サマーディ瞑想では対象が体の中にありありとそのまま観えることである。

対象を眼で見てなくても、厳密に明確に観えることが必要な条件であり、これを実践していると喜びを感じる。

宗教に関わらず、誰にでも体験できる。

問題はこの経験から離れなくなるなり、自分の体験に執着して絶対視をして、他者の話を聞かないようになる。

仏教は瞑想の世界が陥る偏見の闇に光を当てて分析し、科学的に心理学の立場で解説しようとしている。

禅相nimitta―禅定を修行するとき、心が専注する対象。イメージでもいいし、概念であってもよい。

取相uggaha-nimitta―取得した禅相。学んだ禅相。定力が上昇したとき、息の相が心によって徹底的取り入れられたときの禅相。

似相paṭibhāga-nimitta―取相の禅相に似ている。定力が更に深まったとき、非常に取相に似た禅相が心の中に、安定的に生起する。それは純潔で欠陥がないとは言え、やはり修行によって生起した一種の概念に過ぎない。

禅那jhāna―心が完全に専一的な状態にあること。

＜清浄道論・第三品＞では、「心と心所を平等（<説>よいバランスを保つこと）にし、落ち着かせ、散乱させず、雑にならないようにして単独の対象の中に安住すること」と述べている。

＜長部Dīgha Nīkāya＞では、禅那の心を「寧かで静か、清浄・透明で、すでに育成されており、邪悪なく、柔軟・従順で堪能、強固で沈着して、不動である」と禅那の心には強力な生命力があることを示唆している。

禅那は通常四色界禅を指すが、四無色界禅を含むこともある。

禅定の安止

#16 jhāna-vīthi, magga-vīthi　　禅の路、道の路

Appanā-javana-vāre pana vibhūtāvibhūta-bhedo natthi.

Tathā tadārammaṇuppādo ca.

一方、安止の速行の仕方では、明瞭と不明瞭の区別はない。

またそこでは、彼所縁は生まれない。

bhedo：Breaking; rending; division; disunion; breach，schism; sort，kind

光の対象が見えたとしてもまだ次元を破ったとは限らない。

一体感が生まれて、これまで意識で認識していたのが、意識することもなく自動的に動く瞬間があり、自分でなにもしようとすることなく、ただ認識が流れていく。

ただ心が流れている。

そのような一体感のような、自分の意識が消えてしまう瞬間が次元を破った一つの証である。

Tattha hi ñāṇa-sampayutta-kāmāvacara-javanānam aṭṭhannaṃ aññatarasmiṃ parikammopacārānuloma -gotrabhū-nāmena catukkhattuṃ tikkhattum eva vā yathākkamaṃ uppajjitvā niruddhānantaram eva yathārahaṃ catutthaṃ pañcamaṃ vā chabbīsati mahaggata-lokuttara-javanesu yathābhinīhāra-vasena yaṃ kiñci javanaṃ appanā-vīthim otarati. Tato paraṃ appanāvasāne bhavaṅga-pāto va hoti.

その場合には、智相応欲界速行心8つの中のどれか一つが遍作、近行、随順、種姓という名前で4回、ないし3回、順次に生まれて、滅するとその直後に、つまり5回目、あるいは4回目に、大心と出世間心の速行心26の中のどれかの速行心が導引力によって安止の心路に入る。その後、安止が終わったら、有分に落ちる。

aññatara：a. [añña他other の比較級] 隨一，二者の一，或る.

appanā-vīthi　　　安止の心路

遍作parikamma

準備という意味　　あまねくよく準備している

近行upacārā

近寄るという意味　禅定に近寄る、似ている心

upaそこら辺　cārā歩いている　　　中に入ったわけではないこと

強引に瞑想している状態で、サマーディの味をまだ味わっていない。

随順anuloma

ほとんど似ているという意味　　　禅定サマーディにピッタリ付き従っている

種姓gotrabhū

gotra家族・家系、bhūなりました、生まれたという意味で、「家系になった」

次元を超えた世界の住人になったという意味。

gotrabhūの心が生まれたら、次の速行心は必ず禅定心になる。

しかし、これはまだ欲界善心の心で、色界のものではない。

安止定appanā-samādhi

本物の禅定心　　サマーディに入って、安定して、そこに止まっている状態の心

appanā：f. [Sk. arpaṇa. cf. appeti] 安止，根本定

近行upacārāと安止定appanā-samādhiの混同

近行の結果として、心が清らかになり、なかなか怒ることも欲が生まれることもなく、落ち着いた状態になるため、。多くの修行者が近行で「これでいい」と満足して修行を止めてしまう。

近行では先が見えないため、先を見ようとはせず、それで安心してしまうため

安止定は、心の何かが切れて「破った」という認識があり、次元を破って上に飛んだという経験がある。

膜を破って飛び出し、もう元には戻らない状態を経験する。

安止速行の法則

禅定安止の法則

#24 appanā-javana 安止速行

ādikammikassa pana paṭhamakappanāyaṃ mahaggata-javanāni abhiññā-javanāni ca sabbadā pi ekavāram eva javanti. Tato paraṃ bhavaṅga-pāto

一方、初めて人が最初に得達する時は、大界の速行心と神通の速行心は、いつでも1回だけ速行する。

その後、有分に落ちる。

ādikammika：[m.] beginner

paṭhamako：First，previous

appanā：f.　安止

禅定に慣れると安止速行心がずっと続く

初めての禅定では1回しか禅定の心が生まれないが、次からは延ばすことができる。

すると速行心は7つという法則も変わり、1つの心路の中で、100でも200でも連続して生まれる可能性もある。

Cattāro pana magguppādā ekacittakkhaṇikā. Tato paraṃ dve tīṇi phala-cittāni yahtārahaṃ uppajjanti. Tato paraṃ bhavaṅga-pāto.

また、4つの道心が生じるときは、１心刹那生じる。その後、2,3回、果心が適宜に生じ、それから有分に落ちる。

欲界の智慧、禅定の智慧

「見たくない、聞きたくない、認めたくない」というのは底流にある「拒否（怒り）」が具象化したものなので、その時には智慧がない。

無常の理解については、欲界の智慧では「俗世間の快楽は微々たるものだ。無意味なのだ」という程度の理解である。

だから、無常そのものでなくても、概念だけを徹底的に叩き込んで、無上に基づいて考えるようになってしまえば、それは智慧の生き方になる。

対して、禅定の智慧は、「眼耳鼻舌身に頼ることはばかばかしいことだ。無意味だ」という理解と納得である。

禅定が生まれない理由

眼耳鼻舌身からの刺激にも喜びはあるが、

「眼耳鼻舌身からの情報は心底から面白いものではなく、煩わしいものである。また頭の中の概念にこだわるのも煩わしい。そういうことから離れた方が、大変落ち着いて幸福だ」という実感を持った理解と腑に落ちた納得がないからである。

サマーディ瞑想をする人は、なにか対象を作って、瞑想するのだが、それによって、その対象に頼っていることが明確に理解できるからである。これが理解できると頼らない時空に達するステップとなるのか？

サマーディ瞑想の一体感

自分が対象に係わっている最中に、自分を忘れているのは大きな喜びがある。

この喜びは欲界のものだが、このような自我を忘れて、自分と他という区分が消える瞬間にこそ喜びが強烈に感じられる体験をしている。たとえば、お神輿、セックス、大会場でのウェーブ、コンサート。

しかし、ここでの無我は対象との区分のない一体感である。

たとえば、画家も眼を閉じて対象を観て、イメージを持って作品を描く。

しかし、サマーディ瞑想はこれらのイメージの作成とは違い、より強烈で、もっと深い一体感がある。

集中力が高まっているので、眼を閉じても対象をより強く感じ、区分のない一体感がある。

ニミッタの出現

　集中力が出てくると、黄色やその他の色が目頭からおでこにかけて見えてきます。継続的に30分ほど呼吸に集中していると、顔の前に、明るい光が見えてきます。

それはさまざまで、異なった色が見えたりしますが、目を開けて、「これは何だ」と見てはいけません。

あくまでも呼吸に集中し続けます。この時点で光の方に注意を向けると、集中力は途切れてしまいます。

質問：好奇心が湧いて、これは何だろうと思って見たくなってしまうのですが。

答：見てもいいですが、初めのうち光の方を見るとすぐになくなってしまいます。そして集中力が途切れます。

訓練を続けたい時には、光の方を見ないで、呼吸に集中します。

　呼吸に集中し続けると黄色やオレンジ色が見えてきます。そして、さらに呼吸に集中し続けるとその色は、だんだんと白く変わっていきます。色が白くなっても呼吸に集中し続けて下さい。そうすると白い色がさらに明るさを増し、クリスタルのように透明になってきます。

