不眠症 眠れない時には http://pacha21.com/yamai/insomnia.htm
はじめに
特徴と原因
自律神経のメカニズム
ストレスと自律神経
対処方 自律神経を利用する
ストレス解除
呼吸法
体操
根本処方 潜在意識に働きかけて不安な悩みを減少させる 不眠を根本的に解消する方法
潜在意識のしくみ
潜在意識に回路を作成するしくみ
潜在意識の回路を弱体化するしくみ
コラム
不眠症の種類
ツボ 鍼灸
音楽療法
アロマ療法
腹部マッサージ
お金と不安
不眠の居場所
大念処経 Satipatthana Sutta
睡眠導入剤の仕組み
免疫抑制剤
はじめに
頑張って起きていることはある程度可能でも、意図的に眠ることはできないと言われています。
眠ろうとする意気込みによって意識の覚醒が高まってしまい、睡眠モードに移行できないためです。
眠りたい時間に身体を睡眠モードにしてスムーズに眠りにつくには、体内リズムを整えるための日々の積み重ねが必要です
眠なくても死なないヒトがいます。
眠らないとストレスを感じ免疫作用が低下するデータはありますが、必ず死ぬとは限らないようです。
心を穏やかにして体を休ませて静かにしているだけでヒトは疲れを取ることができると推察されています。
しかし、反対によく寝ていても思考を続けることで神経が高ぶりストレスから死ぬこともあります。
私自身は心穏やか状態で7日間眠ることがなかった経験があります。
といっても、ウツラウツラしたような瞑想状態だったので、普段の日常生活ではすぐに寝てしまう体質です。
それでも私もたまに眠れないときがあります。
心配事があったり、面白いアイディアが浮かんできて、それに夢中になってしまうときなどです。
そんな時には呼吸法や瞑想をしたり、翌日からは体が疲れるほど運動したりします。
その場合に気をつけているのは、眠れれなくても大丈夫だということを思い出して、これ以上に不安を自ら煽らないことです。
では、なぜ眠れないのか?
多くのケースの根底にあるのが不安です。
ですから不安をなくせばいいのですが、言うのは簡単ですが実践するのは難しいことです。
不安の原因は意識の奥深いところにあるので、不安の中身を知るには不安に寄り添って不安の根っこをちゃんと掴むことが必要となり昼間の余裕がある時が相応しい時間帯です。
睡眠時に考えても解決できる問題ではなく、不安になっていてもも何も良いことは起こらないことを改めて再認識して、睡眠時は不安に深く入り込まないのが一番です。
それが理解できて実践することが今後の安眠に繋がります。
では具体的にはどのような原因や対処法があるのでしょうか?
特徴と原因
不眠症になりやすい人の特徴とは?
多面的に心配りができる性格
責任感が強い性格
完璧主義な性格
不安になりやすい性格
環境的特徴
日常的に緊張・ストレス状態が続いている
騒音など、睡眠を妨げる環境が近くにある
両親にも睡眠障害が見られる(環境や生活習慣の相似)
女性の方が不眠症になりやすい
男性に比べると女性の方が2倍も不眠症になりやすいと言われています。
その理由は、生理や妊娠など女性特有の生理現象や、閉経による更年期障害などによってホルモンバランスが乱れやすく、それに伴い自律神経が乱れる可能性が男性に比べて高くなるためです。
眠れない原因
環境的要因 周囲の騒音や照明の明るさ、クーラーによる冷え過ぎ
身体的要因 痛みやかゆみ
心理的要因 ストレスや不安
飲食的要因 胃腸の消化活動のために熱が生じることが眠りが浅くなる要因
生活習慣要因 リズムの乱れ 交代勤務制や時間差がある仕事などで体内時計にズレが生じる
滋養物質的要因 過度な労働や加齢は、心や体の健康バランスを保つ酵素を消耗し不足させてしまう
女性ホルモン的要因 プロゲステロンの分泌が増加することで体温が上昇して寝つきにくくなることがある。
ストレスから守るホルモンのエストロゲンの減少
東洋医学の不眠の原因の捉え方
体に外的要因が加わったことで起こる「実証の不眠」と、
体のエネルギーや栄養物質の消耗、不足などによって起こる「虚証の不眠」に分類することができます。
ストレスや飲食物などによるものは実証の不眠、加齢や過労などによるものは虚証の不眠です。
実証の不眠は、やや急性的に起こることが多く、不眠を起こしている外的要因やそれによって発生した物質を取り除くことを中心とした対処を行います。
虚証の不眠は、慢性的に起こることが多く消耗し不足してしまった心(こころ)を補うための対処を行い、治療には少し時間がかかる場合もあります。
簡単で極端な試み
眠りやすい状況を整えるためにできることはどんなことがあるのでしょうか?
たとえば
・疲れ果てるまで運動することで、体の疲れから不安なことを思考する余裕がなくなる。
・夕食以降のメールの受信や返信、テレビや本などを控えることで、思考の連鎖から離れることができる。
これらは多くの人にとっては簡単なことではないので、できることを1つずつ試してみて、不眠症が収まればそこまででよし、とします。
自律神経のメカニズム
自律神経とは、私たちの命を維持するための体内の調整を自動的に行なってくれている神経です。
例えば内臓の運動や体温の上昇や発汗は自分の意思で動かすには訓練や技法が必要です。
しかし、特別な訓練や意思を持たずとも、自律神経は身体や知覚や潜在意識応じて働いています。
副交感神経から交感神経へ
まずは、覚醒時にしたいことやしなければならないことをしっかりとやることで生活のリズムに区切りをつけます。
気になっていることを解決していくことで、心が休まる時空に心身を浸すと状況を積極的に作り出します。
横になっている時に思考をしても脳の合理的思考が性化されない傾向があるので、コスパもタイパの効率もよくありません。
余談になりますが、寝ている最中にそれまでの覚醒時には気がつかなかった因果や結びつきを知ることがありますが、これは各自の合理的思考によって積み上げ整理されたものではなく、砂の中からすでにあったものを掘り出すようなものです。
それは、足して積み上げる粘土細工よりも、木の中に埋まっているイメージを掘り出す彫刻に似ているのかもしれません。
交感神経から副交感神経へ
なかなか寝付けないときに「眠ろう、ねむろう」と焦るほど、頭は冴えてしまいます。
覚醒から睡眠に移行するためには自律神経の交感神経の優位な状態から副交感神経の優位に切り替わる必要がありますが、「眠らなければ」と考えていると身心の緊張が高まり、交感神経が優位な状態が継続するためです。
不眠の主な原因はこのような自律神経の乱れによるものです。
そのため、薬を飲んでも治らなかったり、症状が出ているのにも関わらず病院で「異常なし」と診断される場合は、自律神経の乱れを整えることを試してみます。
自律神経は、身体的、精神的な疾患や、薬や刺激物、別の睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群など)によっても乱れてきますが、ほとんどの場合は日頃の「生活習慣の乱れ」と「ストレス」によって乱れています。
そのため、薬を使わずとも、次の2点を改善していくことで、自律神経を整え、それが結果的に不眠症の改善につながっていくという考え方がこのエッセイのアプローチです。
ここでの、「乱れ」とは交感神経と副交感神経への相互移行が波のような緩やかなリズムではなく、突発的な直線的動きをすることを指しています。
不眠症の主な原因は自律神経の乱れ
私たちの生命を維持するために体のあらゆる臓器や機能を自動でコントロールしてくれているのが自律神経です。
自律神経には活動している時に働く「交感神経」とリラックスしている時に働く「副交感神経」があり、これらがシーソーのように交互に切り替わることによって、健康を維持しています。
交感神経が働いていた場合、副交感神経が働いた場合で次のように各部位や体の機能の働きも変わってきます。
部位 |
交感神経が働く場合 |
副交感神経が働く場合 |
瞳孔 |
拡大 |
収縮 |
涙腺 |
涙の分泌を抑える |
涙を生産する |
唾液腺 |
唾液の量が少なくなる(濃度が上がる) |
唾液の量が多くなる(濃度が下がる) |
肺 |
気管支が拡張 |
気管支が収縮 |
汗腺 |
汗の濃度が上がる |
