ニキビの原因と対処法

 

 

 

目次

メカニズム

対処法        潜在意識を利用して、洗浄、新陳代謝、保湿、メイク   

してはいけないこと  薬

日常習慣の改善

個別対処法

 

 

 

ニキビはなぜできる?原因となるメカニズム

ニキビは毛穴が狭くなることから始まるので、塞ごうとする角質の働きを弱めることが重要です。

次に「毛穴の中の汚れの除去」「皮脂の過剰分泌」の抑制です。

 

ニキビには段階があります。

 

@角質肥厚が起こる         A毛穴の入口がふさがる          B毛穴内に皮脂がたまる

     

Cアクネ菌が繁殖し、炎症が起きる    D炎症が悪化し、膿が溜まる(膿胞ニキビ)     

 

 

1  角質肥厚     毛穴が閉じてしまう

2 白ニキビ     盛り上がる

3 黒ニキビ     毛穴が少し開いて、中の芯が酸化して黒くなる

4 赤ニキビ     炎症

5 黄ニキビ     膿

 

 

角質肥厚

正常な肌では皮膚の新陳代謝によって、古い角質は剥がれ落ちていきますが、リズムが乱れると、毛穴周囲の角質が厚くなり、毛穴の出口が狭くなって詰まりやすくなっていきます。

毛穴の中で皮脂と古い角質、ファンデーションなどのメイク汚れが混ざり合って角栓ができると、毛穴は完全に詰まってしまいます。

毛穴の中には皮脂腺があり、常に皮脂が分泌されていますが、毛穴の出口がふさがっていると、日々分泌される皮脂は肌の表面に出ることができません。大量に分泌された皮脂は毛穴の中で蓄積され、角質に覆われたまま毛穴が盛り上がった状態になると、白ニキビが発生することになります。

 

白ニキビは、毛穴の中に皮脂がたまっている状態で、ニキビになりたての段階です。毛穴まわりの角質肥厚などによって毛穴がふさがり、排出できなくなった皮脂が毛穴内にたまることでブツブツと盛り上がっています。

毛穴が閉じているため医学的には「閉鎖面皰(へいさめんぽう)」と呼ばれます。

「面皰(めんぽう)」は英語でpimple、専門用語ではcomedoといい、毛穴の入り口が詰まり、毛穴内に皮脂が溜まっている状態のことです。

白ニキビには腫れや痛み、かゆみといった自覚症状はなく、ニキビができていることに気づかない方もいます。パッと見では分かりにくいですが、さわるとザラザラしており、放置していると症状が進行していきます。

対策

毛穴をふさいでいる古い角質や皮脂を取り除き、毛穴内にたまった皮脂が排出できるようにする治療やケアが必要です。また、予防のためには、メイクや皮脂の汚れが毛穴に残らないよう、きちんと洗い落とし、保湿をしっかりしていくことが大切です。毛穴をつまらせないように日頃から角質ケアなどをしておくようにしましょう。

 

 

黒ニキビ  ニキビの芯の酸化段階

白ニキビが進行すると毛穴の入り口が開き、毛穴に詰まっていた皮脂や古い角質などが空気にさらされて酸化して黒く変色します。この状態が黒ニキビです。毛穴が開いているため、医学的には「開放面皰(かいほうめんぽう)」と呼ばれます。

白ニキビと同じく、炎症はなく痛みや赤みのような自覚症状は見られません。また、ほくろや毛穴汚れと見間違うとケアが遅れて症状が進行してしまうことがあります。

対策

毛穴が少し開きますが、毛穴が詰まった状態であることに変わりはないので、古い角質や皮脂を除去して、たまった皮脂が排出できるようにする治療やケアが必要です。白ニキビ同様、肌の新陳代謝を促す角質ケアが有効です。

何らかの理由で肌の新陳代謝がうまくいかず、毛穴まわりの角質が厚くなったり、皮脂や古い角質やメイク汚れなどが混ざって硬くなり、角栓が形成されることによって、毛穴の出口が詰まりコメドに至ります。

また、肉眼では見えないレベルではニキビの周りには、ニキビの赤ちゃんともいえる極小さな面皰(微小面皰)が多数存在していることが分かっています。

 

 

赤ニキビ(紅色丘疹)炎症段階

白ニキビの状態が改善されないと、毛包の中で皮膚の常在菌であるアクネ菌が繁殖し、出口がふさがった毛穴の中はアクネ菌にとって栄養となる皮脂が豊富なうえ、酸素を嫌うアクネ菌が増殖して炎症を起こしてしまいます。炎症を引き起こし、皮膚が盛り上がってきます。

炎症によって赤みや腫れが生じたものが「赤ニキビ」です。痛みやかゆみを感じる赤ニキビもあります。毛穴の中にたまった皮脂がアクネ菌の栄養源となって増殖させてしまいます。

対策

白ニキビの段階で適切なケアを行うことが赤ニキビの予防になります。

この段階のときにはニキビを掻いたり、潰したり、することは避けるようにします。

 

黄ニキビ(膿疱)化膿段階

赤ニキビがさらに進行すると、黄色ブドウ球菌まで増殖して膿ができてしまう「黄ニキビ」になります。炎症が真皮にまで到達してしまうと、クレータ状にデコボコした「ニキビ跡」を作ってしまう恐れがあります。黄ニキビは医学的には「膿疱(のうほう)」といいます。

ニキビの中央の皮膚が薄くなっていて、クリーム色の膿が透けて見えている状態です。 赤ニキビと同じく、痛みを感じることがあり、かゆみも伴うことがあります。

対策

赤ニキビは潰しても芯が出にくい状態ですが、この段階までくると指の腹で優しく押し出すとニキビの芯が押し出されます。

ニキビの芯

「皮脂の塊」と「角質」が芯になります。芯を食べたとしても美味しいとは言えませんが、大きな健康被害はありません。

 

 

炎症とは何?

