メンタル体のメカニズム

心が先か、それとも、体が先か？

宇宙が膨張する時には、心が先で、宇宙が収縮する時には体が先！

心と体の２つが分かれて発生する理由

「道具」を使う度に、そこに「心と体」が霧のように立ち昇ります。

使うモノと使われるモノにスポットライトが当たるからです。

使うモノが「心」、使われるモノが「体」として。

主体の心が客体の体を使うからです。

目次

はじめに　　　　　　　　　　体　　　　　　　　31領域

一元論と二元論　　　　　　1000年のトレンド　　　心と体の歴史　　　哲学よりアニメ

科学と宗教は領域の違い　　　再現性　　　　仏教の区分　　　　　　

肉体に閉じ込められているメンタル体とは

脳の役割　　　　　　　　　　　脳は体の一部　　　　　肉体とメンタルのインターフェイス

肉体のメリット、デメリット

gandhabbaの性質や特徴　　

bhavaとgandhabba

31領域のメンタル体　　　　輪廻転生

人間と動物のメンタル体　　gandhabba

３つのカラダと５つのカラダ

gandhabba　　４つのカラダの詳細とメカニズム　　知覚　cittaの17ステップ

冥界での待機

経典におけるメンタル体の記述

コラム

輪廻とメンタル体

OBE　幽体離脱

上座部仏教の現状

マインドのストレス

はじめに

現代の映画やアニメには「体と心」を裏の主題にしたものが数多くあります。

たとえば、ブレードランナーやgoast in the shellでは、この２つの対立と調和についての考察が劇中に散りばめられています。

このエッセイのタイトルはこの２つをくっつけた「心の体」すなわち「メンタル体」です。

ここでは「体」を、密度の高い物質である肉体だけではなく、心の世界にも拡げていき、心が集まった塊をメンタル体として、解釈してみます。

ですからメンタル体とは、肉体とメンタル（心）の２つを足したものではなく、メンタルにもカタチがあるので、それも「体」と呼んで、「肉体」と「心の体」を一度分離させて、「心の体」の中身をいろいろと見てみようとする試み（こころみ、心見）です。

日常生活で体と言うと、目に見えるものなので、目に見えないメンタルなものに「体」というのはしっくりとこないのではないかとも想います。

でも、体やbodyという語句は日常生活の中で物質としてではなく、見えない形としても解釈されてよく使われてもいるので、肉眼で見えるほどに密度はないが、心の集まりのまとまったモノとしても把握されています。

たとえば、いま読まれている文字による概念（コンセプト、想saññā）の「文『体』」も、物質ではないけれども「カタチ」があるものの例です。

たとえば

自然体　　　　脱力して柔らか姿勢やその時の心構え

体を成す　　　まとまった形になる。形がととのう。

本体　　　　　事物の本質。作用の根源。

正体　　　　　表の奥にいる本性。

体がない　　　意地がない様子

てい（体）　　ありさま。すがた。様子。

風流曲三味線「有家もどうやら御聞出しなされたやうの、御家来の物語の体（タイ）でござるが」

かた（体）　　かたち。形式。きまり。形態。　　　　申楽談儀「音曲に、一句一句のたいをたがへんとて」

英語のbodyも、たとえばワインのbodyとは、ワインのコクや力強さ、重み、渋みといったものを表し、フルボディと言えばこれらが強いことを意味します。、

ライトボディは軽い体という意味なので、飲みやすさの目安にもなっています。

「メンタル体」はパーリ経典ではmanōmaya kayaと言います。

manōはマインド、mayaは構成される、 kayaは体、という意味です。

メンタル体は、「エネルギーの塊としてのカタチ」として考えると理解しやすいかもしれません。

まず、霊・魂・心・体の視点から見たこの1000年の歴史、そして現代では「心と体の二元論」が注目されている背景をざっと概観してみます。

霊・魂・心・体の区分の仕方

31領域	仏教用語	日本伝統	英語伝統	構成要素	宇宙学	物理学
0	涅槃			nibbāna	絶対零度	エネルギー0
28〜31	無色界	霊 魂	spirit（God）soul	Dhamma kalapa、gati	ダークエネルギー マイクロ波背景放射	宇宙の膨張力 偏り
12〜27	色界	心	mind	bhūta	ダークマター	重力
6〜11	欲界の天界	気	sublte　body	細かいdhātu	物質エネルギー	素粒子
5	欲界の人界	体	body	粗いdhātu	物質	物質
１〜4	欲界の苦界	地獄	hell	粗いdhātu	ブラックホール	高密度物質

31領域の宇宙観

1000年にわたる心と体の一元論と二元論　　

過去1000年における　霊・魂・心・体（spirit/soul/mind/body）に当てるスポットライト

	１・２元論	時代	イメージ	内容
1	霊魂の一元論	中世	神話	神が魂と心と体を創造する
2	霊と体の二元論	ルネッサンス	ダ・ヴィンチ	霊だけではなく体（物質）の重要性に光を
3	魂・心と体の二元論	17世紀	デカルト	霊については語る領域ではない　心に光を
4	心と体の二元論	18世紀	カント	魂については語る領域ではない　心を分析、
5	心の一元論	19世紀	マルクス	魂と心を混同して物で証明しようとする人たち
6	体の一元論	20世紀前半	機能主義	物（脳）で心を表現する物理学主義者たち
7	心と体の二元論	20世紀後半	都市生活者	魂の経験が少ない心で体を操る人たち
8	霊魂・心の一元論	21世紀？	仏教	心が体を生み出しているとする人。

1神話を子守唄として暮らしていた時代

2ルネッサンス　道具の時代　十字軍の敗北、大航海植民地時代、都市化、武器として理性　神と技術の分離

3デカルトが二元論を使った理由　　具体化することで起きたカトリックの廃退

4カントが霊魂をあきらめてマインドの分析と統合を謀った理由　　　ウィトゲンシュタイン

5固定した思想（心）から始めて、それを物質で証明しようとする人たち　　資本主義、共産主義、拡大主義

6二元論を否定する人たちの思考パターン　　無理な一元論を賛美する大脳中心主義者　　外に敵を作る学者

7現在のアニメなどの二元論がでてきたわけ　　道具（文明都市生活）に囲まれた生活者　　魂の叫び

8仏教の二元論は、実践としては心の一元論、理論としての５元論、阿羅漢は涅槃からの一元論

心と体の一元論と二元論

哲学よりもアニメ

「マインドと体の関係性」は古来からの人類のテーマです。

肉体には物理法則が適用されますが、ヒトは「認知する実体res cogitans」と呼ばれる非肉体があり、これが精神（心）mens, espritである、と350年以上前にルネ・デカルトが提案しました。

彼にとって、物理的空間の外側にある、無形の心と肉体はそれぞれに独自の領域があるので、２つを並べて関係性を考えることは「デカルト二元論」と呼ばれています。　

彼は、神（霊）の解釈が要因となる酷い戦争（カトリックとプロテスタント）の中で成長期を過ごし、戦争にも参加したために、まずは神の問題は棚上げして、戦争を起こしてしまう人間を分析することから始めました。

その結果、物質的な身体をコントロールする非物質的なマインドがあることを提案します。

「神の解釈」で悲惨な戦争が始まり、停戦が長きにわたりできなかったので、ヒトのマインドが肉体をコントロールしていると考えれば、神の問題ではなく、ヒトのマインドが整っていれば、論理的な解釈ができたり、戦争の解決にもつながる、と考えました。　

時代が求めた二元論　　　脳が忙しいと体は弱る　人間も自然の一部なのか？　　

16世紀以降は子守唄として神話を聞かなくなる人が増え、自分がどこからきてどこを目指し、何のために生きているのかという、自分の存在に確信ができなくなり、その答えを探し求める時代になりました。

そういう意味では、16世紀から20世紀は「人類の不安の時代」だと言うこともできます。

要因は都市化、大航海時代による搾取、武器としての理性、道具尊重、分析と統合、

言葉を変えると、合理性、消費者の選択、表層的言い訳、目に見える世界での再現性、法則重視、根源を創作、

測定できるものと再現性のあるものを基準にする、脳が心の主体であると信じる、物が意識を成立させていると

いう一面にスポットライトを当て続けることで、

逆に失っていくものは、自然の流れ、意識の深み、変化し続ける世界観です。

中世の基準であったメンタルの因果関係を、精霊やカミや魔術や錬金術などは迷信や寓話として扱ったために、生命体の基準をメンタルから始めることができなくなり、物質による再現性（科学的思考）に依存してしまったことに起因します。

これらの変革は「後から来た者たち」の逆転劇によるのですが、今回のテーマはメンタル体です。

近代から議論している問題は、「物質」から「メンタル」がどのように生じるか、つまり、物質的な脳でどのように思想や意識が生じるか、という片道切符の思考パターンです。

なぜこのような不思議な考え方が、流行したのでしょうか？

デカルトやカントの思想を作為的に読み間違えて、彼らのメンタル（精神esprits　や精神Geist　）の中の一番物質に近いところに位置する理性だけにスポットライトを当てて、他の「いのち」の部分を削除して、理性と肉体を結びつけて唯物論を構築して、科学の体系知だけを「学問」にして、それを基準にしてしまったことに起因します。

共産も社会も資本の思想も、いかにモノに影響を受けるかという一面的な影響を過剰一般化する被害妄想と、いかにモノに影響を与えるかというリベラルの理性優先の体系知でしかありません。

粗い物質から、微細な意識を把握することはできないので、精神が物質にいかにエネルギー転換したかという体系「智」は体感することはできません。

20世紀になって、この「心と体」の2つを並べるのはカテゴリー・ミスであると批判されました

第二次世界大戦が終わった4年後に1949年にGilbert Ryleが著書「The Concept of Mind」でデカルト二元論の概念をバカにして嘲笑して「機械の幽霊ghost in the machine」と呼びました。

その本で彼はデカルト二元論の棺に最後の釘を打った、として評価している知識人たちがいます。彼らは二元論が嫌いで、一元論にしないと、自分の専門性が揺らぐと無意識で考えているような人たちです。

Ryleはデカルト二元論を否定できたのではなく、18世紀以降に起きた物質とメンタルを対にする表層的な誤謬（構成要素が違うものを比較する）を指摘したに過ぎません。

デカルトはメンタルが身体を操作しているとし、Ryleの物質一元論は物質がメンタルに影響を与えていることにスポットライトを当てました。

Ryleにとっての「幽霊」とは、このエッセイではメンタル体のことであり、「機械」とはサイボーク化する肉体のことです。

20世紀は脳中心主義が強かった時代なので、心＝脳という解釈をして、心は脳の産出物として「脳と体」の二元論ですが、どちらも肉体であるので、すなわち脳によって心が生じる、という「体の一元論」で世界を捉えるようになりました。

しかし、デカルトたちのポイントは心と体の２つを分離させることで、心が体を操作している、という主張です。

神や霊について語ることで戦争が起きて、収まることがなかったので、「心」に希望をいだきました。

デカルトやカントたちは、敢えて神や魂の問題を回避して、物質と理性の領域だけにスポットライトを当てて体系知を構築し、そこを基準にして生きることを提案しました。

ところが、近代からの科学者をはじめ、教育者、そしてその生徒さんたちは、もはやこの「二元論」を真剣に受け止めるよりも、計測できる１つの原理でこの世界を理解することを好みました。

つまり、根本的に物質的であると主張する「物理的一元論」を採用したのです。

これが唯物論や物理学や医学です。そして矮小化した文学や芸術や哲学です。

「自己の精神」を放棄して、「モノという神」に丸投げすることを「崇高なる神の預定説」であると呼んで、他者に責任転嫁をした結果です。

そこから出てくる理念（たとえば、自由、平等、博愛や〇〇主義）などは単なる自己の本質を見ないための言い訳でしかなく、そのような実体のないものを基準にするにはファナティックにヒステリックになるしかありません。

ですから、終いには「平和の正義」のために戦争をはじめることになります。

これが唯物論の世界で生まれてくるリベラルの理性の正体です。

独裁者に侵略される国を援助するといって、武器を寄付して、戦争を長引かせるのが実情です。

これから考察していくメンタル体の性質を知ると、独裁者が侵略をはじめる必然性を知る契機になります。

戦後も加速度的に道具を使い続ける時代になったのでマジョリティー特に文明都市生活者にとって、専門家が好む一元論よりも、心が物質を使っているという二元論が各自の生活と思考のパターンにマッチしていると感じていました。

思想よりも実感です。

PC、モバイル、インターネット、車、電車、電気器具、どれも道具です。そのうちに言語（たとえば英語）も道具として扱う対象になりました。

道具を扱う時には、実際に体は二次的な役割を果たし、マインドは身体をコントロールしているので、機械の幽霊の喩えは、揶揄ではなく、実際に人間や動物の実情を表すのに適しています。

それを反映するコミックやアニメや映画が作られるようになりました。

鉄人28号、ジャイアント・ロボ、ガンダム、エヴァンゲリオン、goast in the shell、PSYCHO-PASS、

ブレードランナー、

どれも心が殻（体）を操作する話です。

そして、「その心が実は体（物質、データ、脳、インターネット、法則に準ずる意識回路）であった」もしくは「体はいのちによって成り立っていた」という「落ち」の作品群です。

パーリ経典中部　Aggivacchasutta　　Majjhima Nikāya 72には、

「いのちと体は同じである、もしくは、異なっている、と考えると苦しみになる」

とあります。

では具体的に心と体はどのような関係なのでしょうか？

そんな二元論を実際に体験したいという人々が現われはじめました。

たとえば幽体離脱OBE（out of body experience）体験です。

体外体験のメカニズムとメンタル体

「アストラルプロジェクション」すなわち「幽体離脱の体験」に関する文献や、肉体から浮かび上がる「幽霊の霧のような姿」の写真を見たことがあるでしょうか？

多くの人々が、通常、ストレスの多い状況でこの体外体験を経験しています。

最も一般的なのは、患者が手術を受けて意識不明になった場合ですが、後に患者が上から手術を見ることができた話ががいろいろと発表されています。これは、男性よりも女性に頻繁に起こるようです。

詳細はコラムにて

私たちの眼は、電磁スペクトルの中の390 nm〜700 nmというごくわずかな部分しか見ることができません。

人間の可聴範囲は一般に20〜20,000 Hzですが、個人によってかなり異なります。

現代の科学機器は、これらを拡張して、たとえば赤外線カメラなどで赤外線周波数を見ることができます。

ところが「ゴースト」（幽体離脱の主体）は、見るために光を必要とせず、聞くために空気を媒体とする音波を必要としない、というのです。

これはいったい、何者なのでしょうか？

脳がマインドではない理由　

科学では、脳内で信号が処理された後に、それをマインドがどのように理解するかについての説明ができていません。

たとえば、視覚では、大脳では「画像」は形成されていないのではないか、という議論は、Jeff Hawkinsの「In Intelligence」（2005）が参考になります。

哲学者コリン・マギンによる“mind body problem”に関する現在の理論に関する最近の記事です。

All machine and no ghost- McGinn-2012（クリックするとPDFを開きます）

トーマス・ネーゲルの著書「マインド＆コスモス：唯物論者のネオダーウィンの自然の概念がほぼ間違いなく間違っている理由“ (2012)」

Mind & Cosmos: Why the Materialist Neo-Darwinian Conception of Nature is Almost Certainly False”

はヒトの理論の組み立て方の粗さを指摘しています。

ロジャー・ペンローズとスチュワート・ハメロフは心脳問題と臨死体験の関連性について

「脳で生まれる意識は宇宙世界で生まれる素粒子より小さい物質であり、重力・空間・時間にとわれない性質を持つため、通常は脳に納まっている」が「体験者の心臓が止まると、意識は脳から出て拡散する。そこで体験者が蘇生した場合は意識は脳に戻り、体験者が蘇生しなければ意識情報は宇宙に在り続ける」あるいは「別の生命体と結び付いて生まれ変わるのかもしれない。」

とまで推測するまでに至った。

Rupert Sheldrakeによる「見つめられた感覚The Sense of Being Stared At」（2003、p.12）では、肉眼と大脳では「距離を判断」できない、と考えています。