汗の濃度が下がる |
冠動脈 |
収縮 |
拡大 |
心臓 |
心拍数が増加 |
心拍数が減少 |
血圧 |
上昇 |
下降 |
皮膚 |
収縮 |
拡張 |
副腎皮質 |
アドレナリン・ノルアドレナリンの分泌 |
特に無し |
白血球 |
増加 |
減少 |
末梢血管 |
収縮 |
拡大 |
胃腸 |
あまり働かない |
活発に働く |
消化管 |
消化液の分泌を抑制する |
消化液の分泌を促進する |
肝臓 |
グリコーゲン分解を促進する |
胆汁分泌を促進する |
立毛筋 |
収縮(鳥肌が立つ) |
緩む |
陰茎 |
血管が収縮する(射精時) |
血管が拡大する(勃起時) |
子宮 |
収縮する |
緩む |
膀胱 |
排尿を抑制する(尿を貯める) |
排尿を促進する(尿を出す) |
自律神経のメカニズム
体と心がゆったりとすべきTPOの時に、体と心が緊張している状態によって不眠が起きています。
自律神経で説明すると、副交感神経が活性化することで安眠できるのに、交感神経が働いてしまって脳が活動してしまっている状態です。
このような自律神経の乱れは自立神経失調症と呼ばれ、これが元に戻れば不快な症状は減少します。
したがって、自律神経の働きとこれを乱す原因を知ることで不安や不眠から離れることができます。
交感神経が活性化すると、脳も体も緊張します。
そして、この緊張の力を使って、思考したり、体を動かして働いたり、遊んだりしています。
これに対して副交感神経が活性化すると、脳も体もリラックスして、酵素が作成されて血管を通じて内臓や免疫系を廻り、疲れや欠陥箇所を補修します。
酵素enzymeとは、生物の消化・分布・代謝・排泄・免疫に至るまでのあらゆる過程の触媒として機能し、生体が物質を変化させるためのタンパク質のことです。
そして、この副交感神経が活性化している時に意識がやすらぎ、眠りやすい状態に導入されます。
ここでの 意識とは、日常生活の表層意識以外に、気づいていない潜在意識やその奥にある深層意識が層になって存在しているものを指しています。
たとえば表層が言語、潜在(中層)が感情、深層がトラウマという具体的なカタチです。
個人の生活習慣によって自律神経の波は違いますが、朝の9時から働いたり学んだりするパターンは下記のようなグラフになります。
通常ならば副交感神経が活性化している時間帯に交感神経が働いてしまっていると、ぐっすりと眠りたいと思っても、睡眠が十分に取れなくなります。
交感神経が働く時には、副腎からアドレナリンが出るので、興奮して眠りを妨げるからです。
このようなブレーキとアクセルを同時に踏みこむような状態が長く続くと、めまい、耳鳴り、胃腸障害、不安、あせりなどの状態が起こります。
なぜ交感神経が過剰に働くのでしょうか?
理由は、潜在意識が現状を生命の危機や生存のチャンスのための「緊急事態」と勝手に判断しているためです。
危機から逃れたり、大きなメリットが眼の前にある時には潜在意識が勝手に反応してしまうのです。
私も森でクマやイノシシと目があったり、眼の前に美味しそうなヤマメやサーモンがいる時には、自動的に交感神経が活性化します。
すると同時に瞳孔が開き、脈拍が早くなり、呼吸が浅くなり、素早い行動が取れるようになります。
また、ただの小さなストレスであっても、それを不安だと思ってしまうと交感神経が働いて、生命体は積極的に表層意識の活動するように遺伝子レベルでプログラミングされています。
そこで、眠れない時には交感神経の働きを低下させて副交感神経が働くようにします。
これは上記のどれか一つが変化することによっても交感神経から副交感神経に流れが変わるのですが、自律神経は潜在意識にある回路による自動的運動なので、表層意識で直接的にコントロールすることはできません。
しかし、間接的にコントロールすることは可能です。
たとえば呼吸は意図的に自分の意思で操作することができるので、自律神経のターニングポイントになります。
浅くて早い呼吸から、深くてゆっくりした呼吸に変えてみることで、交感神経が沈静化して副交感神経が活性化します。
交感神経によるすべての反応はお互いに連携しているので、一つでも変わると他にも影響を与えて、最後には交感神経の働きは抑えられ、代わりに副交感神経による反応が起こり始めます。
しかし、この自律神経は、私たちの普段の生活の中で簡単に乱れてしまいます。
自律神経が普段の生活で乱れてしまう大きな原因は次の3つです。
生活習慣の乱れ・・・夜更かしや昼夜逆転生活、深酒、喫煙、不摂生な食生活(暴飲暴食、過度なダイエット、栄養バランスを欠いた食事、深夜の食事など)
ストレス・・・精神的なストレス、肉体的ストレス、環境のストレス(住環境、仕事環境、家庭環境の大きな変化)、内的ストレス(性格や体質などによる心と体の変化)
他の身体的、精神的疾患・・・病気、生理現象(月経、妊娠、閉経など)
特に現代人は「不規則な生活習慣」と「ストレス」に晒されやすく、自律神経の乱れによって不眠症の症状を発症してしまう人が増えています。
「交感神経」と「副交感神経」の切り替えがうまく行われないことにより、睡眠時に「交感神経」が働いてしまうことがあります。
これが「自律神経の乱れ」と言われる現象です。
「交感神経」が睡眠に及ぼすメカニズム
睡眠時にストレスホルモン(コルチゾール)が分泌されてしまう
睡眠時も体温が高い状態
メラトニンの分泌が不足してしまう
の3点が考えられます。
睡眠時にストレスホルモンが分泌される
人間はストレスを感じると、そのストレスに対抗するために脳の視床下部のストレス中枢というところから「ストレスに対処しなさい」という命令が「副腎」に下されます。
命令を受けた「副腎皮質」は、コルチゾールと呼ばれるホルモンを分泌します。
コルチゾールはストレスホルモンの一種で、抗炎症や免疫抑制、血糖上昇などの作用があり、脳や体がストレスに対処できるように体を調節してくれる働きがあります。
コルチゾールが分泌されると、交感神経を刺激し、脈拍や血圧を上昇させます。
つまり、ストレスから身を守るために体の運動機能を高め、脳を覚醒状態に変えます。
つまり自立神経が乱れてしまうと、睡眠時に本来あまり分泌されないストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されてしまい、脳と体を覚醒状態へと導いてしまうことがあります。
これが「眠れない」「寝たのに眠い」という不眠症の症状を引き起こします。
睡眠時も体温が高い状態
人間には朝起きて、日中に活動し、夜に就寝するという一定の生活リズムがあります。
この生活リズムと同じように人間の体温にも「朝は低く、日中に高くなり、夜は低くなる」という一定のリズム
があります。
例えば夜行性の動物などは、活動する夜に体温が低くなり、休息をとる朝から日中にかけて低くなります。
体温の変化と自立神経は密接に関係しており、交感神経が優位になると体温は上昇し、副交感神経が優位になると体温は下降します。
逆に体温が上昇すると、交感神経が優位になりやすく、体温が下降すると副交感神経が優位になりやすくなります。
自律神経が乱れていると、体温調節機能が衰え、睡眠時に体温がうまく下がり切らずに、ある程度体温が高い状態を維持してしまいます。
そのため交換神経が優位になってしまい、「眠れない」「寝ても寝ても眠い」という状況を作りだしてしまうのです。
メラトニンの分泌が不足
眠気は、睡眠ホルモンの一種である「メラトニン」が分泌されることで感じるものです。
通常、夕方から夜にかけて多くメラトニンが分泌されることで副交感神経が活発になり、心拍や体温、血圧が低くなり、最終的に睡眠にいたります。そして朝の太陽の光と反応してメラトニンが消え、起床するという仕組みです。
メラトニンの分泌は自律神経と密接な関係にあるため、自律神経が乱れてしまうと、このメラトニンがうまく分泌をされずに、うまく副交感神経を優位にすることができません。
そのため心拍や体温、血圧が高いままとなってしまい、脳や体が覚醒状態が睡眠時も続いてしまいます。
これが「寝付けない」「寝ても寝ても眠い」状態を作り出してしまうのです。
朝起きたら、朝日を浴びると、太陽の光によってメラトニンを消滅させることができるため、起床時間を体内時計に記憶させることができます。