身体は異物を排除するために炎症を起こします。免疫作用が働き、患部の温度を上げてマクロファージという免疫細胞が、この異物を捕食して分解・消化することで、細菌感染を防いでいます。

 

雑談 ニキビとアレルギー

ニキビを処理するには、毛穴に入った異物を取り除くために、まずは毛穴を開けて中の異物を排除することが重要ですが、それがうまくいかないときには、炎症を起こして、異物を捕食する赤ニキビになります。

対して、アレルギーは、体には害を与えないものまでも異物だと判断して、それに対して過剰に炎症を起こしてしまう「自動反応回路」なので、異物を少しの量からはじめてゆっくりと体に「悪」を取り入れて調和させていく対処法が有効になります。

文明圏出身の一部の医者が頭(大脳皮質での論理的思考)で考えている免疫作用は「バイキンマン」を殺して排除すものですが、カラダがやっている実際の免疫作用とは、ばい菌を体内に取り入れて、飼い馴らす過程のことで、これが炎症の機能です。例えで言うと、アレルギーを治すためには、体の調子の悪い時には無菌ルームや薬に頼るのがいいのですが、体の調子の良い時は減感療法といって、体を異物に慣れさせる試行錯誤が大切です。悪も異物もこの世の一部であるので完全排除ができないからです。

リスク管理をしながら異物を飼い馴らす試行錯誤の作業はどの生命体にも大事な日常です。

 

 

対処法 ニキビができにくい肌にするには?

ニキビは、古い角質が剥がれ落ちず厚く重なっていき、毛穴の出口を詰まらせ、皮脂が溜まることから始まります。そのため、肌の新陳代謝が正常に行われていて、毛穴のつまりがなく、皮脂がスムーズに排泄されている健康な肌状態であれば、基本的にはニキビが出来ることはありません。
また、健康な肌は角質層の水分と油分のバランスがよく、外部の異物からのバリア機能も正常に働いているため、外部からのちょっとした刺激でニキビを悪化させることもありません。

 

ニキビに対する対処法は

1 硬化した角質を柔軟にして、毛穴を閉じ込めないようにする

2 毛穴に溜まった脂分を洗い落とす

3 健全な肌のバランスを保つ

 

ニキビができにくい肌環境をつくるためには、ニキビの発生に関わっている肌の機能を正常に機能させることが近道です。    4つのポイントを意識しながら日々のケアを行っていきます。

日々のケアの4つのポイント

 

@洗浄(洗顔・クレンジング)に気をつけること

A肌の新陳代謝対策(角質ケア)

B保湿(化粧水・乳液・美容液)

C化粧・日焼け止めの使い方

 

 

 深層意識とニキビ

脊椎動物の受精卵は内胚葉が消化器系器官に、中胚葉が循環器系器官に、外胚葉が神経管系器官として成長していきます。

私たちの表層意識は同じ神経管系の自律神経(深層意識・非意識)との間にも密接な相関関係があります。

TPOにより消化器系器官が活性化する必要性がある時には内臓に血液が多く送られ、神経管器官(頭脳・脊髄)が活性化する必要性がある時には脳に血液が多く送られます。

この割り振りをしているのが非意識(深層意識)で働いている自律神経です。

脳や筋肉が活性化する時には交感神経が働き、消化や血液循環が活性化する時には副交感神経が働きます。

血液はその時の意識の状態によって割り振りされ、脳と内臓を交互に補うことで効率の良い生命維持がなされす。

表層意識を使う時には脳に、使わないときは内臓に血液は多く流れます。

この深層意識の世界をコントロールして、ニキビの治療に役立てます。

 

自律神経と体の関係

 

自律神経

血圧

心拍

グリコゲン

胃液・分泌

毛穴

小腸の消化

意識(表層)

交感神経

上昇

上昇

分解

減少

閉じる

便秘傾向

非意識(深層)

副交感神経

下降

下降

合成

増加

開く

下痢傾向

 

上の表からわかるように、副交感神経の役割は重要で、意識の活動していない睡眠時や休憩時に、成長ホルモンやエンザイムや免疫細胞が生成されます。       

 

参照   

初心者のための睡眠の基礎と臨床  19996月 井上昌次郎

ヒトはなぜ宇宙人に誘拐されるのか? 意識と無意識の並列システム  Neurologic E.J.スタンバーグ   

 

ヒトの日常生活では、意識をしていない、無意識の行動が多いことに気がつくと思います。

例えば、外出する時に意識せずに鍵をいつもの場所に保管したり、このエッセイを読みながら意識せずにコーヒーを飲んでいたり、好きな曲を聞いていたりしています。

また、行動だけではなく、頭の中で起こっている脳の活動も多くは本人の意識にかかわらずに行われています。

例えば、なにかを思い出す時に意図せずに多くのことが浮かんできたり、トラウマのように外からの刺激に反応して条件反射で行動していたりしています。

実は新しいアイディアが浮かぶ時や創造力も、非意識が関与するメカニズムによって、生み出されています。

これらのことは、生命体がサバイバルするには交感神経と副交感神経の流れの両方が必要で不可欠なことがわかります。

ニキビとの関連性では、自律神経の毛穴の開閉作用を理解することで、洗浄、角質ケア、保湿(化粧水・乳液・美容液)、化粧・日焼け止めをするときには、この自律神経の効果を理解して、意図的に心の状態をコントローすることで、ニキビができにくい肌になります。

 

手法

自律神経

毛穴

作業と毛穴

洗浄

副交感神経

開く

毛穴を開けてから洗浄する

角質ケア

両方の穏やかな流れ

開閉の周期バランス

新陳代謝の活性化

保湿

両方の穏やかな流れ

開閉の周期バランス

肌の乾燥と油分の両極端を避ける

化粧・日焼け止め

自律神経

閉じる

毛穴を閉じてから化粧する

 

雑学  鳥肌のメカニズム

鳥肌は交感神経の興奮や緊張、ストレスを感じた際にできます。交感神経が興奮や緊張などを感じるのは、寒い時や恐怖を感じた時、感動した時などがあります。寒さを感じることによって交感神経が緊張を感じ、体から熱を逃さないようにするために、鳥肌が立ちます。毛穴が収縮し、それと同時に毛も立ちあがる。