しかし、私たちの目は同時に多くのものを見ることができ、すべてのものの相対的な距離を判断できます。

この能力は目や脳にはなく、メンタル体のpasāda rūpa（純粋エネルギー）にある、と提案するのがこのエッセイです。

私たちには「意識」があることには間違いがありません。

ではこの意識は肉体によって構成されているのでしょうか？

もしかすれば「意識体」というものがあって、そこが知覚のセンターなのでしょうか？

それとも他の何かが意識を構成しているのでしょうか？

まずは対象の範囲を決めてから、話をすすめていきます。

宗教と科学の対象の相違点　　再現性

科学でメンタル体を扱わないのはそれは科学の対象の外にあるためです。

科学の基準の１つは、現象の再現性がだれにでもどこにでもあることです。

対して、仏教の基準の１つは、現象は変化し続けており、2度と再現しない唯一のものである、と捉えることです。

こうしてパターン回路を基準としてこの宇宙を解釈しようとする科学と

それらのパターン回路を除去してはじめて、宇宙が変化し続けるエネルギーとして理解する仏教とは、

同じものを見てもスポットライトを当てるところの違いがあるので、お互いに補完する関係であっても、対立する関係ではありません。

このエッセイでは、「幽霊goast」すなわちmanōmaya kaya（メンタル体）は

メンタル体という意識エネルギーのことであり、物質エネルギーと相互作用しているので、物質ともエネルギー変換できる関係性があることを、パーリ経典の三蔵や体験を通して説明を試みます。

Buddha Dhamma（仏教）では、これを「ゴースト」ではなくメンタル体、ヒトの場合は「gandhabba」と呼びます。

そして、このメンタル体はデカルトのゴーストとは異なり、gandhabbaには物質エネルギーの痕跡があります。

E＝mc²のとおり、エネルギーには物質の痕跡があるように。

マインド（意識）・エネルギーと物質は相互に関連しているので近くから見ればエネルギー交換をしていますが、遠くから見ればお互いに独立しています。

視点（距離、温度、場所、気分、領域）が変われば、スポットライトも変わるので、それに応じて見える対象の性質も変化します。

肉体以外にメンタル体がある、と仏教では説くので、これだけを聞くと仏教の概念は二元論のように聞こえます。

しかし、釈尊の世界観は上にあげた映画やアニメや科学者や哲学者の心（メンタル）の捉え方とはまったく異なります。

確かにマインド（心）と身体は相互に依存しながらも独立していますが、仏教では「メンタル一元論」として解釈しています。

つまり、「私たちの世界は根本的にメンタル」である、という主張です。

これが「pubbē anunussutēsu dhammēsu」すなわち、「世に知られていないDhamma（宇宙法則）である」と釈尊が説いた理由です。

この釈尊のメンタル一元論は、マインドはエネルギーであり、それが凝縮したものが物質エネルギー、そして物質になるので、すべてはマインドに還元されるので、マインドにある汚れ（余分な自動反応回路）を掃除することが、誤解を生み続けることで生じる苦しみを取り除くことができる唯一の方法だと説きます。

そしてこの意識エネルギーは魂エネルギーによって成り立ち、その魂エネルギーは普遍エネルギーによって、成り立ち、その普遍エネルギーはエネルギーが０の涅槃によって成り立つ、というのが仏教なので物質・心・魂・霊・涅槃の5元論とも言えます。

また、この世に生きる目的は、エネルギーのある世界から離脱して、エネルギーが０の世界に移行するために訓練を積み重ねることである、とするので、解脱者（阿羅漢）にとっては涅槃による一元論だということもできます。

ですから、現代哲学者が提案した「メンタル的一元論」すなわちidealism観念論と仏教の一元論も違います。

idealismは、物質的なものは単なる幻想的な想像だと主張しますが、物理的な世界は非常に現実的です。

ただ、その一時的な性質のためにメンタルの幸福を永続的に提供できないというだけです。

肉体に閉じ込められたメンタル体　　　　　肉体をコントロールするメンタル体とは

まずは、見えないメンタル体は重量のある肉体をどのようにして動かすことができるのでしょうか？

カラシナの種５粒の重量しかないと言われるメンタル体（gandhabba）が重い肉体を動かすことができるのは、

完全に密閉された戦車の内側にいるオペレーターが戦車をコントロールしているようなものです。

オペレーターは車内のコンピューターを操作して、移動の方向や速度をコントロールします。

戦車を動かす実際のエネルギーは、車に貯蔵されているオイル燃料です。

これは、戦車が肉体、戦車のコンピューターが脳、オペレーターがメンタル体、オイル燃料が食料という喩えです。

メンタル体（gandhabba）は、意図する身体の動きを脳に指示するマインドなので、脳ではありません。

gandhabbaに必要な少量のエネルギーは、人間のbhavaが持つカルマ・エネルギーです。

bhavaとは、枠組の中にあるエネルギーの塊で、その中に、魂エネルギーと意識エネルギーと物質エネルギーが充填されています。

たとえば、植物の種は条件が整うと根と芽を出して、やがて消滅しますが、この種の機能をもつbhavaは条件が揃うと、エネルギーの塊がカタチとして具象化します。

私説ですが、カルマ・エネルギーとはマインドが作成した原子よりも遥かに極小で微細なプロペラで、これに普遍エネルギーのdhammaが推力となってスピンしているのが力の源泉です。

これが生命流動体として、エネルギー転換しているのが宇宙の誕生と消滅の繰り返しだと仮説しています。

上記のアナロジーでは、オペレーターは外界から完全に遮断されています。

戦車に取り付けられたオーディオおよびビデオ機器を介してのみオペレーターは外部環境を視聴覚できます。

たとえば、ビデオカメラが捉えた対象はビデオ信号として車内コンピューターに送られ、それが変換されて車内モニターに表示され、オペレーターはそれを分析して認識します。

同様に、私たちの肉眼は脳に信号を送り、脳はそれを分析しイメージ化して、内部のgandhabba（メンタル体）によって「見える」すなわち理解できるカタチ（メンタル界の概念saññā）に変換して、送信します。

身体の中に閉じ込められているgandhabbaに情報を伝える脳は、戦車のコンピューターにあたります。

現代の脳科学者の多くは、脳は情報処理機能を持つ器官とするだけではなく、「認識する本体」だと考えているので、メンタル体の存在を考えることはありません。

私たちの記憶、将来の計画などのすべてのメンタルなモノは「メンタル界」にありますが、もちろん見ることはできません。それらはまとめてdhammaと三蔵では呼ばれます。

Dhammaは多層（無色界の普遍エネルギー、色界の意識エネルギー、欲界の概念エネルギー）にわたるので、意味も内容も違うものに見えるかもしれませんが、同じものが構成する規模が変わることで別物に見えます。

たとえば、光が素粒子レベルでは粒子であり、物質エネルギーレベルでは電磁波であり、意識レベルでは重力エネルギーであり、宇宙空間では重力を持たない膨張力エネルギーであるように。

意識エネルギーが重力エネルギーであるというのには納得されないと想うので、少しずつ説明していきます。

意識と量子エネルギー　　　量子脳理論　意識には量子力学の性質がある　Quantum consciousness

物理学者の目指す万物の理論ToE　　　　重力と意識エネルギーの関係性

この文脈でのdhammaは、色界の意識エネルギーで構成されているもので、記憶や想像などのイメージを構成するものです。

イメージは脳内のmana indriya（意識感覚器官）が感知した後に情報処理をして、メンタル体であるgandhabbaに伝達されます。

これが6番目の感覚入力器官（見るための目、聞くための耳などのような、「知る」ための脳内器官）であり、まだ現代科学によって特定されてはいない脳内の物理的器官です。

意識（メンタル）エネルギー界manō　lōkaと物質エネルギー界rūpa lōkaとは共存しています。

構成しているエネルギーが「微細・粗い」の違いがありますが、どちらもエネルギーです。

manōmaya kaya（gandhabba）が肉体と重なり合うと、物理的な眼と耳、そして光子と空気の助けを借りて「見る」ことと「聞く」ができるようになります。

それは戦車の中にいるオペレーターが、戦車に取り付けられたセンサーを使用して、外で何が起こっているのかを認識しているように。

「見る」ことは肉眼の助けを借りて機能します。肉眼はカメラのレンズのようなもので、脳はその画像を処理し、それをメンタル体のcakkhu pasāda rūpa（視覚純粋エネルギー）に送ります。このように、目と耳は、戦車に取り付けられたセンサーです。

したがって、物理的な目と耳が劣化するにつれて、老年期には見る能力と聞く能力も低下します。

脳は、戦車に取り付けられたセンサーを介して入力される信号を処理する車内コンピューターのようなものなので、これら3つの「物理的器具」（脳、目、耳）のいずれかに損傷や老朽があると、意思、見る、聞くの能力が低下または失われる可能性があります。

脳の役割　　肉体とメンタル体（gandhabba）との間のインターフェース

gandhabbaは肉体の内部にいる時は、肉体を介して外界と相互作用します。

人間の脳は最初に（目、耳などの感覚器官を介して）「物理的感覚」から来る信号を処理します。

脳はその情報をメンタル体のgandhabbaの中にある5つのpasada rupa（純粋エネルギー）に送信します。

これらのpasada rupa は、その情報を隣に位置しているgandhabbaのhadaya vatthu（マインドの座）に渡します。

マインドではなく「マインドの座」としているのは、マインドには10段階の意識の層があり、そのどれか１つがその座にいるので、マインドとしてしまうと、私たちがこの瞬間に使っている表層意識だけかと誤解されてしまう傾向があるので、10段階ある意識の「場」ということで、「マインドの座」としています。

次からは簡略して単にマインドとします。

10段階の意識のレベル

これらの物理的感覚入力とメンタル体の5つのpasada rupaの間の仲介として機能するのが脳です。

最初に、目、耳、舌、鼻、身体から入力される感覚入力信号は、大脳の特定の感覚野の領域に送られます。

これは、過去100年にわたって科学者によって研究されてきましたが、脳が信号を処理した後に、どのようにそれらを私たちが理解するかについては科学では未だ解明されていません。

肉体とメンタル体を結ぶ脳

citta （意思）が生じるマインドは、肉体である脳ではなく、メンタル体のhadaya vatthuにあります。

vatthuとは土台となる基礎という意味です。

つまり、科学者が信じていることとは違って、仏法ではマインドは脳の中にありません。

gandhabbaは微細な体を持ち、私たちが通常考える意味での「体」ではなく、肉体と重なる「エネルギー場」のようなものです。

メンタル界のhadaya vatthuは、肉体の心臓に重なっています。

たとえば、大事な人が亡くなったり、失恋したり、トラウマに残るようなニュースを聞くと、頭ではなく心臓のあたりに燃えるような感覚を感じます。

「恋人との別れ話で、頭が燃えるように感じた」という話は聞きません。痛みや熱を感じるのは心臓のあたりです。

漢字で「思」は田と心からなりますが、田は頭頂から見た脳（前後左右の4分割）を表し、心は心臓を表しています。

心で感じたことを脳で解釈することが「思う」です。

またキリスト教文化圏でもマインドは脳ではなくハートであるとされていました。

一方で、五感を使いすぎたり、難しい問題を真剣に考えたりするとき、頭が痛くなります。

そのような状況では、自分の思い込みと情報の間に矛盾があり、脳が通常よりも多くの処理を続けるためです。

また、映画を見ている時には眼（cakkhu indriya）と耳（sota indriya）からの感覚入力を処理して、マインドに送るフォーマットに変換するので、脳は働きすぎになることがあります。

したがって、可能性の選択肢の多い問題を考えるとき、脳内器官のmana indriyaは激しく働くことになります。

将棋の羽生永世名人は大事な一局の時には１日で体重が2キロ減るとインタビューで答えていました。

肉体は一時的な殻

肉体のメリットとデメリット

肉体のメリットは５感覚器官による享楽を体験できることです。

特に、臭い、食べること、触れること（たとえばセックス）には密度のある肉体が必要です。

しかし感覚の楽しを得るために必要な肉体は、さまざまな種類の苦しみが発生します。

肉体の苦しみというデメリットは、この喜びを得るために支払う代償です。

肉体は癌などの病気を発症する可能性があります。また、身体の一部が破損したり、負傷したりする可能性があります。

そして、肉体は50年あたりからは「崩壊モード」になり、感覚の喜びは減少し始め、長くても100年前後の寿命で最終的に身体は崩壊します。

Brahmā やDevāは肉体的な病気に苦しむことはありません。それらの微細な体は肉体のように破損したり劣化しやすいものではなく、長く維持することができるので、中間的なgandhabbaを使って「転生」する必要さえもありません。

もう1つのデメリットは、肉体的な脳がメンタルのjavana citta（一連の17ステップの認識プロセス心路citta vithiの9番目から15番目にある、知覚を形成する機能）の処理時間を遅らせることです。

脳内の「信号処理」は、メンタル体のhadaya vatthuでの「知る機能」よりもはるかに遅いためです。

後に、認識プロセスでこのメカニズムを詳解します。

肉体は一時的な避難所にすぎない

肉体はgandhabbaの一時的な「居住地」で、最終的に崩壊するので、新しい「居住地」を見つける必要があります。

私たちの日常生活の体験が習慣パターンgatiと望みāsāvasというカタチになり、それらのパターンが「わたし」、すなわちgandhabbaの唯一性すなわち個性（パーソナリティ）を確立しています。

これはgandhabbaは自身の習慣を変える力がある、ということです。

gandhabbaについて学ぶことの大きな利点の1つは、「自分の肉体は「わたし」である」という誤った見解を取り除くのに役立つことです。

肉体は「自分」であるどころか、gandhabbaが切望している「感覚の喜び」を体験するために使用する一時的な避難所でしかありません。

どの生命体もメンタル体があり、それが無意識の内に作成している習性と渇望が次に転生するbhavaに影響を与え、bhavaが移行する時には劇的に変化します。

たとえば、しばらくの間は人間のbhavaにいる可能性がありますが、次のbhavaは苦界apāyasになる可能性もあります。

このようにbhavaという長い期間の視点にたてば、私たちの肉体には、「私のもの」とみなすに値するものは何もありません。

肉体は丁寧に大事に扱う道具、もしくは大切に使わせていただく借り物、とも言えます。

メンタル体の性質や特徴

認知機能

寿命

転生

直接のコミュニケーション

渇望

操作コントロール

認知機能はgandhabbaにある

肉体は微細なエネルギー体であるgandhabbaの感覚系認知機能を保護しています。

gandhabbaにはすべての感覚機能がありますが、「外部感覚信号」は肉体の眼、耳、鼻、舌、身体、脳内のmana indriyaを介して感知する必要があります。

gandhabbaは「密な体」を持たないため、具体的なものを食べたり触ったりすることはできません。

粗い粒子（光子の粒子、空気振動、味の粒子、香の粒子、圧力）の信号を微細エネルギーで構成されている

gandhabbaは感知できないからです。

私たちは

体（kāya）で最も密度の高い物質の感触（pottabba）を知ります。

舌（jivha）で少し密度が低い分子結合の味（rasa）を味わいます。　

鼻（ghāna）でもう少し密度の低い粒子（gandha）の匂いを嗅ぎます。　

耳（sota）で空気中を伝播する振動（sadda）を聞きます。　

目（cakkhu）空間（varna）を伝播する光子の助けを借りてイメージ（rūpa）を見ます。

脳（mana indriya ）で意識エネルギー（dhammā）を感知します。

しかし、gandhabbaは光子や空気振動の媒体がなくても、普遍エネルギーdhammaを媒体として、メンタル界の微細視聴覚器官（エネルギー体という方がイメージしやすいかと想います）を使って見ることも聞くこともできます。

しかし、私たちはこの微細視聴覚器官を使用する訓練を日常生活でしていないので、幽体離脱やOBEなどの経験をしないと、これらの機能があることに気づくことはあまりありません。

脳が感知するdhammāとは固体物質ではなく、単なるエネルギーです。

Dhammaは無色界では普遍エネルギー、色界では意識エネルギー、欲界では概念法則という多層にわたり異なる特徴がありますが、この文脈では色界の意識エネルギーで構成された過去の記憶や未来の計画の構成要素です。

他の5種類のrūpaはすべてスペースを占有する物質エネルギーなので物質世界にありますが、このdhammaは意識エネルギーです。

したがって色rūpaの翻訳は「物質」や「物質エネルギー」よりも「エネルギー」のほうが適しています。

ただ無色界というように、色rūpaを否定する領域があることから分かるように、正確に言うと、色rūpaは宇宙の普遍的なdhammaエネルギーは含まないので、重力を持つエネルギーのことを色rūpaと訳するのがいいかもしれません。

意外かもしれませんが、重力を持つエネルギーとは、意識エネルギーが含まれます。

またダークマターも重力を持つエネルギーです。　

意識が重力を持つという実験方法は？　　タコの変体、カッコウの托卵、ヒトの祈り、ヤングの2重スリット干渉実験

私説では、意識が物質エネルギーや物質に影響を与えている結果があれば、物質エネルギーは重力があるので、それに関わる意識エネルギーも重力と関連していること、つまり重力とエネルギー交換ができることがわかる。

ヤングの２重スリット実験を改良して、観察という意識エネルギーの放射により、光の波動が粒子になるので、回析と干渉が起こらなくなる。

gandhabbaの意識エネルギーと物質の関連性

意識の仕方には３つのパターンがあるのだが、自動反応回路を使った認識はその出力にエネルギーが集積して、無色界のgati、色界の行sankhāra、欲界の思考パターンの概念が生み出されます。