ストレスによって交感神経が発動
ストレスを4つの分野に分けてみました。
この合計値がある基準を超えると、潜在意識が勝手に「生命の危機」だと勘違いして交感神経が働くようになります。
1心(精神)のストレス 「嫌だな」「どうしても欲しい」など意識が過剰に働くこと
2体の歪みのストレス 姿勢、筋肉の硬直
3栄養素(化学的)ストレス 自律神経を乱す栄養素
4環境(温度と湿度)のストレス 寒すぎたり暑すぎたり、乾燥していたり湿気が強かったりする環境
交感神経が活性化することで、危機から逃げたり対象のものを追いかけたりするような多くのエネルギーを使える体に「変身?」するので、たとえ体が疲れて休もうとしていても、眠ることができなくなってしまいます。
極端に言えば火事場の馬鹿力のような状態が継続してしまいます。
この交感神経が過剰に働き、自分の心身の疲れが自覚できていないのが自立神経失調症の1つの特徴です。
それに対して、副交感神経は酵素を作成して、体の疲れをとり、消化を促し、病気を治し、免疫系を働かせ、内臓を活性化します。
したがって、酵素(エネルギーを活性化する媒体)が補充されず使いきった状態になり、交感神経が活性化するスイッチを押しても、やる気を振り絞ってなんとかやる、という危機的状況になっています。
病気と自律神経
体と心は相互関係があり、心が充実していないと体の活動が鈍り、また体のエネルギーが補充されないと、心にも症状が出てきます。
たとえば、やる気が起きない、興味がわかない、楽しくない、笑えない、集中力がなくなる、どうでもよくなる、思考力がなくなる、などなど。
このような何もする気が起こらない状態が2週間以上つづくと「うつ」と呼ばれます。
また体の免疫系にも影響が出ると膠原病などが発症することもあります。
ここまでくると交感神経も正常に働かなくなるので遊ぶ元気もなくなり、副交感神経も正常に働いていないので、眠ることも満足にできなくなります。
この状況から離脱するためには、まずは体にエネルギーを貯めることからはじめます。
エネルギー不足になるもう一つの原因は「意識の高い」日常生活を送ったり、この世の法則を誤解していることから、時に怒りや悲しみなどの感情が湧きあがり、時に感情に乗っ取られてしまい、エネルギーを過剰に消費していまい、元気がなくなっていることもあります。
世間で言われている「意識が高いhigh consciousness」とは,質の高い意識を持っているという意味ではなく、粗くて質の低い意識回路を使う頻度が「高い」というのが実態です。
ですから、この地球や宇宙や自分の体や社会のリズムや法則や秩序や原理を知って体感することは大事なことです。
これについては、ヒトの理性の限界や、認識システムの可能性や、仏道の可能性についてのエッセイがあるので、参照してください。
対処法 自律神経を元に戻す方法
日々のストレスを緩和する
自律神経に大きな影響を及ぼすのがストレスです。
ストレスは大きく分けて「内的要因によるストレス」と「外的要因によるストレス」に分類することができます。
内的要因によるストレス ・個人が持って生まれた性格や体質、考え方などによるストレス(神経質、真面目、考えすぎるなど)
病気や、けが、生理現象(月経、妊娠、閉経など)によって生じるストレス
外的要因によるストレス ・人間関係や生活する環境(仕事・家庭・学校)などから生じるストレス
食品添加物や、飲酒、タバコなど化学物質が体を蝕むことによって生じる化学的ストレス
そのため、このストレスをいかに日常生活の中で緩和していくのかが、自律神経を乱れをなおす上では特に重要になってきます。
ストレス習慣を改善する
自律神経は、自分自身で意図的に働かせるには訓練が必要な神経なので、このような生活習慣の改善や日々のストレスの緩和、などからアプローチして改善していく必要があります。
ストレスを生じさせる生活習慣は「睡眠」「食事」「運動」のポイントを意識してできるところから整えていきます。
全て一気に改善しようとすると、無理が生じそれがストレスになってしまう可能性があるので、自分の生活スタイルに合わせて少しずつ実践するようにします。
自分だけの睡眠導入習慣をつける(本を読む、音楽を聞く、瞑想など)
寝不足だと感じた場合には、15分程度(20分を超えない)の仮眠を日中に取る
「寝なければならない」と不安に思わない。眠れない時には一度起きて、布団の中で体中の緊張を緩やかにほぐしてからまた目を閉じてみます。
就寝1時間前までに入浴を済ませる
運動習慣を整えるポイント
就寝の4時間前までに運動をやめる(2〜3時間前に運動してしまうと、ストレスホルモンが分泌され、覚醒状態になってしまうので副交感神経が活性化するまでに時間がかかる)
夕食前にストレッチやヨガをする。
1精神のストレス 「嫌だな」と思うことからの解放
A 感情の抑圧
「嫌だな」と思うことを社会生活で表すとトラブルが起こる時には私たちは「我慢」することがあります。
その時に、体の筋肉が緊張するのを自覚していますか?
譬え話で言うと、感情を抑圧すると、それが外に出ないようにするために蓋をしなければなりません。
この蓋が緊張です。
ですから、我慢しなくてもいいTPOに移動したら、抑圧した感情を適度に解放させます。
たとえば、カラオケ、居酒屋、クラブ、登山、散歩、坐禅などなど、みんな自分のストレス発散法があると思います。
なければ体を動かす体操などを意図的に作るのが効果的です。
感情を抑圧すると、筋肉が収縮して骨を引張ることで、骨の構造が歪むので、運動することで筋肉を緩めます。
ちなみに坐禅もインナーマッスルを鍛えることに特化したスポーツの一種だと私は思っています。
B ネガティブ思考のメリット、ポジティブ思考の限界
体が緊張していると、ネガティブ思考になります。
ヒトの潜在意識は、体の緊張を「生命の危機」の状態にあると判断するので、それを回避し、リスクを減らすためには、最悪のケースから事態を考えるのは、生命維持にとって至極当然のことです。
これが身を守るためにネガティブ思考が必要な理由です。
このようにネガティブ思考は排除するものではありません。
しかしこの思考法が必要のない時には、潜在意識にもちゃんとわかるように、体の緊張をしっかりと解いてあげることで潜在意識へのメッセージにします。
同様にポジティブ思考という回路が通用しないTPOでも、このポジティブ思考で状況を判断することは不適切です。
ネガティブもポジティブのどちらも限定されたTPOで一時的に通用するものなので、それに相応しくないTPOで使用することでストレスは増加します。
2 体の歪みのストレス 筋肉の硬直 姿勢
A 筋肉の緊張と骨の歪み
感情を抑圧すると、筋肉が収縮し、これが骨を引張るので、骨の構造が少しですが歪みます。
また感情を抑圧していなくても、もし骨が歪み、体が緊張したり、体が疲れていると、潜在意識はこれを危機だととらえ、すぐに反応できるように感情的になります。
感情とは意識が気づく前に行動ができる条件反射であり、緊急に対応できる表現や行動のことです。
これは素早く反応するためのどの動物もが持つ共通の身心のシステムです。
これほど体と感情には深い相関関係があります。
つまり、体の歪みを治すことで、不安や怒りや焦燥や悲しみは減少します。
逆に言うと肩・首・腰に凝りがある時は、不安になり悩みやすくなり、ネガティブな感情的になります。
B姿勢
良い姿勢とは、筋肉が緊張していない姿勢です。
「骨で立つ」と言って、くるぶしの上に重心があり、その上に骨盤があり、その上に背骨があり、その上に頭がのっている状態です。
重心が後ろにある 重心が前にある 骨で立っている状態
C脳脊髄液
筋肉が緊張することにより、血液やリンパ液や脳脊髄液の流れが悪くなります。
脳は脳脊髄液に浮かんでいるので、この流れが悪くなると、脳は大きな影響を受けます。
脳脊髄液の流れを良くするストレッ手の方法は
背筋を伸ばし、顎を引いて、頭の天辺が前傾するようにします。
手は後頭部において、息を吐きながら、20秒ほど首を曲げます。
こうして首と頭の境目の筋肉の緊張を緩めます。
3栄養素(化学的)ストレス 自律神経を乱す栄養素
Aカフェイン