　そしてこのニミッタ、（相、イメージ）が10分間も安定しているようなら、今度はその光のニミッタの方に集中します。つまり、ニミッタには3段階あります。

1、黄色、オレンジ、その他の色として現れる。

２、色が白くなってくる。

3、さらに輝きを増し、透明になる。

ゆっくりゆっくりとこのニミッタが安定してきたら、集中力を呼吸からニミッタの方に移します。

質問：「見たい見たい」と思って見てしまって、そこでニミッタがなくなってしまいます。どうやって引き伸ばしたらよいでしょうか。

答：それは心が興奮しているからです。静かでなくなっているからです。リラックスして心を静めましょう。

　そしてニミッタに集中して、1時間、2時間、心が外へ飛んでしまうことなく集中していると、身体の感覚がなくなります。ただ、心とニミッタだけになります。それが禅定です。禅定には初禅から四禅までありますが、そこまで到達するには、先生の案内が必要です。急がず、ゆっくりゆっくりとやっていきましょう。

五蓋（ごがい）pañca nīvaraṇān　　瞑想修行を邪魔する、5つの,認識を覆う障害

貪欲（とんよく）kāmacchanda - 渇望・欲望 abhijjhāとの違いは？

瞋恚（しんに、byāpāda、梵: vyāpāda） - 怒り・憎しみ

惛沈・睡眠（こんじん すいめん、thīna-middha） - 倦怠・眠気

掉挙・悪作（じょうこ おさ、uddhacca-kukkucca） - 心の浮動、心が落ち着かないこと・後悔

疑（ぎ、vicikicchā） - 疑い

出家者が戒律を収めた後、初禅に入る前の段階として、この五蓋の除去が言及される。

この五蓋が取り除かれることで、その人には歓喜・喜悦、身体の軽安（きょうあん）・安楽・三昧が生じ、初禅へと入っていく準備が整うと述べられる。

kāmacchandaは貪欲と訳されているが、kāmaとは欲界kāmalokaの欲という意味は、欲望の欲lobhaと理解するのではなく、「眼耳鼻舌身に頼っている世界」と理解するほうが、サマーディ瞑想する時にはわかりやすい。

欲界kāmalokaでのメインテーマは五門からの信号を使って「身体を楽しませる」ことなので、これまでの習慣の認識方法では、いくら瞑想をしてもジャーナjānaは生まれない。

ジャーナは欲界の次元を超えることを理解して、そのための準備と相応しい実践をしていないので、ジャーナ体験は瞑想する人々の１万人に１人しか得られないと言われている。　

救って欲しい人は瞑想よりもまずは理性から

「誰かに頼りたい、すがりたい」と思っている人は、まず自分の理性を育てることを優先させる。

瞑想は、「ものごとは自分で判断したい、自分で決めたい」という人に向いている。

五自在　pañca-vasītā　　　瞑想者が道を誤らないため　　　　　瞑想者を守るマスターすべき五項目

1.引転自在−サマーディから出た後で、　サマーディ中にまだ残っている思考・感情を判別・確認する能力

āvajjana は省察reflectionの意味で、心を向けて観察すること。

āvajjeti：[ā + vajj + e] observes

欲界に戻って、自分の体験を思い出し、ただ事実をありのまま、客観的に観察して確認する。

解釈は誤解なのでただ自分に起きた事実を観察するだけにする。

するとカミとの一体化というような解釈をしなくなる。

宗教家が解脱を見つけられず、輪廻を遡る途中でやめてしまうのかと言うと、「解釈したからである。説明したので間違ってしまった」と釈尊は説いている。出典？

2.入定自在−サマーディに入りたいと思うとき、いつでも出来る能力

samāpajjana [abs．of samāpajjati] having entered upon； having engaged in

3.在定自在−自分の決めた時間にサマーディに留まることが出来る能力

adhiṭṭhāna [fr. adhi + sthā] 1. decision，resolution，self-determination，will 　決定

パーリ語では誓願の意味が多いが、ここでは違う。　ここでは、意図したようにする意欲の意味。

4.出定自在−自分の決めた時間がきたらサマーディから出る能力

vuṭṭhāna [the sandhi form of uṭṭhāna] rising out 起き上がって出ること

禅定から出て、欲界の常識に適応すること。2つの認識範囲の違いを明確に理解すること。

5.観察自在−サマーディ中にまだ残っている思考・感情を判別・確認できる能力

paccavekkhaṇa　観察

禅定の弱点もよく観察する。

これで、禅定に対して起こる強力な執着（欲）が消える。

日常生活での欲はlobha、禅定に対しての欲は、nikanti

第一禅定から成長するためには、このnikantiを捨て、五自在をして、成長の可能性を探り、現状の欠点を認識することで、第二禅定以降を作ることができる。

言葉を回転させることで禅定を得ることができると思っている者が言語を繰り返さないで禅定が得られるはずだと瞑想を続けることで、第二禅定を作ることができる。

言葉で考えなくても、何かものを見たらすぐに一体になるということが第二禅定である。

何かを見たら何も頭に浮かばない状態で、これは我を忘れてしまうことなので、たとえば車の運転などのように現代文明での日常生活では危ないものと判断される。

また、非想非非想処定を作ったとしても、五自在をして欠点をチェックしなければ、成長はそこで止まり、ヴィパッサナー瞑想をすることがなくなってしまう。

第一禅定　　尋、伺、喜、楽、一境性と共にある　　世俗的な欲を捨てることで、第一を得ることができる。

第二禅定　　伺、喜、楽、一境性と共にある　　　　言葉による思考を捨てることで第二を得ることができる。

第三禅定　　喜、楽、一境性と共にある　　　　　喜pītiがなくても統一はできる。

第四禅定　　楽、一境性と共にある　　　　　　　楽がなくても統一はできる。

第五禅定　　捨、一境性と共にある　　　　　　　捨upekkhāつまり身体の感覚がない状態に至る

参考資料　　

Abhidhammattha Saṅgaha摂阿毘達磨義論

#5 visaya-ppavatti-chakka ６つの境生起

Atimahantaṃ mahataṃ parittaṃ atiparittñ ceti pañca-dvāre, mano-dvāre pana vibhūtam avibhūtañ ceti, chadhā visaya-ppavatti veditabbā.

五門には極大、大、小、極小、一方、意門には明瞭、不明瞭という6種類の生起があると知るべきである。

#6 citta-rūpa-āyu　　心と色の寿命

Kathaṃ? Uppāda-ṭhiti-bhaṅga-vasena-khaṇa-ttayaṃ eka-citta-kkhaṇaṃ nāma.

Tāni pana sattarasa citta-kkhaṇāni rūpa-dhammānam āyu.

どのようにか？　「生、住、滅Uppāda-ṭhiti-bhaṅga」という3刹那が1心刹那である。

その心刹那17回が、物質というものの寿命である。

tāni，人稱代名詞第三人稱（或為指示代名詞）ta（he / it/ she；that

五門の対象物質に対して、心がどれぐらいの時間触れているかによって、極大、大、小、極小という分け方をする。長い時間触れると明瞭に認識することができる。

極大所縁路

#7 cakkhudvāra-atimahantārammaṇa-vīthi　　眼門の極大所縁路

Eka-citta-kkhaṇātītāni vā bahu-citta-kkhaṇātītāni vā ṭhiti-ppattān’ eva pañcārammaṇāni pañcadvāre āpātham āgacchanti. Tasmā yadi eka-citta-kkhaṇātītakaṃ rūpārammaṇaṃ cakkhussa āpātham āgacchanti, tato dvikkhattuṃ bhavaṅge calite bhavaṅga–sotaṃ vocchinditvā tam eva rūpārammaṇaṃ āvajjantaṃ pañcadvārāvajjana-cittaṃ uppajjtvā nirujjhati.

１心刹那を過ぎ、あるいはいくつかの心刹那を過ぎて、ちょうど住に達した５つの対象が、５門の領域に入る。

それゆえ、もし、１心刹那を過ぎた色という対象が眼の領域に入るなら、それから２回、有分心が振動して、有分心の流れを断ち切って、まさにその色という対象に引転する五門引転心が生まれて、減する。

tasmā：[ind．] therefore

yadi：[ind．] if； however

３回続く有分心

bhavaṅge

bhavaṅge-calana　　　動揺、振動

bhavaṅge-upaccheda 中断、断絶

Tato tassārammaṇaṃ tam eva rūpaṃ passantaṃ cakkhu-viññāṇaṃ sampaṭicchantaṃ sampaṭicchana-cittaṃ santīrayamānaṃ santīraṇa-cittaṃ vavatthapentaṃ voṭṭhabbana-cittañ ceti yathākkamaṃ uppajjitvā nirujjhanti.

それによって、その直後に、まさにその色を見る眼識、色を領受する領受心、色を推度する推度心、色を確定する確定心が、順番に生まれて、滅する。

領受心

６番目の刹那の領受心で目に触れた振動を心が受けて、心が振動する。

一連の認識プロセスの流れの中で、振動を受け入れる心のはたらきが領受心である。

色声香味触の振動を心の振動に変化させる働き。

生まれる場所は物質（五門）と心（意門）の間？もしくは心（意門）

Tato paraṃ ekūnattiṃsa-kāmāvacara-javanesu yaṃ kiñci laddha-paccayaṃ yebhuyyena sattakkhattuṃ javati. Javanānubandhāni ca dve tadārammaṇa-pākāni yathārahaṃ pavattanti. Tato paraṃ bhavaṅga-pāto.