識viññānaと識蘊viññānakkhandha

そして、このような意識エネルギーが充満して、凝縮することで、物質エネルギーになります。

そして物質エネルギーが充満して、凝縮すると、物質になります。

31領域	エネルギー	構成単位	特徴
無色界	普遍エネルギー	Dhamma	ダークエネルギー、膨張力、命の元
色界	重力エネルギー	bhūta	重力がある　　　ダークマター、意識
欲界　天界	物質エネルギー	細かいdhātu	電気　強い力
欲界　人間界	物質	粗いdhātu

gandhabbaの寿命

肉体の寿命とメンタル体（gandhabba）の寿命には大きな違いがあります。

人間のbhavaにカルマ・エネルギーが残っている場合は、肉体が死ぬとgandhabbaは死体から出てきて、適切な子宮が再び入って新しい人体を作れるように、待機します。

このプロセスは、１つの人間のbhavaの間に何度も発生する可能性があります。

その度にgandhabbaは異なる物理的な体を取得します。

転生の瞬間cuti-patisandhi（cutiは死去、patiは絆、sandhiは参加を意味するので、patisandhiは古いものの終わりに新しい人生に参加するリンクを意味します）に生成される人間のgandhabbaはおそらく数百から数千年の間にわたって生きることができます。

したがって、短命の肉体よりも長命のメンタル体（gandhabba）の幸福に焦点を当てる方が長い目で見れば理にかなっています。

各領域への転生の特徴

ānantāriya papa kammaとは、（ 'an'（なし） 'antara'（間隔）papa悪行、kamma　原因）、死んだらすぐに苦界に転生する悪行のことです。

たとえば、親を殺すような悪行を犯すことは、死んだ肉体から出てくるgandhabbaは、その強い因果関係kamma vipakaのため、人間のbhavaを維持することができなくなり、cuti-patisandhiの後に、その強いkammaに適した苦界apāyaで瞬時に転生する原因になります。

もしある人がariyas（４段階ある涅槃への道）もしくは色界禅定anāriya jhānaを育んでいると、カルマ・エネルギーによって、残りの人間界での転生をスキップして、（達成した最高の禅定jhānic状態に対応する）天界か色界か無色界の生命体brahmaに転生します。

しかし、色界禅定anāriya jhānasを介してbrahmaの領域に転生した者は、そのbhavaのエネルギーがなくなると、その後は人間界もしくはもっと低い領域界に戻ることになります。

対して、聖なる禅定āriya jhānasに到達した預流果Sotapannaを始めとした四向四果の聖人ariyaは、欲界（感覚界）kama lōkaに戻ることはありません。

聖なる禅定āriyajhānasに達していない預流果Sotapannaと一還果Sakadagamiは、人間界（または天界dēva）の領域に転生します。

これは阿羅漢に人間のbhavaのカルマ・エネルギーが残っていても、輪廻転生をしない理由でもあります。

阿羅漢の考え方（この世に未練がないこと）に肉体が「耐えられず」に、直ちにcuti-patisandhi の瞬間を迎えたとしても、阿羅漢の死の直後に肉体から出てくるgandhabbaは、いかなる新しいbhavaをつかまえる願望がすでにないのでどの領域にも転生することはありません。

上記のように、人間のbhavaが急に終了するという場合は、水に浸されていた加熱コイルが外に取り出されることに譬えられます。加熱コイルが水中にある限りは、自身の熱に耐えれれますが、コイルは水から出るとすぐに燃え尽きます。メンタル体が熱をもってしまっていても肉体には「耐える」ことができるという独特な能力があります。

aniccāを体感するとメンタル体を大切にする

aniccaは無常と訳されますが、５感覚器官で捉えれる現象世界と自分の心は変化し続けているので、それらに関するすべてのことは、望みが長続きするものではない、というこの世の性質を深く実感することです。

aniccaの性質を実感する1つの方法は、自分の肉体を「集中の対象」にすることで、肉体にあるaniccaの性質を見続けることで、「将来の幸せな生活」を期待する無益さを理解することです。

身体を良好な状態に保つには、適切な食事と運動が不可欠ですが、それでもこの身体は約100年しか持続せず、その後半部分では予期せぬ身体の病気で負担がかかる可能性が高まります。

そのように認識できると、限界の見えている肉体の改善だけではなく、長期にわたるメンタル体（gandhabba）の状態を改善しようとする必要を感じ、良いgati（習慣パターン）を培い、悪いgatiを取り除くようになります。

直接のコミュニケーション

gandhabbaは肉体の外では、どのように見えたり聞こえたりするのでしょうか？

人間（および動物）の領域でのみ、人間は文字と音声と身体のジェスチャーなどを介してコミュニケーション（意思伝達）します。

他の領域の生命体は意識エネルギーの五蘊（pancakkhandha）の1つであるイメージ（saññā）を介して直接に意思疎通をします。

すべての生命体が他のすべての生命体と通信できるわけではありませんが（可能な場合は各領域によって異なります）、可能な場合は、意識エネルギーのイメージ（saññā）を介して意思伝達が行われます。

saññāは、洗った洗濯物を収納する引き出しのようなもので、学習することで、引き出しの数は増えます。

想saññāと想蘊saññākkhandha

gandhabbaは色界や無色界の生命体brahmaと同じように、味、そして体の接触を感知することはできませんが、肉体の外にいるときには、脳の助けなしでsaññāを直接に見て、聞いて、把握することができます。

この経験は、夢の中の経験に似ています。

夢の中では、聞くために耳を使いません。

夢の中では、他の人が言うことを「知覚」するだけです。

これはgandhabbaが肉体の外でどのように音を聞きているのかに最も近い喩えです。

見ることも同じです。夢の中では眼を使って見ることはしません。

私たちが夢を見るとき、私たちの眼は閉じています。

聞くことも見ることもマインドで直接にしています。

実際にこれは通智abhiññā（強力な智）の力を持つ人々（近い前世でそのようなabhiññāの力の習慣パターンgatiがある人）が他の領域の存在と意思伝達する方法です。

gandhabbaが肉体の外にいる時には、脳や目や耳を使わずに見たり聞いたりすることができ、他の存在の意思を直接に把握することができます。

gandhabbas、そして31領域のほとんどの生命体はsaññāを介してコミュニケーションを取ります。

私たちが使用している言語という意味では、gandhabbasには言語はありません。

メンタル体の渇望

人間界とdēva界では知覚できる匂い、味、そして体の感触があるので、これらの感覚の喜びを楽しむためにも、私たちは自分自身の肉体を切望しています。

本人は気がついていなくても、そうであるから肉体をもってこの世に存在している、ということもできます。

しかし、gandhabbaは最も切望している食事やセックスなどの密な身体によってしか得ることができない感覚の喜びを享受できないために、常にストレスにさらされています。

gandhabbaは感覚の喜びを楽しんでいる人々を見ていますが、自分自身は「本当の物質的身体」を獲得することができないことに非常に強い不満を感じています。

適切な受精卵と融合できなければ、何年にも渡ってこの状態にとどまることになります。

さらに、メンタル体が肉体の中に閉じ込められる、すなわち囚われている時には、外部の物体を直接に見たり、外部の音を直接に聞いたり、dhamma（意識エネルギー）を直に把握したりすることができません。

したがって、6つの感覚入力を脳で処理して、閉じ込められたメンタル体（gandhabba）が把握できる形式（saññā）に変換する必要があるのですが、その脳処理が杜撰（思い込み、決めつけ、偏見、誤謬、編集、過去の学習によるパターン依存）なので、ストレスになります。

嗅覚、味覚、身体の触覚は、上位20の領域（色界と無色界）の生命体（brahma）は利用できません。

それらの生命体の本体も、私たちのgandhabbaと同じメンタル体です。

gandhabbaを操作する

六神通の力を持つ人々は、gandhabbaを肉体から自由に動かすことができます。

近い前世で六神通の力を育むことにより、メンタル体を確実にコントロールできていなくても、gandhabbaを自由に動かすことができる人もいます。

たとえば、天井に浮かんで、ベッドに横たわっている自分の肉体を見ることができる人もいます。

さらに、心臓手術の最中にgandhabbaが出てきて、自分の手術を上から観察し、後で手術の詳細を話す例もあります。

ブッダ（および神通力iddhi balaを持つ人）がmanōmayakaya（gandhabba）で天界dēva もしくは色界・無色界brahmalōkaに移動して肉体を残した場合でも肉体は死なないのは、生命器官エネルギーrūpa jivitindriyaによって生かされているからです。

戻ったmanōmaya kayaは肉体に再び入ることができます。

私説ではこのエネルギーはプロペラのようなカタチをしており、普遍エネルギーの力によって回転し続けることで、生命機能を維持しています。

9段階の中の第4禅定に到達した人々は、manōmaya kayaを肉体から分離し、そのmanōmaya kayaとともに遠くまで移動できる神通力を育むことができる、と言われています。

釈尊は、剣を鞘から引き抜くことができるように、神通力を持つ者はgandhabba（Tirōkuddhaとも呼ばれる）

を肉体から引き抜くことができると説きました。

出典？　

さらに、gandhabbaは非常に速く「移動」でき、神通力iddhiを持つ釈尊や阿羅漢が天界や色界に移動する時間は「曲がった腕を伸ばす」瞬間である、と経典にあります。　出典？

　

余談ですが、神通の力を持っている人の中には、肉体を伴って移動する人もいます。

これには、この話とは別のメカニズムが含まれます。

今日でも、肉体からメンタル体を切り離すことができ、非常に短い時間で遠くの場所に行くことが報告されています。

これは、今日ではアストラル旅行と呼ばれているので、ウィキペディアのAstral projectionを参照してください。

実際、gandhabbaはそこで説明されている「アストラル体」と同じです。

例えばRobert Monroe（1992）の“Journeys Out of the Body: The Classic Work on Out-of-Body Experience”を参照してください。2つの続編や、他の人による本もあります。それらの本の少なくともいくつかの話は上記のgandhabbaのメカニズムと一致しています。

さらにgandhabbaはストレスの多い状況下で、特に心臓手術中に、肉体から出てくることがあります。

心臓専門医によるこのような多くの説明は、Pim van Lommel（2010）の著書“Consciousness Beyond Life”にも記述されています。

bhavaとgandhabba

bhavaは日本仏教では「存在」や「有」と訳されていますが、その意味を語っている僧はあまりいません。

bhavaとは宇宙エネルギーを31に分割した領域にいる生命体のことで、この生命体は、枠内に充満しているエネルギーのことで、そこに魂と心と物質エネルギーが共にあります。

ここでの魂とは感覚、感情、思考などのこれまでの習慣パターンや願望のことであり、

心とは「知る」機能のことです。

つまり、bhavaとは肉体を持たないエネルギー生命体のことです。

いろいろな解釈がありますが、ミャンマーの仏教辞典では[bhū+a+hi] →bhavaというものもあり、

[bhū生命+a前置詞+hi本質]で生命の本質、という意味です。

単一の「人間のbhava」すなわち「人間界のエネルギー生命体」はgandhabbaとして1〜数百の異なる肉体を次々と転生して、生き続けます。

「人間のbhava」のエネルギーが使い果たされると、最後の心路citta vithiで新しい「bhava」への移行が起こります。

そして、新しいbhavaのための新しいmanōmaya kayaがその最後のcitta vithi内に形成され、そのcitta vithiの終わりに、新しい生命体に対応する新しいmanōmaya kayaが死体から出てきます。

そのメンタル体は31領域で新しいbhavaを獲得する可能性があります。

それがdēvaである場合、新しいdēvaは瞬時に天界dēva lokaに顕出します（生まれます）。

犬のような動物の場合には、犬の形に似たmanōmaya kaya（すなわちgandhabba）が死体から出てきて、適切な「犬の子宮」が利用可能になるまで待機します。

地球の成分から肉体を構成しない29の領域での出生は瞬時に起こります。

つまり、完全に形成されたメンタル体は、前世の死の瞬間に顕現します。

適切な子宮を待つ必要があるgandhabba中間状態（現代のアナロジーでは「ゴースト」）は、人間と動物の領域の誕生のみにあります。

Gandhabba（Kammaja Kaya）は、人間界の転生で何千年も続くことも

人間と動物の領域の転生は、他の領域とは少し違うプロセスが行われます。

人間界でも、天界や色界の生命体のようにcuti-patisandhi（死去） の瞬間に微細なエネルギー体を持つ生命体が生成され、これがgandhabbaと呼ばれます。

gandhabbaの概念は、１つの人間のbhavaが、物理的には異なる身体で何度も生まれ変わるメカニズムを理解するために不可欠です。

人間のbhava（枠内にあるエネルギー体）は数千年続くこともあります。

１つの存在bhavaで一度だけ生まれるdevasやbrahmasとは異なり、私たち人間は別の領域に切り替える前に人間界に何度も生まれ変わって転生します。

gandhabbaは、適切な子宮が利用できまるで長年にわたってその状態でいる可能性があります。

適切な子宮（より正確には、その時点での母親のメンタル状態）はgandhabbaのgatiに一致する必要があります。

gandhabbaは受精卵に融合し、10ヶ月後には子宮から出て、新しい乳児として生まれ、成長し、そして最終的にはその肉体は死ぬことになります。

bhavaのカルマ・エネルギールギーが残っている場合は、gandhabbaはその死体を離れて次の子宮を待ちます。そのプロセスはbhavaのエネルギーが使い果たされるまで続き、次にcuti-patisandhi の瞬間を経て新しいbhavaを受け取ります。

卵を産む動物のgandhabbaは子宮ではなく、雌の卵に入ります。

完全な動物に成長して肉体が死ぬとgandhabbaが出てきて、次の別の卵を待ちます。

gandhabbaの肉体への影響　　　

なぜ連続している転生なのに肉体は異なって見えるのか？。

それは同じbhava内で転生する肉体は、新しい両親の影響が2/3を占めるからです。

gandhabbaは前世の生活によるgati（習慣パターン）、āsāvas（渇望）、kilēsa（メンタル的不純の回路）などのメンタル的要素だけではなく、肉体の設計図もkammaja kāyaと呼ばれる構成要素の中にあるので、転生先の新たな人生に持ち込むことになります。

しかし、gandhabbaは新しい両親の受精卵（父１，母１）に融合するので、gandhabbaの持つ肉体の設計図が新しい肉体における影響力は1/3にとどまるからです。

いくつかの際立った特徴（例えば、転生話にあるような母斑や銃創など）を保持する場合がありますが、新しい親からも新しい特徴（肌の色、サイズなどのDNA）を取得します。

したがって、DNAは両親、設計図はgandhabbaの担当となります。

この理由から連続した2つの生命の身体のDNAは異なることになります。

また、性格などのメンタル的特徴が両親と似ているのは、通常ではgandhabbaは同様のgati（特に母親）を持つ親の元、に転生するからです。

gandhabbaは受精卵をつかんでも、何らかの理由でそこにとどまることができず、出てくることがあります。

これが妊娠の失敗となる流産です。

これは主に、子宮の母親の「gati」と不一致であることが判明したからだ、と言われています。

これが「この世界」と「冥界para lōka」の間を行き来するgandhabbaの様子です。

manōmaya kaya（gandhabba）が連続した（しかし時間的にはギャップのある）肉体を継承するメカニズムを理解すると、多くの転生物語の特徴が説明できます。

生まれ変わりの物語では、連続した人間の誕生（jati）の間に常に「時間のギャップ」があります。

それらは常に何年も、通常は少なくとも数年離れています。

その流動生命体（変化し続けるメンタル体であるgandhabba）は、連続した人生の間では肉体のないgandhabbaとして生きています。

死体から出たgandhabbaは、死んだ人の「微細な霧状の本質」です。

ほとんどの場合、gandhabbaは死ぬときに着ていた服の痕跡を残して出てきて、新しい子宮に入るまでそのように（幽霊のような霧状のカタチで）見えるという物語がよくあります。

ほとんどの転生物語では、前世の生活が事故や殺害などで予期せずに終了しています。そのため、その人のbhavaのカルマ・エネルギーは使い果たされておらず、gandhabbaは死体から出て、別の子宮が入るまでを待機することになります。

釈尊はVacchagottaにgandhabbaは執着tanha（名前、血筋、見解） を食料aharaとすることで、生き延びていると語りました。

Tevijjavacchasutta Majjhima Nikāya 71

また、gandhabba （gandh香＋abba取得）は名前の由来どおり、植物や果物などから香りを「吸い込む」こともできます。

gandhabbaは誕生した時と深い経験を経て死ぬ時では、大きく変化します。

つまりある死体から出てくるgandhabbaは、誕生した時の元のgandhabbaとは異なります。

gandhabbaにはカルマ・エネルギー、意識エネルギー、物質エネルギーの3つの構成要素（thrijakāya）があります。

それぞれはKammaja Kaya、cittaja kāya、utuja kayaと呼ばれる魂、心、体のエネルギーのことですが、魂には「カルマの種」という設計図のパターンが一杯詰まっていますが、「不変の実体」や「永遠の自己」のことではありません。