就寝の2〜3時間前は食べ物や飲み物を口にしない
就寝の4〜6時間前にカフェインはとらない。
譬え話をすると、カフェインは交感神経を強制的に働かせるタンクの蛇口を開けてしまう役目をするので、疲れていても元気があると感じます。
元気が溢れかえっている時にはいいのですが、そうでない時には蛇口は締めておきましょう。
意識的に活動するするだけではなく、意図的に物事を始めることを一旦やめて、
「静かに待つ」ことを覚えれば、蛇口を無理矢理に開けなくても、エネルギーは自然に溜まってきます。
紅茶、ココア、緑茶、チョコにもカフェインは含まれています。
アルコールも良くありません。アルコールには入眠効果がありますが、眠りが浅くなり途中で目が覚めやすくなります。また、習慣化してしまうと入眠効果が弱まるため、寝付くために必要なアルコール量がどんどん増えてしまいます。
B砂糖
砂糖を摂取すると血糖値が上がり、まずは元気になり脳の意識活動も活発になります。
しばらくして、インシュリンが膵臓から出て、血糖値を下げるので、今度はやる気が出なくなりリラックスした気分になります。
このように糖分はジェットスターに乗るような物質なので、交感神経が優位になって体が覚醒するので、寝る前には控えましょう。
カフェインも砂糖も交感神経を刺激して、筋肉は体温を上げるために筋肉を緊張させます。
すると潜在意識はこの緊張を生命の危機と勝手に早合点して、すぐに反応できるように条件反射や感情などの自動反応回路を優先させる状態にしてしまいます。
4温度と湿度のストレス 寒すぎたり暑すぎたり、乾燥していたり湿気が強かったりする環境と体温
寒すぎると体温を保とうとして血管が収縮し、逆に、暑くて湿度が高いと皮膚から熱が逃げていかず、どちらの場合も身体内部の温度が効率的に下がらないために寝付きが悪くなります。
首、手首、足首、お腹が冷えると、交感神経が活性化してそれらの箇所を暖めようとします。
そこで、これらの箇所をあらかじめ温めておくことから始めます。
するとこれ以上交感神経を使って体を暖める必要がなくなるので交感神経の活性化が終わり、体温が自然に下がることに連動して副交感神経が活性化しはじめます。
気圧の低い時や雨の時も、交感神経が活性化するので、意識的にゆっくり思考と言動をするように心がけます。
このように交感神経を休めさせてあげることが安眠に繋がります。
姿勢を良くすれば、体が緩み、
呼吸が深くなれば、体が休まり、
筋肉がゆるめば、心が安らかになる。
これら体感をすることで、心身一体(心身一如)の経験を重ねることができます。
そして、その先には、
心の奥底では意識と体のリズムとが連動しているのを体感したり、
体が基準なのではなく、心が基準となって物事が始まっているという実感をしたり、
心の中に自動反応回路があって、それに操作されていることを実感する
という経験をするかもしれません。
リラックスの呼吸法〜腹式呼吸〜
呼吸法の実践
自律神経は基本的に私たちが意識的に動かすことも止めることもできませんが、唯一自分の意思でコントロールできるのが「呼吸」です。
呼吸は基本的に吸ったり吐いたりを自動的に行いますが、意識的に止めることも可能です。
そのためこの呼吸によって自律神経にアプローチし、自律神経の乱れを整えることができます。
日々忙しい生活を送る現代人はどうしても浅い呼吸になってしまいがちです。
浅い呼吸は交感神経を優位にさせてしまうため、自律神経の乱れに繋がってきてしまいます。
そこで、1日に1回、呼吸に全意識を集中させ、交感神経を優位にさせてしまいがちな浅い呼吸を正す習慣を持つということもストレス緩和に有効です。
息を吸うと交換神経が、息を吐くと副交感神経が優位になるため、不眠に繋がってしまう交換神経を副交感神経に切り替える意味でも、吐くことに意識を集中するのがポイントになります。
具体的には次のような手順で行いましょう。
仰向けに寝る
体全体の力を抜く
息を3秒吸って、6秒かけてゆっくり吐く(複式呼吸で行うのがポイント)
1〜3を10回行う
深い呼吸は身体をリラックスさせます。仰向けのリラックスの姿勢で、腹式呼吸をしてみましょう。まず口から大きく息を吐きます。
このとき、お腹がへこむのを意識します。ゆっくりと息を吐ききったら、次に鼻から息を吸います。このとき、お腹が膨らむのを感じてください。
そして、吸うときの倍くらいの時間をかけて、またゆっくりと息を吐きます。
頭を空っぽにするつもりで、深い呼吸を繰り返します。
リラックスの脱力法〜筋弛緩法〜
適度な運動でリフレッシュする
ストレスを受けた体は気づかぬうちに力が入ってしまい体が緊張状態になっています。
そのために、血流やリンパ液の流れが悪くなり筋肉が凝り固まる傾向があります。
そのため、筋肉を緩めてあげることもストレス解消に有効です。
運動をすることにより、体温が上昇することで硬直していた筋肉が緩むだけではなく、気分がリフレッシュし、ストレスを軽減する効果もあります。
また、逆に運動不足になってしまうと血行が悪くなり、血液中に疲労物質である乳酸がたまりやすくなります。
この乳酸が交換神経を優位にし、睡眠を妨げてしまいます。
アスリートのような過度な運動は逆にストレスをかけてしまう可能性があるので控えた方が良いですが、毎日30分程度のウォーキングなど適度な運動を行うことで日々のストレスを緩和させる効果が期待できます。
身体に力を入れて筋肉を緊張させた後、脱力して筋肉を緩めることでリラックスする「筋弛緩法」という方法があります。
まずはベッドの中で仰向けになります。脚を肩幅程度に開き、あごを引きます。肩の力を抜いて、両腕は体から少し離した位置で、だらんとのばします。手のひらを上に向け胸を開き、背中がベッドに沈み込んでいくようなイメージで。全身の力を抜きます。
次に手のリラックス。手をグーに握って力を入れます。その状態を5秒くらいキープした後、脱力します。脱力したときの力が抜ける感覚を味わいます。
次に足のリラックス。足首をぎゅーっと曲げてアキレス腱を伸ばします。5秒くらいキープした後、脱力します。脱力感を味わってください。
入浴
ストレスを緩和するためには湯船に浸かり体を温めることが重要です。
入浴を行うと、体温が上昇するため血行がよくなります。
それにより血液循環が活性化され、疲労が軽減されます。
また、入浴によって、入浴後に体温が徐々に下降し1時間程度で交換神経から副交感神経に切り替わることを促す効果も期待できるため、睡眠が取りやすい状態に体を持っていくことができます。
逆に長湯や熱いお湯は逆効果ですが、湯船に浸かることでストレスを緩和するだけではなく、自律神経の乱れを改善する効果もあります。
それでも眠れないときは
リラックスしようとしたけれど、どうしても眠れない、というときは、一度起き上がってベッドの中で体をほぐしてみます。
暗いところで目を閉じて横になっていると、ネガティブな思考が頭を巡りやすくなる傾向があります。
また、ベッドに入っても眠れない経験を繰り返すことで、脳が「ベッド=眠れない場所」という条件反射の仮を作成してしまい、眠れないことが慢性化してしまう恐れがあります。
したがって「とりあえず横になる」のを控えてみることを試すのも一案です。
気持ちを切り替えて、いったんベッドを出たら、心身を興奮させないよう穏やかに過ごしましょう。
たとえば落ち着くインセンスや音楽などで心を安らかに満たします。
自律神経の乱れが主な原因である不眠症は、自律神経の乱れを整えることでしか改善することはできません。
先ほどご紹介した「ストレッチ」や「入浴」「睡眠導入剤」など一般的に言われている不眠対策やセルフケアはいわゆる根本的な原因である自律神経の乱れに直にアプローチするものではなく、自律神経が乱れるその原因を解消する「予防法」、または自律神経が乱れた結果もたらされた不眠という症状に対する「対症療法」にすぎず、自律神経の乱れに直接アプローチすることはできません。
自律神経の乱れを引き起こす原因である「生活習慣の乱れ」「ストレス」を解消することで間接的に自律神経の乱れを引き起こしにくくするのが「予防法」であり、自律神経が乱れた結果もたらされる症状を和らげるのが「対症療法」です。
どちらも直接自律神経の乱れにアプローチをしていないため、その方法をやめた途端に再発してしまうという悪循環を繰り返してしまいがちです。