その後、29の欲界速行心の中の縁を得たどれかが、たいてい7回、速行する。そして適宜に、速行心に付随する「それを対象とする」異熟心が2転じる。その後、有分に落ちる。

kiñci：[ind．] something

paccaya：m． 縁

pavatta：a．[pavattati の pp．] 転起せる，起こった

tadārammaṇa　彼所縁　　「tadそれ」とは門から入った信号のことで、それに依っている心のこと。　余韻を味あうcittaのはたらき。

「考える」のは速行心　　　　　

「ああ、知りました」「これはバラの一種なんだ」と決めるのは速行心。

12の不善心か8の善心に明確に分類できる。

花を見て、「きれいだ」と思う感情が生まれたら、それは速行心で貪根心が生まれたということ。

「イヤだ」と思う感情ならば、瞋根心が生まれたということ。

ボーとしているならば、痴根心。

ただ花だと確認するならば、善心８つのどれか。

無常だと見るならば、智相応の４つのどれか。

喜倶で智相応のものは、　無行が一つ、有行が一つ。

捨倶で智相応のものは、　無行が一つ、有行が一つ。

そうでなければ智不相応の４つのどれか。

喜倶で智不相応のものは、無行が一つ、有行が一つ。

捨倶で智不相応のものは、　無行が一つ、有行が一つ。

阿羅漢だけは唯作心の可能性があり、欲界有因唯作心８つのどれか。

７回転する速行心

cittaは入力信号の変化に関係なく勝手に回転する。それで認識を構築してしまう。

この世のすべてのことは変化し続けているプロセスであって、固定されているものはない。

それなのに、たった一つのことを見て、作り上げたパターンというレッテルを貼ることで、全部を決め付けて、この現象を判断しようと考える。

「生命はこのようにわがままで、好き勝手できているのだ」と釈尊は説く。出典？

速行心を書き換えるのが修行

速行心は自動的に起きるものなので、阿羅漢にならない限り、ヒトにはコントロールできない。

嫌いな食べ物を「うまい」と感動し、好きな食べ物を「嫌でたまらない」という感情を作るには修行を必要とする。

怒りっぽい人は怒りやすいアプリを過去に作り上げて保有している。

このプログラムは自然法則である。

それを書き換えるのが修行。つまり心を長い間にわたり訓練して育てることが必要。

何にどのように書き換える？

怒りのアプリが強い人には大胆なショック療法が、弱い人には柔らかい方法で修行するのがよい。

Ettāvatā cuddasa vīthi-cittuppādā dve bhavaṅga-calanāni pubbevātītakam eka-citta-kkhaṇan ti katvā sattarasa citta-kkhaṇāni paripūrenti. Tato paraṃ nirujjhati. ārammaṇam etaṃ atimahantaṃ nāma gocaraṃ.

このように、14個の路心の生起と2個の有分動揺と、直前に過ぎた１心刹那とで、17心刹那が満ち、その後、滅する。この所縁は、極大の境界と呼ばれる。

cuddasa：num．[= catuddasa] 14

pubbe：[loc．] formerly； in the past．

vāti，（vā + a） blows； emits some smell

#8 mahatantārammaṇa-vīthi　　大所縁による路

Yāva tadārammaṇuppādā pana appahontātītakam āpātham āgataṃ ārammaṇaṃ mahantaṃ nāma.

Tattha javanāvasāne bhavaṅga-pāto va hoti. Natthi tadārammaṇuppādo.

次に、彼所縁心が生まれるには不可能なほど過ぎてから、領域に入った対象は、大所縁と呼ばれる。

その場合は、速行心が終わったらすぐに有分に落ち、彼所縁心の生起はない。

āpātha，（m.），sphere or range

āgata：[（pp. of āgacchati），nt.] coming.

uppāda：[m．] rising； coming into existence； birth

彼所縁ができないタイミングで目に入った対象を大所縁という。

#9 Parittārammaṇa-vīthi　　小所縁による路

Yāva javanuppādā pi appahontātītakam āpātham āgataṃ ārammaṇaṃ parittaṃ nāma.

Tattha javanam pi anuppajjitvā dva-tti-kkhattuṃ voṭṭhabbanam eva pavattati, tato paraṃ bhavaṅga-pāto va hoti.

速行心さえも生まれるには不可能なほど過ぎてから流域に入った対象は、小所縁とよばれる。その場合は、速行心さえも起こらず、確定心だけが2,3回生まれて、その後はすぐに有分に落ちる。

anu-：pref. 倶に、随いて，次に，順じて，従って，

uppajji：[aor．of uppajjati] was born； arose．

特徴は速行心がまったくないこと。

物質を見ようとしても8番目以降のcittaであれば、速行心が生まれる暇がないので、思考することはない。

#10 atiparittārammaṇa-vīthi　　極小所縁による路

Yāva voṭṭhabbanuppādā ca pana appahontātītakam āpātham āgataṃ nirodhāsannam ārammaṇaṃ atiparittṃ nāma.

Tattha bhavaṅga-calanam eva hoti, natthi vīthi-cittuppādo.

次に、確定心が生まれるにも不可能なほど過ぎてから、領域に入った、減位に近づいた対象は、極小所縁とよばれる。　その場合は、有分動揺のみが起こり、心路は生起しない。

耳門なども同じはたらきで認識する。

#11 sotadvārādi　　耳門など

Icc evaṃ cakkhu-dvāre, tathā sota-dvārādīsu ceti sabbathā pi pañce-dvāre -javana- voṭṭhabbana-moghavāra-saṅkhātānaṃ catunnaṃ vārānaṃ yathākkamaṃ ārammaṇa-būhtā visaya-ppavatti catudhā veditabbā.

以上の眼門におけるのと同じく耳門などにおいても同様に、五門においては常に、彼所縁心の転起、速行心の転起、確定心の転起、空虚の転起とよばれる４種類の転起の順番どおり、所縁となる境界の生起は４種類と知るべきである。

moghavāra　空虚　　　　有分心のままで終わる極小所縁の転起

saṅkhāta，（pp．of ），agreed on； reckoned．（in cpds．） so-called； named．

#12 vīthi-citta-sarūpa saṅgaha-gāthā　路心の自性サンガハ・ガーター（摂偈）

Vīthi-cittāni satt’ eva, cittuppādā catuddasa, catuppaññāsa vitthārā, pañcadvāre yathārahaṃ.

Ayaṃ ettha pañcadvāre vīthi-citta-ppavatti-nayo.

五門においては適宜に、路心は７種類のみで、14心、生起する。路心は詳説すれば54種類ある。

以上がここ五門における路心の生起の仕方である。

vīthi-citta 路心 有分心以外は、五門引転心、五識、領受心、推度心、確定心、速行心、彼所縁心

cittuppādā catuddasa 14心　　最高でcittaが14回連続する　後の3回は有分心

意門路

#13 vibhūtārammaṇa-vīthi　　明瞭所縁による路

Mano- dvāre pena yadi vibhūtam ārammaṇaṃ āpātham āgacchati, tato paraṃ bhavaṅgacalana- manodvārāvajjanam-javanāvasāne tadārammaṇa-pākāni pavattanti.

Tato paraṃ bhavaṅga-pāto.

次に意門においては、もし明瞭な対象が領域に入るなら、その後、有分動揺心、意門引転心、速行心が生起し終わってから、彼所縁が熟する。その後、有分に落ちる。

#14 avibhūtārammaṇa-vīthi　　不明瞭所縁による路

Avibhūte pan’ ārammaṇe javanāvasāne bhavaṅgapāto va hoti, natthi tadārammaṇuppādo ti.

あるいは、もし不明瞭な対象が領域に入るなら、速行心が生起し終わってから、心はすぐに有分に落ち、彼所縁は生まれない。

āvasati　　[ā + vas + a] lives; resides; inhabits．

明瞭　　　　　　　　動捨意速速速速速速速彼彼の12

不明瞭　　　　　　　動捨意速速速速速速速　　の10

ヴィパッサナー瞑想でありのままの事実を見る

意門というのは自分勝手なもので、事実から離れているので、頭で考えることは素晴らしいものではないので、思考を単なる心の回転とみなして、ヴィパッサナー瞑想をする時にはこれらを妄想とみなし、今、妄想が心のなかにある、ということを確認するように指導する。

心を純粋な意識にさせてあげるのはどうかと提案するサマーディ瞑想に対して、

心に事実を見せてあげるのはどうかと提案するのがヴィパッサナー瞑想

#15 vīthi-citta-sarūpa saṅgaha-gāthā　路心の自性サンガハ・ガーター（摂偈）

Vīthi-cittāni tīṇ’ eva, cittuppādā daseritā, vitthārena pan’ etth’ eka-, cattālīsa vibhāvaye.

Ayam ettha paritta-javana-vāro.