そして、この設計図の機能（Kammaja Kaya）はbhavaにエネルギーがある限り、継続します。

メンタル体の変化はその中にあるkammaja kāyaが原因です。

つまり、その人が育んだabhisankhara（強い自動反応回路すなわちカルマの種）が原因でgandhabbaは誕生と死の間では、カルマの種による経験によって変化します。

対して、人間のbhavaのカルマ・エネルギーは少しずつ枯渇しますが、bhava自体は変化しません。

cuti-patisandhi（死と再生の瞬間） の瞬間に1000年分のカルマ・エネルギーがあったとすれば、それは時間とともに枯渇していくだけでbhava自体の性質の変化ではありません。

死とは肉体の死のことです。

gandhabbaはその死体から出てきて、新しい子宮を待ち、新しい肉体の中で生きます。

釈尊のbhava体験

釈尊が覚りに至った夜に、始めてcutūpapāda ñānaを理解したとされています。出典？

釈尊がどのように生命から生命へとさまようのを見たのかが記述されています。

「cutūpapāda」は、死を表す「cuti」と誕生を表す「upapāda」に由来します。

したがって、cutūpapāda ñānaは転生プロセスに関する智識です。

しかし、これは、31領域における誕生と死ではなく、単一の人間のbhavaにおける出生と死亡とその間のgandhabba状態についての智慧です。

つまり、「私たち人間が見ることができる世界」と「私たちが見ることができない冥界para lōka」との間を行ったり来たりして前世の体験を確認していました。　

瞑想とbhava

領域や界や住処のことをパーリ経典ではbhavanaといいます。

31領域というのは、同じようなエネルギーの集合体の区切りが31あるので、各々の生命体（メンタル体）の意思、イメージ化、言動によって、これらの領域のいずれかにエネルギーが積み重なるので、長い輪廻転生の中でいずれかは、その枠内が充満して、その領域に転生することになります。

私説では

瞑想のことをbhavanaと呼ぶのは、仏教以前の瞑想とは、特定のbhavaに転移することを目指す実践のことを指していると想います。

しかし、仏教の瞑想の実践はbhavaからの離脱なので、

bhavanaを解釈する時に、bhava＋naの、naを否定やどこにもないことを表すとして、瞑想することでbhavaのないところ、すなわち涅槃を目指す行為と理解したのではないかと想います。

しかし、瞑想には色界のbhavaにエネルギーを充填させるものもあるので、naを否定形とは取らずに、そのままの意味である「領域」と考え、望む領域を目指すための行為として理解するのかもしれません。

31領域のメンタル体　　輪廻転生

この世界には31の存在領域があります

すべての領域の構成要素の基礎はdhammaと呼ばれる普遍エネルギーです。

この密度の具合によって領域が31に区分されます。

密度が低い方から高い方に順番に構成要素の単位の名前をあげると、

Dhamma、gati（kalapa）、bhūta、dhātuとなります。

これが無色界、色界、欲界に対応しています。

現代の霊と魂、spiritとsoulの定義は、下記の表とは違い、物質ではないもの全体を指すこともあるので、言葉の概念を混同しないように宇宙学や物理学にも対応させて表にしてみました。

31領域	仏教用語	日本伝統	英語伝統	構成要素	宇宙学	物理学
0	涅槃			nibbāna	絶対零度	エネルギー0
28〜31	無色界	霊 魂	spirit（God）soul	Dhamma gati	ダークエネルギー	斥力
12〜27	色界	心	mind	bhūta	ダークマター	重力
6〜11	欲界の天界	気、八百万神	sublte　body	細かいdhātu	物質エネルギー	素粒子
5	欲界の人界	体	body	粗いdhātu	物質	物質
１〜4	欲界の苦界	地獄	hell	粗いdhātu	ブラックホール	高密度物質

一般的な日常生活では上記のような階層を考えずに暮らしているので、

心　　　　　心の中にただ思い浮かぶことを表現する広い概念

魂　　　　精神を司る精気を指し、死に際しては、「魂」は上昇して天に帰し、「魄」は屍が地下に埋葬される

霊　　　　五感を超越した感覚（第六感）で感じられるいのち

精神　　　　心の中の「方向性」や「意思」を伴った時にのみ使われる狭い概念

mindは理性的な心。思考・認識・判断・意志などにつながる心のあり方や精神を指し、

heartは感情的な心。感情・情緒を感じる心を指し、

soulは魂が宿る心。アイデンティティなどに関わる心の深い部分のことを指し、

spiritは霊的な心。心に宿る高次の精神や魂のことを指し、

て使っています。

「霊」（れい、たま）は、すぐれて神妙なもの、神、こころ、など、多様な意味を持っている[4]。 また、そこに何かいると五感を超越した感覚（第六感）で感じられるが、物質的な実体としては捉えられない現象や存在（聖霊など）のことを指すこともある。

「魂（こん、たましい）」の方は、精神を司る精気を指し、肉体を司る「魄」と対比されている[4]。[注釈 1]また、人の死に際しては、「魂」は上昇して天に帰し、「魄」は屍が地下に埋葬されるのにともなって地に帰すると考えられた。

31領域のbhavaの終わりとメンタル体のそれぞれの特徴

cuti-patisandhi（あるbhavaのエネルギーが枯渇した時）の瞬間に起こるメンタル体の特徴があります。

たとえば人間から色界や無色界の生命体になる時に、あるbhava（存在）は別のbhava（存在）へ移行します。

例外なく、それぞれのcuti-patisandhi の瞬間に、新しいbhavaの寿命となるカルマ・エネルギーによって新しいkammaja kāyaが生成されます。

kammaja kāyaとはメンタル体の核となる設計図機能と生命機能を司る構成要素のことです。

すべてのkammaja kāyaにはマインドであるhadaya vatthuがあります。（その質は領域によって異なります。）

異なる領域による「カラダ」のタイプ

31領域のほとんどの生命体は信じられないほど少しの物理的身体しかありません。

16色界 rūpa lōka領域と4 無色界arupa lōka領域にいる生命体のメンタル体は原子の10億分の1未満です。

それらは「エネルギー体」もしくは、エネルギー・パケットとして考えられるかもしれません。

31の領域のすべての生命体は、マインドhadaya vatthuの微細なエネルギー体です。

無色界生命体arupavaccara brahma領域では、hadaya vatthuのみがあります。

色界生命体rupavacara brahmaの領域では、hadaya vatthuにcakkhuとsōta pasāda rūpaが付いています。

他の天界以下のすべての領域では、5つのpasāda rūpaがhadaya vatthuとともにあります。

唯一の例外は22番目にある無想天asaññaの領域です。ここでは、kāya dasakaのみがjivitindriyaによって維持されます（思考が生成されないため、hadaya vatthuはありません）。

密度の高い体を持つすべての存在は、欲界kāma lōkaの11の領域にあります。

欲界の上位にある6つのdevas領域は、人間に比べて密度がはるかに低い体なので肉眼では見ることができません。

cuti-patisandhi （死と再生の間）の瞬間に起こる決定的なことは、重力エネルギーにもならない小さなgatiレベルのkammaja kāyaが生成されることであり、これには新しいbhavaの青写真（設計図）が含まれていることです。

「出生」のメカニズムは、大きく3つのカテゴリに分類できます。

rupi およびarupi領域（上位20領域）の生命体brahmasは、いくつかのsuddhātthakaサイズの「物質的要素」以外はほとんど何もなく、瞬時に生まれます。

生命体の主な特徴は、自発的に領域で生まれ、死ぬまで非常に長くそこに滞在することです。

それから、次のcuti-patisandhi の瞬間には、その生命体は新しいbhavaに転生します。

brahmasと比べると、（欲界の）6つのdevas領域では、私たちのような明確に密度のある肉体（karaja kāya）があることです。しかし、それらの体は人間の体（āhāraja kāya）と比べると密度が低く、たとえ彼らが目の前に立っていても、それらを見ることができません。

天人devasは、16歳に相当する体で生まれ、食物はamurthaと呼ばれる飲料です。出典？

devasは私たちのような５感覚の能力をすべて備えており、欲界kāma lōkaにある最適な感覚の喜びと言われています。

彼らはまた、死ぬまでそのbhavaを生き、そしてcuti-patisandhi の瞬間に新しい生命体（bhava）に移行します。

したがって人間と動物以外の他のすべての領域では新しいbhavaへ移行とjātiは同じことを意味します。

これらの領域では、bhavaは自動的にjātiとなります。

たとえば、deva のbhavaを持つものは常に同じdevaです。

最下位の4領域は苦界apayasと呼ばれます。

最下層はniraya（地獄）であり、私たちのような完全に密な肉体が瞬時に現出します。

彼らは絶え間ない切断、燃焼、およびその他のさまざまな形の拷問を受けます。

彼らは数え切れないほど死にますが、ただちに生まれ変わります。

彼らはbhavaのカルマ・エネルギーが（通常何百万年後に）使い果たされた場合にかぎって、次のcuti-patisandhi の瞬間に出会うことができます。

pretas（peta）領域の存在も瞬時に現出し、微細もしくは密な体を持ちます。

際立った特徴は空腹による苦しみです。

asura領域の生命体は、非常に不活発な巨大な身体を持ちます。彼らもまた瞬時に現出し、次のcuti-patisandhi の瞬間まで悲惨な生活を送っています。

一番複雑なのは動物と人間の領域です。

理由は他の領域の生命体は、gatiやbhūtaによって体が構成されているのに対して、人間と動物の体は惑星（地球）の物質によって構成され、数日から100年ほどで肉体が崩壊するからです。

つまり地球の進化によって誕生した生命体であるからです。

ですからこの2領域は地球が若い頃には存在しないものでした。

地球史においては、その進化に伴い、動物の天人化が進みますが、体が地球の成分によって体が構成されているので、寿命のある肉体が消滅すれば、新しい肉体に転生していく必要があります。

2領域の転生における魂とDNA

不変の「魂」を持たずに生物がどのように転生プロセスを経ているのでしょうか？

転生前と転生後の2つの人生では、常に変化はしていますが、個人的な特性であるgatiは共通しています。

gatiとは魂、心、体レベルの回路のことです。設計図、自動反応回路、アプリ、などいろいろな名称があります。

記憶は徐々に消え去り、肉体は両親のDNAの影響が強いので、継続されるのはgatiと呼ばれる感覚や感情や思考のパターンなので、転生して新しい時代と環境に適応することで、新たなTPOに対処する仕方や判断の仕方などが変わります。

gandhabbaの未来は、そのgati、つまりこれまでに作成したカンマの種（kamma bija）によって決まります。

過去の体験を因果関係にした回路のことです。

事故や病気や老齢で死亡などの、どのように死ぬかは問題ではありません。

死んだ場合、gandhabbaはすぐに死体から出てきます。その後、（事故の場合には可能性が高い）人間のbhavaにカルマ・エネルギーが残っている場合、適切な子宮を待機することになります。

しかし、人間のbhavaのカルマ・エネルギーを使い果たした場合には、その時にcuti-patisandhiが起こり、新しいbhavaに移行します。

devaになる場合には、対応するdevaの世界にすぐに天人devaとして顕出します。

動物になる場合には、転生する動物のgandhabbaが死体から出現し、適切な子宮が利用可能になるのを待たなければなりません。

人間と動物

仏教では、この宇宙を31のエネルギー領域に区分し、生命流動体は、体験する因果関係によって、姿かたちと性質を変えて、これらの領域の間を旅し続ける、と考えます。

これが輪廻転生です。

この各領域に転生する行き先はこれまでに体験した習慣と渇望の回路が集積したエネルギーによって決まります。

各自の魂（回路）の波動がエネルギー領域の波動と共鳴することでその領域の生命体に転生します。

今の所の私説では、

カルマの種kamma bijaには3種類あり、どれも無色界のものですが、１つのタイプはスピンが生まれるプロペラのカタチをした無色界で機能するものと、もう一つのタイプは習慣と願望のパターンとなる色界で機能するものと、3つ目は欲界で機能する、感覚と感情と思考の自動反応回路です。

人間と動物の領域以外の生命体はbhavaがそのままメンタル体が完全な形成として顕現します。

これをパーリ経典ではopapatika、完全体による一瞬の誕生、と呼びます。

しかし、人間界と動物界では、肉体は数年から100年ほどで解体するので、１つのbhavaエネルギーの中で何度も転生することになります。　

たとえば、（非常にまれな出来事ですが）牛として何度も生まれていた生命体が「牛のbhava」が終わり、人間のbhavaに移行する例を考えてみます。

牛から人間への移行は、「人生ならぬ牛生」の最後のcitta vithiで起こります。

citta vithiとは17ステップある意思（心）の認識機能で、伝統的に「心路」と訳されてきました。

そのcitta vithiの終わりに、人間のgandhabba（メンタル体）が牛の死体から出てきます。

人間界と動物界のメンタル体のことをgandhabbaと呼びます。

そのgandhabbaは見ることのできない非常に繊細な体ですが、それは肉体の「設計図」でもあります。

しかし「粗い肉体の特徴」は新しい転生の親によって2/3が決定されます。

このgandhabbaは、適切な子宮に利用されるのを待機しますが、子宮を自分で決めることはできません。

適切な子宮が利用可能になると（つまり母親のgati（習慣・性格の回路）がgandhabbaのgatiに一致すると）、gandhabbaはカルマ・エネルギーによって子宮に引き込まれます。

このカルマ・エネルギーは受精卵なのか母親のものなのか？

母親のgatiと一致するメカニズムは？

今の所の私説では、母親のgatiの中にあるプロペラ型のエネルギーが普遍エネルギー（dhammaの膨張力）でスピンし、その波動に共鳴するgandhabbaのgatiと一体化するのではないか、と推測しています。

精子が子宮内の卵子と受精すると、受精卵と呼ばれる単一の細胞ができます。

しかしgandhabbaが子宮に入り、その受精卵に組み込まれるまで、そこに生命はありません。

gandhabbaが受精卵と融合するとはじめて「いのち」が生まれて胚になり、次に胎児になり、子宮から出るとgandhabbaにある設計図に従ってフルサイズの人間に成長していきます。

牛から人間の移行の際、牛の生命の最後の心路citta vithi にいくつかの非常に重要な変化が起こります。

もちろん、最大の変化は、新たなgandhabbaが動物のレベルではなく、人間のレベルのマインドを持つようになることです。ベースラインの「意識レベル」が変化しました。

cuti-patisandhiでの転移では、カルマ・エネルギーがvatthu dasaka、kaya dasaka、そしてbhava dasakaと呼ばれる3つの非常に細かいrupa を作成します。

これらについては後で詳しく説明しますが、マインドhadaya vatthu、肉体の青写真、そしてエネルギー体の３つの特徴があります。

説明が重複しますが、31領域のメンタル体をmanomaya kaya、動物と人間のメンタル体はgandhabbaと呼びます。

gandhabbaは実際に肉体をナビゲートする「ドライバー」のようなものです。

gandhabba の微細なボディは、物理的ボディのすべての重要な要素を基本的に持っています。

suddhashtaka（最小エネルギー単位）までに凝縮していないレベル、凝縮したレベル、そしてもっと凝縮して、素粒子レベルもある「エネルギー集合体」です。

最初の例では、「牛のマインド」が「人間のマインド」に切り替わりました。

それはpatisandhi（死の最期の瞬間）に人間のbhavaを掴まえたからです。

つまり、心cittaが人間のbhavaを認識したからです。

しかし、この瞬間に何があったのかマインドは感知することができません。

この瞬間はbhavangaと呼ばれる、心路citta vithiの始めの３段階のことです。

１ 有分心 　　　　bhavanga 　　　　完全に寝ている段階

２ 有分動揺 bhavaṅge-calana　　　 動揺して心が動きはじめる準備をはじめる段階

３ 有分捨断 bhavaṅge-upaccheda 準備ができた段階で、有分心が捨てられ、捨断される

たとえば、ぼんやりと宙をじっと見つめていることがあり、誰かが「何を考えていたのか？」と尋ねられても、考えていたことを思い出すのが困難なことがあります。

このときマインドは主にbhavanga状態にありました。

私たちにはマインドを通り抜ける「実際の意思」がないときがあります。

現実に、私たちが完全に関与していると思っているとしても、マインドはほとんどbhavanga状態にあることが多々あります。

後に説明するように、マインドがデータを処理するのにかかる時間はごくわずかです。

5つの物理的感覚のすべてが外界に関するデータをノンストップで送信し続けたとしても、1秒間のデータをマインドが処理するのに100万分の1秒未満にしかかかりません。

つまりマインドは脳の処理よりも100万倍速いので、多くの時間はbhavanga状態である、ということです。

マインド（hadaya vatthu）自体は、5つの身体感覚からの情報を処理するため、そして「それらの感覚入力について考える」ために、citta vithiを開始しています。