根本処方
潜在意識にある不安やストレスの回路そのものを弱体化する
夜の不安と付き合いかた
不安は自分の心身を守る大事な守護神です。
睡眠時に不要だからといって、それを完全に追いやってしまってうと、せっかくの自分を守る防衛システムを取り外してしまうと後々に生きづらくなるかもしれません。
そこで、夜は不安の因果関係を探求するのではなく、不安という感情があるな、と気づくだけにして、その状態を優しく見守るだけでいいのです。
大事なのは不安の内容に立ち入らないことです。
内容や因果関係は昼間の頭の冴えている時に向き合います。
こんなことを知ることで不安はなくならないとはじめは思うでしょうが、実際に試してみると効果があることがわかってもらえるかと思います。
不安から逃げるのではなく、ただ隣に寄り添ってあげていれば、不安はひとりでに変化していきます。
この世は諸行無常という宇宙の法則があるので、ただ見守るだけで不安も変化していく体験を一度は試してもらえないでしょうか。
不安が生じたらそれに気づいてあげるだけが不安が弱体化していくコツです。
この気づきとは、自分の意識がその不安のスパイラルである内側からその外側に移動したことです。
もし気づいていないのならば、その不安の内側にまだ一体化していて不安に縛られていることですが、このことに気がつくと、そこからほんの少し離れることで次の段階に入っていくプロセスの中にいることになります。
また、不安とは外から急に降ってきたものではなく、自分の内から飛びだしてきたものなので、「ちゃんと気づいていますよ、今度、昼間に時間がある時に一緒にその根っこを理解していきましょう」と睡眠時には想うだけで充分です。
このようにただ見守っているだけで本当にいいのです。
これが気づきによって起こる変化が、大きな第一歩目になります。
昼間に合理的に考えられる時間がある時には、ヒトや他の生命体が持つ潜在意識のシステムを理解するのも面白いかと思います。
この潜在意識と体の関係のメカニズムが分かると、今夜からの安眠に役立ちます。
生命体の潜在意識の性質
ヒト以外の生命体はヒトほどには表層意識に頼って生きていません。
というのもこれほど意識が発達している生物はヒトだけですから。
しかし表層意識の力がなくても、他の生命体はちゃんと生きてこの世の調和の中で暮らしています。
つまり余計な自動反応回路をつくらないために、それらに操作されることがなく生命活動をしているからです。
「潜在意識は正直者」でわかりやすい特徴を持っています。
単純な働きを組み合わせ、合理化を好み、流動的で、相互的で、生命維持の平衡運動をし、
「ここにある(生存する)」ことを肯定します。
このように早合点した結果で作ってしまった自動反応回路ですが、これらに頼らない生活はヒトにも可能です。
少なくても寝ている時や、休憩時間には。
庭のネギは太陽と水の力で空気中の炭素(二酸化炭素)を食べて、ヒトのような意識はなく生きています。
縁側のミツバチは自己意識は使わずに必要なときにだけ体を緊張させて蜜(炭素)を集めています。
多くの生命体は余分な回路を作らずに暮らしています。
太陽や月のリズムに合わせて生きているだけで、この世の流れの一部になって自分の役割をしっかりと果たしています。
潜在意識の自動反応回路は心穏やかな時空を過ごすことで弱体化していくメカニズムを持っています。
潜在意識の神経システム
他者や社会のことを考える前に、まずは自分の中にある自動反応回路にスポットライトをあててみます。
心が休まり充実した時間を生きる、または日常生活での外側の信号と自分で作り上げたアプリケーションに動かされて生きる選択は各自がすることです。
不安(悩み)と体の緊張は深い相関関係があります。
ヒトだけではなく生命体の潜在意識とは、体が緊張している状態を「生命の危機」と受け取ってしまい、そこから脱する方向に向かうように、自動的に行動してしまいます。
潜在意識のことなのでこれが実感できない人は多くいますが、まずは自分の体と心を使って試してみてください。
たとえば、温泉に入って体が緩んでいる時に、悩みで思いつめて自殺する人に会ったことがありますか?
また筋肉を緊張させている人で、穏やかな表情で微笑んでいる人に会ったことがありますか?
今回は、心と体は一体である(身心一如、心身一体)、ということを体感することから、不眠を解決していきます。
体感してほしいのは
体と心は関係が深いという体感
体を緩めると心も緩まる体感
呼吸と体と心は関係が深いという体感
呼吸を深くすると、体と心も緩やかになるという体感
コラム
不眠症状の種類
一般的に「眠れない・寝付けない」などが不眠症だというイメージがありますが、実際には不眠症と言っても人によって様々な症状が見られ、次の4つの症状に分類されます。
20〜30代の不眠症は「眠れない・寝付けない」などの不眠症の症状が多い傾向にありますが、高齢になるにつれて「途中で起きてしまう」「予定よりも早く起きてしまう」などが多くなる傾向があります。
入眠障害 寝付けない、寝つきが悪い、眠れないなど眠るまでに時間がかかる症状
熟眠障害 きちんと眠れているはずなのに、眠った感じがしない症状
早期覚醒 眠れるが、起きようとする時間よりも早く目が醒めてしまう症状
中途覚醒 眠れるが、途中で目が醒めてしまう症状
入眠障害
「眠るまでに時間がかかってしまう」という不眠症の症状を入眠障害と呼びます。
一般的に布団に入ってから入眠までに何分、何時間かかったら入眠障害かという明確な基準はありません。
ひどいケースになると朝まで眠れないこともあります。
次の日に眠気がくるのも辛いですが、何より仕事や家事をやらなきゃいけないのに眠れない、「寝なきゃいけない」という精神的な焦りによって精神的に非常に辛いのがこの入眠障害の特徴です。
厚生労働省が平成27年に行なった『国民健康・栄養調査報告』によれば、睡眠時間が6時間未満の方の中で男性で14.5%、女性で19.5%の方が「寝つき(布団に入ってから眠るまでに要する時間)に、いつもより時間がかかった」と回答しており、入眠障害を感じているようです。男性は20代に、女性は20代と50代以降に多い傾向が見られます。
【参考元:厚生労働省『平成27年国民健康・栄養調査報告』】
熟眠障害
「ちゃんと寝ているはずなのに、眠った気がしない、眠気が取れない、寝ても寝ても眠い」という不眠症の症状を熟眠障害と呼びます。
一般的に、人間は眠ると次のように、体を休めるレム睡眠(浅い睡眠)と、脳を休めるノンレム睡眠(深い睡眠)を繰り返しながら、起床します。
しかし、熟眠障害の場合には、このノンレム睡眠が通常よりも浅くなるために脳が完全に休まらず、睡眠の質が悪くなり、「眠っているのに眠った気がしない」という感じてしまいます。
「眠っているのに眠った気がしない」かつ、「眠気がスッキリ取れていないために、風邪を引いている訳でもないのにどこか体がだるく、日中の仕事や家事などに支障がでてきくる」という場合には、熟眠障害の可能性が高くなります。
早期覚醒
「本来眠るべき睡眠時間よりも短い時間で起きてしまい、日中に眠気が生じたり、日常生活に支障が出る場合」を早期覚醒と呼びます。
高齢者に多くみられるのが特徴です。
しかし、よく「お年寄りは早起き」と言われますが、高齢者が毎日朝早く起きることは早期覚醒ではありません。
中途覚醒
「途中で何度も目が覚めてしまう」不眠症の症状を中途覚醒と呼びます。
一般的にヒトは眠ると体を休める浅い睡眠(レム睡眠)と脳を休める深い睡眠(ノンレム睡眠)を繰り返し、起床します。
しかし、中途覚醒の場合、通常浅い睡眠(レム睡眠)から深い睡眠(ノンレム睡眠)へと移り変わらずにそのまま目覚めてしまうために完全に体と脳の疲れが取れないままに、途中で目覚めてしまいます。
特に「何時間で目覚めたら」「夜中に何回目覚めたら」という明確な基準はありません。
程度による不眠症の種類
「入眠障害」「熟眠障害」「早期覚醒」「中途覚醒」という症状がどの程度で起きているかによって、不眠症は次の3つの種類に分けられます。
一過性不眠症 数日程度不眠が続く
急性不眠症(短期不眠症) 1〜3週間程度不眠が続く