毛穴の根元には「立毛筋」という筋肉が付いています。 寒さを感じたときには「立毛筋」が縮むことで毛穴をふさぎ、体温が逃げにくくなります。 このとき、同時に体毛が立つようになっていますが、人間の場合、他の哺乳類と違って体毛が少ないので、皮膚の盛り上がりだけが目立ち、「鳥肌が立った」状態になるのです。

 

 

 

ニキビケア方法@洗浄(洗顔・クレンジング)

ニキビの発生原因である「毛穴の詰まり」を防ぐには、洗顔やクレンジングなどの洗浄が大切です。

余分な皮脂やメイクの洗い残しは毛穴をつまらせる直接的な原因になります。また、気付かないうちに肌に付着しているホコリ、花粉、黄砂、PM2.5など様々な微粒子や化学物質は刺激や炎症を引き起こしニキビ悪化の要因になることがありますので、洗浄して清潔にすることが必要です。

そのときには毛穴を開けるために、まずは心を穏やかにしてから洗浄を始めます。ただし、1日に何度も洗顔する、ゴシゴシこすって洗うなど、洗いすぎはニキビケアにとっては逆効果です。刺激から守るために角質が厚くなってしまい、毛穴がつまる原因になってしまいます。洗浄行為そのものが刺激にならないように、優しくていねいに洗うのがコツです。

 

肌を清潔に保つ

皮脂や汚れによる毛穴つまりはニキビの原因になります。特に思春期は皮脂が多く分泌され、花粉や埃などの汚れも付着しやすいため、肌を清潔に保つケアが必須です。ただし、洗いすぎて肌に必要な皮脂まで落とし去ってしまうと、逆に皮脂が過剰に分泌されてしまうため、洗いすぎには注意を。12回(朝、夜)の洗顔で肌を清潔に保ちましょう。

クレンジング

クレンジング(メイク落とし)は、洗顔料では落とせないメイクや日焼け止めを除去することが目的です。メイク汚れや日焼け止めが十分に落とせていないと、残った汚れで毛穴がつまったり、肌の刺激になってニキビの原因になってしまいます。また、クレンジングの後におこなう洗顔洗浄もうまくいきません。

肌の汚れをしっかり落としたくても、肌を直接ゴシゴシこするのは厳禁です。緊張した状態では毛穴が閉じているので、いくら擦っても毛穴の脂質を出すことはできないので、まずは呼吸を安定させて、毛穴を開けることから始めます。摩擦も肌刺激となるため、クレンジング剤は適量を使い、メイク汚れを浮かせるように、肌の表面に手のひらをすべらせ、円を描くようにやさしく40秒〜50秒を目安に馴染ましょう。洗い流しはぬるま湯を使います。

クレンジングは肌に合ったアイテムを選ぶのが鉄則ですが、とくにニキビケアでは肌のうるおいを残しつつ、すっきりと汚れを落としてくれるオイルフリーのクレンジングがおすすめです。クリームタイプのクレンジングは毛穴つまりの原因に、オイルタイプのクレンジングは必要な皮脂まで落とし、肌のバリア機能を低下させてしまうため控えましょう。

 

洗顔

洗顔は、余分な皮脂や、皮脂に付着したホコリ、不要な角質、汗などを除去することが目的で、ニキビケアにおいてとても重要なケアです。

洗顔のときは肌に摩擦と刺激を与えないためにも、洗顔料をよく泡立てて、泡で肌を包み込むように、優しく洗いあげましょう。泡立てネットを使うと、簡単にもちもちの弾力泡を作ることができます。
すすぎのお湯は、人肌くらいのぬるめの温度に調節して、心が緊張しない状態(副交感神経の活性化)を保持し、生え際などにすすぎ残しがないよう丁寧に流しましょう。

肌を刺激しない

肌への余計な刺激はニキビ悪化の原因になります。スキンケア時のふき取りやスクラブ、マッサージ、洗顔ブラシやコットンの使用などは、肌に摩擦をおこし余計な刺激を加えてしまうので中止しましょう。また、洗顔時の肌刺激にも注意が必要です。クレンジングは1分以内、洗顔は30秒以内を目安にし、洗顔後は柔らかいタオルを使ってやさしく押し当てるように拭き取りましょう。

体を洗うときにも、意識してできるだけ摩擦を起こさないようにします。ニキビのある部位は、ボディタオルで肌を直接こするのではなく、弾力泡をつくって手でやさしく洗いましょう。

 

ニキビケアの方法A肌の新陳代謝対策(角質ケア)

ニキビを発生させる毛穴の詰まりを防ぐには、角質ケアで古い角質が溜まらないようにして、毛穴をつまらせないようにすることです。

私たちの皮膚は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層から成り、角質は表皮の一番表面にあります。健康的な肌では古い角質が定期的に剥がれ落ちて、常に新しい角質へと入れ替わる「新陳代謝」が起きています。新陳代謝のサイクルが乱れると古い角質が剥がれなくなって、角質に厚みが生じて毛穴がふさがりやすくなり、ニキビを発生させます。

普段のスキンケアの中に角質ケアを取り入れることで、新陳代謝をサポートしてニキビのできにくい健康的な肌にできます。

ニキビで悩む人にとって効果的な角質ケアですが、スクラブやゴマージュなどで肌をこすって角質を取り除く角質ケアはニキビの炎症を悪化させてしまう可能性があります。肌をこすったり、汚れを無理にふき取ったりするアイテムは避け、塗るだけで角質ケアができるアイテムを選んで、ニキビができにくい毛穴環境に整えます。

「角栓」ケアについて

毛穴つまりの原因となる「角栓」ですが、できてしまった角栓は日常のクレンジングや洗顔だけでは、なかなか取り除けません。
そのため、「角質ケア」で新陳代謝をコントロールし、角栓の形成を予防することがニキビのできにくい肌状態に近づけるポイントとなります。新陳代謝が正常化すると、角栓も除去されます。

 

ニキビケアの方法B保湿(化粧水・乳液・美容液)