さらに、citta vithiを開始して、肉体に言動をさせたりします。

この情報は意識の感覚器官である脳内のmana indriyaに伝えられ、mana indriyaは大脳と連携してこれらの指示を順番に実行します。

たとえば、マインドがある音に興味を持った場合、その音源に向かって歩くように身体を指示すると仮定します。

これを行うには、マインドは「光線電磁波システム」を介して脳内のmana indriyaに指示を瞬時に送信します。

mana indriyaはその情報を解読し、大脳の他の部分と連携して、電気と化学物質で伝達される運動神経系を介して、たとえば脚の筋肉に移動するよう指示を送ります。

電気と化学物質の動きは電磁波と比較すると遅いため、これらの身体の動きには時間がかかります。　

スピーチも同じ方法で行われます。マインドは情報を脳に送り、脳は声帯を動かして音を出します。

筋肉の動きがどのように音を発生させるかを示すビデオです。

３つのカラダと５つのカラダ

１つの生命流動体は、この世で、輪廻転生を繰り返します。

転生先には31の領域があり、そのたびに姿かたちが変わります。

そこで変化し続ける「いのち」を生命流動体、そして31領域での姿かたちをメンタル体と呼ぶことにします。

ただ人間と動物にはプラスαの肉体も持つので、体の数が増えることになります。

他の領域の生命体はmanōmaya kayaが「体」である

無色界と色界の領域では、manōmaya kayaのみが存在し、肉体はありません。

devas領域には物理的な身体がありますが、それらは人間の身体よりはるかに密度が低く肉眼では見えない分子レベルの物質エネルギー体です。

これらの領域には「opapatikaの誕生」というmanōmaya kayaがbhavaが変わった瞬間に顕現します。

bhavaのエネルギーが無くなり、次の領域に移行する時に、メンタル体は消え去りますが、メンタル体の持つ3つの構成要素は転生先の領域に移行して、そこで新たな姿かたちのメンタル体になります。

つまりメンタル体の姿かたちはなくなっても、そのエッセンスともいえる3要素は次の領域にも継続されます。

メンタル体の構成要素はthrija kāyaと呼ばれ、

３つ要素である、kammaja kayaとcittaja kāyaとutuja kayaの特徴を下の表で説明します。　　　　　

カラダ	機能	内容
kammaja kaya	「設計図」	vatthu dasaka　基本となる十法 hadaya vatthu　　マインドの基 4つのpasada rūpa　　微細感覚器官 cakkhu dasaka、sota dasaka、gandha dasaka、jivaha dasaka →五蘊を発生させる 10個のユニットとは、8個のsuddhātthakaと自転bramanaと公転paribramanaのモード bhava dasaka　　設計図の貯蔵庫 自分のgatiや性別やbhavaに関連する機能　　 カンマの種の貯蔵庫 kāya dasaka メンタル体のカタチの設計図 どのような体を構築するかを決定 cuti-patisandhiの瞬間に形成される
cittaja kāya	「知る」 意思の流れ 心の機能	意識エネルギー体 瞬間から瞬間を体験するもの
utuja kaya	カタチ オーラなどの 現象形成	メンタル体の姿かたち。 メンタル体の殆どのエネルギーはこのutuja kayaである。 kammaja kāyaとcittaja kāyaの両方によって生成される。 suddhātthakaが構成要素
物質界		ここより下は欲界
karaja kāya	物質エネルギー体	肉眼には見えない分子レベルの物質エネルギー体 天界の生命体と同じ密度を持つ体 嗅覚器官 （果物、樹木などから）香りを吸い込むことで「霧のような」体を構築 天人の体がgandhabbaより密度が高いのは、弱い味覚器官があるため 天人の体が動物と人間より密度が低いのは、強い触感機能がないため
āhāraja kāya	肉体	物質体　　　肉眼に見える物質レベル 強い味覚 強い触覚

gandhabbaとは生命体の肉体以外のものを指し、

それらはkammaja kaya（魂、コーザル体）、cittaja kāya（心、 メンタル体）、utuja kaya（ 幽体、アストラル体）karaja kāya（気、 エーテル体）の複合体になる。

	日本伝統	サーンキヤ	神智学	内容
kammaja kaya	魂	prakṛti	コーザル体	データ回路　カンマの種
cittaja kāya	心	chitta	メンタル体	思考回路
utuja kaya	幽体	Ahaṅkāra	アストラル体	形状回路
karaja kāya	気	manas	エーテル体	感覚回路
āhāraja kāya	肉体			DNA回路

Kammaja Kāyaが第1優先

31領域の生命体のすべてにあるのがkammaja, cittaja, utujaの３つの「カラダ」です。

天界生命体にはプラスαのkarajaで４つのの「カラダ」があります。

動物と人間にはプラスαのāhārajaで５つの「カラダ」があります。

karaja kāyaとは嗅覚器官、液体の消化器官、味覚、軽い触覚器官があるカラダです。

āhārajakāyaとは肉体のことで、固形物の消化器官、強い触覚器官があるカラダです。

メンタル体は外から見れば１つですが、内から見れば３つの構成要素があります。

構成要素は体よりも１段階抽象度が高いので、「体」に対して「カラダ」と表記することにします。

「カラダ」kāyaの基礎はkammaja kāyaです。

kammajaは「kamma」+「ja」に由来し、「ja」は出生を意味するので、kammajakāyaはカルマ・エネルギーによって生まれた体という意味になります。

cuti-patisandhi（最期の意識） の瞬間にbhavaの根拠となる「カンマの種」から次のbhavaが生じます。

cuti死去pati対　sandhi結合とは、死去の瞬間とつながる次のbhavaにおける誕生の瞬間のことです。

Kammajakāyaはそのbhavaの設計図です。

Kammajakāya の中のvatthu dasakaはマインドを構成し、

cakkhu、sotaのdasakaは、目、耳、に対応するメンタル界の「微細感覚器官」を構成し、hadaya vatthuの周りに配置されます。

人間と動物のメンタル体はプラスαで鼻、舌、身体に対応するメンタル界のgandha、jivha、 kāyaの微細感覚器官を有しています。

Cittajakāyaは、瞬間から瞬間を体験するもの、つまり意識の「知る機能」です。

cakkhu、sota、mano vinnanaの３つの意識で、見て、聞いて、意思を持ちます。

これらの意識は、kammaja kāyaに堆積された習慣（gati）、āsāvas（渇望）、そして新たな因果関係kamma vipakaに依拠しています。

嗅いで、味わって、触れて生まれる意識は欲界の生命体だけが持つものです。gandha、rasa、pottabba、

過去に作ったカルマ・エネルギーによる回路とそれらを介して習得した習慣と渇望によってのみ、考えが生じるのであれば、カルマによる回路は決定論的です。

それは、私たちはまるでロボットのようです。（または動物のような存在です）。

幸い？なことに、私たちはロボットや動物とは異なり、自分で考えて、運命（習慣と望み）を変えることができます。

誕生の直後に、kammaja kāyaはcittaja kāya（意思エネルギー機関）を生み出します。

そして、kammajaとcittajakāyaの両方が最小物質単位（suddhātthaka）が集積した rūpa（微細エネルギー）を生産し始め、すぐにutujakāyaと呼ばれる非常に軽い霧のようなエネルギー体を生じさせます。

たとえば、体を囲む「オーラ」もutuja kāyaの一部です。

この段階では、cakkhu、sota（人間と動物はghana、jivha dasakaも）は作成されています。

そして、人間と動物は香り（gandha 香+ abbha摂取）を吸入することで微細なkaraja kāya体も獲得し、

こうしてgandhabbaという名前になります。

したがって、gandhabbaには4つの「カラダ」すべてが含まれます（kammaja、cittaja、utuja、karaja）。

そして、gandhabbaは、自身の肉体（āhāraja kāya）と重なり合っています。

このgandhabbaは、適切な子宮を待つために数か月から数年にわたりそのままの状態でいるかもしれません。

そして子宮に引き込まれると、肉体āhāraja kāyaを作り始めます。

色界生命体の構成要素

色界生命体rūpa lōka brahmasはkammaja kāya（回路エネルギー）、cittaja kāya（意思エネルギー）とutuja kāya（微細形状のエネルギー）があります。

kammaja kāyaには5つのsuddhātthakaレベルの構成要素があります。

vatthu dasaka（マインド）と、視聴のために2つのpasada rupaとkāya dasaka（体の設計図）とbhava dasaka（カンマの種のエネルギー情報）があります。

人間のメンタル体と肉体

人間と動物のメンタル体は、苦界や天界や色界や無色界のメンタル体とは違う特徴があるので、gandhabbaと呼ばれます。

動物と人間が他の生命体との違いは、地球の物質から構成される肉体を持つことです。

その肉体の寿命は他の領域の生命体と比較すると極端に短いため、人間と動物は死ぬと、メンタル体（gandhabba）は滅びた肉体から出てきて、新しい子宮を待って、次はそこで肉体を育みます。

死とは肉体の死であって、メンタル体が作成したパターンと渇望は次代につながります。

またもう１つの人間と動物のgandhabbaの特徴は、他のメンタル体とは違い、香りを嗅いで吸い込むことでkaraja kāyaという密度の濃い体も取得することです。

しかし、他の領域のメンタル体と同様に、その体は物理的に何かに触れたり食べたりするのには十分なほど堅固さがありません。

子宮に「降りる」gandhabba　　　　　入胎から出産まで

男性と女性の性交は、子宮内に受精卵を作成します。

それから適切な子宮が利用可能になるとgandhabbaが子宮に降りて、受精卵をつかみます。

受精卵を待っているgandhabbaは通常、映画に登場する幽霊のように完全に成長した人間の大きさですが、受精卵に引き込まれて母親の子宮を通って入り、受精卵を掴むと同時にgandhabbaは受精卵のサイズに崩壊します。

gandhabbaは急速に回転し、hadaya vatthu、jivitindriya、bhava dasaka以外のすべてのカラダを失います。

つまり知る機能と命機能と回路情報だけになります。

こうして、現代科学の原子よりもずっと小さいsuddhashtakaレベルの大きさになり、母と父の結合によって形成された単一の細胞（受精卵）に付着して、融合します。

これを「okkanti（入胎）による誕生」と呼びます。

gandhabbaの機能は増え、karaja kāyaとなり、肉体（āhāraja kāya）は、その単一細胞（受精卵）から生じます。

Kammaja Kāyaのvatthu dasaka（基となる十法）はマインドを構成し、kāya、cakkhu、sota、gandha、jivhaのdasakaは、身体、目、耳、鼻、舌に対応する「メンタル微細感覚」を構成します。

5組のdasaka（kāya、cakkhu, sota, ghana, jivha）は、hadaya vatthu（vatthu dasaka）の周りに配置されます。

その後、子宮内の胎児が物理的発育を開始し、何週間にもわたって身体感覚と脳を形成します。

この間、目、耳、鼻、舌、そして神経系が成長します。

さらに、脳は発達し、これらの5つの物理的な感覚からの信号を分析する処理ユニットになります。

三蔵によると、視覚器官cakkhu indriyaとは肉眼だけでなく、脳内の関連する感覚野も含みます。

他の4つ（sota、gandha、jivha、kāya）の感覚器官indriyaについても同様です。

外部からの信号があった場合にはマインドhadaya vatthuの周囲にある5つのpasada rūpaを経由して認識されます。

gandhabbaの質量は母と父の受精卵によって形成された最初の細胞よりもはるかに小さいものです。

母親からの栄養で、その単一細胞（受精卵）は肉体の成長を始めます。乳児として生まれた後は、食物を摂取することで成人の姿かたちになるまで徐々に成長します。

gandhabbaの設計図に従って、肉体は成長します。gandhabbaは肉体に重なることで、一緒に拡張します。

たとえばgandhabbaは、肉体の物理的な神経系を覆うように微細な神経系があります。

子宮内の胎児の初期成長段階は、誕生の転生abhinibbatti　 [abhi強力な + nibbatti発生]の段階です。

manōmaya kayaの微細さ

平均的な人間の体重を約70 kg（70,000g）で、体容積は約70 Lだとします。

次に、かすかな霧の密度は、1立方メートルあたり約0.1 gですので、人体に相当する体積の霧の重量は約0.01gです。　

これは、ゴマ粒の重量は約0.002gなので、5粒の重量に相当します。

gandhabbaには、霧でできた人間の姿のような体がありますが、それよりも密度が低く、体重はごくわずかしかありません。

転生と自我とメンタル体

古いbhavaにカルマ・エネルギーがなくなると、

これまでに識viññānaによって作成された多くの「カンマの種」（エネルギー回路）の1つが「新しいbhava」に対して有効になり、その新しい人生のbhavanga（始めの意識）になります。

残りのカンマの種はすべて新しいbhavaに付き従うので、古いbhavaと同じ種として「gati」は残ります。

したがって、動物であろうと人間であろうと、転生した新しい生命には前世の人生とやや似たパターン（gati）と渇望（āsāvas）があります。

そのため、釈尊は「無自我」をて承認または拒否もしませんでした。

新しい人生は古い人生と同じではありません。しかし、変化しづけているとはいえ、過去のパターンgatiと願望āsāvasは次に伝達されていますので、完全に異なっているわけでもありません。

同様に、釈尊は「自己」という考えを承認も拒否もしませんでした。

メンタル体は、原因と結果（縁起）に基づいて時々刻々と変化し、時には領域さえも変える「生命流動体」です。

生命流動体はその特徴（gatiパターンとāsāvas望み）があり、それらは変化し続けるので、「変わらない自己」のような「変化しない魂」ではありません。

「変わらない自己」は存在しないので、釈尊は「自己」を承認することはありませんが、

その生命流動体には「特徴」はあるので、その特徴を「自己」と解釈するのであれば、自己を拒否することもありませんでした。

各自の言葉の定義が異なるので、物事を詳細に分析せずに言葉に影響を受ける人に対しては、自己があるともないとも言い表すことはしませんでした。

Mūlapariyāya Sutta (MN 1)

Kaccānagotta Sutta (SN 12.15)

Mahā Hatthipadopama Sutta (MN 28)

前世の記憶とcittaja kāya

転生してもcittaja kāyaも連続しているので、gandhabbaの意思の流れは続きます。

そのため、ある人が事故で死亡した場合、彼はしばらくの間死んでいることに気付かない可能性もあります。

たとえばその人が即座に交通事故で死亡した場合、死体から出てきたgandhabba、何が起こったのかを理解しようとして死体を見ているでしょう。

彼は家に帰りたくなり、その瞬間に家に移動して、家族に向かって叫ぶことを試みますが、もちろん彼らには聞こえません。

彼は家族に触れようとするかもしれませんが、彼は触れることができません。

そうして、gandhabbaが完全に何が起こったかを理解し、新しい人生を諦めるのに7日かかります。

これはまた、ある子どもたちが過去の人生を思い出せる理由でもあります。

cittaja kāyaが過去から次の人生に連続しているので、記憶として一時的に残っているからです。

しかし、私たちが何年も前の物事を忘れ始めるのと同じように、その子供たちも成長すると、前世の人生を忘れ始めます。現世でリアルな体験をしている中で、過去の人生を記憶し続けるのは難しいことです。

もう1つのポイントは、こうした転生話のほとんどが、事故で若くして亡くなった人たちのものであるということです。老年期に亡くなった人々の遺体から出てくるgandhabbaは、現世そのもの出来事を覚えていないことが多々あるでしょう。自分の生涯の記憶さえも覚えていないことがある程ですから。

なぜ変形した身体部分を持って生まれた人がいるのですか？

サリドマイドのように胎児の四肢の成長を阻害する作用を持つ鏡像異性体による影響の場合があります。

また、メンタル体のkammaja kāyaの設計図による場合もあります。

kammaja kāyaには「カンマの種kamma bīja」と呼ばれる、強い体験によりマインドによって作成されたパターンの回路が数多くあります。

このカンマの種は、条件が揃うと後にkammavipāka（以前のアクションが原因となるその結果）につながる「種」が無数にあり、その中には未来の「身体の設計図（青写真）」もあります。

したがって、転生した肉体にはすでに「組み込まれた」欠陥や傷があり、出生時や生活のさまざまな段階でそれらが出現する場合があります。

gandhabbaのkammaja kāyaの設計図には、身体器官の詳細もすべて含まれています。

この設計図に沿ってutujakāyaが形成されます。

過去の因果kammavipākaによって作成された「カンマの種」によって、一部の人々は身体に障碍を持って生まれます。

身体の肉眼に異常がなくても、たとえばkammajakāyaにcakkhupasādaがなければ、見る機能はないので、が盲目として生まれます。同様に、生まれつき耳が聞こえない人もいれば、両方とも機能しない人もいます。