ここでは、路心は3種類だけ。10心が生起すると言われる。路心は、詳説すれば41種類と明示される。

これが、ここにおける小速行の仕方である。

明瞭所縁による意門心路は（動捨）意速速速速速速速彼彼と10回転する。

欲界心52から五門と2種の五識を除いた41が意門心路の速行の仕方である。

パーリ七論書

多くの教理書（アビダルマ）が書かかれているが、説一切有部や上座部仏教（南伝仏教）は、七つの根本論書を伝承するが、両者に共通するものは一つもないので、論蔵自体は部派仏教が成立して以降にまとめられたものであることがわかる。

上座部仏教（南伝仏教）では、パーリ仏典論蔵に納められている七論である。

『法集論』（Dhammasaṅgaṇī）

『分別論』（Vibhaṅga）

『界論』（Dhātukathā）

『人施設論』（Puggalapaññatti）

『双論』（Yamaka）

『発趣論』（Paṭṭhāna）

『論事』（Kathāvatthu）

の7書が伝えられている。

鏡で顔を見るなかれ、比丘よ

Na bihikkhave ādāsena mukhaṃ oloketabbaṃ

ādāsena mirror

mukha：[nt．] mouth； face； entrance

oloketi：[ava + lok + e] looks at； inspects．

鏡とは幻想のシンボルである。ただの銅の板を磨いたものなのに、自分がそこに映っていると思ってしまう人の思考が覚りから遠のくと考えたのではないか？

ヴィパッサナー瞑想による固定観念の書き換え　　実体があるという妄想から無常のあるがまま

集中すると、そちらにスポットライトが当たるので、思考ができなくなる。

思考を止めて、あらゆる現象をそのまま確認する作業を積み重ねる。

見ているモノはずっとそこにあるのではない、という事実に気づくのが目的の第一段階。

現象は生まれては消えるものだと気づく。

このために瞑想しているのだが、表面的な気づきで終わってしまい、何層にもある意味を理解するには時間がかかる。

修行が進むと、滅する一面だけにスポットライトを当てるようにする。

これは17cittaのセットを少しずらすことである。

cittaの回転である認識プロセスを変えると、

するとモノの滅（無常）を見ることができる。

これをbhaṅga-anupassanā ñāṇa 壊随観智という。　　　了解realisation

この智慧が出てくると、生命には覚るより他の選択がないことを理解する。

修行が進むと、有分心になる癖が弱くなり、心が強くなり、明確に認識できるようになり、

五門を通す信号が第2の心路citta vīthiではなく、同じ心路の5,6,7の間で認識プロセスが起こったら、速行心の7回転が起こる間で認識対象の物質が消えることを捉える可能性が出てくる。

これが滅に気づく可能性になる。物質の滅の側面が認識されると、次の心路citta vīthiの領受心、推度心、確定がその結果を受け取り、滅にたして速行心が起こる。

普通の人には無智、無関心の速行心が生まれるところが、修行者は、智慧の速行心になる。

滅するという対象物がないものをも認識することになるので、有分心が少なくなる。

五門と意門からの信号は途絶える？ので、そこで第一段階の涅槃を感じる？

出世間の安止速行　　　ヴィパッサナー瞑想

遍作parikamma、近行upacārā、随順anuloma、種姓gotrabhūの後には預流道心maggaが生まれる。

この預流道心の智慧で3つの煩悩（有身見、戒禁取、疑）が断ち切られる。

サマーディ瞑想の安止速行心では、　レベルの高い欲が生まれてしまうので、煩悩を断つことができない。

預流道心が生まれた時にも五自在は必要で、特に一番目の引転自在が大切であり、その時には「自分がどうなったか？」すなわち消えた煩悩をよく観察する。

二度目からは預流果心phalaだけが生まる。

瞑想が終わると五自在の5番目の観察自在paccavekkhaṇa-vasītāを使って3つの煩悩は消えたが、自分には欲と拒絶があるという欠点も見えるようになるので、もっと上のレベルにチャレンジするようになる。

ヴィパッサナー瞑想をすると五自在が1セットになっているので、いつでも自分の弱点がきちんと見えているはずである。

ヴィパッサナー瞑想での順番

種姓心は、煩悩を抑えるが、滅してはいない。

ヴィパッサナー瞑想の場合は、種姓心の後に預流道心が生まれる。

特徴は3つの煩悩を完全に断ち切ること。

その煩悩とは有身見（実体があるという誤解、戒禁取（修行に対する執着）、疑（今まであった混乱状態）

無常を発見したので、こうではないか？という曖昧さがなくなる。

magg-citta預流道心によって煩悩が消え、次に生まれるphala-citta預流果心と煩悩が消えた心である。

阿羅漢道心では5つの煩悩が消える

１色界に対する執着

２無色界に対する執着　　　存在欲までなくなる。

３慢māna　　計るという意味。自分を尺度にして他人を比較して評価する。

４掉挙　　　２種類の心の混乱　

予測どおりにいかない状態、もしくは眼の前の出来事を把握できない状態に陥る２つのタイプ。

５無明　　　真理を知らないこと。　この煩悩が消えると完全に真理を知ることができる。　

　　　　　　無明が消えることを智慧という。

智慧の光で無常を観る。

#17 kāma-javanato appanā-javana　　　欲速行から安止速行

Tattha somanassa-sahagata-javanānantaraṃ appanā pi somanassa-sahagatā ‘va pāṭikaṅkhitabbā, upekkhā-sahagata-javanānantaraṃ upekkhā-sahagatā ‘va.

その場合、喜惧の速行心の直後には、安止の速行心も、当然、喜惧のみが。捨倶の速行心の直後には、安止の速行心も、当然、捨倶のみが。

ānantarika：[adj.] immediately following. 直後に

pāṭikaṅkha：a．[paṭikaṅkhati の grd．] 待望の，期待せらるべき．to be desire or expected

Tathāpi kusala-javanānantaraṃ kusala-javanañ c’ eva heṭṭhimañ ca phalattayam appeti, kiriya -javanānantaraṃ kiriya-javanaṃ arahattaphalañ cāti.

また、その場合、善の速行心の直後には、善の速行心と下位の三果のみが安止する。唯作の速行心の直後には、唯作の速行心と阿羅漢果のみが安止する。

heṭṭhima：a．[heṭṭhā の 最上級] 最下の

phalattaya　　phalaの複数形　　'fruit'．result，effect

#18 saṅgaha-gāthā　サンガハ・ガーター（摂偈）

Dvattiṃsa sukhapuññamhā, dvādasopekkhakā paraṃ, sukhita-kiriyato aṭṭha, cha sambhonti upekkhakā.

Puthujjanāna sekkhānaṃ kāmapuññatihetuto, tihetukāmakiriyato, vītarāgānam appanā.

Ayam ettha mano-dvāre vīthi-citta-ppavatti-nayo.

楽善の後、32が生じ、捨の後、12が、楽唯作の後、8が、捨の後、６が生じる。凡夫の、有学の、欲善三因の後に、離貪者の三因唯作心。これが、この中の意門における路心生起の仕方である。

sambhoti：[saṃ + bhavati] arises； is produced or present．

puthujjana：m．[BSk．pṛthagjana] 凡夫，普通の人

vītarāga：[adj．] passionless．（m．） a saint

nayo：Leading，guidance； conduct； way，manner

欲界速行の法則

#23　kāmāvacara-javana 欲界速行

Javanesu ca paritta-javana- vīthiyaṃ kāmāvacara-javanāni sattakkhattuṃ chakkhattum eva vā javanti, manda-ppavattiyaṃ pana maraṇa-kālādīsu pañca-vāram eva. Bhagavato pana yamaka-pāṭihāriya- kālādīsu lahuka-ppavattiyaṃ cattāri pañca vā paccavekkhaṇa-cittāni bhavantīti pi vadanti.

速行において、小速行の心路では、欲界速行心が7回、あるいは6回だけ速行する。一方、死ぬ時などの鈍重な転起の場合は、欲界速行心は5回だけ速行する。一方、世尊が双神変を示現するなどの敏速な転起の場合は、4回ないし5回、観察という速行心が生じるとも言われる。

yamaka（nt．） a pair； couple

pāṭihāriya：'miracle'，marvel

lahuka：a．[lahu-ka] 軽き，軽利の，一時的の

Paccavekkhaṇa，（paṭi+avekkhana）考慮，檢討，反省

双神変(そうじんぺん) 身体の上部と足元から交互に炎と水が身体を浮き上がらせるほどの勢いで噴き出す現象

https://www.eonet.ne.jp/~kotonara/y%20bunkatu-3.htm

滅尽定

Nirodha-samāpatti-kāle dvikkhattuṃ catutthāruppa-javanaṃ javati. Tato paraṃ nirodhaṃ phusati. Vuṭṭuhāna-kāle ca anāgāmi-phalaṃ vā arahantta-phalaṃ vā yathāraham eka-vāraṃ uppajjitvā niruddhe bhavaṅga-pāto ‘va hoti.

Sabbatthā ‘pi samāpatti-vīthiyaṃ bhavaṅga-soto viya vīthi-niyamo natthīti katvā bahūni pi labbhantī ti.