水分と油分のバランスを整え保湿する

肌の乾燥からくるバリア機能の低下もニキビの要因になります。たっぷりの化粧水をハンドプレスで丁寧に浸透させ、軽めの油分を含んだゲルやミルクで蓋をするように保湿すると、角質層にうるおいが保たれバリア機能が整います。オイルやクリームなど油分の多いアイテムは、ニキビの発生や悪化を招きます。ニキビを繰り返している場所やニキビができているところへの使用は控えましょう。

肌が乾燥するとバリア機能の低下を招いて、紫外線や摩擦など外からのちょっとした刺激でも炎症を起こしやすくなるだけでなく、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を誘発させて「ニキビのできやすい肌状態」を招きます。

肌の水分は洗顔直後から蒸発しはじめて、5分後には乾燥しますが、その時にバランスのある肌の状態になるには時間がかかります。そうなるまでは保湿のケアをします。

肌の状態、年齢、季節、気候、風土に適応して、化粧水、乳液、美容液も用いて水分と油分のバランスを整えることで肌のうるおいがキープして、新陳代謝が適切な周期で起こり、健康的でニキビができにくい肌状態へと近づきます。シワやたるみなどのエイジングサインの予防もできます。

 

化粧水

化粧水は、角層へ水分を与える役割があります。

ニキビケアに使う化粧水は、角質層内の水分をキープする働きのあるセラミドやヒアルロン酸や、天然保湿因子の構成成分であるアミノ酸を配合したものがおすすめです。角質層のうるおいや肌のバリア機能を高めてくれます。

アルコールやサリチル酸などを含んだニキビ用化粧水は、肌を乾燥させたり刺激になるので、過剰な保湿状態の場合には有効です。炎症の痛みのある場合は、グリチルリチン酸などの抗炎症成分を配合したものを一時的に使用します。

乳液

化粧水だけで肌が乾燥する場合は、乳液で肌表面に膜をして保湿を維持します。

油分が少なめの乳液やゲルを選びましょう。クリームやオイルは油分が多くてアクネ菌の栄養になったり、毛穴の詰まりを招く危険があります。皮脂の分泌が少なく乾燥しやすい口元や目元などはクリームを使って保護します。皮脂が分泌される量に合わせて乳液とクリームを使い分けるのがポイントです。

 

美容液

美容液は有効成分を肌に補う目的で使用します。

肌の乾燥が気になる時はセラミドが高配合されているもの、ニキビ跡の色素沈着の予防・改善をしたい時はビタミンCが高配合されているものなど、美容液はその時々の肌状態に合わせて選びましょう。

 

 

ニキビケアの方法C化粧・日焼け止め

ニキビ肌への負担を考えると、メイクは控えるのがベターですが、したい時もあります。クレンジングで落としやすいメイクや油分が少なめのもの、毛穴に詰まりにくいメイクを選びましょう。

ファンデーションだけでカバーすると厚塗りになりがちで、毛穴がつまる原因となるため、化粧下地をうまく活用して厚塗りにならないように工夫しましょう。
赤みにはグリーンのコントロールカラー、茶色い色素沈着には黄色のコントロールカラーを重ねると、色みが目立たちにくくなります。下地やファンデーションはこすらずに、軽く押さえるように塗布します。
アイメイクやリップなどのポイントメイクでニキビから視線をそらす方法にもチャレンジしてみましょう。

日焼け止め

紫外線を浴びると、活性酸素が発生してニキビを誘発したり、紫外線から肌を守ろうと角質が厚くなって毛穴が詰まりやすくなることがあります。また紫外線は、ニキビのあとに色素沈着が残る原因になりますので、日焼け止めを毎日欠かさず塗る、帽子や日傘などで紫外線をカットしましょう。

日焼け止めを使ったらニキビが悪化したという方は、オイルフリーの日焼け止めを選ぶのがおすすめです。皮脂が多くベタつきやすい肌でも毛穴が詰まるのを軽減できるでしょう。

角質層が厚くなる

紫外線を浴びると、皮膚の内部を守るために角質層が厚くなります。毛穴周囲の角質が厚くなることで毛穴の出口が狭まり、毛穴をふさぐ原因になります。毛穴がふさがると、毛穴の中でアクネ菌が繁殖しやすい環境になります。

大量の活性酸素が発生する

紫外線を浴びると、アクネ菌によって生産されるポルフィリンという物質が大量に活性酸素を発生させます。活性酸素は、毛穴の中の皮脂を酸化させて炎症を引き起こす過酸化脂質を作り出し、炎症ニキビの原因となります。

メラニン色素が増加する

ニキビができている肌が紫外線を浴びると、肌のメラニン色素がさらに増加してしまい、ニキビができたあとが茶色いシミのようなニキビ跡になってしまいます。

外出をする予定がない日でもビタミンCやビタミンB2を摂取して体の内側からも紫外線ケアを行いましょう。

紫外線のほかにも、花粉や大気汚染もニキビをはじめとした肌トラブルの原因となります。外出するときには紫外線だけでなく、花粉や大気汚染からも肌を守るようにしましょう。

日焼け止めの「SPF」や「PA」は、紫外線を防ぐ効果を表しています。アウトドアなど外で活動するとき、日常生活など、生活シーンに合った数値を選ぶと肌の負担を最小限に抑えられます。室内でも紫外線の影響は受けるので、外出しない日でも日焼け止めを塗っておきましょう。

メーカー推奨量を、少量ずつ均一に肌を擦らないように伸ばします。量が少なかったり塗りむらがあると効果が発揮されないため、2回〜3回重ね塗りをしましょう。

 

 

 

ニキビを悪化させる間違ったセルフケア

いつの間にかニキビが悪化した、どんどん新しいニキビが増えていく、ニキビ跡ができてしまった、という方は、自己流の間違ったセルフケアをしている可能性があります。

ニキビに触る・潰す・膿を出す

ニキビを早く治そうと、自分で膿を出していませんか?自分でニキビをつぶしたり、膿を出そうとすると指先から細菌が入って炎症が悪化するだけでなく、爪先などで肌に傷がつき色素沈着や瘢痕となって跡が残りやすくなります。ニキビを指で触るだけでも刺激となって炎症を悪化させる場合があるので、触り癖がある方は注意しましょう。