慢性不眠症(長期不眠症) 1ヶ月以上不眠が続く
一過性不眠症
「入眠障害」「熟眠障害」「早期覚醒」「中途障害」などがおよそ数日間程度続く状態のことを一過性不眠症と呼びます。主に睡眠環境が一時的に変わったり、一時的に強い精神的ストレスによって起こります。
睡眠環境が元に戻ったり、または慣れたり、強い精神的ストレスがなくなるとまた普段通りの通常の睡眠に戻るのが特徴です。
急性不眠症(短期不眠症)
強い精神的ストレスや、外傷、病気など生活習慣以外のことが原因で不眠が1〜3週間続く状態のことを急性不眠症と呼びます。
不眠症の主な原因は自律神経の乱れにあるため、生活習慣を改めることによって徐々に改善される場合が多いのですが、急性不眠症の場合には、病気などが原因であるため、それらが改善されない限り続くのが特徴です。
何か不眠以外に他に熱や咳など症状が見られる場合や、生活習慣を改善しているはずなのに不眠が続くという場合には、この急性不眠症の可能性が高いと言えます。
慢性不眠症(長期不眠症)
「入眠障害」や「熟眠障害」「早期覚醒」「中途障害」などがおよそ1ヶ月以上続く状態のことを慢性不眠症と呼びます。
慢性的なストレスや、長期的な病気が原因となって起こっているため、病院に行っても、薬を飲んでも改善されないという場合や、不眠が1ヶ月以上続いている場合にはこの慢性不眠症の可能性が高いと言えます。
ツボ押しマッサージで体をリフレッシュする
東洋医学では、人の体には「気」と呼ばれる人間が生きるためのエネルギーが流れる「経絡(けいらく)」が全身に張り巡らされていると考えられています。
経絡の上にある「気」の出入り口のことを「ツボ」と呼んでいます。
人体に様々な異常があるとそれに対応した経絡の気の流れが滞り、ツボにコリや痛みとなって現れます。
このコリや痛みをもみほぐすことで、「気」の流れを改善し、体の異常を改善するのがいわゆるツボ押しマッサージの考え方です。
そのため、日々のストレスを解消するツボを刺激する習慣をつけるだけでも、脳と体の緊張をほぐし、リフレッシュさせることができます。
次のツボが体のリフレッシュにおすすめです。
失眠(しつみん)
脳の緊張をほぐすツボです。
ボールペンの先やゴルフボールなどをグリグリ押し付けることで刺激するのが良いです。
百会(ひゃくえ)
頭の血行をよくし、脳の緊張をほぐすツボです。
頭頂部にある百会と呼ばれるツボは、心を落ち着かせるのに役立ちます。
両手の4本の指先や手のひらを使い、息を吐きながら5秒くらいかけて、気持ちよいと感じる程度にやさしくゆっくりと押してみましょう。押した後は軽く息を吸います。これを数回繰り返します。
神門(しんもん)
緊張を解き、神経を鎮め、リラックスさせる際に有効なツボです。
手首を掴むように親指の腹で指圧するのが良いです。
骨があるため力を入れすぎないように注意。
労宮(ろうきゅう)
緊張を解き、神経を鎮め、リラックスさせる際に有効なツボです。
親指の腹で手首の親指側に向かって力を加えると良いです。
内関(ないかん)
自律神経を整えてくれる腕のツボです。
手首を掴むように親指の腹で指圧するのが良い。
骨があるため力を入れすぎないように注意。
合谷(ごうこく)
精神を落ち着かせる効果のあるツボです。
また、自律神経を整えてくれるツボとしても有名です。
親指の腹で30回ほど、気持ちいぐらいの強さで指圧すると良いです。
井穴(せいけつ)
イライラや落ち込みを改善し、自律神経を整える効果のあるツボです。
親指で揉みほぐしましょう。
少し痛いぐらいがちょうど良いです。
指間穴(しかんけつ)
イライラや落ち込みを改善し、自律神経を整える効果のあるツボです。
少し揉み、水かきの部分を指先に引っ張って離します。
これを指先が暖かくなるぐらいまで続けましょう。
内臓マッサージ
自律神経の乱れに直接アプローチし、自律神経の乱れを整える「腹部のコリほぐし」
東洋医学では、すべての病気は五臓(肝・心・脾・肺・腎)を中心として内臓に原因があると考えられています。
ストレスによって体が緊張し、体内の「気」「血」「水」の流れが悪くなると、自律神経が乱れ、自律神経がコントロールしていた内臓の不調に繋がってきます。
そしてこの内臓の不調こそが「寝付けない・眠れない」「寝ても寝ても眠い」「途中でなんども目覚めてしまう」など辛い不眠の症状へと繋がってくるのです。
この内臓の不調はお腹にコリや痛み、違和感として体に現れてきます。例えば「寝付けない・眠れない」「寝ても寝ても眠い」「途中でなんども目覚めてしまう」といった不眠の症状にはそれぞれ関連の深い臓器があります。
Tao伝統のチネイザンに、ヨガ、陰陽五行、アーユルヴェーダ、アロマテラピー、マクロビオティック、心理学カウンセリング、内観法、温泉療法などを融合させて、現代人の不調に特化して改良したホリスティックなマッサージのことを指します。
ストレスや溜め込んでしまった感情による気の停滞は内臓にダメージを与えます。
ゆっくりとソフトな腹部のマッサージと、心の詰まりをとるカウンセリングで今抱えている不調が驚くほど改善していきます。
また、その状態をキープできるよう、自宅でも実行できるように自分で自分を癒す「セルフチネイザン」も開発したのも特徴です。
赤ちゃんや産後のママも実行できるように「ベビーチネイザン」も学べます。
ストレス過多による原因不明の体調不良、婦人科系トラブル、冷え、肥満、頭痛、肩こりなどをお持ちの方には特にお勧めです。
日本では、ここだけしか受けられません。
これから好きなことを仕事にして活躍したい方、
ご自身の不調を改善しながら、周りの方を幸せに、健康にするお仕事をしたい方、
チネイザンを習得したい方、自分を芯から癒したい方、
内臓マッサージ協会の講座にぜひお越しください。
その1 チネイザン(氣内臓)
チネイザン(気内臓)マッサージは、セラピストの手によって、腹部に蓄積した老廃物や毒素を丁寧に流していくデトックスマッサージです。チネイザンでは、内臓と感情は深いつながりにあり、ストレスや溜め込んでしまった感情によって内臓の気の流れが滞り、それが不調の原因となると考えています。内臓それぞれに、感情の宿る先が異なり、それを陰陽五行をベースにお客様への丁寧なカウンセリングと共に気の流れを整えていく施術を施していきます。
Yukiはそれを「お腹の声を聴く」「内臓に耳を傾ける」「傾聴」と呼び感情の詰まりが流れると体調が良くなるだけではなく人生も好転していくことから「人生が変わるマッサージ」とも呼んでいます。
当協会のセラピストはこの技術を身につけ、ストレス社会で不調に悩む現代日本人の心身のサポートを支援していきます。チネイザンはまさに、日本で独自の発展を遂げています。
約2500年前の中国(日本は彌生時代)で発生した陰陽思想と五行思想が結びついて生まれた思想を 「陰陽五行」と呼びます。
自然界のあらゆるものを陰と陽に分ける考えと、自然界が5つの要素すなわち木火土金水で成り立っているという考えを融合したものです。
内臓を感情、機能の関係がここでははっきりと表されています。
Yuki式チネイザンでは五行の考えに基づき、丁寧なカウンセリングを重ねてクライアントの不調の原因を紐解いていきます。
お腹に手をあてるだけで、その人の性格や今抱えている問題がわかることがあります。
あなたの内臓はすべてを語ってくれるあなたのお友達であり世界で一番の味方です。
そしてあなたの不調や心の不安、負の感情を写す鏡でもあるのです。
内臓の声に耳を傾け、内臓に力をつけ、内臓を美しく、本来のあるべき機能を取り戻し健康にし、
解放してあげることで心や身体の不調をとりのぞき、浄化していきます。
その平穏な心への近道が「チネイザン」なのです。
施術はとても優しく心地よいものです。
メリディアン(経絡)ヨガとも呼ばれている「陰ヨガ」とインドの伝統的な「シバナンダヨーガ」を融合させたどなたにでも簡単に出来るゆっくりしたヨガです。
「陰ヨガ」は、他のヨガとは異なり、ゆっくりとカラダをほぐしながら伸ばしていくセルフケアのようなヨガです。
五行の経絡を意識した動きはセルフケアマッサージとも言えます。
ハタヨガのシバナンダヨガは「プラナヤマ」という 呼吸法、太陽礼拝、12のポーズ(アサナ)、瞑想、で構成され「癒しのヨガ」と呼ばれます。