滅尽定に入るときには、第四の無色界禅定の速行心が2回速行して、それから、滅に触れる。

出定するときには、不還果心あるいは阿羅漢果心が適宜に１回生じ、滅して有分に落ちる。

禅定の心路においてはいつでも、有分の流れのように心路の法則がないので、たくさんでも得られる。

samāpatti：[fr．saṁ+ā+pad] 'attainments'，is a name for the 8 absorptions of the fine-material and immaterial spheres to which occasionally is added as 9th attainment，attainment of extinction （nirodhasamāpatti）

kāle 　　　門？　出入り口？　　

dvikkhattuṃ：adv．[dvi-khattuṃ] 二回

niyamo：Ascertainment確認，certainty； restraint，training

bahu：[adj．] much; many; plenty; abundant．（plu．） many persons

#25　saṅgaha-gāthā　サンガハ・ガーター（摂偈）

Sattakkhattuṃ parittāni, maggābhiññā sakiṃ matā, avasesāni labbhanti, javanāni bahūni pi.

Ayam ettha javana-niyamo.

小速行心は７回、道心と神通の速行心は１回、その他の速行心は幾つでも得られる。

Citta Vīthi – Processing of Sense Inputs

Revised April 26, 2018; revised May 30, 2018; October 17, 2019

1. Thoughts (citta) do not arise as individual citta; see, “Amazingly Fast Time Evolution of a Thought (Citta)“.

They arise in the mind due to sense inputs from the five physical senses (cakku, sōta, ghāna, jivhā, and kāya indriya corresponding  respectively to eye, ear, nose, tongue, and body) and also by the mana indriya (located in the brain; see, “Brain – Interface between Mind and Body“).

• Each of our sensory inputs coming in through any one of the five physical senses is received and analyzed by the mind in a “citta vīthi” (series of cittā) with 17 cittā. These are called pancadvāra citta vīthi. Pancadvara (“panca” + “dvāra” where “panca” is five and “dvāra” is door) means five (physical) doors. See the post, “What is Mind? How do we Experience the Outside World?“,
• Vīthi is pronounced “veethi”; in fact, the actual Pāli (and Sinhala) term is veethi (meaning “road”), since, like a road, the flow is continuous. But vīthi has become the established English word, just like “piti” for the actual word “preethi“. And, citta pronounced “chiththā”.
• When we THINK ABOUT those external sense inputs, that involves only manōdvāra citta vīthi, and those normally have 10-12 cittā in them.

Here we will describe both types of citta vīthi.

1.思考もしくは意識（citta）は個々のcittaとしては発生しない。

Amazingly Fast Time Evolution of a Thought (Citta)

それらは、5つの物理的な感覚（目、耳、鼻、舌、体にそれぞれ対応するcakku、sōta、ghāna、jivhā、kāyaindriya）からの感覚入力と、mana indriya（脳、Brain – Interface between Mind and Bodyを参照）。

五感のいずれか1つを介して入ってくる感覚入力は、17cittāの「citta vīthi」（一連のcittā）を使うマインドによって受け取られ、分析されます。これらはpancadvāracitta vīthiと呼ばれます。 Pancadvara（「panca」+「dvāra」、「panca」は5つ、「dvāra」はドア）は、5つの（物理的な）ドアを意味します。

What is Mind? How do we Experience the Outside World?

Vīthiは「veethi」と発音されます。実際、実際のパーリ語（およびシンハラ語）の用語はveethi（「道路」を意味する）です。これは、道路と同様に「流れ」が連続的であるためです。しかし、vīthiは、実際の単語「preethi」の「piti」と同じように、今では確立された英語の単語になっています。ちなみにcittaは「chiththā」と発音します。

それらの外部感覚入力について考えるときには、manōdvāracitta vīthiのみが関わり、それらには通常10〜12cittāがあります。

ここでは、両方のタイプのCitta Vīthiについて説明します。

2. According to citta niyama (or Law of Cittā), a  pancadvāra citta vīthi proceeds in a standard way for an object with great intensity (atimahantārammana citta vīthi). That means the object is of high interest and also the conditions for the object to be grasped are optimum; for example, if it is a visual object, that visual object is of high interest and also the light conditions for seeing that object are good.

The sequence of cittā in a  pancadvāra citta vīthi is as follows:

2.citta niyama（cittaの法則）によると、pancadvāra citta vīthiは標準的には、強度の高い対象物（atimahantārammana citta vīthi）に進みます。これは、対象物に高い関心があり、対象物の状況は最適に把握されていることを意味します。

たとえば、視覚対象物である場合、その対象物に非常に関心があり、その対象物を見るのに必要な光の条件も整っているということです。

pancadvāra citta vīthiのcittāの因果関係の流れは次のとおりです。

Pancadvara Citta Vīthi

# in the Series	Citta Type	Symbol
1	Atīta Bhavanga (Past Bhavanga)	AB
2	Bhavanga Calana (Vibrating Bhavanga)	BC
3	Bhavanga Upaccheda (Arrest Bhavanga)	BU
4	Pancadvaravajjana (Sense-door adverting consciousness)	PD
5	Cakku Vinnana (eye-door perceiving consciousness) - for example	CV
6	Sampaticchana (Receiving consciousness)	Sam
7	Santīrana (Investigating consciousness)	San
8	Vottapana (Determining consciousness)	V
9-15	Javana	J
16, 17	Tadarammana (Registering consciousness)	T

1AtītaBhavanga（Past Bhavanga）AB　　　過去の無意識

2 Bhavanga Calana (Vibrating Bhavanga)（振動するBhavanga）BC

3 Bhavanga Upaccheda（捕獲されたBhavanga）BU

4 Pancadvaravajjana（感覚のドア意識）PD

5 Cakku Vinnana（目のドアの知覚意識）CV

6 Sampaticchana（受けとる意識）Sam

7Santīrana（調査する意識）San

8 Vottapana（決定する意識）V

9-15 Javana　　J

1617 Tadarammana（意識の登録）T

3. When the mind is not dealing with a pancadvāra citta vīthi or a manōdvāra citta vīthi, it is in a “dormant state” called the bhavanga. Bhavanga (“bhava” + “anga” where “anga” means “part of”), thus represents the particular “bhava” of the living being, in this case a “human bhava“. The conventional English term is “life continuum”, but we will use bhavanga.

• The meaning of bhavanga is further explained in, “State of Mind in the Absence of Citta Vīthi – Bhavanga“.
• The bhavanga state is conventionally represented by the following series as if they are  a series of bhavanga citta:

..B B B B B B B B ………….

3.マインドがpanca dvāracitta vīthiすなわちmanō dvāra citta vīthiを扱っていないとき、それはbhavangaと呼ばれる「休止状態」にあります。 Bhavanga（「bhava」+「anga」、ここで「anga」は「の一部」を意味します）は、このように生物の特定の「bhava」、この場合は「人間のbhava」を表します。慣習的な英語の用語は“life continuum”です。

bhavangaの意味については、State of Mind in the Absence of Citta Vīthi – Bhavanga

でさらに説明されています。

bhavanga状態は、B B B B B B B B…………とあたかも一連のbhavanga cittaであるかのように通常は表現されます。

• When the mind is in the bhavanga state, we do not “feel” anything. Just like an eye cannot see itself, the mind cannot “see” its own state. This is the “dormant state” in-between sense inputs. When one is in deep sleep or unconscious, one is fully in the bhavanga state.
• The mind is normally at the bhavanga state. It comes off the bhavanga state when an object of interest comes through one of the five physical senses (cakku, sōta, ghāna, jivhā, or kāya indriya.) A “dhammā” coming to the “mana indriya” can do that too.

As we will see later, the mind is in the bhavanga (B) state most of the time even if the mind feels very active.  Even during watching a movie, the mind is mostly in the bhavanga state (in between various types of manōdvāra and pancadvāra citta vīthi.) Yet our brains are stressed to the limit since it needs to analyze the sights and sounds from the movie. See, “Vision Is a Series of “Snapshots” – Movie Analogy.”

マインドがbhavanga状態にあるとき、私たちは何も「感じません」。目がそれ自体を見ることができないように、マインドはそれ自体の状態を「見る」ことができません。これは、感覚入力間の「休止状態」です。深い眠りや意識がないときは、完全にbhavanga状態です。

マインドは通常bhavanga状態にあります。対象の対象が5つの物理的な感覚（cakku、sōta、ghāna、jivhā、kāyaindriya）のいずれかを介すると、bhavanga状態が解除されます。

後で説明するように、マインドが非常に活動的であると感じていても、ほとんどの場合、マインドはbhavanga（B）状態にあります。映画を見ているときでさえ、マインドは大部分がbhavangaの状態にあります（さまざまな種類のmanōdvāraとpancadvāracitta vīthiの間）。しかし、映画の光景や音を分析する必要があるため、脳はストレスの限界に達しています。

Vision Is a Series of “Snapshots” – Movie Analogy を参照してください。

4. We can represent the pancadvāra citta vīthi in the above Table as follows:

B B B B B “AB BC BU PD CV Sam San V J J J J J J J T T” B_T B_T B_T B_T…..

It must be noted that this is the strongest citta vīthi. There are many variations WITHIN this citta vīthi where some do not have T  or even J citta. Different types of pancadvāra citta vīthi are discussed in detail in  “A Comprehensive Manual of Abhidhamma”, by Bhikkhu Bodhi (2000).