洗顔でゴシゴシ、乾燥はNG!間違ったケアはニキビを進行させます

実は、スキンケアの方法が間違っているだけでもニキビができる原因になってしまいます。もしかしたら、肌に良いと思ってしているスキンケアでニキビをつくっているかもしれません。

「ニキビを治すには肌を清潔にしなくちゃ!」と思うあまり、過度な洗顔や、刺激の強い洗顔料を使う人がいますが、これは逆効果です。もちろん肌を清潔に保つことは大切ですが、洗顔をし過ぎると肌が乾燥して皮脂が過剰に分泌されてしまいますし、刺激の強い洗顔料は肌を傷つけ炎症を悪化させてしまうこともあります。

ニキビのスキンケアは、肌にかかる負担をなるべく少なくすることを心がけてください。

 

洗顔でしっかり汚れを落とすのは重要ですが、やりすぎも肌にとっては悪影響となります。肌を優しく守りながら洗浄し、すぐに保湿してうるおいを保ちましょう。洗顔のときに汚れをしっかりと落とそうと肌をゴシゴシしていると、摩擦から肌を守ろうと防衛反応が働いて角質が厚くなります。洗顔のしすぎや脱脂力の強い洗顔料は、肌に必要なうるおい成分まで落として肌の乾燥を引き起こします。肌が乾燥すると、肌内側のうるおいを守ろうと皮脂が過剰に分泌されてしまうため、逆にニキビができやすくなってしまいます。

また、化粧品や洗浄成分をしっかりと洗い流しておかなければニキビを悪化させてしまうため、髪の生え際などは丁寧にすすぎましょう。洗顔でタオルを使って拭くときにも強くこすらず、肌をいたわるようにやさしく拭きます。

人にはそれぞれ肌質があり、乾燥肌気味の人もいれば、脂性肌気味の人もいます。どんなに高価な化粧品でも、自分の肌質に合っていなければ、肌の健康は損なわれてしまうでしょう。使っていてちょっとでも違和感のあるものは、すぐに使用を中止してください。

 

肌に刺激を与える過剰なスキンケア

思春期は皮脂が多くてオイリー肌になりがちです。余分な皮脂を落として肌を清潔にすることは大切ですが、1日に何度も顔を洗ったりゴシゴシ力を入れてしまうと、角質層を傷めて肌のバリア機能を低下させたり肌刺激となって、炎症を引き起こすことにつながりニキビを悪化させます。

また、20代過ぎても思春期用のニキビケアアイテムを使い続けていると、油分不足に陥って肌が乾燥し、かえってニキビができやすくなることも。化粧水をつけるときやメイク時の、肌をこする、たたくといった行為も肌刺激となってニキビの原因になりえます。

 

 

薬でのニキビの治し方

ニキビを薬で治すときには、市販のニキビ薬(OTC医薬品)もしくは、医師の処方した薬のどちらかを使います。
白ニキビや黒ニキビなど、でき始めのニキビや軽い炎症性ニキビであれば、市販のニキビ薬でも一定の効果を得ることができます。
医師が処方する薬は、薬に配合されている成分の種類や有効成分の含有量が市販薬とは異なり、症状の進んだニキビにも対応できます。市販薬と処方薬どちらにせよ、ニキビを早くきれいに治すには適したニキビの薬を使い分けることが大切です。

市販されているニキビ薬の成分

          

硬化した角質を軟化させる薬の成分

サリチル酸

試す価値があるが、肌を乾燥させるので、乳液を使って保湿に気を配る。

 

ニキビの炎症を抑える薬の成分

イブプロフェンピコノール

グリチルレチン酸

赤ニキビがどうしても痛みを抑える必要性がある場合を除いて薬を使わず状況をみる。黄ニキビは炎症が鎮火しています。

 

アクネ菌を殺菌する薬の成分

ベンゼトニウム塩化物

イソプロピルメチルフェノール

他の菌も殺菌するので使うときには気をつける。使うときには医師に相談

 

 

 

 

 

 

ニキビの原因となる生活習慣

生活習慣の見直しで内側からもニキビ対策

思春期のニキビは二次性徴期に伴う皮脂分泌の活発化が原因となるため、成長とともに落ち着いていきます。しかし、大人になってもニキビの症状が続くときはストレスや睡眠不足、食事の偏り、生活リズムの乱れなど生活習慣が関係していることが多いため、大人ニキビをつくりたくない方や大人ニキビができたときには、栄養バランスのとれた食事をする、意識して身体を動かす、睡眠不足やストレスの蓄積を防ぐなど、身体そのものを健康的な状態に近づけるケアが必要です。

忙しくて同じようなものばかり食べている方や不規則な生活をしている方がニキビを治すには、規則正しい生活習慣、健康的なライフスタイルへの改善が欠かせません。

ニキビは、さまざまな要因で引き起こされます。食事、運動、休養、ストレス、便秘など日々の何気ない生活の中にもニキビができやすくなる要因はたくさんあります。
また、ニキビの直接的な原因となる毛穴の詰まりや皮脂の過剰分泌は、ホルモンの分泌とも密接に関係していますので、ホルモンバランスの乱れを引き起こす生活習慣をしていないか見直してみることも大切です。

原因

食べ物

寝不足、運動不足

ストレス

ホルモンバランス

便秘

 

 

それぞれの要因が複雑に影響し合ってニキビができているため、どれか1つの要因を取り除けたとしてもニキビを治せるわけではありません。ニキビのないきれいな肌へと近づけるために、日々の生活がどのようにニキビに影響しているのかを知っておきましょう。

ニキビができる原因@食べ物

過度なダイエットや栄養バランスを偏りはニキビの原因に

食べ物には肌の機能を健康的にする栄養素がたくさん含まれています。体重を落とそうと無理に食事量を減らすと、ホルモンバランスが崩れたり、肌に必要な栄養素が不足して健康な肌細胞の生成を停滞させたりしてしまうかもしれません。