それはgandhabbaにcakkhupasādaやsotapasādaがないためです。

たとえば、gandhabbaにcakkhu pasādaがあるのであれば、出産中に脳の視神経が損傷することがあっても、視力が回復する可能性はあります。

たとえば、癌の設計図があれば、条件が揃うと、人生の後期に発生する場合もあります。

これも一部の人々が障碍を持っている理由です。

しかし「種」は条件（水、土、温度、湿度など）が揃わないと発芽しないように、「種」があるからといって、結果につながるとは限りません。

健康な体、病弱な体、美しい体、醜い体を持つ人もいれば、また健康な人も突然死ぬかもしれません。

身体の設計図の種類やパーツの組み合わせは無数です。

gandhabba４つのカラダの詳細とメカニズム

カンマの種と自動反応回路から生じる苦しみ

肉体レベルだけではなく、メンタルレベルの「カンマの種」も無数にあります。

それらの「種」は因果kammavipākaのアプリとなって、さまざまな効果を誘発するように設定されています。

たとえば、絶え間ない「何かをしたい」という気持ちは、人によってさまざまなレベルで機能しています。

この「何かをしたい」という気持はメンタルが持つ渇望upādānaのことです。　

「したい」という気持ちに固執して、そこから離れないことなので、別名は執着です。

これは四聖諦の苦諦の真理とされる、苦しみの原因である五取蘊pancupādānakkhandhaのことです。

メンタルの中にある自動反応回路によって、特定パターンの反応を無意識の内にやり続けてしまうことです。

人間のkammaja kāyaの詳細　　その構成要素

cuti-patisandhi（bhavaの移行）の瞬間には、カルマ・エネルギーによってカルマの種の設計図に従って具象化が始まります。

そのすべての設計図はgandhabbaのkammaja kāyaにあります。

新しいbhavaのいのちはkammaja kāyaにある7つのdasaka（必須要素）から始まります。

7つのdasakaがすべての機能を決定する設計図です。

たとえば、肉体はkāya dasakaとbhava dasakaに従って成長します。

それに影響を与えるのが、母と父の肉体的な特性はDNAレベル（目と肌の色、大きさなど）です。

dasakaはどれも10個のユニットで構成されています。

それらのユニットはsuddhātthaka（8つの根源元素で構成されている）、つまり重力を持つ最小エネルギー単位。

をベースにしています。

すべてのdasakaに含まれているのが、jivita rūpaです。

これが「生命を維持」する核となります。

私説では、

jivitaエネルギーはプロペラのカタチをしていて、普遍エネルギーであるdhammaの膨張力によって、自転スピン（bramana）と公転（paribramana）が起こり、それが「いのち」の根元となります。

以下がkammajakāyaにある7つのタイプのdasakaです。

Vatthu dasaka（マインド、hadayaVatthuとも呼ばれる）：suddhātthaka+jivita rūpa+hadaya rūpa

Kaya dasaka（体感覚）：suddhātthaka+jivita rūpa+kāya pasāda rūpa

Cakkhu dasaka（眼indriya）：suddhātthaka+ jivitarūpa+ cakkhupasāda rūpa

Sota dasaka（耳indriya）：suddhātthaka+jivita rūpa+ sōta pasāda rūpa

Ghana dasaka（鼻indriya）：suddhātthaka+ jivitarūpa+ghānapasāda rūpa

Jivha dasaka（舌indriya）：suddhātthaka+ jivitarūpa+ jivhapasāda rūpa

bhava dasaka（bhava）：suddhātthaka+ jivitarūpa+ itthisもしくはpurisarūpa（身体の女/男の性質を決定）

itthiは女性の姿のことを表します。

purisarūpaは男性の姿のことを表します。

jivitarūpa、itthi、purisarūpa、および5つのpasāda rūpaは「物理的な粒子」ではなく、suddhātthakaの回転と振動のエネルギー・モードです。

これは素粒子のスピンや電子軌道の公転に類似していますが、大きさは10億分の１？ほどの微小です。

2つの神経系

不活性な身体を実際に制御しているのがgandhabbaです。

gandhabbaが身体を制御するために使用しているメカニズムは何でしょうか？

霧のようなgandhabbaには、物理的な神経系と重なり合っている「エネルギー場」のような「神経系」があります。

gandhabbaのutuja kāyaは、身体のすべてをメンタルレベルでコピーしたものです。　

喩えてみると、紙に鉄粉を置き、紙の下にある磁石を動かすと、粉塵粒子が反応する動きです。

同様に、gandhabbaがutuja kāyaを動かすと、身体はその動きに従います。

鉄粉が身体、磁石がutuja kāya、手がgandhabbaの喩えです。

重量のある体を動かすには多くのエネルギーが必要なので、マインド（hadaya vatthu）は脳と同期して、運動する筋肉に信号を送ります。

これらの筋肉を動かすエネルギーは、私たちが摂取している食物です。

gandhabbaの「磁気神経系」と脳の物理的（電気・化学反応）神経系の両方が、身体を動かすために必要です。

身体は痛み、病気、怪我を介して、環境と身体との因果関係kamma vipakaをマインドに知らせます。

現代医学で知られている物理的な神経系（電気・化学作用）とgandhabbaの微細な神経系（電磁波系）の２つが遠ざかり、「非同期」になると、私たちの肉体は不快感や痛みを感じます。

このSOSによって、意識は体を大事に扱うようになります。

２つの神経系の非同期は、1つのbhavaがgandhabbaを通じて複数の肉体に移転するメカニズムが要因です。

非同期していても、それを基準として暮らしていると、その非同期が習慣となりますが、瞑想を通じて同期しはじめると、これまでのズレている関係を同期するように移動させるので、それが痛みになります。

ですから２つの非同期を前提にして暮らしていた人が、ヴィパッサナー瞑想のフロー体験などで、２つの神経系が同期し始めると、身体はそれに合わせて移動しなければならないので、それが痛みになります。

瞑想において、完全に健康な人間であっても、ある姿勢を長く維持することができない理由は？

肉体の細胞の本能は細胞内外のエネルギー変換であり、マインドの本能は感知し続ける意識エネルギー変換であるためです。

しかし、マインドが一点（たとえば呼吸）にスポットライトを当て続けることで、細胞からの信号を遮断し続けることが可能になるので、姿勢を維持することは可能になります。

感覚認識のプロセス

認識のプロセスを日常的に表現すると、

目、耳、鼻、舌、身体は刺激を感じ、無意識の内に脳（中枢神経系）がそれを処理して、次にマインドが感知します。

科学的には、

脳が特定の時間間隔（おそらく約10ミリ秒）でデータを電気的、そして化学反応的に処理した後に、それらの信号は脳で電磁波に変換された波動がマインドに伝達されます。

化学シナプスにおける情報伝達

(1-6) シナプス前終末で神経伝達物質が開口放出される。

(7-12) 伝達物質はシナプス後部において様々な機序で情報伝達を行う。

メンタル体的には、

脳が五感覚器官を介した「情報のパケット」を処理した後に電磁波に変換して、波動信号は身体に重なり合っているいるエネルギー体（gandhabba）の5つのpasada rupaとhadaya vatthuに送信されます。　

たとえば「目」は単なる「肉眼」だけではなく、大脳皮質の視覚野も含みます。

大脳の視覚野からの信号をメンタル体のCakkhu pasādaが受信すると、その信号が隣りにあるhadaya vatthuに伝わり、17回の振動が起こるのを心路citta vithiと呼びます。

仏教の論蔵的には、

肉眼から脳に送信される電気・化学的信号は脳によって処理され、「光線（電磁波）」に変換されて、メンタル体のcakkhu pasadaに送信されます。

電磁波光線システムは三蔵Tipitakaではkiranaと呼ばれています。

するとcakkhu pasadaが振動し、5つのpasada rūpaに囲まれているマインドhadaya vatthuにその振動が伝わります。

pasada rūpaの 1回の振動により、hadaya vatthuは17回振動します。

これは寺の梵鐘を撞木で鳴らすと特定の回数の共鳴振動が生じるように。

1秒間に特定回数の振動があり、その数は振動の周波数と呼ばれ、特定の材料に対して決まった数になります。

したがって、hadaya rūpaのrūpaは物理的な粒子ではなく、振動様式（波動エネルギー）です。

それが17ステップの cittaで構成された心路citta vithiのメカニズムです。

citta vithiの各cittaは、hadaya vatthuの17回の各振動に対応しています。

この17の知覚ステップが、hadaya vatthuのhadaya rupa（振動エネルギー）の寿命です。

つまり、脳が送信した情報パケットは、hadaya vatthuによって受信され、17ステップの処理がされます。

pasada rūpaは4ステップ目のcitta（振動）によって完全に受信され、その心路citta vithiの残りの13のcittaがこの信号を処理します。

心路citta vithiにもいろいろな種類（五感、記憶、意図、瞑想）がありますが、5つの肉体感覚器官すなわちpancadvara（pancaは5、dvaraは扉）のいずれかによって開始されるため、pancadvarajjana citta vithi（五門引転心）と呼ばれます。　

この「情報処理」は、hadaya vatthu自身がさらに3ステップのcitta vithiを実行します。

マインドそのものによって始められたこのようなcitta vithiは、manodvara citta vithi（領受心と推度心）と呼ばれます。五感信号を心がコピーして、それに遠・近のタグをつけるプロセスです。

manoはマインド、dvaraは扉を意味します。

5つの pasada rupaのいずれかが、hadaya vatthuを揺らして信号を伝えますが、脳内の意思感覚器官mana indriyaからの信号は、五感覚器官からの信号とは違い、hadaya vatthuと直接に信号を交換します。

これらはmano rupaと呼ばれる波動はdhammaとも呼ばれます。

Dhammaには宇宙レベル、意識の構成要素レベル、概念レベルのものがありますが、このdhammaは意識レベルのエネルギーのことです。

脳内のmana indriyaがhadaya vatthuと交信が心路citta vithiになるので、このmanodvara citta vithiの振動数は12です。

たとえば、お茶を飲んでいると、友人についての想いが突然に頭に浮かぶようなことがあります。

これらの想いは、外界からの信号に関連づいたものかもしれませんし、夢のようにマインドの五蘊にあるデータがdhammaとして脳内の感覚器官であるmana indriyaに把握されたのかもしれません。

すると、意思識感覚器官である脳mana indriyaがそれらのdhamma 信号を処理して、さまざまなタイプ（アルファ、ベータ、シータ、およびガンマ）の電磁脳波に変換して、メンタル体のhadaya vatthuと相互伝達して、過去の記憶を再現したり、未来の計画を想像したりします。

いずれにしても、ある一瞬にhadaya vatthuと接触できるのは、6つの感覚信号のうちの1つだけです。

しかし、このプロセスは迅速であるため、何十億ものcitta vithiが「瞬く間に」hadaya vatthuを駆け抜けることになります。

このプロセス全体が、重なり合っている肉体とそれに対応する微細な「エネルギー体」であるgandhabbaの相互作用です。

17心刹那の内容　　　　5感覚器官からの信号がマインドで感知されるプロセス

有　＋　過　動　捨　五　眼　領　推　確　速　速　速　速　速　速　速　彼　彼　＋　有

17	仏教用語	パーリ語	内容
１	有分心	bhavanga	完全に寝ている段階
２	有分動揺	bhavaṅge-calana	動揺して心が動きはじめる準備をはじめる段階で「」
３	有分捨断	bhavaṅge-upaccheda	準備ができた段階で、有分心が捨てられ、捨断される
４	五門引転心	pañcadvārāvajjana	「目が覚めた」段階
５	眼識	cakkhuviññāṇa	視覚で知る　　視覚は五感覚の認識一例である
６	領受心	sampaṭicchana　　　　　 manodvara	情報を受け入れることで心が変わる段階 目に心が移動して、その反応のコピーを受ける
７	推度心	santīraṇa manodvara	近づきたいものか離れたいものかのタグをつける これはどんな振動なのかと推度する
８	確定心	voṭṭhabbana　五門 =意門引転心　意門 manodvārāvajjana	確定して分類する段階 「見たもの」を確定するのではなく、 「この直前の心（推度心）が推度したこと」を確定する。
９	速行心１	javana	走る、という意味 自分勝手に推度したものに感情や思考が走ってしまう。 入った情報によって心が走って、物事を判断する働き。 色声香味触意の電気信号エネルギーが、メンタル体の意識エネルギーの電磁波に変換されて、意思が始まる。 同じ振動が七回起きる。（九番目から１５番目まで）
10	速行心２
11	速行心３
12	速行心４		最強の速行心　　波の最高派
13	速行心５
14	速行心６
15	速行心７
16	彼所縁心１	tadārammaṇa	「味わい」彼所縁心は二回生起し、滅する 大音量を聞くと、その後もしばらく残響するはたらき。 コンデンサーのような働き　　有分心ではなく、異熟心 信号が強い時にこのはたらきが起こる。
17	彼所縁心２	tadārammaṇa	「きれいな花だなあ」と感じたなら、感じたのは速行心で、 その後に残る「味わい」みたいなもの。「ああよかった」とか、「ああ嫌だった」とか、ちょっとホッとしたりフッと気が抜けたりする瞬間が生まれる

身体が感覚データを取得する時間（10ミリ秒の時間）と、citta vithiが10億分の1秒以内にその情報を処理するマインドとの間に大きな違いがあります。

五感が継続的にデータを送信し続けたとしても、ほとんどの場合、マインドはすぐに処理を終えてしまっているので、「ただ座っている」だけです。

たとえば、脳が目からデータをノンストップでマインドに送信し続けているとします。

各「パケット」の送信には約10ミリ秒かかるため、1秒以内に100個の視覚「データパケット」が脳に入ってきます。

もし脳処理が全開であれば、5つの感覚器官からデータパケットが送られると仮定すると、1秒で100×5で500個のデータパケットが送られることになります。

この大量のデータパケットも、マインドは1つの「データパケット」を10億分の1秒以下で処理するため、すべてのデータの処理をするには100万分の1秒以下になります。

このような情報処理のスピードのギャップの中で、hadaya vatthu（マインド）とmana indriya（心の感覚器官である脳）は（両通行で）相互作用しています。

特に、感覚入力に応じて身体をコントロールする場合は、hadaya vatthu がmana indriyaに指示を与えます。

したがって、ほとんどの場合、マインドはただそこに座っているだけであり、これはマインドのbhavanga状態と呼ばれます。

最期の人生の最後のcitta vithiのpatisandhi（転生）の瞬間に、マインドは実際に頭に浮かんだ対象物を掴みます。

つまりその掴んだものが転生先のbhava領域となります。

この転生の場合ではBhavanga（「bhava」枠内のエネルギー+「anga」関連する）とは、新しい転生先の心の一番はじめの状態のことです。　

眼球が自分自身を見ることができないように、マインドはこのbhavangaを見る（知る）ことができません。

これがマインドそのものであり、マインドの限界です。

メンタル体が肉体の内部にある場合は、目と耳の肉体的感覚の助けなしでは見たり聞いたりしません。

同様に、メンタル体のマインドは脳の助けなしでは「考える」ことをしません。

これが、6つの感覚すべての効率が時間とともに低下するのは、物理的な身体機能が低下するためです。

私たちが年をとるにつれて、目、耳、鼻、舌、体、および脳の6つの身体感覚能力すべてが低下し、最終的にはその機能効果を失います。

gandhabbaの待機する場所　　　冥界Para Lōka

生命流動体が「人間のbhava」を得たとしても、その間ずっと人間の体で生まれているとは限りません。

たとえば、人が死んで人間のbhavaにカルマ・エネルギーが残っている場合でも、すぐに人間の胎児に転生されることはほとんどありません。

死に際し、gandhabbaが死体を離れ、適切な受精卵に「吸い込まれる」までその状態で待たなければなりません。

これが母親と父親がとても尊敬される理由の1つです。

たとえ彼らがどんなにひどい性格でも、gandhabbaが人間の体を持つことを可能にしたという事実が、彼らはかけがえのない存在です。　

人間と動物のgandhabbaは、「para lōka」に住んでいると言われています。

para lōkaから私たちを見ることができるにもかかわらず、こちらからは見ることができない世界です。

para lōkaに対応する英語の単語はありませんが、「冥界netherworld 」すなわち「隠された世界」です。

para lōkaは、31の領域の中で明確な領域はありません。 人間と動物の領域が共存するように、para lōkaは人間と動物の領域と共存しますが、（abhinnaの力を開発しない限り）通常ではpara lōkaの生命体は見えません。

gandhabbaは、gandhabbaの代わりにtirokuddaもしくはtirokuddayaと呼ばれることが、Khuddaka Nikaya小部のTirokudda Suttaで説明されています。

人の死後、比丘に特別な捧げ物（dāna）を与えることの背後にある考えは、主にgandhabba（およびpretas）の利益のためです。これは仏教諸国では一般的な慣行です。