• In the above case, the bhavanga temporarily changes to B_T due to the strong sensory input. For details, see, “State of Mind in the Absence of Citta Vīthi – Bhavanga“.
• In the above example, we took a “cakku viññāna” event, i.e., what happens when a picture is presented to the mind via the “eye indriya” and the mind investigating that picture.

First, the “mind is released from the “bhavanga state”, and that takes three thought moments of AB (atita bhavanga), BC (bhavanga calana), BU (bhavanga upacceda). Here “atita” (or “atheetha“) means “past”, “calana” (or “chalana“) means “move” or “vibrate”, and “upacceda” (or “upachchéda“) means “stopped”.

4.上記の表では、次のようにpancadvāracitta vīthiを表すことができます。

B B B B B「AB BC BU PD CV Sam San V J J J J J J J T T」BT BT BT BT…..

これは最強のcitta vīthi.です。このCitta Vīthiには、TやJ Cittaを持たないバリエーションがたくさんあります。さまざまな種類のpancadvāracitta vīthiについては、Bhikkhu Bodhiによる「A Abhidhammaの包括的なマニュアル」（2000）で詳しく説明されています。

上記の場合、強い感覚入力により、bhavangaは一時的にBTに変わります。詳細については、State of Mind in the Absence of Citta Vīthi – Bhavangaを参照してください。

上記の例では、「cakkuviññāna」のイベント、つまり「eye indriya（眼の機能）」を介して画像がマインドに提示され、マインドがその画像を調査するとどうなるかについて取り上げました。

最初に、「マインドは「bhavanga状態」から解放され、

1AtītaBhavanga 　AB　（Past Bhavanga）　　　過去の無意識

2 Bhavanga Calana BC　 (Vibrating Bhavanga)（振動する無意識）

3 Bhavanga Upaccheda BU（捕獲された無意識）の3つの意識（思考）の瞬間を通過します。

ここで「atita」（または「atheetha」）は「過去」を意味し、「calana」（または「chalana」）は「移動」または「振動」を意味し、「upacceda」（または「upachchéda」）は「停止」を意味します。

　

• Then the mind looks at the “five physical senses or pancadvāra (PD)” and determines through which of the five sense inputs it is coming through, and then picks the relevant door, which in the present case we assumed to be cakku viññāna (CV).
• Then it investigates what that “picture” is, with the Sampaticcana (Sam) citta and decides what type (like, dislike, etc) with the Santirana (San) citta.  Based on those, the Vottapana (V) citta determines what actions to take.
• The all-important 7 javana citta arise based on that determination made with the Vottapana citta (V). This is where potent kamma are done by the mind.

The vottapana citta is the same as manōdvāra citta (MD) where the decision is made (see below in manōdvāra citta vīthi).

次に、マインドは「5つの身体感覚すなわちpancadvāra（PD）」をみて、どの５感覚入力が通過するかを決定し、そのドアを選択します。このケースでは、cakkuviññāna（CV）であるとしましょう。

次に、Sampaticcana（Sam）cittaでその「絵」が何であるかを調査し、Santirana（San）cittaでどのタイプ（好き、嫌いなど）を決定します。これらに基づいて、Vottapana（V）cittaは、実行する行動を決定します。

最も重要な7つのjavana cittaは、Vottapana citta（V）で行われた決定に基づいて発生します。これは、潜在的なkammaがマインドによって生成される場所です。

vottapana cittaは、決定が下されるmanōdvāracitta（MD）と同じです。

（後述のmanōdvāracitta vīthiを参照）。

5. In the last two Tadārammana (T) cittā, the mind takes in the “flavor” or the “essence” of the sense object and then falls back to the bhavanga state at the termination of the pancadvāra citta vīthi. Only the very strong (mahantārammana) citta vīthi have them, and such strong impressions are “retained in one’s memory” for a period of time (i.e., one will not forget immediately.)

• Until one loses that “temporary memory” it becomes one’s “temporary bhavanga.” For example, when one hears about the death of a parent, one will become sad and that “sad state of mind” will be there for days.
• That is explained in detail in the post, “State of Mind in the Absence of Citta Vīthi – Bhavanga.“

Of course, ALL happenings are recorded as nāma gotta. Even unimportant events are recorded. The ability to recall events and what detail depends on one’s capabilities. Sometimes, such limited capabilities become possible due to “puñña iddhi” for even average humans. See, “Recent Evidence for Unbroken Memory Records (HSAM).”

5.最後の2つのTadārammana（T）cittāでは、マインドは感覚対象物の「フレーバー」すなわち「エッセンス」を取り込んで、pancadvāra citta vīthiの終了時にBhavanga状態に戻ります。非常に強い（mahantārammana）citta vīthiのみがそれらを持ち、そのような強い印象は一定期間「記憶」に保持されます（つまり、すぐに忘れられません）。

その「一時的な記憶」を失うまで、「一時的なBhavanga」になります。たとえば、親の死を聞くと、悲しくなり、その「悲しい状態」が何日も続きます。

それについては、State of Mind in the Absence of Citta Vīthi – Bhavangaで詳しく説明されています。

もちろん、すべての出来事はnāmagottaとして記録されます。重要でないイベントも記録されます。イベントを思い出す能力とその詳細は、各自の能力に依ります。時々、平均的な人間でさえ「puñña （福徳）iddhi（力）」のために、そのような制限されている能力が可能になります。

Recent Evidence for Unbroken Memory Records (HSAM) を参照してください。

The Simile of Tasting a Mango

1. A pancadvāra citta vīthi is the procedure by which the mind experiences an external object (sight, sound, taste, etc). The following analogy is given In the commentaries to the Tipitaka.

2. Suppose a weary traveler is asleep at the foot of a mango tree. This state of being asleep is analogous to the bhavanga state. Now a ripe mango drops to the ground near the traveler. This event is similar to the striking of a visible object of very great intensity at the “eye door”.

3. The falling of the mango awakens the traveler and causes him to raise his head. This event is similar to the appearance of the visible object at the eye door causing the bhavanga to vibrate twice and become arrested; now he is not asleep anymore.

The traveler opens his eyes and looks around to enquire what the disturbance was. This is similar to the pancadvāravajjana (PD) citta adverting the mind towards the sense object.

マンゴーの試食の喩え

1.pancadvāracitta vīthiは、マインドが外部の対象（視覚、音、味など）を体験する手順です。以下のアナロジーは、Tipitakaの解説にあるものです。

2.疲れた旅行者がマンゴーの木の下で眠っているとします。この眠っている状態は、Bhavangaの状態に似ています。熟したマンゴーが男の近くの地面に落ちました。この出来事は、「目のドア」に非常に強烈な可視物体がぶつかるのと似ています。

3.マンゴーの落下は男を目覚めさせ、彼に頭を上げさせます。この出来事は、目のドアに見える対象物が現れるのに似ており、Bhavangaを2回振動させて止まります。今、彼はもう眠っていません。

男は目を開けて周りを見回し、どのような妨害（刺激）があったのかを調べます。

これは、マインドが感覚対象物に対して注意を向けるpancadvāravajjana（PD）cittaに似ています。

4. The traveler sees the fallen mango. This is analogous to the eye-consciousness seeing the object (CV). Now the man picks up the mango, which is similar to the sampaticchana (Sam) citta receiving the cakku viññāna. By the way, sampaticcana comes from “san“+”paticca“; you can contemplate on this to get the basic idea; see, “What is “San”?”.

• Then the man inspects the mango to see whether it is suitable for eating. This is similar to the santirana citta (“san” + “tirana” or “theerana“, where “theerana” means “decide on whether the sense object is good or bad”) investigating the sense object.
• Then the man decides that the mango is good and edible. This is similar to the votthapana (“votta” + “pana” meaning “deciding on what to do” or in Sinhala, “pana denava” or “energize”). Vottapana is pronounced “voththapana”. If it was a rotten mango, one would decide to throw it away.

Most Pāli terms can be understood well if one understands Sinhala. As I have mentioned before, it is the Sinhala language that is close to Pāli and not Sanskrit.

4.男は落ちたマンゴーを見ます。これは、対象物トを見る目の意識（CV　 Cakku Vinnana）に似ています。これで男はマンゴを拾います。これは、cakkuviññānaを受け取るsampaticchana（Sam）cittaに似ています。ちなみに、sampaticchanaは“san“+”paticca“に由来しています。

これについて熟慮して、基本的な考えを得ることができます。What is “San”？

次に、男性はマンゴーを調べて、食べるのに適しているかどうかを確認します。

これは、感覚対象物を調査するsantirana citta (“san” + “tirana” or “theerana“)ここでは「theerana」は「感覚対象物が良いか悪いかを決定する」という意味）です。

次に、男はマンゴーが美味しくて食用であると判断します。これはvotthapanaに似ています。（「votta」+「pana」は「何をするかを決める」を意味します。シンハラ語では「pana denava」すなわち「energize（精力を与える、作動する）」を意味します）

Vottapanaは「voththapana」と発音されます。それが腐ったマンゴーだったら、それを捨てると判断するでしょう。

シンハラ語を理解すれば、ほとんどのパーリ語がよく理解できます。前に述べたように、サンスクリット語ではなく、パーリ語に近いのはシンハラ語です。

5. The man bites the mango seven times eating and enjoying the taste. This is similar to the occurrence of seven javana cittā enjoying the taste of the sense object. These are really the “actions corresponding to the decision made with the vottapana citta“; if the mango was bad, here the mind will generate appropriate javana citta to throw the mango. We will discuss such complex processes later.