脂質の多いジャンクフードや洋菓子、アルコールの過剰摂取は皮脂の分泌を増やします。また、辛い刺激物はデリケートな肌にとって刺激になり、ニキビの炎症を悪化させる可能性があります。

とはいえ、ひとつの栄養素だけにフォーカスして肌に悪いからと全く摂取しないでいると、栄養バランスに偏りができ、ニキビを始めとした肌トラブルが起こりやすくなります。五大栄養素をバランスよく摂ることを意識しましょう。

食事の時間も大切です。寝る直前にお腹いっぱい食べると、眠っている間にも内臓が働き続けて睡眠の質が落ち、肌の再生力に悪影響を及ぼします。

ふだんの食生活を見直してバランスのよい食事を意識し、甘いものやお酒などの嗜好品はほどほどに楽しむように心がけましょう。

 

ニキビができる原因A生活習慣

睡眠不足・運動不足は肌の大敵

食生活の偏り以外にも、睡眠不足や疲労の蓄積、運動不足、慢性的な体の冷え、といった生活習慣も、ニキビができやすい体質につながります。とくに気を付けたいのが、睡眠不足と運動不足です。

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肌の再生と生まれ変わりである新陳代謝を促す働きがあります。睡眠不足によって肌の新陳代謝がうまく行われないと、古い角質が残って毛穴がつまりやすくなってしまうのです。

また、デスクワークの方は運動不足からホルモンバランスが乱れて、ニキビにつながることがあります。ヨガやウォーキング、ストレッチなどの軽い運動をすると、自律神経が活性化されてホルモンバランスを整えてくれます。

日々疲れを残さないようにしっかりと睡眠をとるようにして、適度な運動と規則正しい生活を送るように心がけましょう。

 

ニキビができる原因Bストレス

無意識でもストレスがニキビを悪化させる原因に

ストレスを受けると、自律神経が乱れてホルモンバランスが崩れ、ニキビを悪化させる原因となります。また、ストレスによって活性酸素が増えると、免疫力や肌のバリア機能が低下してニキビが治りにくく、コラーゲンなどの美肌成分を攻撃して跡が残りやすくなります。

ストレスは交感神経を活性化して、毛穴を閉鎖させるので、ニキビができやすい状況を作ります。

ストレス対策でビタミンCを大量に消費するため、肌の酸化や炎症が進む

体内に活性酵素が発生し、免疫力が低下する

バリア機能の低下や新陳代謝の阻害を引き起こす

ストレスは知らず知らずのうちに受けていることがあります。毎日ゆっくり湯船に浸かる習慣をつくると、リラックスして身体も温まるため副交感神経の働きが優位になります。身体を動かしてストレスを発散したり気分転換の時間をつくったり、ストレスをためない工夫を取り入れてみましょう。

 

ニキビができる原因Cホルモンバランス

生理前は要注意!ホルモンバランスの乱れはニキビと密接に関係

生理前になるとニキビができる方は、ホルモンバランスが乱れて、皮脂分泌の増加や毛穴の詰まりを招いている可能性があります。女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」があり、肌の状態を大きく左右します。 

エストロゲンは肌のヒアルロン酸やコラーゲンをつくる「美肌ホルモン」と呼ばれています。プロゲステロンは男性ホルモンと似た働きがあり、皮脂の過剰分泌や、角質を厚くするため、毛穴が詰まりやすくなって、毛穴から皮脂を排出しきれなくなりニキビが発生します。

生理周期に置き換えると、排卵前になるとエストロゲンの分泌が抑えられて肌トラブルが起こりやすくなり、排卵のあとはプロゲステロンが増えてニキビができやすくなるのです。

ホルモンの分泌が増える思春期はニキビができやすい

女性の場合、思春期には女性ホルモンの分泌が増え、子供から大人に変わっていく二次性徴とよばれる体の変化があらわれます。しかし思春期は、卵巣が未発達なこともありホルモンバランスが崩れやすいのです。皮脂分泌が増加し、皮脂の多い額や鼻などのTゾーンや頬にニキビができやすくなります。

 

ニキビができる原因D便秘

腸内環境が悪いと肌トラブル・ニキビを引き起こす結果に

「便秘はお肌の大敵」というように、便秘はニキビに悪影響を及ぼします。

便が腸内に長時間滞在すると、腸内環境が悪化して悪玉菌が増えます。増えた悪玉菌は有害物質を発生させて、腸の毛細血管から全身に流れていきます。有害物質は肌の表面を刺激しながら新陳代謝にも影響を及ぼし、ニキビやくすみなどの肌トラブルを引き起こしてしまうのです。

便秘が慢性化すると有害物質によって全身の代謝が悪くなっていき、むくみやたるみの原因にもなります。また、便秘により腸内環境が乱れると、身体の免疫機能低下を引き起こしてしまうこともあります。2日に1回の排便を目標に「食生活を見直す、運動をする、腸内環境を整える」など行っていきましょう。

 

 

 

 

 

 

ニキビはできる場所によって原因が違うの?

ニキビができる原因は「角質肥厚などによる毛穴の詰まり」と「皮脂の過剰分泌」です。

どの場所のニキビであっても、基本的にはニキビができる「原因」は同じですが、ニキビを発生・悪化させてしまう「要因」が違うことはあります。

ニキビができやすい代表的な場所におでこや眉間、鼻などのTゾーンと、口周りやフェイスライン、顎などのUゾーンがあります。それぞれの場所によってニキビの原因を作り出す要因があるのです。

 

     

    

 

 

ニキビは場所ごと正しく治すことが大切
ニキビができる根本的な原因や過程は同じですが、場所によって発生・悪化させる間接的な要因はさまざまです。ニキビには場所ごとに適したケアがあり、自分に合った対策をとるとニキビができにくい肌へと近づけます。

自分なりにニキビケアをしても同じ場所にニキビができやすいようなら、紹介した「場所や原因に合わせた対策」を実践してみてください。それでも繰り返しニキビができたり、症状が進んで赤ニキビや黄ニキビになってしまった場合は、ニキビの跡を残さないためにも、少しでも早くニキビを治療することが必要となります。