この2つの良い部分を融合させ、心と身体のバランスをとり、 精神の安定を促し、自分自身を知ることへ 導いてくれるヨガです。
音楽を聞く
心地よい音楽には、α(アルファ)波というリラックスしている時に発生する脳波が増加する効果があることが知られています。(ストレスを感じている時にはβ波という脳波が出ています)
そのため、心地の良い音楽を鑑賞したり、自分自身で演奏することはストレスを緩和し、不眠症の症状の軽減する高い効果があると言われています。
歌詞がある曲については、歌詞を頭で考えてしまうため、できる限り歌詞のない曲(インストゥルメンタル)が良いでしょう。
ピアノ協奏曲第26番二長調K.537「戴冠式」第2楽章(モーツァルト)
ジークフリート牧歌(ワーグナー)
ウォーターマーク(エンヤ)
「アルルの女」第2組曲より第3曲「メヌエット」(ビゼー)
「水の音楽」より「水色の幻想」(神山純一)
【参考元:藤田保健衛生大学「日本バイオミュージック学会誌(1998年)」】
アロマ療法
アロマオイルを使用する
アロマオイルを使っていい香りを嗅ぐことにもストレスを解消する効果があります。(※逆に嫌な臭いを嗅ぐことはストレスになります)
なぜ、アロマオイルに脳や体をリラックスする効果があるのか、その理由はアロマオイルから出た香りの分子が鼻の奥の嗅神経にアクセスし、それを伝って脳の大脳辺縁系という部分に作用します。
そして脳のコントロール室である視床下部から自律神経系やホルモン系、免疫系と呼ばれる体全体の機能にアロマオイルに応じた働きかけを行います。これにより脳や体がリラックスするという訳なのです。
市販のアロマオイルでも、睡眠に良いアロマオイルなどが多数販売されているので、それを使用して、寝る前や入浴時に脳と体をリラックスさせる習慣をつけてみても良いと思います。
実際に睡眠に良いとされるアロマオイルは以下になります。
一般的にはリラックス効果や睡眠に良いアロマオイルはラベンダーと言われています。
ネロリ
プチグレン
マージョラム
マンダリン
マートル
ラベンダー
ラベンサラ
ストレッチで緊張した体をほぐす
ストレスは体の筋肉の緊張にも繋がります。
不眠の居場所
眠れないことは、自分の今の「居場所」を確認する良いチャンスでもあります。
眠れない時とは「我」が強くなっていること、自分が意識に依存していること、自分の優しさや正しさが表層的になっていること、を気付かさせてくれる機会でもあります。
表層的な優しさとはなんでしょうか?
自分の潜在意識に寄り添っていないということは、他人の潜在意識にも寄り添えていないということです。
自分の表層意識だけを基準にしている時は、他人はもちろんのこと自分自身の潜在意識を見守っている余裕が無い時です。
ですから、いくら「表層的な優しさや正しさや博愛」があったとしても、それは宇宙や人体のリズムを排除した上に成り立っているものかもしれません。
そのような「表層的な優しさや正しさ」は自分の脳の中にしか成立しないので、自分の体や他の生命体や社会や異文化や自然や宇宙では通用するとはかぎりません。
本人が表層意識の自己を基準にしていても「自分が正しい」と想っている理由は、
他者を考慮しない自分勝手な自我ではなく、相手や自分の体のことも考えることができる状態に自分があることが根拠になっています。
「意識に依存している」とは表層意識だけを基準にしてしまっている状態のことであり、これを「自己」と一般的には呼んでいます。
しかし、この相手想いの自己でさえ表層意識の一部でしかないので、宇宙のリズムによって生かされている生命体や、自分自身の潜在意識からの聲を聴いていない「自己」を基準にしている限りは、根本的に不眠を解決することができません。
そして、このような状態から離脱するには、自分の表層意識の奥底にある潜在意識や深層意識にある回路に気づき、それらを弱体化するために、呼吸を深くしたり、体を緩めたり、内臓のリズムに気づいたり、副交感神経が活性化させて心を平安にする言動から始まります。
表層意識によってとてつもないメリットがヒトにはあります。
したがって常に意識的であろうと学習してしまったのですが、21世紀になり、都市文明圏の中でよくみられる表層意識によるデメリットも出揃ってきました。
たとえば、苦しみ、精神的不満足、ストレス、難病の治療、正義の戦争の継続、つまり不安です。
この辺りで、表層意識の良さだけではなく、表層意識の限界をも自覚することが私たちの体、そして内臓の一部である脳(意識)のためにも大事な時空に私たちはいます。
また本人は気づいていないかもしれませんが、動植物とも共有する体の波長ではなく、脳の意図的波長を発信して周囲に影響を与えてしまっている時でもあります。
サティパッターナ・スッタ(Satipatthana Sutta)
日本では大念住経や大念処経 と呼ばれています。
サティパッターナSatipatthanaはサティ(sati)とは「目の前で起きていることに気づくこと」+ パッターナ(patthana)とは「絶えることなく突入し浸透すること」、スッタSuttaは経典のことです。
これは釈尊が修行者に、「人生の苦悩から解放され涅槃に至る」ために説かれたことを書き留めたものです。
この経典の中に不安に対するアプローチが書かれています。
Mahàsatipaññhàna
Sutta 英語翻訳by U Jotika and U Dhamminda
不安(distraction
and worry)は、それらをを引き起こしている原因に対する無知で生じます。
不安は永続しないと気づくことで消え去ります。
心を成長させて平静さを保つことでも消え去ります。
不安 がある時には、 「わたしの中には不安がある」 と自覚するのです。
不安がない時には、 「わたしの中には不安がない」 と自覚するのです。
まだ生じていない不安が、どのように生じるのかも自覚するのです。
生じた不安が、どのように消えるのかを自覚するのです。
消えた不安が、どのようにすれば将来生じないのかを自覚するのです。
以上が2000年前のお経に書かれていました。
不安の時には心が浮きだっているので、何を考えても適切な状況を把握できません。
そこで、不安の場合は、ひとまず、今、眼の前にある変化していくものだけにスポットライトを当てて、思考を停止させます。
思考とは考える対象が過去か未来なので、不安から離れるには、「いま・ここ」に注目し続けることで簡単に心配する状態が消え去ります。
たとえば、歩いている最中ならば、体の重心の移動の変化に。
たとえば、座っているときならば、どちらの鼻孔から呼吸が入って、どちらから出ていくか。
目の前の変化を見つめているだけで、まずは不安は力を弱めていきます。
原因 イメージとの同一化
不安は、自分自身と頭の中で抱いているイメージとの同一化から来ます。
この同一化は実際にはこの世には存在せず、不安を抱かせるイメージを単に消滅してゆくアニッチャ(無常)であると捉えていれば、同一化したものはあなたとは何一つの関係もありません。
このことに気づくことができると、抱いていた不安というものはこの世にないことがわかります。
この世では、誰もがイメージに同一化することはできず、それにしがみつくこともできず、そして頼ることもできないということをただ見守るっていることが大事なことです。
お金と気持ち
不安の中には、漠然とした「将来の不安」というのもあることでしょう。
具体的には生きている意味やこれから死ぬまでの生活費のことなどです。
どちらも言語化することでそれらはちゃんと明らかになって、それは霧のような雰囲気のものから、準備ができるもカタチへと姿を変えます。
わたしはこれらには2つのアプローチで対処しています。
金銭からのアプローチは、私が今の所、どうしてもしたいことをまず金額に置き換えます。
私にとって必要なものは、生活費、税金、暑い夏からの長期避暑、花粉症地域からの長期離脱です。
これから後、20年生きるとして800万円、100歳まで生きるとして1600万円なので、残りの資産は自由に遊びにも大事なことにも使えることになります。
また実際には時々は収入を得ようとも思いますので、ますます自由にみんなで使える総額は増えていくことになります。