通常、それは死後7日後、3か月後などに行われます。

gandhabbaは（他のすべてと同様）時間とともに変化します。

実際、gandhabbaが贈与（dāna）からメリットを適切に受け取ると、devasもしくはbrahma bhavaを獲得し、そのような領域で即座に生まれることも可能です。

一方、前世の人間の生活の中で（たとえば犬などの）動物にふさわしい行動をしていた人のgandhabbaは、para lōkaにいる間に、犬のsañkhāraを育み、ゆっくりと犬のgandhabbaに転変することも可能です。

これらの可能性を考えると、私たちの行動の結果に留意する必要があることが理解できます。

不変の魂の正体はgandhabba

もう一つの興味深い推論は、古代のヒンドゥー教のヨギによって魂すなわちāthmaの概念がどのように確立されたかです。

前世の人生を見る能力を身につけることを可能にするより高い色界禅定（第4禅定以上）を達成するためには、前世の生活を通して禅定を育てる「gati」を持たなければなりません。

したがって、このような強力なabhinnaの力を持つヨギは、人間の前世があったことが推測され、このようなヨギは、何百回も人間として生まれた可能性があります。

以上のことから推測すると、こうしたヨギが、ヒンドゥー教が不滅のāthmaすなわち魂であると思ったのは、このgandhabbaのことです。

ヨギらは何百もの人生を振り返り、彼らが人間として何度も生まれてきたことを見ることができました。

したがって、ヒンドゥー教の聖書Bhagavad Gitaでは、新しい体をつかむことは、古いスーツを捨てて新しいスーツを着るという比喩を使っています。

ヨギたちは、異なる身体的外観で戻ってきた同じgandhabbaなので、不変の実体が別の形で戻ってくるように見えたのでしょう。

これが「再生reincarnation　　re再＋in中に＋canr肉体＋ation名詞」と呼ばれる理由です。

経典におけるメンタル体の記述

三蔵Tipitakaにはgandhabba状態は人間（および動物）のbhavaの特徴であるという記述があります。

（何百年も続く可能性がある）gandhabbaは、人間のbhava内で、人間としての誕生を何度も経験します。

転生物語には、与えられた肉体が死ぬと、gandhabbaはgatiが一致している受精卵の子宮に入るという記述が多くあります。

しかし、gandhabbaは「魂」とは異なります。

gandhabbaはその生涯を通じて変化し続けます。

さらに、人間のbhavaの寿命が終わると、gandhabbaは劇的な変化をとげます。

.第三仏教評議会で、Moggaliputta Tissa Thēroは、Mahāyānist（大乗仏教徒）との討論でantarābhavaがないことを証明しました。

antarābhavaとはチベット語ではbardo、漢訳では中陰あるいは中有と訳されています。

死者が今生と後生の中間にいるためantarā（中間の）bhava（生存状態）のことです。

antarābhavaは説一切有部の他には正量部において主張されていたが、インド仏教における通説ではなく、上座部、化地部、大衆部、一説部、説出世部では否定されていました。

現在のThervādins上座部仏教徒のほとんどは、２つの人生の間にあるgandhabba状態とはantarābhavaの状態であると誤って信じています。

中陰の期間には、7日、49日、無限定などいくつもの説があります。

死後7日ごとに法要を営み、四十九日を満中陰とするのもそれらの説に基づいて起こった習慣です。

その正しい解釈は、Tipitakaの論蔵第5論であるKathavatthu論事にあります。

gandhabba状態がantarābhavaであるという誤った信念の要因は、bhavaとjātiを区別できていないことです。

人間のbhavaは数百年または数千年も続くことがあり、多くの人間の誕生（jāti）はその期間中に何度も起こります。

死とjātiとの間にgandhabbaとして待機している状態はありますが、bhavaとbhavaの間にgandhabbaとして存在するようなことはありません。

誤謬は冥界Para Lōkaをantarābhavaと理解して、過剰一般化したことと、

patisandhi（転生）が子宮内で起こると信じることに起因します。

しかし、上記のsuttaにあるように、来世でのgandhabbaの成長はpatisandhi（転生）ではなくokkanti（入胎）であることは明らかです。

転生物語では、連続した人間の誕生（jāti）の間に（通常は数年の）「時間ギャップ」が常に存在します。

それらの連続した人生の間の時間は、生命流動体は肉体のないgandhabbaとして生きています。

gandhabbaは人間としての生活（jāti）の中でも、特定の条件下で肉体から出てくることがあります。

人間のbhavaの中では、そのカルマ・エネルギーがなくなるまで多くの誕生があるのでなければ、前世で死んだにもからわずか数年後に生まれ変わるという、すべての転生物語をどのように説明できるのでしょうか？

また、gandhabbaの概念（つまり、para lōkaの存在）を拒否することは、micca ditthi悪見になるので、SōtapannaやAnugamiになることができないと上座部仏教では伝統的に説かれています。

Suttasによる受胎の3つの条件

釈尊は、受胎が起こるために3つの条件がどのように満たされなければならないかを説いています。

Mahā Tanhāsankhaya Sutta (Majjhima Nikaya 38)

“..Tiṇṇaṃ kho pana, bhikkhave, sannipātā gabbhassāvakkanti hoti. Idha mātāpitaro ca sannipatitā honti, mātā ca na utunī hoti, gandhabbo ca na paccupaṭṭhito hoti, neva tāva gabbhassāvakkanti hoti. Idha mātāpitaro ca sannipatitā honti, mātā ca utunī hoti, gandhabbo ca na paccupaṭṭhito hoti, neva tāva gabbhassāvakkanti hoti. Yato ca kho, bhikkhave, mātāpitaro ca sannipatitā honti, mātā ca utunī hoti, gandhabbo ca paccupaṭṭhito hoti—evaṃ tiṇṇaṃ sannipātā gabbhassāvakkanti hoti. Tamenaṃ, bhikkhave, mātā nava vā dasa vā māse gabbhaṃ kucchinā pariharati mahatā saṃsayena garubhāraṃ..“.

「.. 比丘たちよ、子宮への降下は、3つの結合によって行われます。母親と父親の結合がありますが、母親の「時期」でければ、gandhabbaは存在しない場合は、胚子の降下は起こりません。次に、母親と父親の結合があり、母親の「時期」があっても、gandhabbaは存在しない場合には、胚は生じません。

以下の3つの条件すべてが満たされている必要があります。母と父の結合、母の「時期」、gandhabbaの存在です。それは胚の形成につながります。その後、母親は子宮内で胎児を大きな不安を負担としながら9ヶ月または10ヶ月間抱きます。・・・」

Assalāyana Sutta (Majjhima Nikaya 93では、

受胎が起こるためには、gandhabbaが母親の子宮に適切なタイミングで降りる必要があるという記述があります。それは両親の結合から数日以内に起こる必要があり、それは母親の「時期中」でなければなりません。

ここで、釈尊はAssalayanaに、先見者のAsita DevalaがMahā Brahmā brahmasの相続人であるという間違った見解をした7人のbrahmanāに質問をした様子が説かれています。Asita Devalaが尋ねた質問は次のとおりです。

「しかし先生、子宮が受胎しているかどうかを知る方法がありますか？」

「受胎がどのようにあるのかを知っています。両親の性交があり、それが母親の「時期」であり、gandhabbaが存在していることです。これら3つのことを組み合わさって受胎が生じます。」

「でも、gandhabbaが聖人なのか、バラモンなのか、商人なのか、労働者なのか知っていますか？」

「gandhabbaが聖人なのか、バラモンなのか、商人なのか、労働者なのかはわかりません。」

このようにgandhabbaの概念は、釈尊の時代には他のヨーガによっても受け入れられていました。

Maha Nidana Sutta (Digha Nikaya 15)

「意識には、nāmarūpaメンタル性＝物質性（メンタル・エネルギー）があります。

どうしてそうなのか、Anandaよ、このように理解されるべきです、

もしviññāṇaが母親の子宮に降りてこなかったら、nāmarūpa（メンタル・エネルギー）は子宮内で形になるでしょうか？」

「確かに、そうではありません、先生。」

「もし、降りてきたviññāṇaが去るとしたら、メンタル性＝物質性はこの存在状態に生成されるのでしょうか？」 「確かに、そうではありません、先生。」

ここでは、「子宮に降りるviññāṇa」とは、patisandhi citta（前世最期、今世最初の意識の瞬間）ではなく、manōmaya kaya（gandhabba）の下降を意味することは明らかです。

正確に言うと、gandhabbaのcittaja kāyaによる識viññānaです。

patisandhi viññāṇa（転生した意識の主体）は子宮から出られない（出て行かない）ことは明らかです。

Kutuhala Sutta (Samyutta Nikaya 44.9)で、Vaccaは釈尊に次のように尋ねました。

「ゴータマ師よ、bhavaがこの体をあきらめたが、別の体でまだ生まれ変わっていないとき、それはどんな食物を消費するのですか？」

「Vaccaよ、この体をあきらめたが、まだ別の体に生まれ変わっていないとき、それは「渇望」を食物にしている」と釈尊は説きました。

このようにgandhabbaが1つの肉体を離れ、まだ別の身体で生まれ変わっていない場合、gandhabbaはtanhā（渇望）によって支えられます。それはpiti（メンタル的幸福）を食物とするrupi brahmasに似ています。gandhabbaとrupi brahmasはどちらも微細なメンタル体です。

ただし、gandhabbaは匂いをエネルギーとして吸い込むので、brahamaに比べると密度が高いカラダです。

Sangiti Sutta (Digha Nikaya 33)では、gandhabbaが子宮に入る４つの方法が記述されています。

「子宮に入る4つの方法があります。

知らないうちに母親の子宮に降りて、そこに留まることを知らず、そこから離れます。それが最初のケースです。

別のものは故意に降りてきますが、知らないうちに留まります。

別のものは故意に降りて留まりますが、知らないままに離れます。

最後のものは、故意に降り、留まり、離れます」。

別のものとは、上記のMahā Tanhāsankhaya Sutta (Majjhima Nikaya 38)で説明されているように、子宮（gabbha）へのokkanti（gandhabbaの下降、すなわち入胎）です。

Sampasādanīya Sutta (Digha Nikaya 28)にもほぼ同じ説明があります。

最後に生まれた菩薩Bodhisattva は「故意に子宮に降り、留まり、離れる」という、前述の子宮に入る第4番目の方法です。

Mahāpadāna Sutta (Digha Nikaya 14)

「Vipassī 菩薩bodhisattvaはTusita領域を離れ、母親の子宮に意識的かつ故意に降りてきました。」

Tusita（兜率天）領域でのcuti-patisandhi の瞬間に、devasは死に、人間のgandhabbaとして生まれました。

そのgandhabbaは地球上の母親の子宮に入りました。　

ちなみに、このsuttaは、過去31のmahā kappa（大劫）の間に登場したGotama王を含む最後の7つのブッダを詳細に説明しています。

gandhabbaは、gandhabbaの代わりにtirokuddaもしくはtirokuddayaと呼ばれることが、

Khuddaka Nikaya小部のTirokudda Suttaに説明されています。英訳

Bija Sutta　Samyutta Nikaya 22.54では、

「比丘たちよ、Viññānaがrūpā 、vedanāya、saññāya、saṅkhārehiの不在下で存在し、成長し、転生時に動くことは不可能だと私は言います。」

したがって、Patisandhi Viññānaの子宮への降下には、gandhabbaのkammaja kayaにある5つの集合体（五蘊）すべて含まれている必要があります。

Viññānaはrūpa（重力エネルギー）なしでは決して存在できません。

無色界のbrahmasでさえ、hadaya vatthu(知る機能)は４大元素satara mahā bhutaで作られた最小重力エネルギー単位suddhāshtakaを持っています。

viññānaは色蘊rupakkhandhaを含む他の4つの集合体と離れてはどこにも存在しません。

Vibhaṅga Sutta (SN 12.2)

“jāti sañjāti okkanti abhinibbatti khandhānaṃ pātubhāvo āyatanānaṃ paṭilābho“

新しいbhavaのgandhabbaと肉体を作る時系列について、説かれています。

cuti-patisandhi の瞬間にbhavaにある「カンマの種」から、すべてのkāyaの基礎であるkammaja kāyaが生じる過程の話です。

コラム

輪廻転生とメンタル体

生まれ変わった経験がある話しをする人々の記述を研究するとき、死と出生の間には「ギャップ」が常にあります。

例えば、Ian Stevenson（2000）による「前世を覚えている子供：生まれ変わりの問題」を参照してください。

連続した人の誕生の間にある「ギャップ」の期間には、その生命体はgandhabba状態になって冥界para lōkaにいます。

事故により若い年齢で死亡した場合は「人間のbhava」のエネルギーが使い果たされていない可能性が高くなります。したがって、生命体はgandhabba状態にいる可能性が高く、転生するために適切な子宮を待つことになります。

これは、ほとんどの転生物語が前世で予期せぬ出来事（誰かによって殺された、自然災害など）によって終了する傾向が強い理由です。

この「過去の生活、すなわち前世の記憶」は、子供が成長するにつれて消えていくため、これらの記録を提供するのはほとんどが子供です。年をとるにつれて、これらの記憶は徐々に消えていくからです。

Antarāparinibbayi状態およびGandhabba

最初の7つのsamyōjana（枷、この世に縛り付けるもの）には、kāma rāga, rūpa rāga, arūpa rāgaが含まれます。これらの3つのsamyōjanaがなければ、kama、rūpa、arūpalōkaの31の領域のいずれかで生まれ変わることもなくなります。

人が死ぬと、gandhabbaが死体から出てきます。

その人が死ぬまでに7つのsamyōjanaを削除した場合には、そのgandhabbaは31領域のいずれかでbhavaをつかむことはありません。

しかしmāna, uddacca, avijjāの最後の3つのsamyōjanaはまだそこにあるので、その人はPari Nibbana（完全な涅槃）に到達することはできません。言い換えれば、gandhabbaは消え去ることはできません。

その後、その人のgandhabbaは、人間のbhavaのエネルギーがなくなるまでgandhabba状態のままになります。

それがAnatarāpainibbiyāniと呼ばれる状態です。

Anatarā中間の＋painibbi完全な涅槃＋yāni関係代名詞

その間、gandhabbaはPara Lōkaにいるのか？無色界の領域にいるのか？

体外体験（OBE）out of body experience

manōmaya kaya（gandhabba）のhadaya vatthu（マインド）は、身体の心臓と重なっています。

しかし、状況によっては、manōmaya kayaは肉体から分離することがあります。

それが「体外体験（OBE）」です。

通常、それはストレスの多い状況や、臨死体験（NDE　 Near Death Experience）や、心臓手術を受けているときに発生しますが、体外体験を自由に行うことができる場合もあります。

Anita Moorjaniの著作「がんから死に至るまで、真の癒しへの旅　Dying to be me: My Journey from Cancer, to Near Death, to True Healing」（2012年）は、彼女のOBEの経験を詳細に記述しています。

ジュラシックパークの有名な著者であるMichael Crichtonの著書「Travels」（1988、p。307）で、彼は「私の意識を私の身体から移動させ、寝室の周りを動かす」能力について言及しています。

「・・・私はそれについて何も考えていませんでした・・・誰でもできることだと思っていました。」

同様の「誰でもできる」と考えていた女性の記録が最近発表されました。

https://abcnews.go.com/Health/woman-body-experiences/story?id=22825927

もちろん、OBEに関する本はたくさんあります。

Pim van Lommelによる「Consciousness Beyond Life」（2010）は、心臓手術を受けている人々が経験したOBEの事例とその研究を詳細に説明しています。

またRobert A. Monroeは「Journeys of the Body」を含む一連の本は彼の経験に基づいて執筆されています。

manōmaya kayaすなわちメンタル体は、密度の高い肉体に重なる「エネルギー場」としてイメージできます。すべての重要な機能は、メンタル体で発生します。

意思はマインドhadaya vatthuで生まれます。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、および触覚の知覚を担当する5つのpasāda rūpa（cakkhu, sōta, ghāna, jivhā, kāya）はマインドhadaya vatthuの周囲にあります。

manōmaya kayaは、ある条件下で密度の高い肉体を離れることができます。

体外体験（OBE）の場合、gandhabbaが肉体を離れても、それはまだ肉体（astral projectionの用語で「silver cordによって）に接続されています、体が腐敗し始めないためです。

超常的な力（iddhi）を培ってきた人は、故意に肉体から出てくることができます。

以下に説明するように、心臓手術中に、一部の患者のmanōmaya kayaは肉体の外に出てきます。

これらのmanōmayakāyaは物理的な眼と耳を使わずに視聴覚機能があります。

それをイメージすることは困難ですが、夢の中で眼も耳も使わずに、見たり聞いたりするようなものです。

釈尊は、身体から分離したmanōmaya kayaの状況を、鞘から引き抜かれた剣、または皮をむいたヘビの状況と比喩しました。出典？

manōmaya kayaが身体から出ると体は不活性な丸太のようになります。それはまさに人が死んだときに起こる現象す。身体の活力は、manōmaya kayaが肉体から出た瞬間に消えてしまいます。