 

顔にできるニキビの原因と対策

ニキビができやすい場所といえば顔でしょう。顔の中には皮脂が多いTゾーンや乾燥しやすいUゾーンなど、場所によって肌の状態が全く違います。さらに細かく顔のパーツを分けてみると部位ごとに特徴があるのに気づくはずです。顔の細かい部位ごとにニキビの原因を作り出す要因の違いが分かれば、予防・対策できるようになります。

おでこ・眉毛・眉間のニキビ

おでこや眉間のTゾーンのニキビは、皮脂が多く分泌される10代〜20代前半にできやすく、一度できるとなかなか治りにくいのが特徴です。

原因  おでこや眉間、眉のあたりにできるニキビの主な原因は過剰な皮脂の分泌です。また、前髪による肌刺激や整髪料の油分、洗顔や洗髪時のすすぎ残し、肌を擦るなどのスキンケア時の刺激が要因になり、ニキビが発生することもあります。

対策  皮脂が多い場合は、皮脂汚れをきちんと落とし、生え際などに洗顔料のすすぎ残しがないようにしましょう。洗顔後は皮脂の分泌を抑えるビタミンCが配合された化粧水で保湿を。また、肌刺激となる前髪がおでこに当たらないようにする工夫も必要です。

 

鼻・小鼻のニキビ

鼻や小鼻は、顔の中でもニキビができやすく皮脂量が多いため、テカりや毛穴の黒いブツブツなどほかの悩みも併発しがちです。鼻は顔の中央に位置し、ニキビができると特に目立つこともあり、ついニキビを触ってしまうため、炎症にもつながりやすく注意が必要です。

原因  鼻は毛穴が多く、皮脂腺が発達していて皮脂が分泌される場所です。また、鼻をかむなど接触による摩擦刺激も多く、角質が厚くなって毛穴をふさいでしまいます。マスク着用による蒸れや摩擦が鼻のニキビを助長しているケースもあります。

対策   鼻は毛穴に皮脂や汚れが詰まりやすい部位です。毛穴に皮脂や汚れを残さないようにきちんと汚れを落とす、角質ケアを取り入れて角質が厚くなりすぎないようするなど、毛穴を詰まらせないことが予防ケアになります。さらに、気づかぬうちにやっている触り癖にも注意しましょう。

 

顎(あご)・フェイスラインのニキビ

顎やフェイスラインといったいわゆるUゾーンも大人ニキビができやすい場所です。Uゾーンのニキビは治りにくいうえ、痛みをともなうことがあります。顎やフェイスラインは刺激も多く、進行するとしこりやニキビ跡になりやすいです。

原因  顎やフェイスラインは、男性ホルモンの影響を受けやすく、ストレスによりホルモンバランスが乱れ男性ホルモンが優位になると、皮脂量が増え、肌がかたくなることが原因でニキビができます。それ以外にも、食事の偏り、寝不足などさまざまな要因が関係しています。

対策  顎やフェイスラインのニキビは、複数の要因が絡んでいることが多く、原因の特定が難しい部位でもあります。生活習慣の見直しに加えて、角質ケアで古い角質が溜まらないようにする、皮脂分泌を抑えるビタミンC配合の化粧水を使うなどして、毛穴がつまらないようにしましょう。

 

頬(ほほ)のニキビ

頬のニキビは皮脂の分泌量が多い10代の思春期にできやすく、大人になってもさまざまな原因で発生します。マスクを着用する機会が多い今の生活では、ニキビができやすい場所のひとつです。

原因  頬ニキビの主な原因は過剰な皮脂分泌です。思春期は顔全体の皮脂量が多いため、Tゾーン同様、ニキビが出来やすい部位になります。20代以降でも頬ニキビができるのであれば、肌の乾燥や、間違ったスキンケア、マスク着用が原因の可能性があります。

対策  10代の方は、毎日の洗顔で肌を清潔に保ちましょう。20代以降の方は、乾燥によって皮脂が過剰に分泌されないよう、しっかりと保湿を。また、頬骨部分が赤くなっている人はスキンケア時、過度に肌を擦っている可能性があります。摩擦を与えないようスキンケア方法の見直しをしましょう。

 

口・口周りのニキビ

口や口周りのニキビは、視線が集まり目立ちやすい場所です。大人ニキビの好発部位でもあり、痛みを生じることもあります。

原因  胃腸の不調が口周りに影響を与えることがあり、食事の摂り方や薬の服用によって胃腸の機能が弱まると口周りにニキビができやすくなるようです。また、産毛が濃い人は、毛穴詰まりの原因となってニキビが発生することもあります。

対策  食べ過ぎたり、偏食をした後に口周りのニキビができる場合には、栄養バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。ストレスは適度に発散させて、ホルモンバランスを整えることも必要です。産毛が濃い場合には脱毛すると改善することがあります。

 

身体にできるニキビの原因と対策

皮脂腺は顔では額や鼻のTゾーン、体では背中の背骨付近、デコルテ(胸)に多く分布しています。皮脂腺が発達している場所は皮脂の分泌量が多く、皮脂腺が多い背中やデコルテはニキビが出来やすくなっています。顔の皮脂分泌が多い人は、背中やデコルテも同じような傾向がありますので、自分では気づかなくても体ニキビが発生しているかもしれません。

身体にできるニキビの原因と対策

背中のニキビ

背中は自分では見えにくいため見過ごしやすく、気がついた時にはニキビがたくさん発生していることも少なくありません。背中は顔に比べて肌の新陳代謝が遅かったり、薬が塗りづらい場所のため治りが遅くなる傾向があります。

原因  背中ニキビは、皮脂の過剰分泌、下着や衣類の摩擦による角質肥厚からなる毛穴のつまり、衣類による蒸れが主な原因となって発生します。体はアクネ菌の他にも「マラセチア」という常在菌(真菌)が原因となる「マラセチア毛包炎」も起こりやすくなっています。