• Then the man gathers the remnants of the fruit and the juice sticking on the teeth with his tongue and swallows twice. This is similar to the two tadārammana (T) cittā following the javanas.

Task completed, the man falls back to sleep. This is similar to the resumption of the bhavanga state.

5.男はマンゴーを食べて7回噛み、味を楽しみます。これは、感覚対象物の味を楽しむ7つのjavanacittāの発生のアナロジーです。これは実際にはvottapana cittaで下された決定に対応する行動です。マンゴーが悪かった場合は、ここでマインドはマンゴーを捨てるために適切なjavanacittaを生成します。そのような複雑なプロセスについては後で説明します。　

その後、男性は口の中のマンゴーと歯や舌に付着したジュースを集めて、2回飲み込みます。これは、javanasに続く2つのtadārammana（T）cittāのアナロジーです。

タスクが完了すると、男性は寝つきます。これはBhavanga状態が再開されるアナロジーです。

6. However, according to the Tipitaka, three manōdvāra citta vīthi will follow each pancadvāra citta vīthi. The javana cittā in those three citta vīthi become increasingly strong, and it is javana cittā of the last manōdvāra citta vīthi that instructs the brain to get the body to act (and initiate speech).

• We will discuss this in detail in future posts. But it takes three more manōdvāra citta vīthi to complete the sequence of a thought process initiated by a pancadvāra citta vīthi. In fact, when one gets “absorbed” (for example, keeps looking at an attractive picture), one may be generating numerous of such “one plus three processes,” with the mind falling back to the bhavanga state repeatedly in between.
• It will be easier to visualize this process by understanding what happens when we look at an object, for example, in scientific terms; see, “Citta and Cetasika – How Vinnana (Consciousness) Arises” (especially starting with #4 of that post).

Now let us look at a typical manōdvāra citta vīthi.

6.しかし、Tipitakaによると、3つのmanōdvāracitta vīthiが各pancadvāracitta vīthiの後に続きます。これら3つのcitta vīthi のjavana cittaはますます強くなり、体の動作（そして言語活動）を脳に指示するのは、最後のmanōdvāracittaのjavana cittaです。

これについては、今後のトピックで詳しく説明します。しかし、pancadvāracitta vīthiによって開始された一貫の思考プロセスを完了するには、さらに3つのmanōdvāracitta vīthiが必要です。

実際、「夢中になった」とき（たとえば、魅力的な絵を見続けているとき）は、そのような「1プラス3プロセス」が多数発生させている可能性があります。

その間は、マインドはbhavangaの状態に繰り返し戻り続けます。

対象物を見るとどうなるかを科学用語で理解することで、このプロセスを視覚化するのが簡単になります。

Citta and Cetasika – How Vinnana (Consciousness) Arises（特に＃4以降）を参照してください。

次に、典型的なmanōdvāracitta vīthiを見てみましょう。

Manodvara Citta Vīthi

# in the Series	Citta Type	Symbol
1	Bhavanga Calana (Vibrating Bhavanga)	BC
2	Bhavanga Upaccheda (Arrest Bhavanga)	BU
3	Manodvaravajjana (Mind-door adverting consciousness)	MD
4-10	Javana	J
11, 12	Tadarammana (Registering consciousness)	T

1. We can represent the manōdvāra citta vīthi in the above Table as follows:

B B B B B “BC BU MD J J J J J J J T T” B B B B B…..

• Here it takes only two thought moments to be released from the “bhavanga state”: BC (bhavanga calana), BU (bhavanga upacceda).
• The mind already knows the ārammana (thought object).
• The manōdvāra citta (MD) is the same as vottapana citta where the decision is made.
• The 7 javana citta arise, and then the citta vīthi ends with the two Tadārammana (T) cittā.

Just like in the case of a pancadvāra citta vīthi, here also we considered an object with high intensity as an example. We will discuss the variations when handling signals of lower intensities as the need arises. However, this discussion is sufficient to get an idea about how the two types of citta vīthi function in the cognitive processes.

manōdvāracitta vīthi

1 Bhavanga Calana (Vibrating Bhavanga)（振動するBhavanga）BC

2Bhavanga Upaccheda（捕獲されたBhavanga）BU

3 Manodvaravajjana（マインドのドア意識）MD

4-10 Javana　　J

11、12 Tadarammana　（意識の登録）T

1.次のように、上の表でmanōdvāracitta vīthiを表すことができます。

B B B B B「BC BU MD J J J J J J J T T」B B B B B…..

ここでは、「Bhavanga状態」から解放されるのに2つの思考（BC (bhavanga calana), BU (bhavanga upacceda)の瞬間のみが必要です。

マインドはすでにārammana（思考の対象）を知っています。

manōdvāracitta（MD）は、vottapana cittaと同じように決定を行ないます。

7つのJavana cittaが発生し、その後、citta vīthiは2つのTadarammana（T）cittaで終わります。

pancadvāracitta vīthiの場合と同様に、ここでも強度の高い対象物を例として検討します。必要に応じて、強度の低い信号を処理する場合についても説明します。ここでは、認知プロセスにおいて2つのタイプのcitta vīthiがどのように機能するか知るだけで十分です。

2. Now we can write the complete sequence of citta for a sense event initiated by a pancadvāra citta vīthi as:

B B B B B “AB BC BU PD CV Sam San V J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T ” B B B B B…..

As mentioned above, three manōdvāra citta vīthi will run following the initial pancadvāra citta vīthi. The object is recognized only after those four citta vīthi. But that happens within a billionth of a second.

2.これで、pancadvāracitta vīthiによって開始された感覚イベントの完全な一連のcittaを次のように記述できます。

B B B B B「AB BC BU PD CV Sam SanV J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T MD J J J J J J J T T」B B B B B…

上記のように、3つのmanōdvāracitta vīthiが最初のpancadvāracitta vīthiに続いて実行されます。対象物は、4つのcitta vttathiの後ではじめて認識されます。しかし、それは10億分の1秒以内に起こります。

3. On the other hand, manōdvāra citta vīthi can arise just by themselves.

• Furthermore, even though the length of a manōdvāra citta vīthi is normally 10-12 cittā for average people, a single manōdvāra citta vīthi can have many javana cittā while in a jhāna.

In a jhāna, such long manōdvāra citta vīthi are interrupted by pancadvāra citta vīthi that arise in between. This is why one could hear external sounds while in a jhāna.

3.一方、manōdvāracitta vīthiは、それ自身で発生する可能性もあります。

さらに、manōdvāracitta vīthiの長さは通常、平均して10〜12cittāですが、jhānaにいる間にはmanindvāracitta vīthiは多くのjavana cittāを持つことができます。

jhānaの最中では、そのような長いmanōdvāracitta vīthiは、間に生じるpancadvāracitta vīthiによって中断されます。これが、jhānaの最中に外部の音を聞くことができる理由です。

4. But in a jhāna samāpatti, a single manōdvāra citta vīthi  goes on uninterrupted for long times, with javana citta arising unceasingly :

B B B B B “BC BU MD J J J J J J J J J J J ………..

• Thus there is no way to get back to the bhavanga state, or for a pancadvāra citta vīthi or another manōdvāra citta vīthi to arise, and one becomes unaware of what happens in the outside world. Before getting into the samāpatti, one makes a determination on how long to stay in the samāpatti.
• This is why the real power of javana citta can be truly displayed by people who can get into jhāna samāpatti.

This can be visualized crudely as follows: Suppose one is trying to light an oil lamp (oil-soaked wick) with the light of a matchstick. If one is not holding the lighted matchstick steady and the light moves in and out of the vicinity of the wick, it will not light. But if one can hold the light steady, it will light up quickly.

4.しかし、jhāna samāpatti（禅定）では、単一のmanōdvāracitta vīthiが長時間中断されずに続き、javana cittaが中止されることなく発生します。

B B B B B「BC BU MD J J J J J J J J J J J………..

したがって、Bhavanga状態に戻ることはありません。すなわち、pancadvāra citta vīthi や別のmanōdvāra citta vīthiが発生することはないので、外の世界で何が起こっているのか分からなくなります。samāpattiに入る前に、当事者はsamāpattiに滞在する時間を決定します。

これが、jhāna samāpattiに入ることができる人々がJavana cittaの真の力を本当に発揮できる理由です。

これを次のように大まかに視覚化できます。マッチ棒の火でオイルランプ（オイルに浸した芯）を点火するとします。マッチ棒の火が芯の近くで安定せずに動いてしまう場合には点火できません。

しかし、火を安定して保持できれば、すぐに点火します。

• That is probably too crude an analogy. A better one may be given for those who are familiar with lasers. One can drill holes in a metal plate using a laser beam. But the metal spot will not heat up and evaporate unless the laser beam is held steady at that spot. Being in a jhāna samāpatti is like holding a laser beam quite steady on one spot for long times.