現在の上座部仏教

.第三仏教評議会で、Moggaliputta Tissa Thēroは、Mahāyānist（大乗仏教徒）との討論でantarābhavaがないことを証明しました。

その正しい解釈は、Tipitakaの論蔵第5論であるKathavatthu論事にあります。

しかし、現在のほとんどのThervādins（上座部仏教徒）は、gandhabba状態とはantarābhavaの状態であると誤って信じています。

なぜならば、現在の上座部仏教はTipitakaではなく、ブッダゴーサの清浄道論Visuddhimaggaを基準にしており、そこにはgandhabbaについての説明がないからです。

Visuddhimaggaで議論されていないため、多くの人々はgandhabbaやpara lōkaの存在すら知りません。

マインドのストレス

私たちは肉体およびメンタルはストレスにさらされていますが、それらに慣れてしまうとストレスがあることさえ気づくことができません。

心の安らかな生活を送ることで「重荷となる思考からマインドを解放する」ことで至るniramisa sukha（落ち着いた深い喜び）を体験し始めることができます。

禅定に至ると、これはさらに強化され、より高い禅定では、「身体からの分離」、つまり身体を「わたし」として扱わないことで、マインドのストレスは軽減します。

そして、その後のSōtapannaステージに至ることで、マインドのストレスは大きく減ります。

比較的健康な人もいれば、健康上の問題がある人もいます。もちろん、そのような問題を減らしたり、取り除く方法があり、健康な体に適した条件（健康な食事、運動など）を自身で作ることができます。

このようにメンタルも身体もこれまでの因果関係によって「事前に設計」されています。だからこそメンタルも身体も因果関係によって変化していくものであるので、考え方によって、「いま・ここ」に関わる生き方をすれば未来が変わります。

参考資料

大宇宙の構成要素と内的心理器官に関する創造原理

	宇宙マクロ	宇宙原理	宇宙具象化	宇宙我執	個ミクロ	内容
絶対者ブラフマン	Brahman				puruṣa ātman
根本自性	prakriti				prakriti
大	mahā ākāsh	時間 空間 方向
大なる実在原理 ３徳性guṇa	mahat mahat sattwa mahat jajas mahat tamas	実在 大善性 大動性 大暗性			sattwa jajas tamas
心素	chitta	大善性	宇宙心素samashti		心素 chitta
理智	buddhi	大動性	宇宙理智 samashti		理智 buddhi
我執	ahamkāra	大暗性	宇宙我執 samashti		我執 ahamkāra
微細知覚器官	jñānendriya		善性我執	５宇宙知覚器官samashti	５微細知覚器官	眼耳鼻舌身
意思	manas		善・動性 我執	宇宙意思 samashti	意思 manas
微細運動器官	karmendriya		動性我執	５宇宙運動 器官samashti	５微細運動器官	口語、手、足、排出、生殖
微細元素	tanmātrā		暗性我執	５微細元素	微細世界の万物
粗雑元素	bhūta				５粗雑元素	粗雑世界の万物

上座部仏教の９段階のcittaと宇宙創世

サーンキヤ	サンスクリット	内容	上座部仏教	説明
プルシャ	puruṣa	霊我　観照だけ	citta	変化のない実体　涅槃　出世間界
プラクリティ	prakṛti mahat	自性　 エネルギー	manō無色界	puruṣaが観ることで平衡が崩れて「空」なる根本物質が「有」として展開する
ブッディ	buddhi	「知る」根源状態	mānasam 阿羅漢はここまで	全体性機能　paññā
アハンカーラ	ahaṇkāra	自我、　認識	hadayaṃ	様々な階層の認識に分離していく saññāの生成と、それへの執着
	jñānendriya		paṇḍaraṃ	執着に多くのエネルギーを割当てる
	manas		manōmanāyatanam	対象に受容的or憎悪的になる心
	karmendriya		mānaindriyam	レベルの範囲内で力を強化させる
	tanmātrā		viññāna	智慧は除去され世俗的な欲求・渇望
	bhūta		viññākkhandō	愛着を強め、現在の状況を評価し、将来への新しい希望と計画

上座部仏教の論蔵にある9段階のcittaの変化プロセスもこの宇宙のコスモロジーと対応できるとおもいます。

citta、manō、mānasam、hadayaṃ、paṇḍaraṃ、manōmanāyatanam、mānaindriyam、viññāna、viññākkhandō

Brahman、puruṣa、parātman、ātmanの関係性を明確に説明する必要がある。

サーンキヤの修正点も加えるほうがわかりやすいかも

次に地球における個体の生命体では

真我purusha（ātman）によって

根本自性prakritiは内部の3徳性gunaのバランスが崩れることで、

善性sattwaからは心素chitta、

動性jajasからは理智buddhi、

暗性tamasからは我執ahamkāraが生じ、

我執ahamkāraにも3徳性があるので

善性我執からは微細知覚器官jñānendriya

善・動性我執からは意思manas

動性我執からは微細運動器官karmendriya

暗性我執からは微細元素tanmātrā

微細元素tanmātrāからは粗雑元素bhūta

に具体化して、生命体になった。

これを発生した意識の順序に並べ、現代用語での表現を試みると

真我puruṣa（ātman）	真我意識	観照するだけだが、唯一の実体
根本prakrit	根本意識	変化はするがエネルギーはない
空prakriti （sattwa、jajas、tamas）	真空意識	カタチはないがdhammāエネルギーの塊 ３つの徳性のバランスが崩れてエネルギー創出
心素chitta	全体性意識	善性　　　精神性に抽象度を上げる、
理智buddhi	分別意識	動性　　　知を使って１を２にする
我執ahamkāra	枠組意識	暗性　　　具象化することで抽象度を下げる dhammāの塊がgatiが構成される
微細知覚器官 jñānendriya	直観意識	微細エネルギーのレベルで差異を知覚する　　　 視覚と聴覚のみで、嗅覚、味覚、触覚はない
意思manas	共通意識	２つをつなげるために共通点にスポットライトを当てる
微細運動器官 karmendriya	運動意識	微細エネルギーと身体の連動を体感
個我jīva	統合意識	アイデンティ 分類をまとめて統合する
微細元素 tanmātrā                   　　　　　　　 仏教でいうbhūtaのレベル	概念意識	一般化、概念化、シンボル化する
粗雑元素 　　　　　　　 rūpaの中の細かいdhātu	潜在意識	パターン認識する
物質 rūpaの中の粗いdhātu	表層意識	差異にスポットライトを当てる５感覚器官と心の認識

これをヒトの誕生から具体化する流れでの表現を試みると、

真我意識　　受精の瞬間の意識　　エネルギーを持たない「いのち」そのものの意識

真空意識　　受精直後の意識　　　エネルギーをもつカタチのない根源意識

全体性意識　受精直後の意識　　　カタチはあるが、境界線がまだ確定されていない意識

分別意識　　細胞分裂後の意識　　外部（母体や自分の身体）の信号を体感する胎児

枠組意識　　外界と自分の意識との間に違いがあることを内胚葉の蠕動で認識しはじめる胎児の意識　

直観意識　　眼耳鼻舌身の感覚器官からではなく、微細な波動を直截に認識する胎児の意識

共通意識　　中胚葉（循環器系器官の波動）で同調することで対象と共通性を感知する胎児の意識　

行動意識　　自分の微細体と肉体がつながっていることがわかり、肉体を意識的に動かす胎児の意識

統合意識　　内胚葉/中胚葉/外胚葉が器官となり、信号の差異を把握して、それらをまとめて統合する新生児の意識

概念意識　　シンボリズム認識　　外界の信号をシンボルとして認識する乳児の意識

潜在意識　　パターン認識　　インプット信号に対応する自動反応回路で世界を認識する乳児の意識

表層意識　　「自分」という主体を基準にして、感覚器官を通じて外界からの信号を認識する幼児の意識　　

こうして自意識が発生し、概念（言語による一般化）学習もはじまる。

成長期は道具を使うことで概念が実在するものと思い概念的生物に育つ。

サーンキヤ	インド哲学	意識	ヒトの誕生	唯識派
パラアートマンparamātman	ブラフマン	宇宙意識		涅槃 絶対者
プルシャpuruṣa	自己 atman	真我意識 エネルギーを持たない意識	受精の瞬間	変化のない実体　　 観照するだけ
プラクリティ prakṛti	原質、自性	真空意識　　　 根源意識	カタチはないがエネルギーをもつ意識の原形	超感性的な根本物質自性エネルギー
chitta	心素	全体感意識	カタチはあるが、境界線がまだ確定されていない意識
buddhi	理智	分別意識	外部（母体や自分の身体）の信号を体感する胎児	様々な階層の認識に分離する 思惟機能　識viññāna 阿頼耶識　　　　知る根源状態
アハンカーラ Ahaṅkāra	我執	枠組意識　　 複数の波動で立体的に認識	内胚葉の蠕動で認識する受精数週間後の胎児	感覚器官と心による認識 自我意識 末那識
Jñānendriya ジュニャーネンドリヤ	五感覚器官	直観意識	微細な波動を直截に認識する胎児	意識
マナス manas	意	共通意識	中胚葉の波動で認識する 新生児	意識
カルメンドリヤKarmendriya	五行為器官	行動意識	自分の意識と体がつながっていることを認識する	手足性泄発声
ジーバjīva	個我	統合意識	信号をまとめて認識する
タマントーラ Tanmātra	五唯（五境） 五大	概念意識　　 シンボリズム　　 一般化、言語化	外界の信号をシンボルとして認識する乳児
粗雑元素bhūta　　　　　　　　　　　　 潜在意識		潜在意識　　 パターン認識	外界の信号がインプットされるとアウトプットが対応する自動反応回路で世界を認識する　乳児から幼児	前意識
物質rūpa		表層意識 こうして自意識が目ざめ、言語学習もはじまる。	「自分」という主体を使って感覚器官を通して外界からの信号を認識する幼児

この表層意識を頂点として暮らし、それを基準にしたままで死亡していくケースも多いが、

変化し続けている環境の中で暮らしていることに気づいた者の中には、生まれてきた意識を遡っていく賢人も現れてくる。

こうして、一般的な生活者と賢人と呼ばれる修行者の生き方によって、死生観に違いが出る。

表層意識　　感覚器官を通して外界からの信号を「自分」という主体を使って認識する日常生活の意識

潜在意識　　インプット信号に対応する自動反応回路で世界を認識していることに気づき、これを弱体化する

概念意識　　概念による過剰一般化によって世界を認識していることに気づき、それを弱体化する。

統合意識　　分析して統合するアイデンティティーによって世界を認識していることに気づき、それを弱体化する。

行動意識　　自分の意識が物質化することを認識し、物質エネルギー化してしまう意識を弱体化する。

共通意識　　他の生命体との共通項にスポットライト当てることで区別することを弱体化する。　

直観意識　　元素の基になる微細エネルギーを体感して、粗大エネルギーによる影響を弱体化する。

枠組意識　　知識は定義する（枠組み）によって世界を認識していることに気づき、それを弱体化する。

分別意識　　知は分別によって世界を認識していることに気づき、それを弱体化する。

全体意識　　「ありのまま」は分けずに直観よって世界を認識していることに気づき、それを弱体化する。

真空意識　　なにもない空間から時空の点が湧き上がる刹那を感じるのを待つ意識を育み、エネルギーと関わる意識を弱体化する。

真我意識　　時空とエネルギーを持たない元来の自分の意識に出遭う

次に、個体の「いのち」そのものの意識まで至った賢人の中から、「宇宙の意」（宇宙の生滅）まで遡る聖人が現れてくる。

宇宙微細運動器官karmendriya　　　　宇宙の動きを司る「意」を育む

宇宙微細知覚器官jñānendriya　　　　　宇宙の知覚を司る「意」を育む　

宇宙我執samashti ahamkāra　　　　　宇宙のエネルギー（ダークマター）を具象化する「意」を育む　　　　

宇宙意思samashti manas　　　　　　　宇宙のエネルギーを一体化（ダークエネルギー）する「意」を育む　　　　

宇宙理智samashti buddhi　　　　　　　宇宙の線引（次元）が集積されている「意」を育む

宇宙心素samashti chitta　　　　　　　宇宙の意識体が作ったnāmagottaが集積されている「意」を育む

大暗性mahat tamas　　　　　　　　　　宇宙の具象化する原理の「意」を育む

大動性mahat jajas　　　　　　　　　　　宇宙の固定化させない原理の「意」を育む

大善性mahat sattwa　　　　　　　　　　宇宙の「ありのままの光」の原理の「意」を育む

大mahā ākāsh時間・空間・方向　　　　　宇宙に多元の時空・方向性を仮設する原理の「意」を育む

宇宙根本自性prakriti　　　　　　　　　　宇宙のエネルギー生滅の根源の「意」を育む

絶対者ブラフマンbrahman　　　　　　　次元の異なる宇宙に遍くすべての存在の「意」を育む

に順番に至る

サーンキヤやヨガの段階に対応する唯識派や瞑想世界の領域を表にしてみると

唯識派と瞑想体験

サーンキヤ	漢字	唯識	瞑想	補足
パラアートマンparamtman	霊の複数形			涅槃 絶対者
プルシャpuruṣa	本来の自己 atman	観照するだけ	観る者	変化のない実体
プラクリティ prakṛti	自性	自性エネルギー	無明	超感性的な根本物質
チッタ chitta		阿頼耶識	無色界
アハンカーラ Ahaṅkāra	我執	自我、　認識 末那識		感覚器官と心による認識 自我意識
buddhi	理智、	知る根源状態	色界　空の瞑想 無形象唯識派　光り輝く	様々な階層の認識に分離する 思惟機能　　識viññāna
マナス manas	意	意識	空の瞑想　経量部
タマントーラ Tanmātra	五唯（五境） 五大	前意識	欲界　空の瞑想 有形象唯識派　対象あり
Jñānendriya Karmendriya	五感覚器官 五行為器官十根	眼耳鼻舌身 手足性泄発声

サーンキヤ学派はヨーガ学派と対になり、ヨーガを理論面から基礎付ける役割を果たしている。

根幹の教えの1つは

プルシャはプラクリティを観照することで物質と結合し、物質に限定されることで本来の純粋清浄性を発揮できなくなる。

そのため、「ブッディ、アハンカーラ、パンチャ・タンマートラ」の結合からなり、

肉体の死後も滅びることがない微細身（liṅga‐śarīra））はプルシャと共に輪廻に囚われる。

プルシャは本性上すでに解脱した清浄なものであるため、輪廻から解脱するには、

自らのプルシャを清めてその本性を現出させなければならない。

そのためには、二十五諦を正しく理解し、ヨーガの修行を行わなければならないとされた。

物質世界から自我意識が現れたのではなく、自我意識から五唯や五大という物質世界が現れた、とすることや

霊我（ブラーフマ）が複数形であるのもポイントである。

また、サーンキヤ学派は、夏目漱石に影響を与えたことでも知られる。

この学派では、涅槃[寂静、寂滅、輪廻の苦しみが絶たれた絶対的幸福とは、

プルシャ（自己）がプラクリティ（世界）に完全に無関心となり、自己の内に沈潜すること（Kaivalya、独存）だと考えた。

夏目漱石は、一高時代に井上哲次郎の東洋思想の講義を受講し、サーンキヤ哲学の講義を受けて深く感銘を受け、

無関心と非人情をテーマにした『草枕』を著したが、ヨーガ修行の実践のない夏目の解釈は「独存」よりも「無関心」になったと

小説の中では見受けられる。

賢人から聖人へ

	知識の7段階	バクティ・ ヨーガ	神智学	釈尊の時代	上座部 2AD	大乗 2AD	イエスの塗油の目的 部位と人物
1	光明への発願 シュベッチャー	プージャ 礼拝	誕生		預流		王位の授与 頭　　　ベタニア
2	探求 ヴァチャーラナ	ジャバ　 唱名	洗礼 ヨハネ		一来		聖婚　 足、男根　マグダラ
3	微差な心 タヌマーナサ	ディヤーナ 黙想	変容 タボル山	預流	不還		埋葬 頭、全身　マグダラ
4	自己実現 サトワーパティ	バーヴァ　 愛情	磔	一来	阿羅漢	空
5	無執着 アサンシャクティ	マハーバーヴァ 深い愛情	復活	不還		菩薩
6	対象物を認識しない パダールターパーヴァナ	プレマ　 愛	昇天	阿羅漢
7	超越　　神との合一 トゥリヤーガ		神になる ロゴスガタ