対策  背中は皮脂や汗の分泌が盛んな部位です。きちんと洗浄をして肌を清潔に保つことが大切ですが、ブラシでゴシゴシ洗うと、摩擦によってニキビの炎症が悪化します。顔と同じようにやさしく洗いましょう。また、シャンプーなどの成分が背中に残ると毛穴をつまらせたり、刺激となって炎症を引き起こすことがあるので、すすぎ残しには十分注意を。ニキビケアをしていても背中ニキビが治らない場合は、マラセチア毛包炎の可能性があります。専用のお薬が必要となるため、なかなかニキビが治らない場合は受診をしましょう。

 

胸・デコルテのニキビ

胸元が広く開いた服など、服装によって目立つデコルテや胸のニキビ。日常的に洋服や下着と擦れる場所のため、一度できると治りにくい特徴があります。体は顔に比べて新陳代謝周期が遅く、ニキビ跡の色素沈着ができてしまうと改善に時間がかかるため、悪化させずに早めに治すのがポイントです。

原因  胸やデコルテは皮脂腺が多いため、ホルモンバランスの乱れや、食生活の偏りの影響を受けて、皮脂が過剰に分泌されることが原因となってニキビが発生しやすいです。また、下着や衣類の摩擦、衣類による蒸れもニキビを引き起こす要因となっています。背中ニキビ同様、マラセチアが関係してできるマラセチア毛包炎ができている場合もあります。

対策  過剰な皮脂はアクネ菌やマラセチアにとって栄養となります。胸やデコルテのニキビも基本のニキビケアと同じように、やさしく洗って保湿することが大切です。栄養が偏った食事や睡眠不足などに気を付け、通気性がよく、締め付けない下着を着用するのも有効です。

体のニキビはカビ(真菌)の場合があるって本当?

体は、アクネ菌が原因で起こる「ニキビ(尋常性ざ瘡)」の他に、マラセチアというカビ(真菌)の一種が増殖する「マラセチア毛包炎」も起こりやすい部位です。マラセチア毛包炎は、毛穴に一致して、数ミリ程度の赤いポツポツができるなど、ニキビと見た目や症状が非常に似ていますが、原因や治療法が異なります。

アクネ菌もマラセチアも、誰の肌にも存在する常在菌で、体には顔よりもマラセチアが多いといわれています。またマラセチアは皮脂と高温多湿を好むため、衣類で蒸れやすい背中、特に春から夏に増殖しやすい特徴があります。マラセチア毛包炎の場合は、カビ用の塗り薬を使わないとよくなりません。

ニキビケアを続けているけれども一向に良くならない場合や、患部を擦ってみてポロポロと皮がむける場合はマラセチアの可能性があるため、受診が必要です。

 

頭にできるニキビの原因と対策

頭皮のニキビ

髪を洗っているときや、ブラッシングしている時に痛みを感じて、頭皮のニキビに気づくことが多いでしょう。頭皮や生え際のニキビは髪の毛で見えづらくなっていて、ニキビが進行するまで気づかず、悪化させてしまうことがよくあります。

原因  頭皮は、顔や体よりも皮脂腺が発達しており、皮脂分泌がとても盛んな部位。大量に分泌された皮脂が毛穴につまることで頭皮にもニキビができます。また、頭皮は髪の毛で覆われていて通気性が悪く蒸れやすいため、アクネ菌が繁殖しやすく、シャンプーの洗い残しや紫外線が刺激となったり、頭皮が乾燥することでニキビを悪化させている場合があります。オイリー肌の方は頭皮にはもっと皮脂が出ている可能性があるので注意が必要です。

対策  頭皮の汚れをしっかり落とす「洗浄」と、洗浄成分を残さない「すすぎ」がポイントになります。シャンプーの回数を増やす必要はないですが、髪の毛そのものではなく、頭皮の汚れをしっかり落とす洗い方をするように心がけましょう。トリートメントの油分も毛穴をつまらせる原因になります。トリートメントは頭皮に塗らずに、髪の毛に塗るようにすることもニキビ予防になります。

 

生え際のニキビ

こめかみやもみあげなどの髪の生え際は、髪やシャンプー剤などで刺激を受けやすくニキビができやすい場所です。こめかみはクレーター状のニキビ跡になってしまうことが多いので、悪化させないように注意しましょう。

原因  生え際にできるニキビは、シャンプー剤やトリートメント剤、洗顔料が肌に残っていることや肌に合わないヘアケア剤が刺激となり、ニキビを引き起こしていることが考えられます。

対策  洗髪時は、シャンプー剤やトリートメント剤のすすぎ残しがないよう、生え際もきちんと洗い流しましょう。また、洗顔時も生え際まできちんとすすぎ、洗顔料が残らないように注意を。ニキビが出来ている時は、刺激の少ないマイルドなシャンプーにする、前髪にワックスなど油分の多いスタイリング剤を使わないなど、アイテム選びの見直しも生え際のニキビケアには必要です。

 

 

 

 

 

 

 

フェイスラインのニキビ

 

顎(あご)のニキビと同様に、大人ニキビができやすいのがフェイスラインです。

再発しやすい、治りにくい、悪化しやすいという特徴があり、加えて、フェイスラインは肌の新陳代謝が遅いため、ニキビ跡が残りやすい場所でもあります。それだけに、初期段階での正しいケアや治療が重要です。

フェイスラインのニキビの原因

フェイスラインのニキビの主な原因は、ホルモンバランスの乱れと乾燥です。

ストレスや睡眠不足によってホルモンバランスが乱れると、免疫力が低下したりして、ニキビができやすくなります。日頃からストレスや疲労を溜めない、睡眠をたっぷりとるなど、規則正しい生活を心がけましょう。さらに、フェイスラインはとても乾燥しやすい場所なので、バリア機能の低下にも注意しなければなりません。

フェイスラインのニキビは、髪が触れることでも起こるので、日頃からヘアスタイルに注意するとともに、スタイリング剤も避けるようにしたいものです。さらに、女性はメイク、クレンジングや洗顔料のすすぎ残しなどにも注意してください。