It is important to realize that a citta vīthi always starts with an external sensory input due to a past kamma, i.e., due to a kamma vipaka; see, “Avyākata Paticca Samuppāda for Vipāka Viññāna“.

これは確かにあまりに大まかなアナロジーです。レーザーに精通している人には、もっと良いものがあります。レーザー光線を使用して金属板に穴を開けることができます。しかしその一点にレーザービームのスポットが安定して保持されない限り、そこは加熱されず穴はあきません。 jhāna samāpattiとは、レーザービームをある一点に長時間にわたり安定して保持するようなものです。

Citta vīthiは常に、過去のkamma、つまりkamma vipakaによる外部からの感覚入力から始まることを理解することが重要です。

Avyākata Paticca Samuppāda for Vipāka Viññāna“を参照してください。

Citta Vīthi for Attainment of Magga Phala

B B B “BC BU MD P U A G Pa Fr Fr” B B B

B B B “BC BU MD U A G Pa Fr Fr Fr” B B B

First is the magga phala citta vīthi for a normal person; the second is for one with “higher wisdom”.

• B, BC, BU, MD are, as discussed above.
• Then it goes through the Parikamma (P), Upacara (U), Anuloma (A), Gotrabu (G), Path (magga) (Pa), and Fruit (phala) (Fr).

As you can see, there is no connection to jhāna. In particular, the magga phala citta vīthi does not go through a jhāna citta. Also, the Gotrabu (change of lineage) citta for magga phala is COMPLETELY DIFFERENT than that in the case of a jhāna citta vīthi.  The change of lineage here is to become an Ariya or a Noble Person.

Magga Phalaに至るためのCitta Vīthi

B B B「BC BU MD P U A G Pa Fr Fr」B B B

B B B「BC BU MD U A G Pa Fr Fr Fr」B B B

最初のものは普通の人によるmagga phala citta vīthiで、2つ目は、「より高い智慧」を持つ人のためのものです。

B、BC、BU、MDは、前述のとおりです。

次に、Parikamma (P), Upacara (U), Anuloma (A), Gotrabu (G), Path (magga) (Pa), Fruit (phala) (Fr).を通過します。

ご覧のとおり、jhānaへの接続はありません。特に、magga phala citta vīthiはjhāna cittaを通過しません。また、magga phalaのGotrabu（血統の変更）cittaは、jhānacitta vīthiの場合とは完全に異なります。

ここでの系譜の変更は、ariyaすなわち聖人になることです。

Gotrabu（血統の変更）には、magga phalaとjhānaの2種類があるのか？

Citta Vīthi for Attainment of Jhāna

B B B “BC BU MD P U A G Jh” B B B

B B B “BC BU MD U A G Jh” B B B

First is the jhāna citta vīthi for a normal person; the second is for one with “higher wisdom”.

• B, BC, BU, MD, P, U, A, G are, as discussed above.
• Then it goes through a Jhāna (Jh) citta.

Jhānaに至るためのcitta vīthi

B B B「BC BU MD P U A G Jh」B B B

B B B「BC BU MD U A G Jh」B B B

1つ目は普通の人のjhānacitta vīthiで、2つ目は、「より高い智慧」を持つ人のためのものです。

B、BC、BU、MD、P、U、A、Gは、前述のとおりです。

次に、Jhāna（Jh）cittaを通過します。

認識器官は心（ナーマ）と物質（ルーパ）のセット

門による路　物質　眼球　味蕾

識による路　心　　見る　味あう

わたしの耳には鼓膜などの物質と、聞く働き（機能）の両方がセットとしてある。

この２つを分けないで混同していることで真理がわからない。

認識を脳の中で起こる物質的な反応だと誤解している。

物質としての心が発見できないので、ナーマのはたらきを理解できず、五感覚器官の分析だけで終わってしまう。

無常な物質であるから認識できる

物質は生滅変化する波として動いている。もし止まっているのならば触phassaは起きない。

この無常を「生、住、滅Uppāda-ṭhiti-bhaṅga」と分析している。

物質が無常であるからこそ認識が可能になる。

この世で一番速いのは心？

物質の１波動を心は17回段階に分けて１心刹那citta-kkhaṇaで認識することができる。

七覚支（しちかくし） satta bojjhaṅgā, サッタ・ボッジャンガー

悟りに至る7つの支分。「七等覚支」（しちとうがくし）玄奘 訳「七菩提分」（しちぼだいぶん）地婆訶羅 訳

択法ちゃくほう覚支（dhamma-vicaya（明確に分析・区分）--sambojjhaṅga） - 法の中から真実のものを選ぶ

全体性を捉えることを大事にして分析することを避ける風潮がある。

それはちゃんと分析していない社会に起こる現象で、いつも中途半端な分析で終わっているので、それにより弊害から、もう分析はいいので、全体性を把握するアプローチを試みるのだが、それが成功した試しを聞かない。

主な原因は物質と心を混同しているからである。

人はこのようないろいろなものを混同してまとめた幻覚しか知らず、その幻覚にとらわれているので、

「その幻覚が、なぜ、どのように、まとめられたのか」ということをvicaya（明確に分析・区分）する必要がある。

このvicaya（明確に分析・区分）の能力をつけて、自分の概念が正しいと思うことによって、自分と世の中に苦しみと争いが生まれるという事実を理解することです。

明確に区分する能力を育まないから、私という概念や実感が生まれてくるのであり、

「私はこう思っている」とか「私の主義」が表に現れて、他人と自分を区別してしまう。

そこで自分の考えに似ている人を探して、グループ（家族、社会）を作る。

しかしよのような社会をつくったところで、すぐに内輪で喧嘩してしまうのは、他人と自分を区別することを起因そして基準にしたグループであるからだ。

「私の認識こそが正しい」という思考パターンに囚われてしまった人の集団だからである。

釈尊は説く。「犀の角のように一人で歩む」

社会から離れても一人で生活をするという生き方である。

よき社会人を目指したり、成長するのは欺瞞である。

各自の意見は社会の意見とは違うので、社会の意見を各自の意見にすることはできない。

すなわちどのような個人も非社会人である。

なぜこのような欺瞞が起こるのか？

それは、そもそも「社会」という実体がこの世にはないからである。

ないもののメンバーにはなることができない。それで結果がないことをするのでまた苦しみを味あうことになる。

実際には付き合うのは社会ではなく数人だけなので、その人たちと仲良くすればいいのだが、それが難しい。

理由は他人と自分を区別することに帰結する。

「我こそが正しい」と思っているから、仲良くできないのである。

このメカニズムが分かれば、世の中のことで、社会のことで苦しむのはバカバカしいという気持ちが生まれてくる。

心のはたらきを止めることはできるのか？

阿羅漢になった者が非想非非想処定のサマーディまで訓練すれば、自分の心をきれいにストップできる。

たった一つの心路の流れが１週間かかる。

こうなると物理学の法則も適用しない。

原子ほど落ち着きのないものはないという物理学の法則が通用しないのだ。

もし原子も電子も完全にストップしたら、それを壊すことは不可能になる。

原子爆弾を使っても壊れない。なぜなら止まっているから、何の影響も受けないからである。

そういうわけで、滅尽定に入ったら、その人の身体に対して何もすることは誰にもできない。

善のために戦うというのは無知

人が悪いことをしても仕方がない、生命はそういうふうにできているのだから。

正義のために戦おうとする連中は、嫌なもの（正義のために戦わない）を潰してやろうという気持ちも強くある。

時には勝手な正義のために他者を殺しさえすることもする。

２つのグループのどちらにも正義の味方がいるわけではない。

悪人を倒そうとしている人も、悪を犯そうとしている人と同じことをやっている。

「大きな心で、余裕を持って、世の中を無執着の心で観察してみなさい。そうすれば真理が見えますよ」

と釈尊は説く。　出典？

ヒトは直接に見ることはできない

直接に対象を見ることはできない。

cittaは対象に反応するので、対象を直接に見るのではなく、反応したcittaを見ている。

たとえば、目に見える信号は誰にでも同じであっても、それに対するcittaの反応は人によって違うように。

たとえば昔のベネゼエラでは黄色は注意して進め、赤色はもっと注意して進めとするのが常識だったように。

問題は物体にあるのではなく各自の心にある。

外界を直接に認識することは可能なのか？

釈尊の言葉から推定すると、

経量部sautrāntikaの言うように「外界を直接に認識することは不可能である」という見解がある。

外界の信号が五門に触れて、感受性（受vedanā）がそこから生まれ、それを要因として認識する。

要因の感じ方は、これまでの体験によるので、他人と同一はなく各自によって違うので、認識は過去の体験に影響を受けて、外界をありのまま認識しているのではない。

対して、唯識学派は「外界は存在しない、全部、自分の心が作り出したものだ」という極論を持つ。

上座部仏教では、「外界を直接に認識することは可能である」という見解である。

子供を規制するわけ

子供はまだ何も経験がなく、心の準備が整っていないので、大きな刺激があると傷つきやすいので、外部の情報の洪水にさらすのではなく、心が強くなるまで情報をコントロールして守るため。

心をしっかりと育て、外からコントールしなくてもよいようにするのが教育。