家を貸したり、イベントやワークショップをまたしてもいいし、新しい仕事を始めてもいいし、何か面白いことが色々とあるでしょう。
そして、もしとんでもない大金がかかるような病気になれば、食事の量を少しずつ減らしてこの世を喜んで去ります。
なかなか病気にはなれないと思いますが。
(来月には病気が治ってしまう曲をつくるプロジェクトを立ち上げようかなと思っています)
そして大事な人たちが本当に必要な時にはそれに応じて一所懸命に稼ぎます。
気持ちからのアプローチとは、宇宙全体と交感することです。
脳を使って「部分」でこの世と接すると、私たちは誕生して、老い、病になり、死んでいき、なかなか大変なことや苦しいことが多くあります。
ところが「部分」でこの世に接することから離れて、全体性という「限りがないもの」と付き合っている時には、脳では全体性との交流を持てないので、血管や腸を経由して世界と繋がります。
すると、自分が宇宙という全体の一部になっているのを実感している時には、この世のいろいろなものは、どこからか顕れては、少し留まり、そして消え去っていくだけの存在になります。
すべてのものがより微細で奥深くでは一つに繋がり、この宇宙の法則の中で自分の役割を果たしているだけになります。
このような状態でこの領域にいる時には、「わたし」はここに誕生もしていないので死ぬこともありません。
この領域(異次元の時空)では、私を含めて全てのものが、ただ顕れ、ある期間だけここに留まり、そして消えていきます。
そして何かを伝えたり伝えなかったりして、次の命がまた顕れ、留まり、消えていきます。
宇宙という全体性の中(異次元)では「いのち」は限りがなく、安らかで、暖かく、柔らかく、緩やかです。
わたしはこのような体験を旅を通して体感してきました。太平洋、キリマンジャロ、シベリア、ニューヨーク、多摩川、アンデス、北極海、・・・。
そして今は、このような体験を温泉、ハンモック、草むしり、散歩、体操や呼吸や瞑想で再現できる方法を研究しています。
こんなことをしていると私の場合はあんまり「不安」とお付き合いする機会がありません。
各自にそれそれの方法があるのだと思います。
釈尊の教えでは4つの段階の悟りがあるのですが、第三番目の阿那含(Anagama)にならないと「不安」は完全に消えさらないらしいので、多くの人はこの「不安」を友だちとして一生を終えるのだと思います。
それならば、うまく「不安」ともやっていきたいと思います。
時には、この世でやる気を起こしたい時には「不安くん」にも手伝ってもらえるかも。
昔はよく「サバイバル」という言葉をわたしは使って、自分の生存欲が活性化する状況に身を置くようにしていました。
これも今から見ると「不安」との付き合い方の一つのような気がします。
睡眠導入剤
薬の効果と作用機序
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は脳内のベンゾジアゼピン受容体(BZD受容体)は、催眠・鎮静、抗不安などに関わるので、BZD受容体が刺激されると、脳の興奮が抑えられ眠気などがあらわれる
睡眠障害のほか、けいれん発作の予防や麻酔前投与薬として使用される場合もある
脳内の神経伝達物質の中で、GABA(gamma-aminobutyric acid:γ-アミノ酪酸)は抑制性の神経伝達物質として働き、このGABAの神経伝達が亢進すると催眠・鎮静作用などがあらわれる。
脳内の神経伝達に関わるベンゾジアゼピン(BZD)受容体は、GABAの受容体(GABAA受容体)と複合体を形成していて、BZD受容体が刺激されるとGABAに関わる神経伝達が亢進し、脳の活動が抑制され眠気などがあらわれる。
超短時間型:トリアゾラム(主な商品名:ハルシオン)
短時間型:ブロチゾラム(主な商品名:レンドルミン)、ロルメタゼパム(商品名:エバミール、ロラメット)、リルマザホン(主な商品名:リスミー)
中間型:フルニトラゼパム(主な商品名:サイレース)、エスタゾラム(主な商品名:ユーロジン)、ニトラゼパム(主な商品名:ベンザリン、ネルボン)
長時間型:クアゼパム(主な商品名:ドラール)、ハロキサゾラム(商品名:ソメリン)、フルラゼパム(商品名:ダルメート)
副作用は、
持ち越し効果(睡眠薬の効果が翌朝以降も持続し、ふらつき、脱力感などがあらわれやすくなる)、
筋弛緩作用(筋肉の緊張が緩むことで、ふらつき、転倒などがあらわれやすくなる)、
健忘(一過性の物忘れ)
アルコール類の摂取により、薬の作用が過度に増強する場合があるので本剤を服用中は原則として控える
免疫抑制剤
免疫抑制薬は体内で過剰に起こっている異常な免疫反応を抑える薬です。
免疫抑制療法は自己免疫疾患、膠原病、リウマチ性疾患、アレルギー疾患など免疫異常が関与する疾患の治療、臓器移植では拒絶予防に用いられておりますが、同種造血幹細胞移植では生着不全や移植片対宿主病(GVHD)の予防や治療に用いられています。
免疫が自己の細胞や移植後の臓器などを攻撃することで自己免疫疾患や移植後の拒絶反応がおこるので、
免疫反応においてリンパ球などは中心的な役割を担い、免疫反応を引き起こすサイトカインの産生やリンパ球の増殖を抑制します。
たとえば、T細胞の活性を抑制して、臓器移植の急性拒絶反応に対する免疫を抑制する薬もあります。
薬剤によっては自己免疫疾患(ネフローゼ症候群や膠原病)において、ステロイド薬だけでは効果が乏しい場合や副作用により減量や中止しなければならない場合などの補助的選択薬として使用されることが多い薬です。
薬理作用のメカニズム
免疫反応は体外からの物質や体内の自己細胞などに対して、免疫細胞からサイトカインという炎症反応などを引き起こす物質や免疫グロブリンという異物や病原体などを攻撃する物質などが放出されておこる。
免疫反応を担う白血球はリンパ球、マクロファージ、顆粒球に分かれその中でもリンパ球は免疫反応において特に中心的な役割を果たす。リンパ球の中でT細胞は免疫反応を引き起こすインターロイキン(IL)、TNFα、インターフェロンなどのサイトカインの産生などを行い、免疫反応の司令塔的な役割をもつ。
本剤は薬剤毎の作用により、リンパ球に作用しT細胞からのサイトカイン産生を抑制したり、リンパ球の増殖に必要となる核酸(DNAなど)の合成を抑えることで免疫抑制作用をあらわす。
臓器などの移植後は移植した臓器などを免疫が異物として認識し、それを排除しようとする拒絶反応が働くため、本剤は移植後拒絶反応の抑制効果が期待できる。
また、例えば、関節リウマチではILやTNFαなど、炎症性腸疾患ではインターフェロンγなど、のサイトカインが起因となり症状が引き起こされるため、本剤の中にはこれらの自己免疫が深く関わる疾患(病態)の治療に使われるものもある。
主な副作用や注意点
感染症 細菌性、ウイルス性、真菌性などの感染症が発現又は増悪する可能性がある
腎障害 尿量が少なくなる、一時的に尿量が多くなる
血小板減少 手足に点状出血、あおあざができやすい
免疫抑制剤の新しい作用メカニズムの解明
−FKBP12は真菌のイソロイシン生合成酵素を抑制する−
放線菌が産生するタクロリムス(FK506)やラパマイシンは免疫抑制剤や難治性リンパ管疾患治療薬として利用されており、それらは細胞内のタンパク質FKBP12に結合して作用を発揮することが知られています。
FKBP12は真核生物に広く保存されていますが、その細胞内での本来の機能はあまりよく分かっていません。
東京大学大学院農学生命科学研究科の佐々木舞雪大学院生(研究当時)、西村慎一講師、吉田稔教授らは理化学研究所、京都大学と共同研究を行い、分裂酵母においてFKBP12はアミノ酸の一種であるスレオニンの脱アミノ化を触媒するTda1タンパク質の機能を抑制し、それによりイソロイシンの生合成を抑制することを明らかにしました。
イソロイシンの生合成経路はさまざまな因子により制御を受けることが知られていますが、FKBP12による抑制はこれまで知られていませんでした。この発見は、FKBP12がイソロイシンの生合成酵素の活性を制御する役割を持つことを示すとともに、真菌にとって重要なイソロイシン生合成経路をヒトは持たないことから、新しい抗真菌剤の開発にもつながることが期待されます。